昭和末期が蘇る、魔界村の人気オマージュがスマホにも【レビュー:Maldita Castilla EX(マルディタカスティーラ ドン・ラミロと呪われた大地)】

 『魔界村』のオマージュ作。
 開発者の1980~90年代のゲームに対する熱い思いが込められた、当時を思い出す演出たっぷりのレトロ風アクションゲームがiOSに移植されました。
 『Maldita Castilla EX』(マルディタカスティーラ ドン・ラミロと呪われた大地)です。

 2012年にフリーソフトとして公開され、2016年に内容を拡張して製品化、Steam(PC)やPS4、XBox Oneで公開されていた作品です。
 特にSteamで高い評価を受け、翌年には3DS、PS Vita、Nintendo Switchにも移植。そして今年、スマホ版が登場しました。

 武器を投げて敵を倒しながら進むサイドビューのアクションゲームで、ほぼ魔界村と同じシステム。
 まったく同じではありませんが、懐かしさにあふれたシーンが連発されます。

 難易度は遊びやすく調整されており、本家の魔界村は開始数十秒で死ぬこともザラ、ステージ1の中ボス(レッドアリーマー)で挫折した人も多かった高難度ゲームでしたが、今作はステージ1や2はそこまで難しくありません。
 中盤から難しくなっていき、終盤は本家の魔界村を思わせる難易度になりますが、ミスしてもあまり戻されず、コンティニューにも制限はないので、オリジナルほど困難ではありません。
 コンティニューしまくっているとエンディングに影響するかもしれませんが……。

 iOS版の価格は490円。Steam版は1200円、Switch版は1700円なので、かなりお得。
 開発したのはスペインの方で、1980~90年代のシューティングゲームをリスペクトした作品『Super Hydorah』もこの方の作品です。

 十字キーで移動し、ボタンでジャンプと武器投げ攻撃を行います。
 『大魔界村』のように真上にも攻撃でき、ジャンプ中に下を押しながら投げれば下撃ちも可能。
 ただし『超魔界村』のような二段ジャンプは、アイテム(ブーツ)を持っているときしかできません。

 iOS版の難点は操作性で、十字キーの判定範囲があまり大きくなく、かなり気を配っていないと押しミスが多発します。
 致命的というほどではありませんが、シビアな操作が要求されるゲームなので、それで操作性が良くないとイライラすることもありますね……。

 幸い、iOS13でPS4やXboxのワイヤレスコントローラーを使えるようになったので、物理コントローラーを活用できる人は多いでしょう。
 このゲームはコントローラー推奨で、ここでの評価も物理コントローラー前提だと思って下さい。

※PS4のワイヤレスコントローラーをiOSに接続するには、スマホ/タブレット側の”設定”アプリを起動してBluetoothの画面を表示し、コントローラーのSHAREボタンとPSボタンをライトが点滅するまで押し続け、画面に表示されるコントローラー名をタップして下さい。
一度接続すれば、以後はコントローラーを起動するだけで繋がるようになります。

 魔界村とは違いライフ制+残機制で、スタート時の難易度選択で「チャンピオン」を選択すると3、「キシ」を選択すると5のライフを持ってスタートできます。
 よってキシならダメージにはかなり耐えられます。それでも後半ステージは簡単とは言えませんが。
 なお、ダメージを受けても鎧が壊れたりはしません。パンツ一丁にもならず、墓場がデートスポットだったりもしません。

 武器は一直線に飛ばすソード、放物線を描いて飛ぶハンドアックス、連射は早いが短射程のカマブーメラン、弾が大きいボーラス、3Wayだけど連射が効かないダガーズ、単発だが高威力のホーリーファイアの6種類。
 魔界村と同じく使いにくい武器もあり、初期装備のソードが一番無難です。

 武器は宝箱から出るアイテムで変更しますが、今作の武器アイテムは待っていると別の武器に変わります。
 よって「望みの武器がなかなか出てこず、使いたいものを使えない」ということはありません。
 宝箱は最初から見えていて、特定の場所でジャンプしないと出てこない、といったことはありません。

 また、これとは別にサブアイテムとして、攻撃を1回耐えるシールドや、一緒に攻撃してくれるフェアリーなどを所持できます。

大魔界村を思い出す風車エリア。
「同じではないけど見覚えのあるシーン」がたくさん出てきます。
風車は単なる背景ではなく、当たり判定があるので注意。
馬車のシーン。ここは魔界村と言うより『ウィロー』を彷彿とさせます。
上方にもショットできるのを忘れずに。
魔界村おなじみの「左にジャンプしながら右に撃つ」といったジャンプ振り向き撃ちも重要。
キャラクターやアイテムのプロフィールを見られる「ライブラリー」。
ここはファミコン風になっていて、一層レトロな雰囲気です。ひらがな表記もそれっぽい。
起動時にはロムチェック画面が出てきます。

