前回、I-O DATAさんとのタイアップ記事で「Wi-Fiルーターの置き場所を変えるだけで電波強度がよくなる」ということがわかった。
無線接続ではWi-Fi電波の強度は、まわりの遮蔽物や距離によって変化する。電波強度をしっかりと守るために、Wi-Fiルーターはしっかりと開放的な場所に置きたい。とはいえWi-Fiルーターの特徴はなにも無線だけではない。
そう、有線接続だ。
スマートフォンやNintendo Switchは無線で接続しつつも、パソコンやPS4、PS5、Xbox Series X|Sでは安定的にインターネット接続をしたいので、LANケーブルで接続している人は多いのではないだろうか。筆者もまさにそういう人間だ。
無線接続の次は、I-O DATAさんから有線接続について知見を得たい。できれば有線接続で高速の接続回線を実現したい。
そこでI-O DATAさんがおすすめしてくれたのは、2022年1月26日に発売した最新機種であるゲーミングルーター「WN-DAX3000QR」だ。
黒光りする外観は、名前のとおり「ゲーミングルーター」という重厚な雰囲気を確かに醸し出している。しかし「ゲーミング」とはどういう意味合いなのだろうか?
答えを知るため、インタビューを重ねていくと「有線接続にしたからといって回線速度が速くなるわけではありません」という衝撃的な言葉が飛び出した。
そんな馬鹿な……「有線のほうが速い」という常識が崩れ去ったのだ。
そこで今回は「現実的な有線接続での回線速度の上げ方」についてお聞きしてみた。
※この記事はWi-Fiルーターをできるだけ「ガチで回線環境を見直したい方へゲーミングルーターをおすすめしたい」I-O DATAさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
I-O DATAさんに有線について色々と聞いてみたい
──前回、「Wi-Fiルーターの置き場所を変えるだけで電波強度がよくなる」ということを記事にしたとき、僕もルーターのまわりに物を置かない工夫をしてみたら、回線が良くなりまして。
I-O DATAさん:
それはよかったです。電波はどうしても干渉するので、ルーターは見える位置に、周りには物を置かないことがベストですね。
──今回は有線接続についてもアドバイスをいただきたく思っています。たとえば僕はNintendo Switchとスマートフォンは無線ですが、パソコン、PS4、Xboxを有線で接続しているんです。
I-O DATAさん:
なるほど、今回は有線ですね。
──多分ですが、ゲーマーの人もパソコンや家庭用ゲーム機を有線で接続することを心がけている人が多いと思うんです。
I-O DATAさん:
実は当社は以前にアンケートを取っていまして、オンラインゲームをされる方は有線を選択されてる方が多いという結果になっていますね。
パソコンでオンラインゲームをする際、インターネット接続は無線/有線のどちらを利用しますか?
有線:55%
無線:29%
パソコンでオンラインゲームをしない:16%
──圧倒的に有線が多いですね。では今回は「有線」という前提で、インターネットの速度をあげるにはどうすればいいのか教えていただけますか。
I-O DATAさん:
わかりました。ただ有線で速度をあげたい場合、無線のときのようにルーターの位置を変えるような手軽にできる手段というのはないんですね。
有線・無線とも共通ですが、端的に申し上げると①プロバイダーさんとの回線契約で速い速度の回線にする。②その上でハイスペックなルーターにする、というのが有線で速度をあげる答えですね。
──①に関しては身も蓋もないですね(苦笑)。②に関しては契約をしたうえで、高価なルーターにするということでしょうか。
I-O DATAさん:
そうですね。ハイスペックなルーターだと、たとえば当社だとゲーミングルーター「WN-DAX3000QR」をオススメさせていただいています。
ただ根本的な回線を見直すことが一番の解決の糸口です。もちろん古いルーターを買い替えれば、速度が良くなることはありますが。
──確かに嘘偽りのないところから入ると、契約関係になりますね。ただ契約を見直すとなると、縛りもありますし、引っ越しのタイミングのときとかでないと、なかなかハードルが高いですね。
I-O DATAさん:
そうですね。ただそれでも知っておいてもらいたいのが、現実的な高速回線として、当社は「2Gbps以上」をオススメしています。月額料金やコストパフォーマンスを考えつつ、高速にしたいなら「2Gbps」や「2.5Gbps」くらいが良いのではないかと考えています。
