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PCで人気のMMORPG『黒い砂漠』のモバイル版が登場。スマホで遊べる最新オンラインゲームの内容は如何に?【レビュー:黒い砂漠 MOBILE】

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 古代文明の動力源であった「黒い石」が眠る砂漠を巡り、ふたつの王国が争っている世界を舞台とした、PCで人気のMMORPG『黒い砂漠』
 最新技術による美しいグラフィックを持つこのファンタジーRPGのモバイル版が、美麗なグラフィックそのままに、ついに公開されました。
 『黒い砂漠 MOBILE』です。

PCで人気のMMORPG『黒い砂漠』のモバイル版が登場。スマホで遊べる最新オンラインゲームの内容は如何に?【レビュー:黒い砂漠 MOBILE】_001

 PCで運営されている本家の『黒い砂漠』は、2015年に正式スタートしました(韓国のメーカーPearl Abyssが開発)。
 折しも当時はMMORPGが下火となり、PC市場は新たなハイスペックPCゲームを求めていた頃。
 ゲーミングモデルを扱うPCメーカーが、こぞってこの作品に期待を寄せていたのを覚えています。

 3DのアクションRPGであり、一部のマルチプレイヤー用コンテンツやギルド戦以外、パーティー行動は必須ではありません。
 ソロでも気軽に楽しめるMMORPGです。

 生産や採取もありますが、作業に「行動力」と呼ばれるスタミナや、実時間の経過を必要とするため、生産だけを続けられるようなゲームではありません。
 韓国ではあまりオンラインゲームの生産活動は好まれないためか、基本的には戦闘がメインです。

 そして今回公開された『黒い砂漠』のモバイル版は…… まず、グラフィックが素晴らしいです。
 使用機種にもよりますが、PC用MMORPGの最先端のグラフィックを、スマホでも大きく見劣りしないレベルで見ることができます。
 演出もド派手で、見栄えという点では最高です。

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 一方でゲーム内容は、典型的な「韓国ソシャゲ」の作り。
 韓国のソーシャルゲームは「非常に美しいグラフィックを持つ無双系の3Dバトルだが、全自動に近い強力なオート戦闘が可能で、ほぼ眺めているだけで進行する」という特徴があります。

 もちろんゲームによって若干の違いはありますが、日本のソシャゲの多くが簡易的なカードバトルと『パズドラ』をテンプレとしているのに対し、韓国のテンプレはこのタイプ。
 最初にやったときは「ああ、また自動無双かぁ」と思ったのも本音です……。

 ただ、前述したようにグラフィックのレベルがハンパではないため、眺めているだけでも楽しいです。
 また、フィールドは一本道ではなく、相応の広さがあり、自由に散策することも可能です。

 スマホではテクニカルなアクション戦闘は難しく、ソーシャルゲームのユーザーには忙しい操作を嫌う人も多いので、モバイル用としてはこのぐらい割り切っている方が良いかもしれません。
 ともかく「PC版をそのまま再現したもの」ではないのでご注意を。

 ソーシャルゲームなのでアプリ本体は無料ですが、もちろん課金はあります。
 課金通貨はガチャの他に、経験値の入手量を増やすアイテムや、特別装備の購入、作業の短縮など、さまざまな用途に使われます。
 ただ、そこまで課金アピールが目に付くゲームではありません。

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 利用できる職業は現時点(2019/3)で、ウォーリア男、レンジャー女、ウィッチ女、ジャイアント男、ヴァルキリー女。
 職業と性別が固定されているゲームで、女性ウォーリアや男性魔術師は選べません。
 キャラはいかにも韓国的造形の美男美女。欧米のものほどデザインに違和感がないのは良いですね。

 ゲームは「クエスト」に沿って進行します。
 フィールドを自由に動けるゲームですが、クエストのボタンを押すとNPCのいる場所に自動で移動してくれます。
 会話後に再びクエストのボタンを押すと、倒すべき敵のいる場所に自動で向かい、戦闘もオートにできますから、つまり全部オート
 前述したように眺めているだけでOK。

