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『龍が如く8』プレイヤーの誰もが好きな春日一番のセリフ「なかよし!」。一番役の中谷一博さんが「俺こんなセリフ言ったっけ?」とまさかの裏話を暴露──『龍が如く8』×スパリゾートハワイアンズ コラボレポート

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『龍が如く8』の舞台はハワイ。

ということで、福島県いわき市にあるスパリゾートハワイアンズでは、『龍が如く8』×「スパリゾートハワイアンズ」コラボレーションイベントが絶賛開催中だ。

3月2日には、挨拶をしてフレンドになる『龍が如く8』の新要素「アロハリンクス」にちなんだ催しが実施されたほか、龍が如くスタジオ代表・制作総指揮を務める横山昌義氏、そして春日一番役の中谷一博さんがスパリゾートハワイアンズを訪れ、サイン&撮影会が開催された。

『龍が如く8』横山昌義氏、中谷一博氏インタビュー:スパリゾートハワイアンズ コラボレポート_001

会場では横山氏と中谷さんへのメディア向け囲み取材が実施されたので、気になる内容をお届けしていく。

聞き手/豊田恵吾


──『龍が如く8」が発売されてから約1ヵ月が経過しました。率直ないまの心境をお聞かせください。

横山氏:
まだ1ヵ月しか経っていないのかという感じですね。遠い昔のことのように記憶しているので、今日のインタビューでは過去の記憶を呼び起こすように答えていければと思います(笑)。

中谷さん:
日本だけではなく、世界中のファンから反響をいただいています。また、業界内の声優仲間からも「発売おめでとう!」と言われることが多くて驚きました。(『龍が如く』が)それくらいみんなが注目してくれている存在になったんだな、とうれしく感じた1ヵ月でしたね。

──今日も多くの『龍が如く』ファンが訪れていますが、みなさん、熱気がすごいですよね。

横山氏:
ここ最近、SNSで「ハワイアンズ」と検索していたのですが、かなり多くの方がハワイアンズの写真をアップしてくれていました。今回のコラボでハワイアンズさんが潤ってくれたらいいなと思ってます(笑)。コラボ相手に恥をかかせるわけにはいかないので。ただ、最近のコラボは大成功なのでメンツが立ったなと(笑)。

『龍が如く8』横山昌義氏、中谷一博氏インタビュー:スパリゾートハワイアンズ コラボレポート_002

──コラボ期間も延長になったとうかがいました。

横山氏:
用意していた缶バッジなどの特典も一瞬でなくなったようですし、いかに見誤っていたかわかるでしょ?(笑)

一同:
(笑)。

──サイン&撮影会もかなりの数の応募があったそうですね。

横山氏:
そうみたいですね。ただ歩留まりはまだ信じていないんですよ。過去に16人のサイン会とかも体験しているので。静岡の三島のTSUTAYAでサイン会をしたときに、来てくれたのが16人。店員さんが8人のお店で(笑)。

──それはどのタイトルのときですか?

横山氏:
『龍が如く6』です。ただ、台風が直撃だったんですよ。だからいまでもドキドキしちゃうんですよね。

中谷さん:
以前、「前日は寝れない」っておっしゃってましたね。

横山氏:
人が来ない夢を見ます。レッドカーペット(1月17日に開催された完成披露会)の日もそうでした。

──今回のコラボはどちらから持ちかけた話なのですか?

横山氏:
セガからです。年末の長時間放送で“開発部チーム”と“マーケティング部チーム”に分かれて対決をしたのですが、そこで勝利チーム(開発部チーム)のやりたいイベントを開催するということで、レッドカーペットをやったんですね。
負けたマーケティング部チームのやりたいことが“ハワイでイベントをやりたい”だったのですが、まあ負けてますし、国内のハワイにお願いするという形で実現しました。

──コラボ期間延長はどちらから話があったのでしょうか?

横山氏:
スパリゾートハワイアンズさんからでした。反響が良かったからなんですかね。ただ、行きの車中でも話していたんですが、スパリゾートハワイアンズでイベントを開催したいというのは、最初期から自分の頭の中にあったんです。

宮藤官九郎さん脚本のテレビドラマ『俺の家の話』を観て、こういうことをやりたいと思っていて。そのドラマの影響もあって『龍が如く8』に“エンディングノート”を入れているんですね。

『俺の家の話』の6話で、離散していた家族がワンボックスに乗ってハワイアンズへ旅行に行くんですよ。そこで西田敏行さん演じるお父さんが、ステージ上で布施明バージョンの『マイ・ウェイ』を歌う。それがすごくよくて、あのステージ上で自分たちも「何かやりたい!」とずっと言っていて。

