9月9日、高知競馬で113連敗を記録し、「負け組の星」としてブームを巻き起こした元競走馬のハルウララが、繋養先の預託牧場「マーサファーム」にて死亡していたことが分かった。29才だった。
「マーサファーム」公式の発表によれば、死因はセン痛。同牧場の宮原優子代表が、9日に「春うららの会」公式ブログを通して訃報を伝えている。
悲しいお知らせです。
— マーサファーム🍀 (@matha_farm_info) September 9, 2025
お知らせ&近況 – 春うららの会 https://t.co/0jSShhNfKY
ハルウララは1996年生まれの牝馬。高知競馬に所属していた現役時代、一勝もできないまま連敗を重ねた。その通算成績は113戦0勝であったが、ひたむきに走り続ける姿が「負け組の星」として注目を集め、全国的な人気を獲得。そのブームは社会現象となり、当時経営難であった高知競馬の存続にも貢献した。
高知競馬のヒロイン #ハルウララ が9月9日、疝痛のため29歳で亡くなりました。引退馬協会が発表しました。… pic.twitter.com/LpVq9pHfvG
— JRA-VAN公式 (@JRAVAN_info) September 10, 2025
「春うららの会」を設立し、同馬の引退後を支援してきた宮原代表は、訃報に際してコメントを発表。「最後の最後まで強情ワガママを貫き、らしさ全開でお別れしました」とハルウララらしい最期であったことを明かし、「これまで支えてくださった会員様、ファンの皆様 うーちゃんの馬生はきっと幸せだったと思います! 長い間応援していただき、ありがとうございました」と感謝の意を述べた。
9月9日、本作品でモチーフとさせて頂いておりますハルウララ号の訃報が届きました。
— ウマ娘プロジェクト公式アカウント (@uma_musu) September 9, 2025
関係者様にはお悔やみ申し上げると共に、偉大な名馬のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
また、ハルウララをモチーフとしたキャラクターが登場するゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』の公式Xアカウントも9日に声明を発表。「9月9日、本作品でモチーフとさせて頂いておりますハルウララ号の訃報が届きました。関係者様にはお悔やみ申し上げると共に、偉大な名馬のご冥福を心よりお祈り申し上げます。」と追悼の意を表した。
ゲーム『ウマ娘』に登場するウマ娘・ハルウララは、史実の戦績をモチーフにしていることもあり、いつでも連戦連敗。しかし、レースの勝敗にかかわらず常に前向きでひたむきなキャラクターとして描かれている。負けても笑顔を絶やさないその健気な姿は、多くのプレイヤーの心を打ち、「彼女にこそ初勝利を」「有馬記念を勝たせたい」と育成に励むファンが後を絶たなかった。
この現象は日本国内に留まらない。2025年6月に『ウマ娘』英語版がリリースされると、史実で一度も勝てなかったハルウララの物語が海外のファンにも広く知られるようになった。「才能はないが決してくじけない」その姿に心を打たれるプレイヤーも多く、海外掲示板などでは連日大きな話題となっていた。
何が起きているの?🧐
— 生牧草バンク公式 (@namabokusobank) July 11, 2025
ハルウララ
海外からうーちゃん宛ての生牧草バンクのご利用が爆発しています🥰
愛らしさ満点の馬たちを直接応援できる生牧草バンクという仕組みを実装できた事が、今を生きてくれている馬たちやこれから先の馬たちの未来に繋がることを目標に頑張ります😊💕…

その熱狂はゲームの世界を飛び出し、モチーフとなった実馬・ハルウララへの支援という形にも繋がった。引退馬に牧草を直接贈ることができるサービス「生牧草バンク」では、海外からハルウララ宛ての利用が爆発的に増加したことが公式に報告されていた。
また、実際に彼女を一目見ようと、はるばる牧場を見学に訪れる海外ファンの姿もSNSで見られるようになるなど、その人気は世界的な広がりを見せていた。
今回の訃報を受け、「春うららの会」のブログや、『ウマ娘』公式Xには、日本語だけでなく、世界各国の言語で追悼のメッセージが溢れた。その多くは、彼女のひたむきな姿に感銘を受け、「決して諦めないことの大切さを教えてくれた」という感謝の言葉だった。
アジアや欧米など、地域を問わず寄せられる無数のメッセージは、高知の競馬場でひたむきに走り続けた彼女が、時を経て国境を越え、世界的に知られる名馬となったことを改めて証明した。その愛された生涯に心より冥福を祈りたい。
【訃報 #ハルウララ 号】本日9月9日、サポートホースのハルウララ号(春うららの会)が永眠いたしました。享年29歳でした。ハルウララ号の冥福を祈ります。#引退馬協会 #引退馬ネットhttps://t.co/HI856cMw1d pic.twitter.com/i6tSpsCmL9
— 引退馬協会 (@rhainfo) September 9, 2025