爽快なのに歯ごたえがあり、戦闘の面白さが極まっている…!『テイルズ オブ アライズ』第1章先行プレイレビュー

 「ARISE」──生じる、発生する、そして「立ち上がる」

 そんな意味を持つ単語をタイトルに冠したアクションRPG『テイルズ オブ』シリーズの最新作、『テイルズ オブ アライズ』をストーリ第一章に限り先行プレイさせていただく機会を得た。 

 初代に当たる『テイルズ オブ ファンタジア』から25年あまり続いてきた同シリーズに、これまでの間触れてこなかったひとりの新規プレイヤーとして、『テイルズ』の最先端を味わえた感想をお届けしたいと思う。

文/久田晴


リスクリターンの緊張感と、ラッシュの爽快感を併せ持つ戦闘

 まずは、アクションRPGというジャンルのゲームを語るのに欠かせない戦闘時のプレイフィールから。
 基本的には通常攻撃と、(序盤では)あらかじめ6種類セットできる『術技』を組み合わせて戦う。通常攻撃を連打しているだけではすぐに連撃が終わってしまうので、間に術技を挟むことで長いコンボを組んでいく。

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 術技にはそれぞれ特殊な効果があり、相手を浮かし空中コンボへと繋ぐものや、逆に空中から落下攻撃をするもの、また状態異常を付与したり、味方を回復するものなどさまざま。ストーリー第1章の時点ではプレイアブルキャラクターはふたりのみだが、公式サイトなどで紹介される仲間の情報をうかがうに、それぞれ個性豊かな術技を備えているのが予想できる。

 術技を使用するためには『AG(アーツゲージ)』が必要となる。逆に言えば、AGさえあれば術技を繰り返して非常に長いコンボを叩き込むこと可能になるのだ。AGは時間経過で回復するため、基本的にはどんどん使っていける。

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水色の◇がアーツゲージ、画像は3つすべて回復した状態

 更に術技の発動はワンボタンでできるのでシリーズのシステムに不慣れな筆者も、斬って打ち上げて斬って叩きつけて……みたいな簡単なコンボはすぐにできるようになった。

 攻撃時のエフェクトもスタイリッシュかつ、視覚の邪魔にはなりにくいよう調整されており、「この先パーティメンバーが増えて、賑やかになったらさぞ楽しいだろうな」と思わせる作りだった。

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華麗なエフェクトが戦闘の爽快感を加速させる

 もちろん、本作はただ殴っているだけで勝てるほど甘いゲームではない。難易度は3段階用意されており、初見ということでノーマルでプレイしたのだが、思ったよりも手こずった。特に第1章最後のボスにはかなりの苦戦を強いられた。
 鎧を着こんだ敵に対しては、闇雲に通常攻撃を振り回してもそのガードを崩すのは難しい。その上回復のリソースは限られているため、真正面から殴り合いを続けるのは得策とは言えないだろう。

 ここで重要になってくるのが回避やガード、そしてそれらに付随する『カウンターレイド』だ。ジャストタイミングでの回避orガードに成功するとキャラクターに特殊なエフェクトがかかり、通常攻撃でカウンターレイドが発動。

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ジャスト回避成功後は青白いエフェクトに包まれ、反撃の好機となる

 そこからコンボに持ち込める上、強力な『ブーストアタック』を発動するためのゲージも回収できる。ブーストアタックはAGを全快させる効果があるため、術技を乱打してコンボを大きく伸ばすことが可能となる。

 つまるところ、防御的行動である回避&ガードが攻撃のリターンを大幅に増やす構造になっているのだ。ゲージが欲しいしダメージも稼ぎたいからジャスト回避を狙い、失敗すれば手痛い一撃をもらうという緊張感。
 このリスクとリターンのバランスが、戦闘シーンでの興奮を誘う。神経を研ぎ澄ました回避の成功から、溜めたゲージを使って高いダメージを叩き出せた時の爽快感。相手もこちらもボロボロになってからの、回避行動ごとの緊張感。相手の動きを見て回避しチャンスを得るというシンプルな構造に、爽快なラッシュが結びつき戦闘シーンの面白さが極まっている。

