ゲーム本編のダウンロードにはじまり、友達や世界中の見知らぬ相手とのマルチプレイなど昨今のゲーム環境にとってオンライン要素はなくてはならないものとなっている。
「自宅でインターネットを高速かつ安定に使いたい」というのは、ゲーマーの永遠の命題だろう。自室に有線で接続できればいいに越したことはないが、住まいの条件によっては難しいこともある。
そのときに気になるのが、Wi-Fi電波の強度だ。
とりわけ戸建て住まいの場合、1階に家族共用のWi-Fiルーターを置いて、2階の自室から無線接続でゲームをしている……という方も少なくないだろう。そんな場合は、せめてWi-Fiルーターだけでも電波が届きやすいものにしたいところだ。
何を隠そうゲームライターをしている筆者も、コロナ禍のテレワーク環境に対応するため昨年の7月に引っ越しをしたばかりの人間だ。プロバイダ契約とWi-Fiルーター選びは深く頭を悩ませた問題で、スマートフォン片手にある程度は調べつつも、仕事上、いち早くネットを使いたかったので結局は感覚で即断してしまった。
実は今回、パソコン周辺機器の総合メーカーである「I-O DATA」より、「無線でオンラインゲームをするユーザーにおすすめのWi-Fiルーターがあるので使ってみませんか?」というお話をいただいたのだ。
そのルーターの名前は「WN-DAX3600QR」。Wi-Fi 6に対応しており、2021年9月に発売されたばかりの最新機種だ。Amazonでは、記事執筆時点では300件近いレビューが集まり、星5つ中の4.3の高評価を記録している。
そこでせっかくなので、インターネット環境について、引っ越したときに強く思った筆者の疑問をI-O DATAに聞いてみることにした。
※この記事はWi-Fiルーターをできるだけ「部屋の中で見えるところに置いてほしい」I-O DATAさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
「部屋の中で見えるところに置く」ために作られたWi-Fiルーター
本ルーターは、高速通信に対応しているばかりではなく、360度電波がムラなく放出される「360コネクト」機能が搭載されている。「ルーターを部屋の隅に置くのではなく、目に見えるところに置いて欲しい」というのが最大のコンセプトなのだという。
というのも、テレビ裏、テレビ横、棚の中など電波が遮断されるような場所に置くと、通信が安定しなくなるらしいのだ。
しかし、実際はケーブルがごちゃごちゃしている様子や、まさに機械といったルーターの外観を気にして隅のほうに収納していることが多い。
そのため本機では、表に出してもらうために、なるべく景観を崩さないような白色でオシャレなデザインが採用されている。白のケーブルはもちろん黒のケーブルともなじみそうだ。
「ルーターの置き場所」で電波強度が変わるってホント? 検証してみた
とはいえ、ホントに「ルーターを隅っこに置いたり、隠してしまうだけ」で電波強度が悪くなってしまうのだろうか?
