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『アナザーエデン』のストーリーが“あまりに良すぎる”ので布教させてほしい。8年かけて紡がれる長編3部作は壮大のひと言だし、伏線回収もえぐい。加藤正人が描くタイムトラベルからは懐かしくも新しいRPGの味がする

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「記憶を消してもう一度プレイしたい!」

それが、『アナザーエデン 時空を超える猫』(以下、アナザーエデン)のメインストーリー第1部を終えたときに思ったことだった。

新しい土地を訪れるたびに心はワクワクし、強敵との戦いに興奮を覚え、つぎつぎと明かされる事実に鳥肌がたち、描かれた家族の愛には涙が止まらなかった。スマホゲームでこんな体験ができるのか……と衝撃を受けたことを覚えている。

とはいえ『アナザーエデン』は2025年4月12日をもってリリースから8周年を迎えたゲームだ。いくらおすすめされても「8年前にリリースされたスマホゲームを今から始めるのもなあ……」と思う人もいるかもしれない。

気持ちはわかる。でもちょっと待ってほしい。

まず、本作は対人戦やマルチプレイ、ランキングなどの「ソーシャル要素」が排除されている。公式も「シングルプレイ専用」と謳っているくらいだ。そのため、スマホゲームながらも家庭用ゲームのような冒険を楽しめる作品となっている

加えて、実装されているイベント(ストーリーや戦闘)は期間限定ではなく、いつでもプレイ可能【※】。自分のペースでじっくりと楽しめる設計だ。

※一部のコンテンツ(コラボコンテンツなど)除く。

しかも……しかもだ。この8周年のタイミングで、初期構想にあったメインストーリー3部作の物語が、ついに完結を迎えたのだ

『アナザーエデン』のメインストーリーの執筆を担当するのは『クロノ・トリガー』や『クロノ・クロス』のシナリオを手がけた加藤正人さん。そしてストーリーの題材はタイムトラベルもの。「殺されてしまった未来」を救うため、過去・現代・未来と時空をかけた物語が展開されていく。

8年に渡って紡がれた物語は壮大のひと言だし、さまざまな世界を冒険する高揚感はたまらない。物語も怒涛のどんでん返しの連続で、とくにストーリーの終盤は鳥肌が立ちっぱなしだ。伏線回収も見事で、5年越しに仕掛けられた伏線もあるほど、綿密に作りこまれている。

本当に『アナザーエデン』のストーリーは素晴らしい。未プレイの人はもちろん、一度離れた人もこの機会に『アナザーエデン』に戻ってきてほしい! そんな気持ちで本作のストーリーの魅力を語っていきたいと思う。

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文/すまほエルフ
編集/竹中プレジデント

※この記事は『アナザーエデン 時空を超える猫』の魅力をもっと知ってもらいたいライトフライヤースタジオさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


「殺されてしまった未来」を救うため、過去・現代・未来と時を超えた冒険の旅へ

あらためてになるが、『アナザーエデン』の最大の魅力はメインストーリーである。

シナリオ制作を担当するのは加藤正人さん。しかもジャンルは「タイムトラベルもの」。期待しないほうが無理というものだ。

そして、『アナザーエデン』はそんな期待に応えてくれた。いや、それ以上の感動を与えてくれた。リリース時から、メインストーリーの第1部をまるっと実装。パッケージタイトル1本分くらいのボリュームと満足感があった

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光田康典さんのBGMを用いたOPムービーは冒険へのワクワクが否応なしにかきたてられる

本作のキャッチコピーは「殺された未来を、救けに行こう。時の闇の降る前に……」となっており、「殺してしまった未来を再び救けにいくこと」を軸とした深みのあるストーリーとなっている。

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主人公のアルドは妹のフィーネと共に平和な村で暮らす青年。ある日、村が魔獣王ギルドナに襲われ、妹のフィーネがさらわれてしまうところから物語がはじまる。

このメインストーリーが、本当にすごい!

まずは時空をかけることで得られる冒険の高揚感。未来、過去だけでなく、異世界にも切り替わっていくため、「次の舞台はどんなところだろうか?」という期待が膨らむ。新たな世界に足を踏み入れ、探索するときはワクワクが止まらない。

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アルド自身も窮地に立たされてしまうが、突然として出現した光の穴に吸い込まれ一命をとりとめる。しかし、気づいたら800年も先の未来の世界にいた。そう、アルドは未来に飛ばされてしまったのだ。
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未来で人々の手助けをしたアルド。しかし、突如として住人、街が消えてしまう。この「殺されてしまった未来」を救うため、アルドは過去・現代・未来と時を超えて奔走していくことになる。

次に伏線回収。ネタバレになるので詳しくは触れないが、メインストーリー第1部での伏線回収は鳥肌ものだった。

それだけでなく、この第1部でコッソリと仕込まれていた伏線が、リリースから5年以上経った第3部で回収されたりするのである。まさに目から鱗が落ちるような驚きを味わえる。

そして、目から落ちるのは鱗だけじゃない。涙もだ。家族の絆や仲間同士の思いなど、『アナザーエデン』で描かれる人間模様は愛に溢れている。感涙を禁じ得ない。涙が止まらなくなったプレイヤーも少なくないのではないだろうか。

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家族の愛も『アナザーエデン』でのテーマのひとつ。鳥肌が立ち、涙があふれて止まらない結末が待っている。

