ユニット選定の裏側にある“全体のバランス”という名のパズル。目指すは全ユニットの実装
──すでにさまざまなユニットが登場していますが、どのようなプロセスで実装の順番を決めているのでしょうか?また、現時点(8月上旬)だと、どれくらいのユニットがいるのでしょうか。
小島氏:
まず前提なのですが、『ジージェネ』シリーズとして目指すものは、もちろん「全ユニット実装」です。
ユニットは初期が500機以上、そこから100機以上を追加しています。
──4ヵ月とは思えないハイスピードですね。
小島氏:
『ガンダム』は46年の歴史がありますので、一気に全部、というのは難しいです。基本的には原作追体験を大切にし、作品単位で登場ユニットを決め、開発系譜図を埋めていく。そこに制作スケジュールを合わせて、ガシャユニットなどを決めています。
──ガシャでのユニット実装ですと、バンシィ・ノルン(EX)とマスターガンダム(EX)のように、唐突に見える組み合わせで登場することもありますよね。この2体に共通するのがタグでの「ライバル」ですが、そういった点も意識されているのでしょうか。
小島氏:
はい。基本的にはシナリオやイベントを軸に選定していますが、ゲームバランスも含めた調整での採用もあります。
だいぶ先まで予定を組んでいますが、「シナリオ実装はまだだけど、このユニットはいたほうが嬉しいよね」という形で登場させることもありますね。
──では、ファンからの期待が非常に大きいであろう、いわゆる「切り札」的なユニットはいかがでしょうか。たとえば今年2025年は『新機動戦記ガンダムW』が30周年を迎えます。とくに劇場版の『Endless Waltz』のウイングガンダムゼロ(EW版)は大人気と思われますが、どのようなタイミングをお考えでしょうか。
小島氏:
ご期待いただいていたり、注目度の高いユニットについても基本的にはシナリオやイベントの実装に合わせて、バランスを見ながらベストなタイミングで実装したいと考えております。
『ジージェネ エターナル』単体ではなく、皆さんやはり『ガンダム』が好きであると思っています。世の中の波に合わせて『ジージェネ エターナル』も盛り上げに貢献できれば、というところで、実装タイミングは調整させていただいております。
──ガシャと言えば、期間限定ユニットの復刻を望む声も大きいかと思います。
小島氏:
復刻についてはもちろん検討しています。ただ、期間限定だからこそ引いてくださったお客様もいらっしゃるので、ゲーム内の適切なタイミングでお届けできればと考えています。具体的な時期はまだですが、実施についてはゲーム内の「お知らせ」でもお伝えしますので、お待ちいただければと思います。
強敵襲来やアルティメット枠は「そこかよ!?」というサプライズを重視
──「強敵襲来」初のユニットは「赤いガンダム」でした。『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』が放映中だったので納得感がありましたが、以降に続くオーヴェロンやサイコロガンダムは非常にユニークなチョイスに見えました。『ジージェネ エターナル』で初めて知ったというユーザーさんも多そうですね。
小島氏:
「強敵襲来」は「そこが来るのか!」という意外性を楽しんでいただくことも、コンセプトのひとつです。シナリオ実装はまだ先でも、少し先出しで参戦させる、といった意図もありますね。
「強敵襲来」としては、オーヴェロンやサイコロガンダムのほうが本来の意図に近く、むしろ「赤いガンダム」は、シナリオ実装前の先出しという位置付けでした。
──開発経路図のアルティメットユニットも、予想を見事に裏切られることが多くワクワクしました。
小島氏:
アルティメット枠も意外性を重視しています。たとえば『機動戦士ガンダム』ではキャスバル専用ガンダム、『逆襲のシャア』はβ・アジールですね。『機動戦士ガンダムΖΖ』のサイコ・ガンダムMk-Ⅲは、格闘ゲームの『ガンダム・ザ・バトルマスター』が初出です。いずれも本編には登場していません。
──マニアックですよね。β・アジールは、『ジージェネ エターナル』で存在を初めて知りました……(笑)。これだけ多くのユニットがいるなかで、小島プロデューサーが「このユニットを実装できてよかった」という機体はありますか?
