株式会社レベルファイブより、2021年11月11日に発売予定のNintendo Switch、PlayStation 4向けRPG『メガトン級ムサシ』。そのリリースに先駆けて、メディア向けの先行試遊体験会が開催された。
※参考:8月6日に公開された『メガトン級ムサシ』PV
この『メガトン級ムサシ』は、ゲームのみならずアニメや玩具、コミックとメディアミックスで展開されているプロジェクトである。アニメもこの10月から放送が開始されたが、それにあわせてYouTubeの公式チャンネルでも無期限で無料配信が行われている。まだアニメを見ておらず作品についてより深く知りたいという人は、そちらもあわせてチェックしておくといいだろう。
さて今回の先行試遊体験会では、ストーリーとカスタマイズ、マルチプレイといった3つのパートを体験することができた。本稿では、それぞれの特徴やポイントについてご紹介していく。なお、Nintendo Switch版でのプレイであったため、記事中のボタン表記はそちらに合わせているのでご了承願いたい。
文/高島おしゃむ
アニメの物語をそのまま追体験! フルボイスでの会話が楽しめる「ストーリー」
「ストーリー」は、本作の主人公である一大寺大和の部屋から、浅海輝がいるゲームセンターの「MEGA」に向かう1章中盤からの物語を体験することができた。マップ上を自分でキャラクターを動かしながら目的地に向かっていくのだが、基本的に矢印で目的地の方向が示されているため、あまり迷うことはないだろう。
途中で出会う人たちの頭上には「…」の吹き出しが出ている。これらのキャラクターには、自由に話しかけることが可能だ。面白いところは、こうした一見モブキャラにすぎないような人たちとの会話でも、すべてフルボイスで楽しめるところである。
また、話を一度聞いた人の吹き出しは、青いグラデーションが掛かったような表示に切り替わるのでわかりやすい。目的地以外にも中に入れる施設が多数あるため、ついつい寄り道していろんな人に話しかけたくなる。
ちなみに、今回のプレイではあまり影響はなかったのだが、本作では時間の概念も盛り込まれており、街を移動していると時間が経過して夕方や夜になることがある。時間帯によっては、その人がいる場所や話す内容も変わることがあるのだ。
時間の変更については、鍵マークが付いている時以外は、時間変更アプリで切り替えることができる。つまり、こうした要素もゲームを進めていく上で重要になってくるということだろう。
場面ごとに流れているBGMもアニメそのままのため、より感情移入しやすくなっているところもポイントといえるだろう。たとえば、輝に呼び出されてロボットたちと戦うことになった大和と土方龍吾だが、ピンチに陥ったときにスマホでBGMを流すシーンが登場する。こちらも、劇中同様のアップテンポの楽曲が流れるため、気分もかなり盛り上がる。
ストーリー的にはアニメを踏襲しているのだが、ゲームの方がより細かく描かれており、物語を補完してくれるイメージだ。
演出面でも面白い試みが行われており、アニメに寄せている部分もあれば動くコミック風といった場面も登場する。同じ場面であっても、アニメとは異なる絵面になっているなど、ゲームならではの体験ができるというわけである。
見た目だけではなくかゆいところまで手が届く「カスタマイズ」
自分が操るロボットのローグを含めて、非常に豊富なカスタマイズメニューが用意されているところも、この『メガトン級ムサシ』の魅力だ。じつは今回体験した3つの要素のなかで、「じつは一番力が入れられているのでは?」と感じたのが、この「カスタマイズ」である。
カスタマイズ可能な項目は多岐にわたり、それぞれを突き詰めていくことでまさに自分だけのローグを作り出すことができるのだ。
「ローグハンガー」では、手持ちのパーツの中からボディ、ライトアーム、レフトアーム、レッグを自由に変更して自分だけのローグを作り上げていくことができる。こうしたパーツ類は、このあとに紹介する開発でもパーツは手に入るほか、ミッションの報酬としてもゲットすることができる。基本的にはハクスラ的な要素になっており、より良いパーツが手に入ったときに交換していくといったイメージだ。
それぞれのパーツには、レア度やランクが設定されている。レア度はコモン、アンコモン、レア、エピック、レジェンダリーといった感じに分かれているのだが、レア度が高い場合であっても、ランクが低い場合はレア度が最低のコモンでランクが高いものの方が強い場合がある。
