8ステージを3分割、それぞれにボスを配置=ボス24体!? シリーズ40周年の節目、驚きのボリュームを生んだ開発陣の“チャレンジ”
──今作はステージが3分割されていたり、ネジが収集アイテムになっているなど、ゲームデザイン周りに『ロックマン8』らしさを感じました。実際のところ、今作では『ロックマン8』も含むいわゆる“進化の系譜”と称されたシリーズ後期作品の方向性を現代に再現する狙いがあるのでしょうか。
生田氏:
それがですね……まったく意識していないんですよ(笑)。
たとえばネジに関しては前作ですと、どんどん貯めていくことによって、ロックマンを強化することができました。今回は貯めるために周回する要素ではなくて、どんどん新しいステージを攻略してほしい、楽しんでほしいという思いから、ネジをステージ内の一部に設置された収集アイテムとしています。
新しいステージを攻略してほしい、楽しんでほしいという思いは、ステージを3分割したところにも込められています。
今回はその分割されたステージのことをエリアと呼んでいるのですけど、エリアを1つクリアするたびにステージ選択に戻るようになっています。それで、そのまま次に進んでいただいてもいいですし、違うボスのステージに行ってそこのエリアをやるというようなこともできるんですね。
いまになって思うと、確かに『ロックマン8』みたいですね(笑)。結果的にネジの使い方の幅やステージ選択の幅を広げるというものになったことで、『ロックマン8』のように感じられたかもしれません。
──エリア内に置かれたチェックポイントのデザインがPSPの『ロックマンロックマン』のものと一緒でしたので、「今回は後期の無印シリーズ作品を意識しているのかな?」と思ってしまいました。
生田氏:
確かに、そういったネタは今回、あちこちにあるかもしれません(笑)。
──ステージの新たな構造について、「新しいステージを攻略してほしい」というお話がありました。あらためて、ステージの3分割に関してどんな狙いがあったのかお聞かせください。
生田氏:
『ロックマン』シリーズはステージを最初から最後まで進み、ボスを倒すのが基本的な流れですよね。その過程を自分自身が覚えて、上達することによって先に進めていけるようになるのがセオリーです。
今回は、そのセオリーを変えてみようと考えたんです。ステージをまたいでエリアを個別に攻略してみるとか、ネジやカスタムチップを集めきってからステージの攻略を進めるなど、色んな形でゲームのサイクルを設計していけるようになっています。
ステージを3分割することで色んなメリットがあるかと思っています。ボスに関しても、今回は各エリアごとに待ち受けていますから、「次はどんなボスが待ち受けているのだろう?」というワクワク感を楽しんでいただけるかと思います。
それでいてアクションゲームとしての歯応えを保ちつつ、分割によって少しずつ成長していける体験を味わえる作りになっています。
──試遊の範囲だけでなく、ほかのステージでも3エリアそれぞれにボスが待ち受けているのですか?
生田氏:
そうなんですよ。3エリアそれぞれにメインを含む、計3体のボスが待ち受けています。
制作していて、ボリュームが大きくなってしまうことへの不安も実のところありました。ボスが8体居て、そこに3つのエリアがありますから、大体24エリアぐらいになっちゃいますからね(笑)。
でも、あえてそこは……チャレンジさせていただきました!
──3エリアごとにボスが待ち受けていることについては、『ロックマン8』と『ロックマン&フォルテ』のボスであるアストロマンが出てきたので、本当にビックリしました。
南谷氏:
今作は2027年に『ロックマン』の40周年の新作としてお届けすることになりましたので、ファンの皆さんが喜んでもらえる要素として過去作のボスも登場するようになっています。
ステージが3分割されたことによって、「これだったら過去作のボスたちを出せるよね?」となって実現したんですね。
今の時点ではアストロマンのみの発表となりますが、ほかのボスについては今後の続報をご期待いただければと思います。
生存優先、火力特化。プレイスタイルに応じて付け替えられるチップセットで、プレイヤーの思うがままにプレイ体験も変化する
──カスタムチップは、ステージを選択する時に3種類の中からひとつを選ぶ形になっていましたが、これは製品版にも実装されているものなのでしょうか。
生田氏:
チップセットの選択に関しては今回の先行体験版オリジナルの仕様でして、製品版はユーザーの皆さんが好きなカスタムチップのセットを作ってステージに挑む、という形のものになっています。
カスタムチップには色んな種類があり、基本的にはゲームが進むと段階的に増えていくようになっています。ステージを攻略していくことで、カスタマイズの幅が広がっていきます。
その中から自分の好きなチップを選んだり、ステージに応じて「ここはこのチップを装備していくのがいいだろう」と切り替えたりといった遊びを楽しんでいただけるようなシステムになっています。
──すべてのチップセットに共通する形で、「オーバーライド」が用意されていました。試遊のなかでは、体力が減った時に自動的に発動することもあれば、発動しない時もあったのですが、これはどういうシステムなのでしょうか?
