“VR元年”と謳われ、プレイステーションVRを筆頭としたVR関連コンテンツに話題が集中している東京ゲームショウ2016だが、最新技術を研究する分野では、視覚や聴覚だけではなく、触覚に働きかける試みも進んでいる。会場となった幕張メッセ・ホール3の“東京ゲームショウ&日本ゲーム大賞 20周年記念ブース”内にある“エンターテインメントの未来”ブースでは、その技術の一端を実際に体感することができるのだ。ここでは、そのうちの3つのプロジェクトの展示内容を紹介。わずかだが感想もお届けする。
全身触感スーツで触覚・視覚・聴覚を同時に刺激
<Synesthesia Suit VR>
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 Embodied Media Project
エンターテインメントの未来ブースでひときわ目を惹くのが、2016年10月13日発売予定のプレイステーションVR用ソフト『Rez Infinite』のために開発された全身触感スーツ“Synesthesia Suit(シナスタジア・スーツ)”だ。『Rez Infinite』がソニー・インタラクティブエンタテインメントブース以外で試遊できる場所でもあるので、目当てにしている人はこちらの混雑状況もチェックしておくといいだろう。
離れた場所のものを直に触れたような感触を味わう
<テレイクジスタンス>
東京大学高齢社会総合研究機構 舘研究室・慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 Embodied Media Project
遠隔地の人型ロボットを、自分の分身のように操ることができるシステム。災害支援や医療の現場での利用を目指して開発されたそうだ。ロボットには視覚や聴覚、触感や冷温感などのさまざまなセンサーが付けられている。わかりやすいところでいえば、離れた場所にあるものを直に触っているような感覚が味わえるなどするのだ。
<TECHTILE:触感デザインプロジェクト>
慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 Embodied Media Project・東京大学高齢社会総合研究機構 舘研究室
さまざまな触感を疑似的に伝えるシステムが集められたブース。テーマごとに独自のデバイスが開発されているのもおもしろい。触れれば思わず「おおっ!?」と声が出て、「こっちのはどんな感じだろう?」と全部試したくなる。体感してしまえばこんなに簡単なことなのに、高度な研究と技術が詰まっている。
物質転送? いえ感覚クローンです
<視触感クローン>
東京大学大学院 新領域創成学研究科 複雑理工専攻 篠田牧野研究室
離れた場所にある物体を、あたかも転送したかのように別の場所に再現するシステム。ふたつ並べて置かれているブースの片方を覗いて手を出すと、もう片方のブースから手の映像が出てきて、その手にハイタッチしたりできるのだ。この触感はブースの四方から発せられる空中超音波放射圧を活用して再現しているとのこと。さらにもうひとつ、空間上に仮想キーボードを投影し、キーボードの種類に応じてタッチした感触が変わるというものも体験できた。
VRと併用する楽しみが膨らむデバイスばかり。向こう数年での実用化に期待したい。これら記事で紹介したものをはじめとする体験ブースは、いずれもあらかじめ整理券をもらっておく必要がある。試遊方法はブースによって異なるので、詳しくは各係員にご確認を。
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