せっかくなので、このルーターを使って、どれくらい「隠す」ことで違いが出てしまうのか電波強度を計測してみよう。なお計測はI-O DATAがスマートフォン向けに提供しているアプリ「Wi-Fiミレル」を使用した。
まずは見晴らしのいい場所(筆者の場合、出窓の棚)に置いたルーターの電波を測ってみよう。スマートフォンを近づけると、電波強度は「100」と出た。少し遠ざけたり近づけると「100~90」ほどに推移しており、何も障害物がない状態なので強度は万全といえるだろう。
この状態から5mほど離れて隣の部屋に行くと「67」まで低下。さらに扉を閉めると「50」まで低下した。なおPCディスプレイの後ろに設置して検証すると、これらの数値からさらに10~20ほど低下することになった。
隣の部屋に行くだけでこれほど電波強度が下がってしまうのは驚きだ。この検証結果からすると、家族共用のリビングで1台のルーターを使用するようなケースでは、個別の部屋での電波強度はかなり下がっているのではないだろうか。
通信速度や電波強度にお困りなら、ルーターは「一部屋一台」のほうがいいのかもしれない。
次によくあるケースとしては、ルーターを「テレビ台の棚」や「PCラックのデッドスペース」など狭い場所に収納している場合ではないだろうか。
このパターンも検証してみよう。
とはいったものの、残念ながら筆者宅にはそういう棚を置いていなかった。なので代わりに『ポリスノーツ』や『ポートピア連続殺人事件』など、名作ゲームを飾っているディスプレイラックの中に、ルーターを入れてしまおう。
実質的に木の板に密閉されており、棚に入れている状態に近いといえるが、はたして結果は……。
※なお今回の検証では必要な長さが足りなかったため、LANケーブルは付属のものではなく、筆者私物のものを使用した。
まずラックに入れた状態では電波強度は「93」となり、「360コネクト」機能が搭載されているおかげか、大幅には通信が悪くなっていない結果となった。だが、ディスプレイラックを閉めた状態だと「83」に変化した。計測位置は30cmほどと近い距離なので顕著に低下したといえそうだ。
筆者の本棚にはゲーム関連の文献が多いが、こうした本と本の間にルーターを置いてみてはどのような結果になるだろう。
こちらもやはり近い距離だと「91」と強いが、少し離れると「67」まで低下。さらに隣の部屋で扉を閉めると「34」まで低下した。
見晴らしのいい場所に置いたときが「100」だったので、やはりルーターの周りに障害物が多いと、それだけで電波はかなり阻害されてしまうようだ。
ルーターは見えるところに置こう
こうした結果から、ルーターの周りに物を置かず、なるべく開放感がある見えるところに置いたほうがよさそうだ。ルーターを収納する専用ケースなども売られているが、無線通信の場合、電波強度が落ちてしまうと考えたほうがよいだろう。
なお、今回の「WN-DAX3600QR」には取り外し可能な「ラバー製のスタンド」が付属しており、そこにSSIDとパスワードが書かれている形となる。紙ではないので紛失がしにくいし、パスワードが必要なときにスタンドを取り外すことができるのが手軽で便利だった。
さらに本ルーターは、最新の機種なだけあって「Wi-Fi 6」に対応だ。第6世代目の規格となるWi-Fi 6では、高速かつ同時通信の低遅延や、接続するデバイスの消費電力を節約できるといった特徴がある。
どうしてルーターを「隠す」ことで電波強度が落ちてしまうのか?
これらの検証を通して、I-O DATAに再び話を聞いてみた。あわせて、ルーターに関連するさまざまな疑問にもお答えしていただいた。
──どういった障害物が電波強度を弱めているのでしょうか。
I-O DATAさん:
木材、コンクリート、金属、断熱材、水など遮蔽物などが電波強度を弱めてしまいます。一般のご家庭では、壁、扉、家具、水槽などが当てはまります。お客様のお家の面積によってWi-Fi電波が届きにくい場所がある場合には、中継機の設置をおすすめいたします。
またカーテンや窓ガラス、ほかにも金属やプラスチック製のものがアンテナに近すぎると、アンテナの特性に悪影響を及ぼす可能性があります。
装置からの放熱も考慮して、無線機器の周辺はなるべく空間を開けていただくことをおすすめいたします。
──「ルーターにも寿命や劣化がある」という話を聞いたことがあるのですが、それは本当なのでしょうか。
I-O DATAさん:
本当です。Wi-Fiルーターも半導体部品などを使用している精密機械ですので、なかでも寿命が短い部品が「電解コンデンサ」です。製品を使い続けることで電解コンデンサなどの部品が劣化していき、さらに温度が高いとその劣化スピードは加速します。