なぜ回線契約「2Gbps以上」を推すのか
I-O DATAさん:
現状、家庭用向けの光回線には1Gbps回線、2Gbps回線、2.5Gbps回線、5Gbps回線、10Gbps回線があります。以前、ユーザーさんに向けて回線契約についてアンケートを取ったんですが、このような結果になりました。
現在利用している回線契約の種類について教えてください。
1Gbps回線 30%
2Gbps回線 7%
2.5Gbps回線 8%
5Gbps回線 16%
10Gbps回線 3%
わからない 37%
──1Gbpsの人が30%と一番多くて、5Gbpsが16%という結果ですか。I-O DATAさんが推している2Gbps以上の回線はちょっと少ないですね。
I-O DATAさん:
実は5Gbps回線と投票された方は、モバイル回線の「5G」と勘違いされている人が多いのではないかなと当社では見ています。1Gbps回線は理解したうえで契約されている方かと思います。
──あ、そうなんですね。確かにモバイル通信の「5G」(5 Generation)と光回線の「5Gbps」は混同していまいそうですね。
1Gbps、2Gbps、2.5Gbps、5Gbps、10Gbpsと並べた場合2Gbpsや2.5Gbpsでも高速なんでしょうか。
I-O DATAさん:
一般的に2Gbps以上ならかなり速いです。しかし、1Gbpsの契約なのに「とりあえず高価なルーターを買っておけば間違いないだろう」と思って、もとの速度以上のハイスペックなルーターを買う方はけっこう多い気がしますね。ちなみに10Gbpsに対応するルーターだと一般的に結構なお値段となってしまいます。
──なるほど。自分の場合はそこまでではないですが、1Gbpsの契約をしているけど実際に速度を測ったら2桁Mbpsしか出てない人とかもけっこういますよね。
I-O DATAさん:
そうですね。契約者が周りに多いとか、専門的になりますが、昔から使っているPPPoE接続になっているとかでいろんな要因があります。
回線を2Gbps以上にしたことで、めちゃくちゃ遅い速度になったというのは、よほどのことがなければ聞いたことがありません。
現状、回線速度に悩んでいる人が2Gbps以上に切り替えたら、そこのハードルは超えられるという認識で大丈夫だと思います。
ゲーミングルーターの「ゲーミング」とは
──これからのことを考えると、2Gbps以上の回線を契約するのは得しそうですね。
そのうえで次は「ハイスペックなルーターにする」という話でしたが。さきほど「ゲーミングルーター」という名前が出てきましたね。ただやっぱり何が「ゲーミング」なんだろう、というのは気になるところです。
I-O DATAさん:
じつは、「ゲーミングルーター」という名前は他社さんでも出されているんですよ。たとえば他社さんの場合、Qosという技術を指して「ゲーミング」と銘打っています。
これは、たとえばオンラインゲームをしながらYouTubeを見ているとき、ゲームの回線を優先するという仕組みなんですね。
ゲームに使うデータ通信が優先されるので遅延が軽減されます。これがQosです。
──なるほど、便利そうじゃないですか。
I-O DATAさん:
ところが、Qosが有効なのはルーター内の通信だけなんですよ。つまり、インターネット側(WAN)ではゲームの通信を優先することはできないため、元のインターネット側の回線が遅ければ、根本的には変わらないため効果が薄くなってしまうと考えています。
たとえば1Gbpsで回線を契約していたら、ルーター内でどれだけ速度を早くしても、結局は1Gpps以上の速度は出ませんから。
──とにかく速度を速くしたいなら、出口側を速くしないといけないんですね。
有線用ポートもしっかりと高速回線に対応
I-O DATAさん:
なので当社のゲーミングルーター「WN-DAX3000QR」は、すごく根本的な位置づけの意味での「ゲーミングルーター」といいますか。
IPv6や最新規格のWi-Fi6に対応しており、さらにはWANもLANも2.5Gbpsに対応している。“有線も無線も高速回線が実現している”、これこそが当社が「ゲーミング」に込めた意味です。もちろん2Gbps契約でのご利用も可能ですし、普段使いにも使えます。
実は日本において、WANとLANどちらも2.5Gbpsに対応している商品は、現状においてこの「WN-DAX3000QR」だけなんです。
──え、そうなんですか!