──じゃあ今日のステージでは『マイ・ウェイ』を……。

横山氏:
いやいや、歌わないです(笑)。最初は歌うようなイベントをやりたいと言っていましたが、それは規模が大きくなってしまうので。

じつは、ハワイアンズへ向かうクルマの中で『龍が如く8』を作り始めたころからの話をしていて。思い出してみると、最初から決めていることが多く、そのほとんどがやれているな、と。椎名林檎さんの楽曲使用も含めて、プロジェクトの最初期にやりたいと思っていたことは全部実現できているなと。それほどうまくいったプロジェクトなんでしょうね、『龍が如く8』は。

──いま話題にあがりましたが、こちらへはクルマで移動されてきて、車中での会話を動画収録されていたと。

横山氏:
はい、そのためにアルファードを用意して(笑)。中谷さんと配信者のドグマ風見さんを乗せて、そのあいだの雑談を3時間くらい録っていました。

──どのような話をされたのですか?

横山氏:
ほとんど『龍が如く8』の裏話でした。聞いている方がクリアまでプレイしている前提で話をしていて、あのシーンが良かったとか、山井の最後のセリフがいいとか。

たまたま中谷さんが「プライベートでハワイアンズに行く」とX(旧Twitter)に書いたことがきっかけで「だったら同じ日に行く?」という話から始まりました。そのあと、ドグマさんもXでハワイアンズのことに触れていたので「来ます?」と声をかけて。だから感覚的にはほぼプライベートですよね。せっかくならその雑談を撮りたいということで……でも流せるのかな? 後日、「龍スタTV」のメンバーシップなどで流すと思います。

中谷さん:
そこは科学の力でうまいことつまんでいただいて。

横山氏:
科学じゃねぇから(笑)。

──中谷さんは長い期間、春日一番を演じていたと思うのですが、『龍が如く8』で「ここは絶対に見てほしい」というシーンがあれば教えていただけますか?

中谷さん:
自分でプレイするまで見たことがないシーンだったり、自分が出ているシーンでもいざ映像になって見てみると、「あ、こういうことだったのか」と気付かされることがたくさんありました

90時間くらいかけてクリアしましたが、一番が独り歩きしているな、という感覚になりましたね。「自分が演じている一番」ではなく、「一番を動かしている」とゲームをプレイして感じたということは、良い意味で「一番がひとりの人間として独立しているんだな」と感じました。

お恥ずかしい話、収録してからだいぶ時間も経っているので、「俺こんなセリフ言ったっけ?」みたいなことが結構あるんですよ(笑)。絆ビンゴの「なかよし!」も覚えていないんですよね。

──「なかよし!」は最高のセリフじゃないですか。

中谷さん:
覚えていないんですよ(笑)。

──えぇ⁉︎

横山氏:
開発の中でも一番の「なかよし!」はみんな好きなセリフで、「あれ、聞くといいんですよねー」と言っているんですけど、本人は覚えていないという……。ただ、それはしょうがないんですよね。

中谷さん:
全部のセリフをベストで演じたいというのはあるんですけど……。「なかよし!」は『龍が如く8』でいちばん力を入れたんです、と言っても説得力がないと思うので(笑)。

横山氏:
メインストーリーのセリフは覚えていると思うんですよ。でも、それ以外のセリフはごった煮みたいに一気に録るので。ロンとかポンとか言っているあいだに、という感じなので。

中谷さん:
本当にそうなんですよ(笑)。

横山氏:
「何々に使います」って台本に書いてはありますけど、「絆ビンゴ」と書いてあっても「絆ビンゴって何?」、わからないから「とりあえず元気に」と(笑)。

中谷さん:
脱線しましたが、見てほしいのは茜さんとの浜辺のシーンと、最後のエイちゃんとのシーンです。収録のときには映像を見ていませんでしたが、横山さんからは「良かった」とおっしゃっていただいて。ゲーム発売後、ひとりのプレイヤーとして見ると、展開を知っているくせに泣いちゃうんですよ。知っていること以上の感動や込み上げる思いが湧き上がってきて……。開発の皆さんが「『龍が如く8』は「勝ち確」」と言っていたのは、まさしくその通りだなと感じましたね。