特にACアダプタなど電源に使用されている電解コンデンサが劣化すると、電源電圧が異常になり、性能が低下したり動作が不安定になる可能性があります。また「動作はしてもノイズが増える」などといった問題の原因になる場合もあります。
その他、半導体部品も高温条件では劣化が進むため、いつまでも使い続けられるわけではありません。
お客様の使用条件によりますが、弊社製品は保証期間3年となっておりますので、最低3年は故障なくご利用いただける想定で設計をしております。
なるべく風の通りがよく涼しい場所でご使用いただく、高負荷状態が続かないようにする、などとしていただくと熱的なストレスが減り劣化速度を遅らせることができます。
また、縦置きと横置きの両方に対応した製品であれば、横置きよりも縦置きの方が熱的には有利になる傾向があります。
ほか、本体よりも先にACアダプタが劣化して利用できなくなるという事例も多く見られますので、ACアダプタは他の電源コードなどに埋もれて熱がこもらないようにして頂くことをおすすめいたします。
──「アルミ板などの反射板をルーターの後ろに置くと、電波強度が上がる」というのも本当なのでしょうか(参考記事)。
I-O DATAさん:
実用面を考えると、あまりおすすめはできません。
Wi-Fiルーターの電波伝搬はかなり複雑な仕組みとなっているため、不用意に実行するとかえって悪影響を及ぼす可能性もあります。条件によっては反射させた方向の電波まで弱めたり、ノイズだけを増やすように作用する可能性もあります。
また現在の主流規格「11n」以降で使われるMIMO通信では、さまざまな方向から反射した電波(マルチパス)を有効活用しますので、「電波強度が強くなっても、性能が十分に発揮されない」ということもあり得ます。
新しい高速規格であれば同じ電波強度でもより性能がでる場合がありますし、ビームフォーミング(特定の方向に電波を送受信する技術)に対応しているものを使用することで、送信側は受信側に最適な条件となるように自動的に調整が行われるため、より確実な効果が見込めると考えられます。
それよりも、電波強度を強くしたいのであれば「中継機」を使っていただくことが最も効果的です。この他、周囲で他に運用されている無線LANがあればチャネルを離すことや、2.4GHz帯を使用されている場合には5GHz帯に切り替えていただくことで、他の電波からの干渉を避けることが性能改善に繋がる場合もあります。
──今回はすべて無線での検証でしたが、有線の場合LANケーブルの長さなどは通信速度に影響したりするのでしょうか。
I-O DATAさん:
LANケーブルの「長さ」では、通信速度にほぼ影響しません。一方で、LANケーブルの「規格」と「形状」によっては最大通信速度や安定性が変わる場合があります。
LANケーブルが長い場合は、「スタンダードタイプ」にすれば通信が最も安定します。スリムタイプ、フラットタイプはノイズに弱いため、近くにある家電製品の影響を受けるため長距離の配線には適しておりません。
──ありがとうございました。(了)
今回、「ルーターを隠して設置すると電波の強さが弱くなるのか」を検証してみたが、如実に電波が弱くなったことが確認できた。
電波を弱くしてしまう素材としては木材、コンクリート、金属、断熱材、水など……ということで、簡単にいえば「何らかの遮蔽物」がルーターの周りにあると、それだけで電波強度が下がってしまうのである。
なるほど、それなら本製品が「部屋の中で見えるところに置いてほしい」という目的のために作られた理由も納得できる。
部屋の中央にルーターを設置するのは難しくても、「ルーターの周りに物を置かないこと」は、電波を安定させるためのコツといえそうだ。
無線を中心に使っている方は、今回の隠さないことをコンセプトにしたルーター「WN-DAX3600QR」の導入を検討してみてはいかがだろうか。
Wi-Fiルーター「WN-DAX3600QR」商品概要
●Wi-Fi 6に対応、インターネットポートが2.5Gbps対応のため、高速通信が利用できる。
●初期設定不要のため、添付LANケーブルを挿すだけでインターネットにつながる。
(PPPoE接続の場合は初回接続時にID、パスワードの入力が必要)
●360度電波がムラなく放出される「360コネクト」機能が搭載。
●自動ファームウェア・アップデート機能で、セキリティ対策は自動更新
●対応プロバイダ数が1位(I-O DATA調べ)。
●返金OK、3年保証、土日も電話サポートの3大保証。
●安心の「日本航空電子工業製アンテナ」による日本製アンテナ。
●家のインテリアとしてなじむ、白色のスクエアデザイン。