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『モンハンストーリーズ3』はなぜ“大人向け”へと舵を切ったのか? クリアまで50時間を想定した重厚なドラマを紡ぐ最新作について聞いてきた【開発陣インタビュー】

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コマンドバトルは「前作より手ごたえあるもの」を目指した

──本作のコマンドバトルには従来の「じゃんけん」のような攻撃の相性のほか、部位破壊システムや「竜気ゲージ」【※】などのさまざまな要素がかみ合って“戦略性の高いバトル”に仕上げられているように思えました。この考えさせるバトルにした点について、なにか狙いはあったのでしょうか。

若原氏:
バトルに関しては思いきって「前作より手ごたえのあるものにしよう」という方針になりました。ユーザーのことを考えて、「戦略を練ることが楽しい」と思ってもらえるようにチューニングしています。

また、手ごたえだけではなく、実際にプレイした時に“最終的に気持ちよくなるゲーム”を目指しています。

細かい部分で言うと、これまではモンスターと協力して放つ攻撃「絆技(きずなわざ)」を使用する際は「絆ゲージ」【※】を消費していましたが、本作では「スタミナ」を実装したのでテンポ良く技を繰り出せるようになりました。

※絆ゲージ
バトル中に攻撃を繰り出すと溜まっていくゲージ。一定量まで溜まると必殺技「絆技」を使用できる。

※竜気ゲージ
モンスターの気力を表している。これを0にするとモンスターは「疲労」状態になり、攻撃を回避しやすくなる。さらに竜気ストックを削りきると一斉攻撃が可能となる。

『モンハンストーリーズ3』はなぜ“大人向け”へと舵を切ったのか?クリアまで50時間を想定【開発者インタビュー】_007
(画像は『モンスターハンターストーリーズ3 ~運命の双竜~』発売日発表トレーラーより)

──モンスターの「部位」を破壊する順番によって状況も変わるので、バトル中に考えることが増え、より戦略性が増したように思えました。

若原氏:
そうですね。道中で遭遇する強敵「脅威モンスター」に対しても、戦っているうちに弱点を理解できる仕組みになっています。

戦略性を高くしたぶん、戦闘中に「足を狙う」ようにヒントを出して「足を破壊するにはどうしたらいいか」とユーザーに思考させるように誘導し、ユーザーにバトルの仕様を理解していただけるよう設計しております。

『モンハンストーリーズ3』はなぜ“大人向け”へと舵を切ったのか?クリアまで50時間を想定【開発者インタビュー】_008
(画像は『モンスターハンターストーリーズ3 ~運命の双竜~』発売日発表トレーラーより)

──アクションゲームのモンスターをRPGへ登場させていますが、選定する際にはどのような基準があったのでしょうか。取り組んだギミックなども合わせて紹介していただけますと幸いです。

若原氏:
コマンドバトルRPGに落とし込む際に、そのモンスターの良い所をどれだけ活かせるかを考えながら作りました。

例えばTGSでお見せしたヨツミワドウ【※】ですが、お腹が膨れた時に部位破壊をすると弱体化しますし、間に合わなかったらブレスが出ます。これはアクションとしての『モンハン』シリーズらしさをコマンドバトル形式に落とし込んだ結果です。

※ヨツミワドウ
『モンスターハンターライズ』に登場したモンスター。河童と蛙をかけあわせたような風貌で、水弾を覇気だし張り手で攻撃してくる。また、満腹状態になると能力が強化される。

──コマンドバトルに落とし込む際に、アクションメインの『モンハン』も遊んでいるのでしょうか。

若原氏:
もちろん遊んでいます。遊んだうえでモンスターのユニークな部分を抽出してコマンドバトルに落とし込んでいます。

とはいえ、コマンドバトルRPGにアクションゲームの動きをすべて入れ込むと複雑化してしまうので、厳選しています。

大黒氏:
アクションゲームの『モンハン』でモンスターの特徴がしっかりと作られているので、ターン制のRPGに落とし込んだ際にも個性を出せるのだと思います。形態変化や、空を飛ぶといった動きなど。上手にRPGに取り入れてくれていると思います。

──アクションが苦手な人でも、本作でモンスターの特徴や仕草を楽しむことができますね。

大黒氏:
そうですね、『ストーリーズ』の軸としては「アクションが苦手な方でも遊べる」というものがあります。操作感に悩まされずに思う存分「モンハンの世界に浸っていただきたい」と考えていました。そこで、バトルの企画メンバーが考えてさまざまな要素が追加され現在の形式になりました。

──動きに特徴のあるモンスターといえば、本作でついにガノトトス亜種がプレイアブル化されていましたね。ユーザーの中で語り草になってる広範囲技「亜空間タックル」が、正式にバトル技として採用されていました。ほかにもユーザーの反応から生まれたネタはあるんでしょうか。

大黒氏:
……アレ(亜空間タックル)が強烈すぎる……。

一同:
(笑)。

若原氏:
ガノトトスはユーザーからの反応がいいことは自覚していたので、開発メンバーもおおはしゃぎで作っていました。また、ガノトトスはそもそも走るモーションがかなり特徴的だったので、それも使っています。

大黒氏:
「亜空間タックル」がバトルで役立つのはもちろんですが、フィールドにおいても近接アクションとして動きを見られるようになっています。

こうしたモンスターの動きは、意識して取り入れている部分ですね。いい意味でユーザーとのコミュニケーションを大事にしたいと思っています。

──本日はお忙しい中、ありがとうございました。(了)

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編集・ライター
『MOTHER2』でひらがなを覚えてゲームと共に育った生粋のゲーマー。 国内外問わず、キャラメイクしたりシナリオが分岐するTRPGのようなゲームが好き。『Divinity: Original Sin 2』の有志翻訳に参加し、『バルダーズ・ゲート3』が日本語化される前にひとりで全文翻訳してクリアするほどRPGが好き。 『ゴースト・オブ・ツシマ』の舞台となった対馬のガイドもしている。 Xアカウント(旧Twitter)@Tsushimahiro23

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