『龍が如く8』横山昌義氏、中谷一博氏インタビュー:スパリゾートハワイアンズ コラボレポート_003

──売上も好調ということですが……。

横山氏:
発売から1週間ぐらいで100万本リリースを発表しましたけど、ああいうスピード感って、これまでの『龍が如く』ではあまり経験したことがなかったんです。『龍が如く』って、初動というよりは、長く売れるタイトルなんですよね。それは1作目のときからそうで、ユーザーが大人なので焦らないというか。

もちろん、コアなファンの方は予約して発売日に購入していただいていますが、友だちから聞いたとかで増えていくタイトルなんですよ。最初にああいう感じでスタートできたのは、驚きでしたね。

リージョンで言うと、今回はとくに日本が強かったです。アジアもそうですけど。日本だけでいうと、ここのところのシリーズと比較しても昔よりも勢いがあるんですよね。この点については、「龍スタTV」でやり続けてきたことが大きいかなと思っています。

──売上好調を受けて、予定はなかったけどDLCをやろうかな、といったお考えは?

横山氏:
100万本のときにリリースしたのが「大ヒット御礼!Tシャツコレクションパック」ですが、あれもその日に決めました。100万本のリリースを明日出すというときに、「着せ替えの衣装やる? でもデザインをいまからやるのは難しいから……」となり、実際に売っているTシャツを着せちゃおうと(笑)。

中谷さん:
あれ、斬新ですよね。

横山氏:
メディア向けリリースに使っていたグラフィックは実写だったんです。商品のサンプル映像をそのまま付けて。まだCGができていなかったんです。それくらいのスピード感で実施しました。

──龍が如くスタジオらしいエピソードですね(笑)。では最後にファンに向けてメッセージをお願いします。

中谷さん:
長いこと『龍が如く8』の発売を待ってくださって、プレイしたあとも熱が全然冷めないという、皆さんの期待が演者や作り手側にもひしひしと伝わりました。『龍が如く』はみなさんといっしょに、どんどん登っていく作品になったと思いますし、それはみなさんのおかげだと思っています。まだまだ『龍が如く8』を隅々までプレイしていただいて、これからの作品にもご期待いただければと思います。また春日一番が帰ってくる日があれば、ぜひ温かく迎えてやってください。よろしくお願いします。

横山氏:
作り手は、発売したあとは次のことにどんどん動いていたりするので、あまり過去を振り返る気はないんですけども、今回はみなさんの反響や感想が入ってくるのが遅いんですね。それはなぜかというと、ゲームボリュームが多いから。いまぐらいからなんですよ、本当の意味での評価というのは。

ゲーム開発者はゲームを作っていないときはありません。何かのゲームを作り始めているんです。感想があったら、いっぱいほしいですけど、僕らは後ろを振り返らないで、ただただ前を見てこれからも作っていくのかなと思います。龍が如くスタジオはいまもなお動いていますし、ヒントが出てくる日が来るかもしれませんので、ぜひ注目していただければと思います。


インタビューでも触れられていたとおり、『龍が如く8』×スパリゾートハワイアンズのコラボレーションは3月20日まで延長となっている。ここからは現地でのコラボの模様をお伝えしていこう。

まずはスタンプラリー。スパリゾートハワイアンズ館内を巡り、その名のとおりスタンプを集めるというもの。コンプリートすると、特製缶バッジ(全10種+シークレット2種/ランダム配布)がもらえる。

『龍が如く8』横山昌義氏、中谷一博氏インタビュー:スパリゾートハワイアンズ コラボレポート_004
モデルはドグマ風見さん。

また、神室町のご当地キャラで『龍が如く8』でもおなじみのカムロップがハワイアンズに登場。カムロップの写真を撮影してSNSに投稿すると「龍が如くスタジオステッカー」をもらうことができる。カムロップは3月2日を皮切りに、3月9日・16日・20日に登場予定だ。

そのほか、施設内の飲食店・パオにて全8種のコラボドリンクが販売中。対象ドリンクを購入した人には、特製デザインコースターがプレゼント(全10種)される。

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さらに、『龍が如く』グッズを販売している物販コーナーも展開中だ。

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3月2日限定として、『龍が如く8』で実装された新要素「アロハリンクス」をモチーフとしたイベントを実施。館内にいる「龍が如くスタジオ」の洋服に身を包んだスタッフに「アロハ」と挨拶すると、ゲーム中でおなじみの「おみくじ」をランダムで1枚プレゼント(全4種)。3枚集めてフロントスタッフに提示すると、「カムロップ」のステッカーがもらえるというものだった。

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もちろん、横山代表と中谷一博さんのサイン&撮影会も大盛況。しっかりと数は数えていないが、数百名が参加していた。

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副編集長
電ファミニコゲーマー副編集長。

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