声遊楽プロジェクトは3月9日、日本音響学会誌に「女性声優の演技音声における年齢・性別の表現と関連する音響特徴量」と題した論文を掲載したと発表した。
2025年11月に行われた対談のテーマ「女性声優の少年声」に関する知見も含まれており、X上では「女性声優ショタボイスの秘密が研究者によって学会提出されている」「ショタボイスの魅力がデータという形で解析されている」と話題になっている。
今月の音響学会誌に、声遊楽プロジェクトのメンバーが執筆した「女性声優の演技音声における年齢・性別の表現と関連する音響特徴量」と題した論文が掲載されました。声遊楽クロスダイアローグ第4回のテーマである「女性声優の少年声」についての知見も含まれます。声優さんの演技音声については、引き… pic.twitter.com/W9VmOYrC05
— 声遊楽プロジェクト (@seiyugaku) March 9, 2026
査読前論文「女性声優の演技音声における年齢・性別の表現と関連する音響特徴量」によれば、女性声優の少年声には通常とは異なる「音響特徴」が存在する可能性が示唆されているようだ。
声変わり前の男女の声には本来、大きな違いがないと言われている中、女性声優が演じる少年声には「基本周波数(声の高さに関連)」を下げつつ「スペクトル重心(声の明るさや響きに関連)」を上げるという変化が、研究の過程でみられたという。
「幼い少女でもなければ、大人の女性でもない」絶妙な声質を深掘りすることで、日本におけるアニメの世界で独特に発展してきた概念が、ヒトの音声知覚に関する理解やメディア芸術の発展につながるとしている。
日本のアニメ的な少年声については、その魅力を追い求める専門家による対談が2025年11月に行われていた。
日本のアニメでは「女性が少年を演じる声」が多く登場する一方、実はこれが海外では当たり前ではないことに言及。その背景を掘り下げている。
また、こういった少年声が「リアルには存在しない声」であるという点に着目。人は慣れ親しんだものには安心感を覚えつつ、“ほどほどの新しさ”のあるものには魅力を感じることを示した研究も存在するとしている。

「人は実際にどのように声を聴いているのか」という点については、一人の女性声優をベースに少女・少年を演じ分けたボーカロイド「鏡音リン」「鏡音レン」を例に言及。
そして少年声が生み出す「ジェンダーの揺らぎ」については、宝石が擬人化されているが故に男でも女でもない存在を描く『宝石の国』を例に言及している。
つまり、声優は肉体的な性別や年齢から離脱し、フィクションとしてのキャラクターを演じることで「演じ手とキャラクターが混ざり合う多層的な魅力」を放つという趣旨も含まれているようだ。