メインストーリー第1部は『アナザーエデン』の中でもとくに人気の高いシナリオだ。とくにストーリー終盤、怒涛のように明かされる衝撃の事実は圧巻だった。

筆者も最初にプレイしてからかなり時間が経っているが、そのとき感じた感動、驚きを今でも鮮明に覚えている。RPGを愛する者には、まずはこの第1部だけでもいいからぜひとも触ってほしい。

8年かけて紡がれてきた長編3部作が、ついに完結を迎える

『アナザーエデン』は運営型のスマホゲームなのだが、リリース前である10年前の時点から「3部作構成」で作ることを考えていたと度々シナリオライター本人の口から語られている。

メインストーリー第1部以降も、魔剣「オーガベイン」に関するストーリーを描いた1.5部「オーガ戦役編」、アジアモチーフの東方を舞台とした2部「東方異象編~時の女神の帰還~」と、テイストを変えて飽きさせずに楽しませてくれる。

1.5部はアルドたちが住む時代からさかのぼって3000年前の「オーガ戦役」の話がメイン。その当時は、雷心王が率いる人間の王国と、凶悪なオーガたちの激しい争いが続いていた時代である。

あらすじとしては、アルドの持つ魔剣「オーガベイン」が野望を持っており時空を切り裂いたため、「オーガ戦役」時代の人々とオーガたちが両陣営ともに、現代に転移してしまったのが始まりとなる。

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第1.5部では人間とオーガとの因縁の戦いが描かれる。

1.5部では、第1部で戦ったかつての敵との共闘や、魔剣「オーガベイン」がどうして生まれたのかの謎が明かされるなど、熱い展開となっている。

とくに剣の成り立ちについてはタイムトラベルのカラクリを上手く利用していて、なるほどなーと感心してしまった。

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第2部は東方編。巳の国イザナは日本のような雰囲気だ。

第2部「東方異象編~時の女神の帰還~」ではアルドの住む村が、突如、東方の国の支配下になったり、村で称えられている英雄像が「時の女神」のものになったりと、別時空からの影響が起きるところから物語が始まる。

村に現れた東方の旗が怪しいとにらんで、世界が書き換えられる前に、東方の大陸に向かい原因を探ろうと、舞台は東方大陸「ガルレア大陸」へと移る。日本や中国などアジアモチーフを感じられる大陸を舞台に、アルドたちは時空を超えて原因を探り、そして、世界の危機へと立ち向かっていくのである。

第2部で印象的だった部分は、第1部で描き切れなかった母と子のストーリーで、子を想う母の行動とその強さが強く心に残った。また、舞台が第1部、第1.5部のアルドたちの住む大陸から、一変したことでフィールドや音楽なども急に変わり、冒険感が増すのもこの部の印象といえる。

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第3部は2部までの過去、現代、未来と別軸のパラレルワールド「虚時層」が舞台。

そして、現在、話が進行している第3部では、アルドたちの世界に異時層の「時間帝国」が攻め込んできて、「虚時層」というパラレルワールドに飛ばされるという物語が展開されている。

この「虚時層」はアルドの世界とは大きく変わった世界になっている。なんと……そもそも人間が住んでないのだ。

第3部前編の世界の住人は「機人」。機械の体とアイアンハートを宿した生命体である。『アナザーエデン』独自のスチームパンクの世界観と言えるだろう。また、第3部の中編は「猫人」の世界、後編では「石華人」の世界とまたガラッと違った世界に変わる。読み進めれば進むほど物語に引き込まれていく。

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「虚時層」での機人たちの世界。
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第3部中編、アルドたちの世界の古代にあたる猫人たちの世界。
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第3部後編では鉱物モチーフの石華人の世界。植物に至るまで鉱物をあしらった特徴的なモチーフだ。

第3部の特徴は、何と言ってもパラレルワールドであるが故に、もう一人の「関係者たち」が現れる点ではないだろうか。

これまでアルドたちの未来世界で協力してくれた天才少女・セバスちゃんが大人の姿で登場したり、最序盤からずっと一緒にいた仲間であるエイミの別世界の姿が見られたり、そして、1部からずっと重大なテーマであるアルドに強く関わる「クロノス一家」も……。

また、じつは第1部から2部の登場人物の中で、この第3部の「虚時層」からきているNPC、それどころか仲間までもいたりするので、これには驚愕した。ほかにも、じつは……という衝撃の展開が多い。

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そして、リリースから8年のときを経て、初期構想の3部作が結末を迎える。いまこの瞬間が、本作のストーリーの最高潮なのだ。

まだゲームに触れたことがない方はもちろん、一度離れてしまった方も、ぜひこのタイミングで『アナザーエデン』の世界に飛び込んでほしい。

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ライター
江戸時代より古くから文化の変遷を見続けており、現在広く遊ばれるスマホゲームに強く興味を持っているゲーマーエルフ。ゲームの基盤としては『ダライアス外伝』、『バトルガレッガ』などアーケードシューティングに熱中しており、いくつか全一なども持っているほど。スマホゲームをはじめとした運営型タイトルは、「推しキャラを数年という長期間使える」ということで悠久の時を生きるエルフの大好物。吟遊的な種族でもあるため、音楽にもこだわりが強く、素晴らしい楽曲のゲームも好む傾向にある。
Twitter:@Hagre_Elf
編集者
美少女ゲームとアニメが好きです。「課金額は食費以下」が人生の目標。 本サイトではおもにインタビュー記事や特集記事の編集を担当。
Twitter:@takepresident

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