編集部ひとことレビュー
『バイオショック』といえば、狂気の海底都市「ラプチャー」で繰り広げられるサイコホラーを描いたアクションアドベンチャー。独特の世界観で作られたレトロフューチャー風な都市は、美しくも恐ろしげ。とくに随所で見られる“水”の表現は当時絶賛され、現在でも高く評価されている。とても9年前のゲームには思えないほどダイナミックな表現が味わえるだろう。
本作の恐怖の代名詞にもなっているのが、数々の種類がいる「スプライサー」たち。彼らは「プラスミド」と呼ばれる遺伝子操作薬の使い過ぎで精神を破壊されたラプチャーの住人だ。ブツブツ独り言を言いながらラプチャー内のいたるところをうろついている。この“病んだ”独り言を楽しむのも『バイオショック』の楽しみのひとつだろう。
彼らは奇妙に顔をツギハギにする人体改造をしており、見た目もかなりおどろおどろしい。場面に応じた独り言を言いながら襲ってくる、スプライサーの演出は必見! 日本語ローカライズもフルボイスによる吹き替えなので、字幕に気を取られることなく楽しめるのもうれしい。
そして忘れてはいけないのが、物語のキーとなる「リトルシスター」と「ビッグダディ」。彼らはラプチャー内を徘徊し、基本的には威嚇するだけで襲っては来ないのだが、そんなリトルシスターを捕まえて助けるか助けないかで、エンディングが変わってくるのだ。ただし! この少女を捕まえるには護衛役のビッグダディを倒さなければならない。大昔の潜水服のような、ずんぐりとした巨体だが、その攻撃は圧倒的。瞬速で突進し、腕の巨大ドリルを叩きつけてきたり、爆発物をバラ蒔いたりして大暴れする。このビッグダディをどう倒すかも、本作を楽しむうえでの大きなポイントだ。
自分もスプライサーを狂わせた「プラスミド」を摂取し、“トニック”で特殊な技を覚えつつ、数々の武器を入手&強化して強敵に打ち勝つ。そして崩壊寸前の海底都市をさまよい、何が起こっているのかを突きとめる。その結末は……。
舞台設定、恐怖の演出、トニックを使ったギミック、そしてゲームのキモであるバトルのアクション性。それらすべてが高い水準でまとめられた、名作中の名作。未体験なら、ぜひプレイしてほしい。
バイオショック
発売年月日 | 開発元/発売元 | プラットフォーム |
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2007年8月21日 | 2K Boston、2K Australia/スパイク(国内家庭用機版)、ZOO(国内PC版) | Xbox360/Windows |
特記事項 | ||
PlayStation 3版(2008年※通常版、2010年※旧廉価版『Spike The Best バイオショック』、2012年※新廉価版)、Xbox360廉価版(2008年※『バイオショック Xbox 360 プラチナコレクション』)、Steam版あり(※PlayStation 3新廉価版およびSteam版の発売元はテイクツー・インタラクティブ・ジャパン) |
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