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第1章のボス、領将ビエゾ

 なお、筆者が第1章のボスに苦戦したのは、このジャスト回避を狙いすぎたところにあるだろう。「大振りな攻撃が多く、ギリギリまで引き付けすぎて当たってしまう」というパターンを繰り返してしまったせいだ。その辺りにうろついている雑魚敵とは火力が段違いに高いので、ワンミスが文字通り命取りになる。

 そのため、途中からは戦術を見直すことにした。全ての攻撃に最大リターンを取り続けるのは難しいと判断し、メインウェポンが銃のキャラクター(シオン)に操作を変更。被弾を最小限に抑えつつ立ち回る。
 遠距離への突撃やジャンプ攻撃は比較的タイミングが読みやすいのでカウンターレイドを成功させ、ゲージを回収。確実に取れるリターンを丁寧に取り、一度のチャンスを無駄にしないよう心掛けてチャレンジを繰り返し、ようやく倒すことができた。

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戦闘中はいつでも操作キャラクターを変更できる

 ここまで来て初めてキャラクターチェンジを使ったのだが、これもまた新たな仲間の加入が楽しみになる要素だった。プレイしている時の感覚が全く違うのだ。
 基礎システムは統合されているものの、通常攻撃も術技もまったく別物になるため、戦術や得意な相手も異なってくる。もっと積極的に両方のキャラクターを使うべきだったと反省した。第二章以降で加入する仲間たちがどのような個性を持っているのか、どんな戦い方ができるのか、非常に楽しみなところである。

 ちなみに、操作していないキャラクターは自動で戦闘に参加してくれる。作戦をあらかじめ選んでおけばおおよそその通りに動いてくれるし、初期設定のバランス型の作戦でも十二分に活躍してくれた。特に、回復役をNPCにお任せできるのはとてもありがたかった。援護を任せて、自分は攻撃と回避に専念できるからだ。
 プレイスタイルに合わせて動かすキャラクターを選べるのも、パーティ型アクションRPGの長所のひとつだろう。NPCと連携を取り、同じ敵を狙って上手くラッシュをかければ、一撃必殺の『ブーストストライク』も狙っていける。仲間同士の協力技となるこちらのド派手な演出は、一見の価値ありだ。

重厚なストーリーと、その隙間で語られるパーティーメンバーの人間味

 続いて、予想の数倍シリアスだったストーリーの導入と、そこで生きるキャラクター達に対する印象のお話。
 物語の始まりは、奴隷の苦役場だ。見るからに暑そうな鉱山で過酷な労働に従事する、仮面の男が最初のプレイアブルキャラクターとなる『鉄仮面』。この時点では記憶も名前も失っているが、その見た目の不気味さと裏腹な、青臭いまっすぐさが印象的だった。

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同胞の自由のために剣を取る『鉄仮面』

 彼を含む奴隷たちは皆『ダナ』の人間で、300年前に『レナ』の侵略を受けて以後、隷属を強いられているらしい。レナは技術的にも相当発展しているうえ、レナ人たちは『星霊術』と呼ばれる特別な力も使える。
 文字通り力ずくで押さえつけるレナ人の奴隷に対する扱いは非常に残酷なもので、ダナ人が憎しみを募らせるのも当たり前と思えるほど。互いに対する蔑称や会話の節々に仕込まれているし、更にはロード中の単語紹介でさえ彼らの分断の深さを表すものとなっている。