 各ステージには「どこかで見たような風景」が広がっています。
 ゾンビが這い出る平原、小悪魔が飛んでくる町、大きな風車、大男がうろつく階層など。
 「あぁ、こういうところあったなぁ」と思い出しながらプレイできるのが今作の魅力でしょう。
 もちろん全てが模倣ではなく、王の謁見や仲間との再会など、オリジナルなシーンも見られます。

 魔界村と言えば「二周エンド」がお約束ですが、今作は一周で終わり。
 しかし最終ステージへのゲートは「モーラのなみだ」と呼ばれるアイテムを集めていないと開かず、足りない場合はバッドエンドとなります。

 モーラのなみだは道中の5ヶ所に隠されており、謎解き要素と言えますが、ノーヒントで全て見つけるのはちょっと辛いですね……。
 また、コンティニューは3回までは問題なく行えますが、それ以上のコンティニューは「たましいとひきかえ」と言われます。
 つまりコンティニュー4回未満でクリアしないと、生きて帰ることはできません。
 いずれにせよ、慣れないとグッドエンディングは無理なので、まずはクリアを目指しましょう。

 モーラのなみだ以外にもいくつかの隠し要素があり、撃つと出てくる得点アイテムも各所に隠されています。
 時間制限に余裕がないゲームなので、あまりウロウロしているとタイムオーバーになってしまいますが。

全てのステージに中ボスが存在し、ボスの種類はかなり多め。
手強いボスばかりですが、パターンをつかめばノーダメージで撃破可能。その辺りの調整はしっかりしています。
このボス「パンデモニウム」は”反射しながら飛び回る、撃つと分裂する弾”を出してきます。
つまり「”パン”デモニウム」。
これが重要アイテム「モーラのなみだ」。ステージ1は中ボスのあとの壁の中に隠されています。
取るのが難しいものもあるので、初プレイでは無視した方が良いかも。隠し場所は文末にて。
ここのすき間を下撃ちすると、隠し要素の「みずうみのめがみ」が。
武器がソードなら「ファイアーソード」に変わります。ミスするとなくなるので長く使うのは困難ですが。
他にも十字架マークがある場所を見つけたら、しゃがんでみるといいかも。

 いかにも昭和末期のアーケードゲーム、およびスーパーファミコン初期のゲームを現代に復刻させたといった感じの作品。
 ドットグラフィックと現代技術の融合、といったものではなく、当時の雰囲気をそのまま再現しています。
 サウンドの音源も当時のものを模しており、こだわりを感じます。

 良い意味で魔界村そのものですが、ボスなどはすべてオリジナル。
 新しい魔界村として楽しむことができるでしょう。

 なお、iOS/Androidにはカプコンが公開している、オリジナルを移植した『魔界村モバイル』『大魔界村モバイル』のアプリも存在しますが…… 物理コントローラーに非対応。
 対応してくれれば、評価は変わると思うんですけどね……。


 【 ちょこっと攻略 】

 「モーラのなみだ」の隠し場所は以下の通りです。

・CHAPTER I
 中ボスのあと、シャンデリアの奥に王冠(1UP)がある場所の下段で、左の壁を撃つ。
・CHAPTER III
 最初の分岐を右に行き、鍵を取って戻る。骸骨のいる下層まで降りたら左の扉を開ける。
・CHAPTER IV
 洞窟のシーンで、最初の分岐を右。鎖が見えたら”下にある土台を壊さずに”その上に乗り、鎖を登る。
 左に向かって進むが、乗ると落ちる骨の床があり、敵も邪魔してくる。
 ギリギリまで近付いて敵を1体倒し、その後にジャンプショットを追いかけながら走り抜けるのが良い。落ちたら死んでやり直すしかない。
 その後、トゲトゲ地帯を抜けた先にある。
・CHAPTER VI
 最初のカエルのいるエリアで、高台の上にある宝箱から鍵を取る。上撃ちで破壊し、下からジャンプすれば取れる。
 そのあとのエレベーターのシーンで、上まで昇った先の扉を開ける。
・CHAPTER VII
 入口がふたつあるところは「下、上、下、扉」が正解。間違うと戻される。扉には鍵が必要。
 このエリアのみっつ目(洞窟の後)で、最初の木(十字架マークがある)の下でしゃがむと木像が出現するので、これを撃つ。

Maldita Castilla EX
マルディタカスティーラ ドン・ラミロと呪われた大地

(画像はMaldita Castilla EX – AppStoreより)

・アクション
・開発:Locomalito(スペイン)
・公開(iOS、Steam、Switch):Abylight Studios(スペイン)
・公開(PS4、3DS):フライハイワークス(日本)

文/カムライターオ

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著者
『Ultima Online』や『信長の野望 Online』、『シムシティ4』など、数々のゲームのファンサイトを作成してきた。
iPhone 解説サイト『iPhone AC』を経て電ファミニコゲーマーのお世話に。
シューティングとシミュレーションが特に好き。
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