 「ポチポチゲー」ならぬ「眺め眺めゲー」ですが、フィールドが広くても迷子になることなく、サクサクと進められるのは快適です。

 クエストの大半は、いわゆる「お使い」系。
 韓国のRPG、いわゆるKRPGは、「○○の敵を□匹倒してこい」や「○○のアイテムを□個ひろってこい」といったお使いクエストを、ひたすら繰り返すのが特徴です。
 日本ではあまり好まれない形式ですが、このゲームは「全部オート」で移動もバトルもスピーディーなので、それほど面倒ではありません。

 戦闘はマニュアル操作の場合、ボタンで連続技や特殊技を繰り出します。
 特殊技は最大で8つまでセットすることができ、他にポーションを使って回復するボタンと、ゴロゴロ転がって敵の攻撃をかわす回避ボタンもあります。

 ただ、HP表示の左にある自動化ボタンを押すと、敵への接近を含む、回避以外の動作はすべて自動で行われます。
 敵のほうに走って行き、連続で攻撃を行い、発動可能な特殊技を繰り出し、HPが減ったら回復して、倒したら次の敵に向かうという一連の行動を、全部やってくれます。

 ボスは回避しないと危険な攻撃を繰り出してきますが、ザコ戦で回避はほぼ不要なので、何度も言うようにプレイヤーは見ているだけでOK。
 クエストの条件を達成したらNPCに報告する必要がありますが、その移動も自動にできます。

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イノシシの群と戦闘中。大量のザコをバサバサ斬り倒していく無双系。
韓国のオンラインRPGは一昔前は横視点アクション型が、最近は無双型が人気で、基本的にずっとバトル。
そして、通信レスポンスと3Dグラフィックの質に優れます。
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この火の粉が飛び散るようなド派手な演出が『黒い砂漠』の特徴!
これをスマホで見られる時代になろうとは……。
基本攻撃だけでなく、技も薬もすべて自動なのはどうかと思いますが、慣れてしまうとこれもこれで面倒くさくなくて良いですね。
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最初のボス、巨大インプ「レッドノーズ」との死闘。さすがにボス戦は眺めているだけだとボコボコにされます。
大ぶりの攻撃が来そうなときは回避ボタンでかわしましょう。このとき、スティックを入れているほうに転がるので、逃げる方向を指示すること。
敵の後ろに回り込むのも良いです。

 もちろんソーシャルゲームですし、RPGですから、ずっとストレートに進行できるわけではありません。
 徐々に敵が強くなってきて、そのうち倒せなくなります。
 「回復が自動」といってもポーションはタダではなく、無理に強敵と戦っていると薬をガブ飲みするハメになって金欠に陥るため、無理な戦いは禁物です。

 各クエストには「推奨戦闘力」があり、キャラの評価値が足りていない場合はレベル上げか装備の強化を行うほうが無難でしょう。
 テクニックを駆使することもできないわけではありませんが、基本的には「レベルを上げて物理(魔法)で殴る」ゲームです。
 ソシャゲですから課金にモノを言わせる手もありますが……。

 経験値はその辺の敵を倒していても細々と増えていきますが、それよりも各地域で受けられる「繰り返しクエスト」を行うほうが良いでしょう。
 これも「○○を□匹倒してこい」系ですが、ただ戦うよりも達成報酬がもらえるぶん、お得です。

 敵が弱ければバトルは放置で良く、画面の描画を止めてバックグラウンドで進行させられる「節電モード」もあるので、時間はかかるものの手軽に経験値は稼げます。

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ポーションは薬屋のNPCから購入。常に100個ぐらいは持っておきたい。
画面左上にある「家と矢印」のボタンを押して「最寄りの村に移動」をタップすると、近くのショップのあるエリアにワープできます。
MMOなので、近くには同サーバーの他プレイヤーの姿も見えます。
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ステータス画面。左上にある「家門戦闘力」がそのキャラクターの評価値。
エリアマップやボス戦で表示される推奨戦闘力に家門戦闘力が達していない場合は、戦力アップするか、レベル上げをした方がムダな苦戦をしなくてすみます。
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ただいま節電中……。画面に触れずに5分が経過するか、メニューを開いて下部にある「節電モード」のボタンを押すと、この状態になります。
描画が止まっているだけで、バックでは戦闘や通信は行われていて、ちゃんと経験値が溜まり、ペットによる宝箱回収も行われています。
この「節電モード」の存在も、韓国ソシャゲの特徴のひとつでしょう。
ただ、クエストの達成報告はこのモードを解除して、自分で行わなければなりません。
繰り返しクエストを受けられる場所はマップで青い「!」マークで示されています。