生田氏:
オーバーライド状態では、チャージショットを限界まで溜め続けることで非常に強力な「ファイナルチャージショット」が撃てます。また、オーバーライドには3つの段階がありまして、それによって発動中の時間が変わったり、チャージショットの強さが変わったりするようになっています。
実は体力が減った時に自動的にオーバーライドが発動するのは、カスタムチップの効果です。オーバライド自体もカスタムチップのひとつでして、今回の先行体験版ではチップセットのひとつとして用意させていただきました。
──チップセットのうち、「チップサポートなし」ではロックマンの相棒で犬ロボットの「ラッシュ」を呼び出せるという特徴がありましたが、あれもカスタムチップという扱いになっているのでしょうか。
生田氏:
おっしゃる通りです。今回の体験版では防御スタイルの「生存重視」のチップセットと、攻撃寄りの「火力重視」のチップセット、そして従来の『ロックマン』シリーズに寄せたスタイルの「チップサポート」なしの3種類を用意させていただきました。
ただ先ほどお話したように、たとえば「生存重視」にあるバリアと「火力重視」にあるオートチャージのカスタムチップを一緒にセットにするようなこともできます。色々な組み合わせを試すことができるので、本当にプレイヤーの選択の幅は広くて、自由に楽しんでいただけるシステムになっていると思います。
──ちなみに今回体験したところでは、残機制が廃止されているようでしたが、製品版ではどうなってるのでしょうか?
南谷氏:
それは今回体験いただいたバージョン限定の特別仕様となります。製品版では従来通りの残機制を採用した仕様になる予定です。
また、同じく今回体験いただいたバージョンでは、トゥインクルガールの3エリアをどこからでも自由に始められるようになっているのですが、これも製品版ではエリア1から順番通りに進めていく仕組みになります。
特定の特殊武器がステージやボス攻略の鍵になっていく“相性”(答え)は今作でも健在。「やや手ごわめ」の調整だからこそ、うまく立ち回れた時の爽快感は抜群!
──今作の難易度設計について教えてください。試遊では何度も道中やボスでやられながら攻略を進めていったのですが、過去作と比べて高難度寄りの調整がされているのでしょうか。
生田氏:
今作は、従来の『ロックマン』シリーズよりもやや手ごわめの調整になっており、とくにボスの難易度は何回もチャレンジしてもらうことを前提に設計しています。
ボスもロックマンと同じくオーバーライドをしてきて、攻撃パターンも変わるので、だいぶ苦労されたかと思われます(笑)。私も初めの頃は苦労しながら倒しました。
ただ、アクションに慣れていないプレイヤーの方でも、カスタムチップを色々と選んで対策するという方法もあります。それらの要素を駆使していただければ徐々に強くなっていき、最終的にはボスを倒していただけるようになると思います。
何度か挑んでいると徐々に「こうやれば倒せるな」「こう動けばいけるな」という、『ロックマン』シリーズらしい気づきと上達を感じられるボスになっていますので、ぜひ頑張って勝利をつかんでみていただきたいです。
──難易度に関しては、特殊武器の「ジェットスティンガー」を使用することでと地形を無視してガンガン進めるようになるなど、大きく変化するところもありました。プレイしていて難しく感じる局面は特殊武器で乗り越える方針を強く感じたのですが、そこは意図しているのでしょうか。
生田氏:
そうですね。実は今回使えた特殊武器の「ジェットスティンガー」は、トゥインクルガールステージを攻略しやすくなる武器のひとつとなっているんです。

他ステージの攻略に役立つ特殊武器も、色々と用意されています。また、今回は特殊武器にも通常版と強化版の「パワーショット」の2種類の使い方がありまして、ワンボタンで使い分けられるようになっております。
なので、プレイヤーの皆さんにはぜひ、カスタムチップの組み合わせも含めて、色々と試してみていただきたいと思っています。それをきっかけに、同じステージでもう一度、違った攻略法を試してチャレンジしてみる、という流れに繋がっていくと、嬉しいです。
また、これは『ロックマン』シリーズの伝統でもありますが、ボスに対して有効な特殊武器を使うと大きなダメージを与えられる要素は健在です。そこもぜひ、色々と試していただければと思います。
そして、もっと難しいチャレンジを求める『ロックマン』シリーズファンのお客さんに向けた選択肢も用意しています。今はまだお伝えできないのですけど、まさにファン向けとも言える遊びを用意していますので、続報をお待ちいただければと思っています。
──今回はオーバーライドでものすごく火力が出るので、敵の攻撃を受けさえしなければ、強敵をすぐに倒せる爽快感も過去作以上に味わえると感じました。そういうところも意識されているのでしょうか。
生田氏:
おっしゃる通りです。ファイナルチャージショットを決めて華麗に、かつカッコよく倒したいという欲求が自然に生まれるようになっています。それで、つい油断してダメージを喰らって、そのままやられちゃったりもして(笑)。
ただ、そのようなことになっても、決められた時の爽快感が上回りますので、ぜひ狙ってプレイしていただけると嬉しいですね。
数々のチャレンジを重ねつつも、『ロックマン』シリーズとしての大事な部分は守る。新規ユーザーを楽しませる一方、随所に仕込んだネタで「ファンにニヤリとしてほしい」
──お話をお聞きしていますと、今回の新作には『ロックマン』シリーズのお約束を打ち破るという方針を掲げて制作しているような印象を抱いたのですが、いかがですか?
