子どもたちが生まれて初めてソニックに触れる “その瞬間” に立ち合いたい……!
ある日のこと、セガさんから電ファミ編集部に「『ソニックスーパースターズ』が発売されたから遊んでみてほしい」という依頼が舞い込んできた。もちろん遊ぶのはいいが、筆者は過去に2回ほど試遊しているためフレッシュな反応を得ることは難しいだろう。そんなときふと思ったのである。
令和の小学生はソニックのことをどう思っているのだろうか? もしかして遊んだことがないのでは?
だとしたら、筆者が遊ぶより小学生に遊んでもらったほうが確実にフレッシュだ。生まれて初めてソニックに触れるその瞬間に立ち会うことができたら、きっと尊いのではないだろうか。そんな場面を想像すると、作ってもいないのに開発者のような気持ちになってしまう。
そこで小学生の子どもを持つ同級生にお願いしてみたところ、幸いなことに小学生を4人ほど集めてもらうことができた。
本稿では、6年生の男の子3人と3年生の女の子ひとりによる協力プレイで『ソニックスーパースターズ』を遊んでもらった様子をお届けしていく。
しかし当日現れた小学生たちは、なぜか『ロックマン』を遊ぶつもりで来てしまうというセガさんには言いづらいハプニングから始まる。
たしかにロックマンもソニックも青いけども……。大丈夫かな、この企画……。
※この記事は『ソニックスーパースターズ』の魅力をもっと知ってもらいたいセガさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。
集まってもらった4人の小学生の紹介
まずは今回集まってもらった4人の小学生の紹介から。
ひとり目は6年生のコウキくん。お小遣いやお年玉を貯めてゲーミングPCを買ったばかりだという。当日もボイチャをしながら『フォートナイト』で遊んでいた。『ソニックスーパースターズ』ではナックルズを担当。
つづいては3年生のリンちゃん。コウキくんの妹。最近は『フォートナイト』を卒業し、『マインクラフト』に熱中しているらしい。『ポケモン』だけじゃなくて、『フォートナイト』にも「卒業」の概念があるんですね。『ソニックスーパースターズ』ではエミーを担当。
つづいては6年生のサトシくん。コウキくん、ナギくんのお友だち。『ソニックスーパースターズ』ではソニックを担当。
つづいては6年生ナギくん。コウキくん、サトシくんのお友だち。『ソニックスーパースターズ』ではテイルスを担当。
「ソニック」は知っているが「セガ」は知らない
──今日はみんなに『ソニックスーパースターズ』で遊んでもらいます。
えっ、『ロックマン』じゃないの?
(コウキくんを見ながら)『ロックマン』って言ってなかった?
間違えたかも。
──『ロックマン』じゃないよ。セガから発売されている『ソニックスーパースターズ』だよ。
セ……ガ……?
──未知との遭遇みたいな反応だ。コウキくんはソニックを知らない?
ソニックは知ってる!『スマブラ』に出てくるから!
俺も知ってる!
俺も!
──そうだね、『スマブラ』シリーズに参戦しているね。じゃあ、ソニックのゲームはやったことある?
一同:
ない。
──今日はそんなみんなに『ソニックスーパースターズ』で遊んでもらいます。4人で一緒に遊べるから、それぞれキャラクターを決めてください。ソニック、ナックルズ、テイルス、エミーのなかから選べるよ。
俺ソニック!
はああ!?
ボタン勝手に押すなよ!
………………。
キャンセルされるんだけど!
ねぇ、だれ? ボタン勝手に押すやつ!
先に進めようよ!
………………。
──すごい、キャラクターを決めるのに5分くらい揉めている。そしてまったく動揺しないリンちゃん。ところでみんなは普段こんなふうに集まって協力プレイのゲームとかする?
あんまりないかも。
対戦ゲームならするけど。
やっと進んだ。始められるよ。
ソニックの速さに翻弄される小学生4人
──始まったね。それではみんなで協力しながらゴールを目指して進んでください。
わっ、なにこれ!
速い速い!
待って、マジで速いって!
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!
いったん操作確認しよ?
だいたいAボタンでいける。
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!
もしかしてこの数字って体力?
──数字はリングの所持数です。ダメージを受けてもリングが残っていれば生きてるから、リングを集めながら進むといいよ。
リング大事じゃん。
えっ、ナギ飛べるの!?
なんか飛べる!
──キャラクターごとに固有のアクションがあるからナギくんのテイルスは飛べるよ。
えええ、ソニックは!?
──ソニックは速い。
みんな速いよ!
なるほどね、わかってきた。
ナギ飛ぶなよ!!!
なんで!? 飛ぶよ!?
ねぇ、置いていかないで!
さっきからコウキの妹うまくない!?
俺ら小3に負けてる。
──『ソニックスーパースターズ』はボタン操作がシンプルとはいえ、みんなものの数分で操作を理解している。これが小学生の柔軟性なのか。
Dr.エッグマンの登場に「こんなの倒せないよ〜!」
待って!待って!
えっ、なにこいつ!