 また、装備や「闇の精霊」の強化でも戦力をアップさせられます。
 主人公には”まっくろくろすけ”のような「闇の精霊」が付きまとっていて、クエストなどで得られる「ブラックストーン」を渡すことで、装備の強化(潜在力突破)を行ってくれます。
 また、いらない装備を消費して精霊のレベルを上げると、主人公の強さに補正がかかります。

 装備はドロップやクエストの他に、町のショップや「取引所」での購入、ガチャなどで得られますが、さらに「領地」を開発して「生産」で作り出すこともできます。

 ゲームが進むとプレイヤーは領地を与えられ、領主となります。
 領内の好きな場所に施設を建てられ、作った村を綺麗な3Dグラフィックで眺めることができ、住民には素材採取や生産などの仕事を命令することができます。

 前述したようにプレイヤー自身の生産活動には行動力を消費し、一定時間が経たないと回復しないので、生産だけで遊べるゲームではありませんが、採掘・伐採・釣りなどの活動と、その技能レベルは存在します。
 アイテムを拾ってくれるペットや騎乗できる、装飾用の建物や装備などもあって、MMOらしい生活感を表現しようとしているのが伺えます。

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お供のアドバイザー「闇の精霊」。「闇の」というぐらいなので、ちょっと腹黒い。
用語がわかりにくいのですが「黒いオーラ」は精霊のレベルアップ、「潜在力突破」は装備強化、「潜在力伝授」は装備の強化レベルの合成、「水晶装着」は装備に強化ジェムを装着、「依頼」はデイリーミッションです。
戦闘力が足りない場合は、まず潜在力突破で装備の強化を行ってみましょう。それでも十分でない場合はレベル上げですね。
なお、闇の精霊がLv40になると、ログアウト中に数時間、自動で経験値稼ぎや採集を行ってくれる「闇の精霊モード」を使えるようになります。
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特殊技の装備と強化の画面。ちょっと見逃しやすいのですが、特殊技はレベルが一定値になると、効果の追加や強化を行えます。
敵が強いと思ったら、技のレベルアップも忘れずに。
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「領地」のシーン。自分で作った村をこんなに綺麗な3D表示で見られるのはすごいですね。
領地のシステム自体はスマホによくある「農園ゲーム」で、特筆すべきものではありません。命令を出して、数時間待って、それから収穫するという形。
領民の忠誠度は会話をすることで上がりますが、それにも行動力が必要なので注意。

 現時点の韓国型ソーシャルゲームの完成形にして、半放置でも遊べるお手軽RPGの最新型といった作品です。
 日本のソーシャルゲームとはかなり毛色が違いますが、難しいテクニックを駆使しなくても楽しめる、万人向けの作りという点では共通しています。
 システムが相応に複雑なので、カジュアルゲームという感じではありませんが。

 これだけのグラフィックですから使用機種の要求スペックは高めですが、画質は調整可能です。
 このページの画像はiPad Pro(2017)を使用、グラフィックや演出のレベルは「高」ですが、「中」や「低」にすれば多少性能が低めの機種でもプレイできるでしょう。

 ソーシャルゲームユーザーにとっては、今期最大の注目作といえます。
 ただし何度も言うように、バトルや移動が自動なので、テクニカルなアクションゲームを求めている人に向けられた作品ではありません。
 メーカーとしては、アクションMMORPGがやりたい人は、本家のPC版『黒い砂漠』をプレイしてください、といったところでしょうね。

黒い砂漠 MOBILE

PCの人気MMORPGを手軽に遊べる形に改修したスマホ版

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(画像は黒い砂漠 MOBILE – AppStoreより)

・ソーシャルゲーム(3DアクションRPG)
・Pearl Abyss(韓国)
・本体無料、課金あり

文/カムライターオ

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著者
PCで人気のMMORPG『黒い砂漠』のモバイル版が登場。スマホで遊べる最新オンラインゲームの内容は如何に?【レビュー:黒い砂漠 MOBILE】_014
『Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームのファンサイトを作成してきた。
iPhone 解説サイト『iPhone AC』を経て電ファミニコゲーマーのお世話に。
シューティングとシミュレーションが特に好き。

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