I-O DATAさん:
製品によっては、WAN側1ポートしか2.5Gbpsが載ってないというところもあります。その場合、例えば無線は2.5Gbps以上の速度が出るけど、LAN側は2.5Gbpsの速度が出ないということになります。
──そうなると有線に比べると、無線のほうが速いということになりませんか。
I-O DATAさん:
そのとおりです。実際、パッケージで3000Mbps、4000Mbpsと謳っていても、有線ポートが1Gbpsしか対応してないので、結局は1000Mbpsが上限で「実は有線のほうが遅い」ということがあります。
有線は電波の干渉がないことが最大のメリットですが、場合によっては無線のほうが速い場合があるということです。ルーター側の有線用ポートが1Gbpsしか対応してない場合だと、そうなってしまいます。
──なんと! そういうことがありえるんですね。
I-O DATAさん:
そのため、ルーターによっては「無線より有線のほうが速度が遅い」場合があるんです。だからWi-Fiルーターはちゃんと選ばないといけません。
「WN-DAX3000QR」では有線でも無線でも、しっかりと「2.5Gbps」に対応しています。有線ポートのひとつが2.5Gbpsに対応していますので、それをパソコンに接続していただければ、かなり快適になると思います。
PS5、Xbox Series X|SはWi-Fi 6に対応しているので十分な速度になると思います。スマートフォンなら、iPhone13ならWi-Fi 6に対応しています。
──有線でも無線でも十分な速度が出るというのは、最新のゲーム機もPCも揃えているようなコアゲーマーにとってはかなり嬉しいポイントですね。
I-O DATAさん:
さらにこのルーターのCPUはクアッドコアで高負荷の処理に強いため、多くのゲーム機やスマホを繋いでも速度が遅くなりにくいです。
──おお! いまやルーターでさえクアッドコアが載る時代なんですね。
I-O DATAさん:
そうなんです。また当社の調べ(有線接続で計測)では、2.5Gbps回線で1500Mbps出ています。10回測定すると、平均1370Mpbs。
無線でもスマホと接続して10回測定して平均854Mbpsが出たので、これは一般のご家庭ではなかなか見たことないような数字なのかなと。
──めちゃくちゃ速いですね……ここまでの数値はたしかに見たことなかったです。
今回のことをまとめると、本気で回線を良くしたいと思っている人は、ちゃんと契約回線を見直し、2G以上の回線を選択してみること。そのうえで無線・有線がしっかりと契約回線の速度に対応しているかを確認してから購入することが大事ということですね。
I-O DATAさん:
ゲームユーザーさんが本気で回線速度を上げたい場合、「2.5Gbps」で十分ガチなレベルになると思います。そのうえで有線で接続したいと思うので、有線で「2.5Gbps」に対応するルーターを買い替えてほしいですね。
当社のゲーミングルーター「WN-DAX3000QR」なら、有線も無線も「2.5Gbps」に対応しているので、2.5Gbpsの高速回線で快適ゲームライフを楽しんでいただきたいと思います。
──ありがとうございました。(了)
筆者は前回の記事で「引っ越しをした際にいち早くネットを使いたかったので、プロバイダ契約とWi-Fiルーターは感覚で即断してしまった」と書いたが、まさに前回に引き続き、今回の記事も「もっと早く知っておけば……」という知見ばかりだった。
特に今回のI-O DATAさんの「高価なルーターを買っておけば間違いないだろうと思って、とりあえずハイスペックなルーターを買う方はけっこう多い」という指摘は、身に覚えのある耳が痛い話である。
おそらく身の丈のあったルーターを選んでいたら、きっと手元の財布には1万円ほどまだ入っていたはずだ。いやまずは「2Gbps以上」を目安として、プロバイダを探していたことだろう。
有線接続でしっかりと高速インターネットの環境をセッティングしておきたいという人は、回線契約の見直し、そしてこのゲーミングルーター「WN-DAX3000QR」を検討してみてはいかがだろうか。
ゲーミングルーター「WN-DAX3000QR」の商品概要
●インターネット/LANポートが2.5Gbpsに対応
●最新規格のWi-Fi 6に対応
●高負荷の処理に強く、非常に早い処理速度をもつクアッドコアCPUを搭載
●360度電波がムラなく放出される「360コネクト」機能が搭載
●高速なIPv6(IPoE)に対応
●WPS搭載のさまざまなゲーム機でワンプッシュ接続