このランクは、プレイヤーランクが上がっていくことで、より高いランクのパーツが入手できるようになる。見た目の種類も豊富なので、単純に強さだけを追求するのではなく、ロマンで自分だけのローグを作っていくという遊び方もありだろう。
現状付けているパーツとどれぐらいの差があるか確認したいときは、画面右側の項目に注目しよう。こちらでは、現在付けているものよりも性能が落ちる場合は赤い文字で数値が表示され、上がる場合は緑色の文字で表示される。
各パーツには「ムサシ・ボディ」といった感じで名前が付けられているが、同種のパーツを取り付けることでセット効果を狙うこともできる。
「回路開発」はスキルツリーのようになっており、開発していくことでいろいろなパーツや設計図が手に入るといった項目だ。
自分の機体を強くするための開発が行える。このツリーはかなり膨大な数になっており、これだけでもかなりのやりこみ要素となっている。
「マザーボード」では、PCのマザーボードのような画面に切り替わる。こちらでは、入手したパーツに変更していくことが可能だ。すでにセットされているパーツを外して、新たにほかのパーツに切り替えることもできる。たとえばサーキットブースターでは、ファンの向きも変更することができる。ファンの効果が及ぼす範囲何にセットされたほかの回路を、強化することができるというわけだ
マザーボード自体も変更することができる。こちらはスロットの数なども変わるため、どのような機体に仕上げていきたいかといった要素にも影響する。気分的には、自作PCをゲーム内で作っているような感覚だ。
なおミッション中にコックピットモードに切り替えることがあるが、そのときに飾っておけるコックピットアクセサリーを、「コックピットカスタマイズ」で最大3つまで設定することができる。
特に戦闘に影響するような効果はないが、少しさみしいと感じたときは自由にカスタマイズしておくといいだろう。
「ビジュアルカスタマイズ」では、見た目の質感を変更することができる。たとえば質感の金属感と反射をマックスまで上げると、メタリックにテカった感じになる。逆にそれぞれの値を最低にすることで、アニメチックな表現にすることもできる。これらはパーツごとに設定していくことができるほか、Yボタンを押すことで全パーツに一気に指定することも可能だ。
また、パーツごとにデカールを貼ることもできる。新たなデカールはゲーム中に増えていく。サイズや位置、角度なども調整可能だ。
「研究所」では、パーツの開発やアップグレードなどが行える。その中の「開発」の指定開発では、設計図と必要な素材があれば新たなパーツを開発することが可能だ。
開発には開発用マテリアルが必要となる。たとえば、必要な開発用マテリアル数が60の場合は、それの数に達するように手持ちの素材の数を指定する必要がある。面倒な場合は、+キーを押すことで自動設定することもできる。
ここでアシストマテリアルを指定することで、属性なども付け加えることができる。こちらで作ったパーツは、先ほどの「ローグハンガー」で付け替えることが可能だ。
指定開発とは別に、パーツランダム開発、近接武器ランダム開発、射撃武器ランダム開発といったメニューも選べるが、こちらはいわばガチャのようなもので、ランダムで何かのパーツを作り出すことができる。
「増設ユニット」では、属性などを追加することが可能だ。敵によっては効く属性とそうではない属性があるため、そちらを考慮して増設ユニットを調整することができる。スロットの数はパーツによって異なるが、最大3つまで設定が可能だ。
「ユニットリビルド」は、使わない増設ユニットを再構築して、新らしい増設ユニットが作れる項目だ。再構築には、増設ユニットが3つ必要で、投入コストが上限に近くなるほどその性能も高くなる。
この投入コストの上限はプレイヤーランクで決定される。増設ユニットに付与されるスキルついては、ランダムだ。このときに、アシストマテリアルを投入すると、狙ったスキルを発動させることもできる。
最大3人まで参加可能なオフライン協力プレイにも対応した「マルチプレイ」
「マルチプレイ」として今回体験したのは、フリーミッションの「MI-14待ち伏せ」だ。メニューから「ミッション」を選ぶと、「オフラインミッション」、「オンラインミッション」、「ローカル通信」の3項目が現れる。