 「ARISE」というタイトルを素直に受け取るならば、レナの支配に対してダナ人たちが「立ち上がる」ストーリーと言えるだろう。事実、第1章のストーリーではレナの暴虐を見せつけられた後、ダナのレジスタンスによる蜂起が描かれる。
 しかし、同時にダナvsレナという単純な構図にはならない。何故ならふたり目のプレイアブルキャラクターである『シオン』はレナの人間なのだから。人を癒す力を持ちながら、触れた相手には問答無用の激痛を与える呪いに苛まれる彼女は、理由は不明ながらも同胞であるレナに牙を剝く。
 が、決してダナ人たちと和気あいあいというわけではなく、むしろ刺々しさを隠さない。彼女のバックボーンがいつ、どのような形で語られるのか、裏切り者の誹りを受けながらも揺らぐことのない決意の源流が気になるところである。

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レナ人でありながらダナ人と共闘する『シオン』

 『鉄仮面』と『シオン』、第1章のパーティメンバーはふたりとも重いものを背負っている。鉄仮面は同胞たちの命と自由のため。シオンについても詳細は不明ながら、その覚悟の強さから尋常ではない何かを背負っていることは間違いないだろう。
 戦力的には大きく劣るレジスタンスでレナの支配に立ち向かう構図も物語のシリアスに拍車をかけ、志半ばで倒れた名も無き兵士たちの姿が戦争の悲惨さを感じさせる。

 そんなシビアな世界で、シリーズに伝統のシステムである『スキット』素晴らしい清涼剤として効果を発揮していた。
 スキットはストーリーの進行やフィールドマップ中の移動に合わせて発生する、いわばパーティ内での雑談のようなイベントであり、会話シーンを見るかどうかはプレイヤーに任せられる。
 筆者は見落とさない限りで全てに目を通したが、どれも見てよかったと思える一幕だった。緊張の連続であるメインストーリーでは表れることのない、彼らの人間らしい部分に触れることができたからだ。

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ちょっとした会話から垣間見える彼らの魅力

 暗く、重い話だけでは疲れてしまうが、シリアスの中に唐突にコミカルな要素を捻じ込むと、今度は冷めてしまう。その点、会話の有無をプレイヤーの意志に任せるというのはゲームならではの手法だと感じた。
 大筋に影響はないが、スキットをどの程度鑑賞するかによってキャラクターへの印象は変わってくるだろう。第1章のふたりは、お互いの出自や境遇の違いから少しギスギスした雰囲気を醸しがちなのは否めない。レナの兵士に立ち向かうときの心境や、ダナの人間から向けられる視線にはどうしても差が生まれる。

 ダナとレナの溝は、パーティの中にさえ存在するゲームを通じた重要なテーマになると感じた。だがスキットの会話では、時に彼らの間の壁は鳴りを潜め、一瞬の温かい時間を感じることができる。
 ちょっとした会話が緊張をほぐし、少しずつ打ち解けていく様子にはどこか大きな可能性さえ感じられる。その温度差、メインストーリーのシビアな雰囲気とのギャップがむしろ心地よい。
 息の詰まる緊張が続く中、ふっと誰かが漏らした冗談が呼吸を取り戻させてくれた、そんな経験が一度くらいは無いだろうか。命を懸ける戦場だからこそ、軽いジョークに縋りたくなるような瞬間。『テイルズ オブ アライズ』のスキットは正にその瞬間、パーティとプレイヤーを救ってくれる役割を果たしているように思えた。

「アクション」と「RPG」が調和した世界

 『テイルズ』シリーズ初体験の人間として、アクションRPGジャンルの名作の魅力を「アクション≒戦闘」と「RPG≒ストーリー」の大きくふたつの部分に分けて紹介させていただいた。
 本作の最も大きなセールスポイントとなるのはやはりその2点ではあるが、折角なので最後にもうひとつ、「世界を歩く楽しみ」をお伝えしようと思う。

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RPGらしい、世界を走り回る楽しみが用意されている

 アニメチックな3Dのワールドマップには収集できる素材やアイテム、会話できるNPC、もちろん敵モンスターも闊歩している。ミニマップには梯子の位置やクエストの受注場所、利用できる施設などが表示されるので迷うことは無いと言っていいだろう。