小島氏:
いちファンとしての立場もありますが、
本作で初めての参戦となる『水星の魔女』をサービス開始から皆様にお届けできたのは感慨深いです。
思い入れという点ですと、配布ユニットの「GQuuuuuuX(オメガ・サイコミュ起動時)」です。前段階ですと予定になかった……というより、知る由もなかったんです。ですが開発チーム一同、関係各所にご協力いただきながら「どうしても『ジージェネ エターナル』に入れたいんだ!」というところで実装にこぎつけられました。
──「GQuuuuuuX(オメガ・サイコミュ起動時)」は十分に強力な上、射程こそ短いものの、何ひとつ間違っていない原作再現であることも絶妙でした。今始めると、『GQuuuuuuX』のユニット&キャラクター「アマテ・ユズリハ(マチュ)」がセットでもらえるので、さらに取っつきやすそうですね。
小島氏:
そうですね。ゲーム開始から皆さんにたくさん使っていただけたのもありがたかったです。放映に合わせ、関連キャラクターもプレゼントさせていただきました。
これから遊びはじめていただくと、大量のキャラクターがいる状態で始まってしまうので、混乱させてしまうかもしれませんが(笑)。最初から戦力が潤沢な状態で遊んでいただけると思います。
令和に甦った『騎士ガンダム』イベントの“分かりみ”が深すぎた。再現度に目頭が熱くなる
──8月8日から『SDガンダム』シリーズも参戦しました。本作自体がモビルスーツをSDで描くゲームですが、ここで言う『SDガンダム』とは、いわゆる『騎士(ナイト)ガンダム』や『武者ガンダム』といった、独立した世界観を持つ作品群のことですよね。
小島氏:
はい。ストーリーイベントでは『SDガンダム外伝 ジークジオン編』、ガシャのURユニットでは同作品からモンスターブラックドラゴン、『三国創傑伝』から劉備ユニコーンガンダムを実装いたしました。

──そんな『SDガンダム』シリーズですが、本当に広大ですよね。『ジージェネ』シリーズにはこれまでも登場していましたが、シリーズ全体を網羅するとなると……。
小島氏:
今すぐに総数を言えないくらいには多いですね。シリーズとしては、『SDガンダム外伝』以外にも『SD戦国伝』や『SDガンダム三国伝』などなど……本当に膨大です。
とは言え系譜としては、最初期の作品から展開していきたい。そこで今回はストーリーイベントとして、『SDガンダム外伝』シリーズから始めさせていただきました。
──ファミコンの『SDガンダム外伝 ナイトガンダム物語』の印象も強いのですが、今回のストーリーイベントはアニメ版がベースなのですね。
小島氏:
『SDガンダム外伝 ジークジオン編』を原作追体験という形で、アニメに沿ったストーリーで展開させていただいております。
ハーフアニバから“爆熱”な『Gガンダム』のステージが追加。ゴッドガンダムへの乗せ換えで専用ボイスを叫ぶキャラも
──ハーフアニバーサリーの施策について、うかがわせてください。
小島氏:
詳しくは9月下旬の生放送で紹介させていただきますので、今回はさわりの情報となりますが……まずはメインステージに『機動武闘伝Gガンダム』のステージが追加されます。ハーフアニバーサリーの盛り上がりに、やっぱり『Gガンダム』の熱い力が欲しかった、という理由が大きいですね。
──追加される話数からは、さらにテンションの高い展開になりますよね……。
小島氏:
あとは全体のシナリオ追加のバランスを見た時に、開発経路図なども含めて最適という判断もありました。そして、じつはもうひとつ、別タイトルも同時に新規で実装予定です。
──期待しかないですね!
小島氏:
ハーフアニバーサリーは、かなりモリモリでいきたいと思っています。ほかにもいろいろ用意しているので、ぜひお楽しみに!
──『Gガンダム』後編の注目ポイントを教えてください。
小島氏:
お待たせしました、ついにゴッドガンダムが登場します!
『ジージェネ エターナル』で『Gガンダム』を知った方には、ぜひ原作の結末まで観ていただきたいですね。すでにファンの方には、あの熱い涙をもう一度思い出していただければと。
そして何より、ゴッドガンダムが追加されるということは……ドモン以外のキャラクターが乗ったらどうなるか、という部分にも注目です。
──なるほど。乗せ換えが自由な『ジージェネ』ならではですね。思いも寄らないセリフを言ってくれることもあるという。

小島氏:
実装済みキャラクターの多くにはボイスが入っていますので、ぜひ皆さんで楽しんでいただければな、と。
──小島プロデューサーは、『Gガンダム』に何か思い入れはありますか?
小島氏:
およそ30年前の『Gガンダム』放映時、僕は子どもでしたが、当時の感覚からしても新しいというか、それまでにない『ガンダム』作品だったので、衝撃はすごかったですね。

小島氏:
『Gガンダム』は『ジージェネ』へのシナリオ参戦が久々ということもあり、戦闘アニメは細部までほとんど新規で作り起こしています。ぜひ見ていただけると嬉しいです。
──となると、やはりガシャにはURゴッドガンダムも当然……?開発経路図では、アルティメット枠が非常に気になっています。
小島氏:
それも含めて、今後の情報をご期待いただければと!
アルティメットユニットは、他作品もですが、Gガンダムは特に悩みました!
──何が来てもおかしくなさそうですが……! 東方不敗が第7回ガンダムファイトで乗っていたとされるヤマトガンダムとか、『Gガンダム』30周年記念の外伝作品『天地天愕』に登場したガンダム・マスター独狐とか……。何かヒントをいただけるでしょうか?