生田氏:
さすがに「『ロックマン』シリーズのお約束を打ち破る!」みたいなことをコンセプトとして掲げている訳ではありません。『ロックマン』シリーズとして守るべき部分につきましては、今回の新作においてもしっかりと残すことを心がけております。
開発メンバーにも『ロックマン』シリーズのファンがいますので、ファンが思っていること、大切にしていることであったり、『ロックマン』のゲームプレイの醍醐味といった部分は今回の新作でも守り通しています。
その上で、これまで『ロックマン』を遊ばれたことのない新しいユーザーの皆さんがチャレンジしやすくて、難しめのゲーム性を攻略していく楽しみというものを感じてもらえるよう、設計面で挑戦しています。それが今回の新作になる感じですね。
──前作はゲームスタート前に4段階の難易度を選べました。今回も難易度選択はあるのでしょうか?
南谷氏:
はい、難易度選択機能は用意する予定です。ただ、何種類を用意するかといった詳細につきましては、今後をお待ちいただければと思います。
──今回のgamescomでのプレイアブル出展以降にも、ユーザーの皆さんが体験できる機会があるかと思われます。これからプレイされる方々にどういったところに注目いただきたいかというのがあればお聞きできればと思います。
南谷氏:
まず、『ロックマン』シリーズのファンの皆さんには『ロックマン』らしい手応えを感じ取っていただきたいですね。そして、随所に盛り込まれたネタに「あ、これ知っている!」とニヤリとしてしまうような体験を楽しんでいただければと思います。
新しく『ロックマン』に触れていただくユーザーの皆さんに向けては、難しめのアクションゲームでありながら、チャレンジしていくうちにスムーズに攻略できるようになっていく達成感を感じやすくなっていると思います。3分割されたエリアであるとか、カスタムチップによる段階的な成長要素もありますので、そういう部分を味わってほしいですね。(了)
かつての“進化の系譜”を思わせるゲームデザインは意外にも偶然の産物とのこと。しかし、結果としてあの頃を思わせるチャレンジ精神が込められた無印『ロックマン』の新作になるのは間違いないようで、早くも製品版の発売日が待ち遠しくなった。
また、驚いたのはステージの総数が過去の『ロックマン』シリーズの倍以上になるらしいこと。それぞれのステージがどのように個性付けをされているのかが非常に気になるところだ。
たとえば『ロックマン8』のソードマンステージのような迷宮構造のステージがあったりするのか、『ロックマンゼロ』のあるミッションのようにステージの開始早々メインボスとの戦いが始まるイベントがあるのか、など、『ロックマン』ファンの筆者としては様々な可能性を考え、期待に胸を膨らませてしまった。
発売予定は2027年とまだ当面先とは言え、今後、ボスキャラクターのデザインコンテストの結果発表もあり、まさに「ごれがるがホンバナ」……って違う。これからが(情報公開の)本番になってきそうな本作。
現時点でも「ここまで変えてくるとは!」と驚かされる見所があっただけに、さらなる詳細が明かされるその日が待ち遠しい。
ひとまず、発売に向けて筆者は改めて過去の『ロックマン』シリーズを遊び直しておくことにする。過去作のボスが出るとなってはなおのこと。
まずはアストロマン繋がりでテングマンの攻撃パターンを覚えておこうか……あ、『ロックマン2』と『ロックマン7』に改造版が出た履歴から、ガッツマンも対策しておくとよさそうだ。『エグゾプライマル』のコラボイベントで抜擢された経緯から、エアーマンとも何度か戦っておこうか。そうだ、『ロックマン8』のセガサターン版ではカットマンとウッドマンが再登場したこともあった。あの2体も対策しておくといいかもしれない。カットマンに至っては『ロックマンX8』にも出張していたしなぁ……。
……という具合に、ひとりで盛り上がっているこのごろです。








