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『アナザーエデン』のストーリーが“あまりに良すぎる”ので布教させてほしい。8年かけて紡がれる長編3部作は壮大のひと言だし、伏線回収もえぐい。加藤正人が描くタイムトラベルからは懐かしくも新しいRPGの味がする

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じつは気合入りまくりな『アナザーエデン』のサブストーリー。しかも期間限定じゃなくいつでもプレイできる

『アナザーエデン』にはメインストーリー以外にも、「外典」や「外史」、「外伝」と呼ばれるサブストーリーが存在する。これらは、主人公であるアルド以外のキャラを中心とした物語が展開されるものなのだが、これがまた素晴らしいのだ。

メインシナリオを手がける加藤さんとは別のライターによって描かれるこれらのエピソードは、『アナザーエデン』の世界に深みと広がりを与えてくれている

たとえば「外典」では、西方、未来、東方の3つの地域に焦点を当てたストーリーが展開される。ここですごいのがそのボリュームだ。

なんとサブストーリーである「外典」のエピソードひとつで買い切りのコンシューマーゲーム1本分のストーリーが内包されているのだ。もちろんクオリティもすさまじく高い。

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「西方外典」の白い小動物・モケのかわいさにメロメロ。

筆者の個人的なお気に入りは「西方外典~剣の唄と失楽の翼~」。メインストーリー第1部をクリアすればプレイできるようになるため、ぜひとも触れてもらいたいエピソードだ。

星に見放された不毛の地「西方」で「神」を支えに生きる人々の物語。このサブストーリーの内容を受けて、新しくゲームシステム的にも新属性が加えられたほどに、「西方外典」は『アナザーエデン』の世界の根幹に関わる重要なストーリーとなっている。

ストーリーはもちろん、音楽も素晴らしい。とくに劇中で流れる重要な曲「エルの歌」は美しく、ストーリーを思い出し聴くだけで今でも涙してしまう

この「西方外典」のおかげで、『アナザーエデン』の沼にハマったというファンも多いと聞く。

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「西方外典」は背景アートのビジュアル的な美しさも際立っている。

また、2025年3月に完結したばかりの「東方外典~八千夜の咎とまつろわぬ刃~」も見ごたえのある作品となっている。

「東方外典」では、メインストーリーの主人公・アルドと彼の仲間である東方の剣技「普賢一刀流」の門弟であるシグレやシオンが、東方「ガルレア大陸」のパラレルワールドに転移してしまったことから物語が始まる。

アルドたちの世界では、人間の敵として「魔獣」など別の存在がいたが、この異世界では人間同士が戦争で争う残酷な世界で、彼らはショックを受けてしまう。そんな世界で生きる「東方外典」の主人公・センヤと、「巳の国イザナ」の領主の息子・レイメイの数奇な運命を描くストーリーとなっている。

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美しいスチル絵やムービーの挿入など演出面の強化も感じられる。

また、『アナザーエデン』はコラボコンテンツについても魅力的なものが揃っており、特徴的なこととしては多くのコラボが常設としていつでもプレイすることができる(※一部のコラボコンテンツは期間が定められている)という点だ。

そして、コラボコンテンツはもれなくストーリーがついており、コラボキャラは完全無料配布となっている。気になったコラボがあればそれを理由に始めるのもよいだろう。

ストーリーがいいということはもちろんキャラクターも魅力的

ストーリーがいいということは、そこで活躍するキャラクターたちに心が惹かれるのが自然な流れ。『アナザーエデン』には魅力的なキャラクターが多い。

本作には150人を超えるキャラクターが登場。毎年、公式で「キャラクター人気投票」が行われた際に届くファンレターの愛情がすさまじく、キャラクターに熱い思いを持ったプレイヤーも多い。

過去の人気投票の結果を見ると、とくに人気なのは主人公のアルド。計7回の人気投票のうち、5回は1位をとり続けるほどの人気っぷりだ

彼の持つ困ったことを放っておけない性格や、信念をもって戦い続ける強さ、そして無料配布にも関わらずしっかり育てれば最強キャラの一角となる性能も相まって、圧倒的な人気を誇っている。

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主人公が人気なゲームはいいゲーム。

また、2021年の4周年時に実施された人気投票ではアルドを抜き1位にランクイン、他の年でも上位にランクインしているチルリルは「西方外典」に登場するキャラクターだ。いかにもお嬢様といったキャラクターデザインで、元気で明るく、口癖が「なのだわ」なキャラクターなのだわ。

「西方外典」での活躍も目覚ましく、パーティをその天真爛漫な振る舞いで盛り上げてくれた。服の細部に至るまで制作陣の愛の詰まったキャラクターとなっており、大人気なのも当然なのだわ。

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2021年1位のチルリル。右下にいるモケも10位以内常連と大人気。

本作では、キャラクターを手に入れることで、専用の物語を読めるようになるのだが、このキャラクターストーリーについてもひとつひとつ丁寧に作られており、印象深いものが多い

ここではとくに人気の高いエニとメルピピアについて少しだけ触れさせてもらう。

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仲間のエニを突然、「様」を付けて呼ぶアルド。なにか様子がおかしい……。

吸血鬼のエニは今のところ本編での絡みはないものの、グローバル4周年記念で実装されたキャラクターで、圧倒的なサポート性能で今でも大活躍のひとりである。性能だけでなく、凝りに凝ったキャラストーリーも人気だ。

エニのキャラストーリーでは、本編主人公のアルドが様子がおかしく、普段は呼び捨てしているエニのことを「様」づけで呼んでいる。さらに、同じ日々をくり返しているような展開に、少しずつ違和感を抱いていくようになる……という内容となっている。

アルドがおかしくなっていた理由、エニが背負っていたものなど、先の読めない緊張感のある物語が展開される。感動的な結末も含めてとても人気のあるストーリーだ。

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数々の奇行をするメルピピア。猫ジャンプで観客を楽しませようとするも、じゃれつかれてしまう。

コメディ路線で印象的なキャラストーリーなのがメルピピア。未来が視えるエルフである彼女は外伝「伐竜姫譚」で活躍するキャラクターである。予測できない奇行をしたり、仲間に変なあだ名をつけたり、突飛な行動が目立つ。

キャラストーリーでも荒唐無稽な行動で笑わせてくれるのだが、油断して物語を進めていくと、奇行には深い理由があったことが明らかになる。ラストは感動的な展開になったり、ならなかったり?