小島氏:
ヒントとしては「第12回ガンダムファイト」になります。
──憶測は避けますが、本当に楽しみにしています!
ハフバならではのWEBガシャやお得キャンペーンも。今からのスタートもオススメ!
──そのほか、ハーフアニバーサリーのキャンペーンについて教えてください。
小島氏:
まず「Half Anniversary事前WEBガシャ」を実施します。サービス開始前のキャンペーンとほぼ同じ形で、WEB上で毎日ガシャを引くチャンスがあり、SSR、SR、Rを1体ずつキープできます。期間終了後、そのユニットをプレゼントから受け取れるという施策です。
前回よりも少しだけ機体を増やしていますので、「あと1体で完凸なのに!」という方や、「このSSRを持ってない!」という方はぜひご活用ください。さらに、Xでポストしていただくとガシャの回数を回復することができ、同時に豪華プレゼントキャンペーンにも応募できます。
──SSRはユニット数が豊富ゆえ、確率的にはピックアップされているURより一点狙いが難しいですし、活用したいです。
小島氏:
ゲーム内でも、ハーフアニバーサリーを記念した新しいパネルミッションやログインボーナスキャンペーンを実施します。今からでもスタートしやすくなっております。
──常設のパネルミッションは、最後のエターナルロードのEXPERTクリアが難関に思えますが、初心者でも大丈夫でしょうか?
小島氏:
今回の記念パネルミッションは、そんなに難しいことはないのでご安心ください(笑)。もちろん、ログインボーナスでもダイヤの配布などを予定しています。
──それでは最後に、ユーザーの皆様に向けてメッセージをお願いいたします。
小島氏:
皆様に支えられて、気付けばハーフアニバーサリーを迎えさせていただきました。この半年は本当に一瞬のように感じながら、ハーフアニバーサリーが終わりではありません。スピード感に負けず、皆様にとって2周年、3周年を楽しみにできる、長く楽しんで続けられるゲームにしていきたいと思ってます。
この記事を読んでおられる未プレイの方にも、ぜひともこの機会に遊んでいただきたいです。『ジージェネ エターナル』を、引き続きよろしくお願いいたします。
──今後の展開も楽しみです! 本日はありがとうございました。
今回のインタビューを通して、改めて確信したことがある。本作の根底に流れるのは、作り手たちの途方もない『ガンダム』と『ジージェネ』への愛だ。
その熱量は、ゲームの至る所に宿っている。思わず唸るようなマニアックな機体選定、原作をリスペクトしつつ解釈を広げたバトル演出、そして何より、8月8日から開催されていた『SDガンダム外伝』のイベントだ。
カードダスのダイヤルを回す「カチカチッ」という音と手触りを再現したことはもちろん、収集したカードをバインダーから一覧できることもポイントが高い。
なお、イベント限定要素に思えるかもしれないが、「マイベース⇒ギャラリー」には「カードバインダー」が追加されている。今後の『SDガンダム』の展開にも期待できそうだ。

そしてビッグニュースと言えるのが、買い切りの「楽曲パック」の実装だ。仮にサブスクだった場合、恒常的なプレイへの強制力が働いてしまいそうだが、買い切りならば当面は好きなペースで楽しめる。
言うまでもなく攻略に必須となる課金要素ではないが、好きな原作や楽曲があれば、購入を検討する価値は大いにあるだろう。
想像の域を出ないが、楽曲周りの権利関係は非常に込み入っていると思われる中、折り合いを付けてよく実現できたなあ……というのが正直なところだ。
なお、あくまで筆者個人の主観とはなるが、歌ものでは『機動戦士ガンダムF91』のイメージソング『君を見つめて -The time I’m seeing you-』、BGMなら『機動武闘伝Gガンダム』の『我が心 明鏡止水 – されどこの掌は烈火の如く』、『ガンダムビルドファイターズ』の『Samurai-Edge』が入っていれば、迷わず「買い」だ。
話を戻すと、機体、パイロット、そして原作BGM。この三要素が揃った時、『ジージェネ エターナル』は真の姿を現す。楽曲パックが提供するのは単なる音楽データではなく、「正史を再現する自由」と、「IFを紡ぐための自由」だと思う。
まずは、原作通りの機体、パイロット、楽曲を組み合わせる楽しみかたが王道だろう。途端に解像度がグッと増し、バトルシーンがさらに味わい深くなるはずだ。
IF軸だと、好きな機体に好きなパイロットを乗せ、「どんな楽曲をバックにするか」を組み合わせることで、自分だけの「もしも」が明確に立体化する。
ハーフアニバーサリーを迎える『ジージェネ エターナル』は、まだ走り始めたばかり。今後の展開にも期待しつつ、何年も続くタイトルになることを、いち『ガンダム』ファンとして願ってやまない。