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見るからに近づいてはいけない雰囲気がただよう強敵

 フィールドにいる敵の中には、非常に強力なものもいて、近づこうとするとパーティメンバーに止められる。

 時間に余裕があれば意地でも倒してやりたかったが……製品版を買ったら試してみようと思っている。推奨レベルを大幅に超える強敵に挑みたくなってしまう、筆者のようなタイプの人間には嬉しい仕様ではないだろうか。

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マップ探索の楽しみのひとつであるフクロウは、とても可愛い

 見つけられて嬉しかったのは、フィールドの各所に隠れている、おまけ要素の『フクロウ』。話しかけると可愛らしい声と共に飛び立ち、アイテムを置いていってくれる。こういった要素はフィールド探索のモチベーションに繋がるので嬉しいところだ。

 歩き回っていれば必然的に交戦の回数は増すが、そもそも戦闘が楽しい上にフィールドマップとの移行がスムーズなので、プレイした中でエンカウントを極端に避けることはしなかった。
 回復リソース(回復行動時に消費するCPや回復アイテム)だけは野営などのチェックポイントごとでの補充になるので、最低限の管理は必要になる。とはいえ、ファストトラベルも可能なので危なそうであれば一時撤退して回復、ということもやりやすい。気にしておかなくてはいけないのはHP管理だけ、という点は余計なことに気を取られず、探索とアクションを精一杯楽しむのに最適な調整だと感じられた。

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苦しい中でもたくましく生きる人々との触れ合い

 そして、話しかけられるNPCの数が非常に多い。名前もない彼らのセリフひとつひとつから、この世界に生きる人々の姿がプレイヤーにも伝わってくる感触には、往年の名作RPGたちを彷彿とさせるものがあった。
 地味にありがたかったのは、話しかけたNPCは頭の上にポップするアイコンが変化すること。筆者は何となく全員に話しかけたくなってしまう性質なので、ぱっと見で会話済みかどうか分かるのがとても嬉しかった。イベントに関わる相手も見分けがつくので、無駄を省きたいタイプのプレイヤーにも優しい。

 会話に加えて前述のスキットも合わせると、相当な量のテキスト量になるのではないだろうか。筆者のように、文字情報から世界観にのめり込んでいくタイプの方には強くお勧めできるポイントだ。

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 『テイルズ オブ アライズ』は古典的な和製RPGの雰囲気を纏いつつも、システム的な面では極めて現代的に洗練されたデザインとなっている。美麗な3Dモデルで描かれる世界は、重要なイベントシーンで差し込まれるアニメーションと合わさり、世界への没入感を損なわない。

 世界観は厳しく、語られるテーマは重いが、そこに立ち向かう「人」の背中は頼もしい。スキットや戦闘中の掛け合いなどはパーティーメンバーへの愛着を深め、彼らの進む道の先を見たいと思わせる力を持っている。
 前述したように、ともすれば暗くなりすぎるメインストーリーに相反するような瞬間を積極的に取り入れられるのは、ゲームという形の創作物だからこそ可能な、ひとつの解答ではないだろうか。

 爽快感の強いアクション性と愛すべきキャラクター達によって紡がれるストーリー。『テイルズ オブ アライズ』は「アクションRPG」の文字通り、ふたつの要素が高いレベルで纏められた作品に仕上がっている。
 シリーズファンの方はもとより、「RPGが好き」「アクションゲームが好き」な新規プレイヤーの方にも、ぜひ触れていただきたい。

※画像はすべて開発中のものです。
Tales of Arise™ & ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc.

ライター
1998年生まれ。静岡大学情報学部にてプログラマーの道を志すも、FPSゲーム「Overwatch」に熱中するあまり中途退学。少年期に「アーマード・コア」「ドラッグ オン ドラグーン」などから受けた刺激を忘れられず、プログラミング言語から日本語にシフト。自分の言葉で真実の愛を語るべく奮闘中。「おもしろき こともなき世を おもしろく」するコンピューターゲームの力を信じている。道端のスズメに恋をする乙女。
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