今回のマルチプレイは、この中の「ローカル通信」で行われた。「ローカル通信」はNintendo Switch限定だが、昔の携帯ゲーム機のように友達同士で集まって、その場でわいわい言いながら強力な敵に挑んでいくこともできる。
ルームに入り、ZRキーを押すと出撃準備完了になる。参加者全員が準備完了になると、ミッションのスタートだ。ド派手な登場シーンと共に、ミッションがスタート。
敵はいくつかの塊で出現する。それらを蹴散らすと別の場所に出現するといった感じで、いくつかのウェーブを処理していきながら最終的にボスを倒すとクリアとなる。
プレイ中、ほかのキャラクターからの通信が入るなど、ここでも作品の世界観がよく出ているといった印象だ。バトルはひたすら痛快である。
敵の近くでYボタンを押すことで近接攻撃を繰り出すことができる。Rスティックを押すと、敵をターゲットすることも可能だ。また、ZRキーを使って、射撃による遠隔攻撃もできる。Xボタンを押してメニューを呼び出すことで武器の変更も可能だ。こちらは、メニューの右側が遠距離、左側が近距離武器となっている。
ボタンに関しては、そこそこ適当に押していてもある程度敵を倒していくことができる。そうしたこともあってか、ゲームに慣れていない状態でも爽快感を味わうことができるのも特徴のひとつといえそうだ。ミッション中、TPが貯まっていくと必殺技が使えるようになる。こちら特にデメリットはないため、意識せずにどんどん使っていくようにしよう。
また、特定の必殺技を使用することで、黄色い円で囲まれた「フォースフィールド」が出現する。このフォースフィールドの中に入ることでフォースレベルが上がり、必殺技を繰り出すときのエフェクトも派手になるほかダメージも上昇する。
ゲーム中に+ボタンを押すと、コックピットモードに切り替わる。ここで「回収アイテム確認」を選ぶと、これまで入手したアイテムの状況をチェックすることができる。
また、パーツが壊れている場合は「急速修理」を選ぶことで修理することも可能だ。修理中は敵からの攻撃を受けてしまいがちなため、なるべくなら敵がいないような場所に移動してから行うことをオススメする。
ゲージがたまっていくと、L+Rキーで「カクゴシステム」を発動することができる。「カクゴシステム」は3種類用意されており、十字キーでそれらを選択することが可能だ。
たとえば「捨て身」のカクゴを発動すると、赤く表示されている円の中にいる味方や自分の攻撃力を上昇させることができる。ただし、自分の防御力だけは下がってしまので、注意が必要だ。
「カクゴシステム」にはほかにも、防御力を上昇させる「鉄壁」や回復フィールドを発生させる「生還」といったものもある。いずれの場合も、自身はやや能力が下がるが、味方や自分の助けになるようなものとなっている。
最後に登場するボスキャラは様々なタイプがいるが、今回挑戦した「クラブ融合型」は脚を攻撃してダウンさせた状態にしないとあまり攻撃が通らないといった特徴を持っている。普通に脳筋で倒せる敵もいるが、中にはこうした弱点を突かなければ倒せないボスもいるといった感じだ。
ミッション中に1度だけ使用できる必殺技の「カブキファンクション」を繰り出すことで、大きなダメージを与えることができる。ただし、ボスキャラの場合は必ずしもそれでダウンまで持っていけるというわけではないので、仲間と連携しながら狙っていくのがいいだろう。
この「カブキファンクション」を使用するときは、コックピットモードで「カブキファンクション」を呼び出す必要がある。エイムを合わせる画面に切り替わるので、狙いを定めて発射していこう。
のんびり狙いを定めていると敵が動き出してチャンスを逃してしまうため、注意が必要だ。必殺技が決まると、ド派手な演出と共に攻撃が繰り出される。
なんとかボスキャラを倒すことができると、リザルト画面に切り替わる。こちらでは、ミッションクリア報酬とこれまでに入手したアイテムを確認することができる。
今回体験したのは、ゲームのほんの一部にすぎない。それでいながら、これだけのボリュームを持った作品となっているので、たっぷりと楽しめそうなことは間違いない。
今回はNintendo Switchでの試遊だったが、マルチプレイも含めてかなり快適にプレイすることができた。作品自体のファンもそうだが、単純にロボットアクションモノとしても秀逸なので、ぜひ本作にも挑戦してもらいたい。