──それは、ボスのDr.エッグマンだよ。
えええ! こんなの倒せないよ〜!
ボスいるの!?
聞いてないんだけど!
なんで俺が先頭にいるの!?
──なんというピュアな反応。セガさん見ていますか。いま、子どもたちがDr.エッグマンに遭遇しました。
どうすんのこれ!
倒せないって!
こいつジャンプが効くっぽい。
ねぇ、俺おとりになってない!?
──リンちゃんは冷静に攻めるね。
まだちょっと難しいかも。
ナギ飛べるから有利なんじゃね!?
待って、待って!
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!
………………。
あっ、なんか小さいペンギン出てきた。
倒したんじゃね!?
──このステージのボスを倒したよ。
やったぁ!
意外と弱かったな!
めっちゃ楽しい!
短時間で攻略法を見つけてしまう小学生の柔軟性
──おめでとう。つぎはジャングルのステージだよ。
さっきとぜんぜん違う。
うわっ、カエルに捕まる。
コウキの妹がなにげに煽ってくるんだけど!
ふふっ。
ナギはどこ行っちゃったの?
置いていくのはやめよう?
ナギが飛べるならナギに進んでもらえばよくない?
なんでだよ!
リングを無駄に消費したくないからな。
リングは命。
──すごい。この短時間で操作性だけでなく効率性まで体得している。みんなもう操作は慣れた?
操作方法はわかったけど難しい。
まだ慣れてはいないかな。
ボスが手強い。
──でも「スピードジャングル」のボスもみんなでスムーズに倒していたように見えたよ。
ひとつでもリングがあれば大丈夫だからね。
画面の端にいればダメージを受けてもリングが拾いやすい。
──攻略法見つけるの早いなぁ。ちなみに『ソニックスーパースターズ』はほかのゲームとどういうところが違うと思う?
ジャンプするボタンが違う!
──それはそうかもしれないね(笑)。
「壊れる橋」のストックに疑問を持つ小学生
なにこれ! 浮くんだけど!
わはは!
どうやって進むんだ。
俺にリングをくれ!
リングなくなってるじゃん。
リングは命なのに。
ねぇ、そろそろボスっぽくない?
この橋ぜったい壊れるだろ!
ほらぁ!!!!!
一同:
わはは!
どうすんの!
ナギは飛べ!
俺のリングがいっきに散った!
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!
ねぇ、また橋壊れたんだけど!
このボス、壊れる橋のストックどんだけ持ってるんだよ!
こいつ下からジャンプすると効くかも。
なんか怒ってる。
また橋壊れるかな。
もう壊れないで!
あっ、どっか行った。
倒したのでは!?
──おめでとう! 倒したよ!
一同:
わああ!!!!!
橋壊すのどんだけ好きなんだ。
初めて「ソニック」に触れた感想は?
──それでは最後に『ソニックスーパースターズ』で遊んでみた感想をひとりずつ教えてください。
難しかったけど楽しかった。ボスが強かった。
いままで遊んだことなかったけどすごく楽しかった。
協力して進めるのがおもしろかった。みんなで一緒に遊べるのは『スプラトゥーン』みたいだけど、ソニックは速いからぜんぜん違う。
ほかのゲームと操作も違うし、敵が強かったり攻撃方法も違うから、遊んだことなかったけど楽しかったです。
──みんな今日はありがとう。ぜひ「セガ」っていう名前を覚えて帰ってね。(了)
ゲームに対して “まっすぐな反応” ができなくなったのはいつからだろうか。
この取材中、小学生たちの反応に思わずハッとさせられた。いまの筆者はボスを目の前にしても「こんなの倒せないよ~!」という言葉はまず出てこない。アクションゲームなどにおいては自分の力不足などで苦戦することはあっても、倒して進むことが前提になってしまっているため、ボスを目の前に考えることとしてはせいぜい自分の立ち回りくらいだろう。
しかし小学生たちは「ボスいるの!?」と、ボスの存在自体にまず驚く。……あまりにもピュアだ。
今回集まってもらった小学生たちはゲームに慣れていないわけではない。むしろ日常的によくゲームで遊んでいるため、さまざまなタイトルのゲームで遊んでいるはずだ。そのうえで、こんなにもまっすぐな反応ができるのは、やはり大人がいつのまにか失ってしまった豊かな感受性の現れなのだろう。
とくに筆者を含めゲームメディアで働くような人間は、彼らのようにまっすぐにゲームを楽しもうとしても、やはりどこかで批評やレビュー的な視線が無意識に入り込んできてしまう。しかし、今回の企画で小学生たちの反応を見ていたら「ゲームが持つ本来の楽しさ」を改めて感じることができた気がした。
『ソニックスーパースターズ』は12月20日よりNintendo Switch版、PS4版、PS5版にてセールを開始している。この機会にぜひ小学生と一緒に『ソニックスーパースターズ』で遊んでみてほしい。子どもたちが夢中になって遊んでいる姿を見ると、かつて自分も持っていたであろう感情にハッとするはずだ。