ちなみに、『アナザーエデン』では、キャラストーリーを見たかどうか、そのキャラに関わるストーリーを経験したかどうかで、メインストーリー、キャラストーリー、サブストーリーそれぞれで細かいセリフ差分が用意されていることもある。素直に「マジか……」となってしまう。

戦闘や探索は王道RPG。隠しボスはバトルマニアも唸る難易度

ここまではメインストーリーやキャラクターについて紹介してきたわけだが、『アナザーエデン』はRPG。物語を読み進めるには当然、戦闘をこなしていく必要がある。

本作の戦闘システムはターン制のコマンドバトルが採用されている。バフとデバフを駆使することで、敵に与えるダメージが飛躍的に上昇するため、シナジーを考えて編成を組み合わせる楽しさが味わえる。

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戦闘はオーソドックスなコマンドバトル。

特徴的なのは画面右上のゲージを使用すると発動できる「アナザーフォース」というシステム。ターン制バトルであるため通常は1ターンの間には1度しか行動できないが、この「アナザーフォース」を使うと状況が一変する。

「アナザーフォース」を発動すると、右上のゲージが時間経過で徐々に減っていくのだが、このゲージが残っている間は「トランプのスピード」のような感じでコマンドを素早く入力していけば、同じキャラでも1ターンの間に何度でも行動が可能となる。

したがって、「アナザーフォース」発動中に、通常なら数ターンかかるバフデバフ一式を一気に整えたり、逆にバフデバフを整えた状態で「アナザーフォース」を発動して火力スキルで攻撃しまくることで1ターンでの瞬間火力を出したりと、パーティにあった戦略が展開できるわけだ。

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ある程度育成が進めばストーリーはサクサク進行できる。

一見複雑そうではあるが、ゲームのリリース当初に比べて、育成要素や装備関連が拡張され、実装されるキャラクターの性能も向上している。ストーリーを読み進める程度なら戦闘に自信がない人でも安心してプレイできる難易度設計となっている。

一方で、第3部以降と最近のサブストーリーでは、難易度設定ができるため、歯ごたえのある難易度を希望するプレイヤーも楽しめるようになっている。さらにストーリー進行上では必要ない隠しボスでは、頭を捻らないと勝てないボスも多く存在する。RPGの戦闘マニアも満足してくれるだろう。

そして、マップを自由に動き回って冒険できるのも『アナザーエデン』の楽しみのひとつだ。RPGといえばやはりダンジョンや街の探索だろう。

隠された宝箱を発見したり、仕掛けられたギミックを解いたり、冒険のワクワクを感じることができるのだ。

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美しいマップも数多く存在している。冒険中にスクショを撮るのも一興である。

また、第3部では「船」による移動も追加された。それに伴い「ワールドマップ」が追加され、それまで以上に広大な世界を冒険できるようになったのだ。船での旅……RPGファンにはたまらないものがある。

しかも、メインストーリーで訪れる場所はワールドマップの中の極一部。隠された冒険がワールドマップ中に散らばっているので、探索し甲斐があるというものだ。

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船で一気に広がる世界はRPG好きにはたまらない。

質の高いストーリーに冒険のワクワク感。苦戦した相手に勝利する喜び、自分で育てた仲間とともに歩む物語。『アナザーエデン』は懐かしくも新しいRPGの味がする作品だった

加えて、スマホゲームながらも基本的に期間限定コンテンツがなく、いつゲームを始めたとしてもほぼすべてのコンテンツを楽しめることができる。対人コンテンツもなく、完全に自分のペースで遊べるというのも嬉しい。

つまりどういうことか……?

今から始めても、1回離れた人が復帰しても、まったく問題なし!!! ってこと。

しかも今なら、初期3部作のフィナーレが描かれる、メインストーリーを堪能するなら絶好のタイミングだ。

2025年4月12日に8周年を迎えた『アナザーエデン』。一度離れてしまった人も、これまで触る機会がなかった人も、メインストーリー第1部だけでいいからプレイしてみてほしい! RPG好きならたまらない作品だぞ!!

©WFS Developed by WRIGHT FLYER STUDIOS

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ライター
江戸時代より古くから文化の変遷を見続けており、現在広く遊ばれるスマホゲームに強く興味を持っているゲーマーエルフ。ゲームの基盤としては『ダライアス外伝』、『バトルガレッガ』などアーケードシューティングに熱中しており、いくつか全一なども持っているほど。スマホゲームをはじめとした運営型タイトルは、「推しキャラを数年という長期間使える」ということで悠久の時を生きるエルフの大好物。吟遊的な種族でもあるため、音楽にもこだわりが強く、素晴らしい楽曲のゲームも好む傾向にある。
Twitter:@Hagre_Elf
編集者
美少女ゲームとアニメが好きです。「課金額は食費以下」が人生の目標。 本サイトではおもにインタビュー記事や特集記事の編集を担当。
Twitter:@takepresident

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