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されたら嫌だけど、できたら気持ちがいい……そんな格ゲーの「長いコンボ」が単純明快な操作で味わえる。『N-INNOCENCE-(エヌ・イノセンス)』は憧れの長いコンボの魅力を思い出す

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 アソビモの新作『N-INNOCENCE-(エヌ・イノセンス)』(以下エヌイノ)は“本格的な格闘ゲームの面白い要素を凝縮した”というスマホアクションゲーム。
 そんな本作を先行プレイできる機会をいただいたので、本稿ではその魅力を紹介していこうと思うのですが……その前にちょっとした「格ゲー小話」をさせてください。

 これは格ゲー好きな私の100%主観的な意見なのですが、「格闘ゲームにおける不快行動ランキング」があるとしたら、その堂々たる1位は「長いコンボ」だと思うのです。

 もちろん、長いコンボを前提として作られたいわゆるコンボゲーと呼ばれる名作は無数に存在しているし、長いコンボの存在自体はキャラ性能の差別化にもつながるし、あってしかるべきもの。

 とはいえ、どんなものにも程度というものがありますよね……?『ストリートファイターZERO3』のソドムの永パとか見た目悪いじゃないですか……。オリコンの締めがジャンプ強パンチ連続なんですよ、どうしてあんな当たり方してるんだ……。

 格闘ゲームについてあまり詳しくない読者のために「長すぎるコンボ」を他のゲームで例えるなら、『遊戯王』で先行を取られてずっとソリティアのようにカードをチャカチャカされて、相手の盤面を眺めているだけのような状況に近いと思います。

 あるいは、『オセロ』のようなカジュアルなゲームでもそのような状況が生まれることがあります。最終盤面で相手に主導権を完全に握られたオセロ初心者であったあの日。無垢な自分は石を置く場所もなく、ターンを飛ばされ、相手のターンが何度も何度も続く……。

 つまり、格闘ゲームの「長いコンボ」が不快に感じられるのは、「自分は何もできないのに、相手に好き放題されている」という状況が生まれるからじゃないでしょうか。
 そしてさらに厄介なことは、逆に長いコンボやソリティアを仕掛ける側はとてつもなく気持ちがいいということです。

 はい……私はやられるのは嫌だけどやるのは好きな人間のクズです……。好きなだけ石を投げてください……。けど、みんなもやるのは好きでしょ……?

 とはいえ、もちろん「長いコンボ」を仕掛けるには相応の鍛錬が必要なんです。私は過去に『Melty Blood Actress Again Current Code』という格ゲーをどうしてもやりたかったのですが、コンボの難度と長さに絶望し、ゲームを続けることを諦めてしまったことがあるのです。

 そんな、コンボが苦手だけど「長いコンボ」に憧れを持っている私が、「長いコンボ」の魅力を再確認できたスマホゲームが『エヌイノ』なのです。

文/tnhr
編集/実存


高クオリティーなデザインとシナリオ。そして他のゲームとは一線を画す格ゲーらしい戦闘システム

 アソビモが開発、運営を行う『エヌイノ』は、正式リリースを2022年4月20日に控えている新作スマホゲーム。

 ゲーム全体を通して見れば、業界で主流のシナリオをしっかりと読ませるタイプのスマホゲームで、もちろん本作のシナリオのクオリティーは高く、ボリュームも相当なものです。

『N-INNOCENCE-(エヌ・イノセンス)』インプレ:憧れの長いコンボを爽快に味わえる_001
物語はシナリオを読ませるタイプのスマホゲームらしく始まる

 CGや立ち絵のクオリティーも、人気スマホゲームに負けないレベルで魅力的な箇所がいっぱい。
 すごく良く動くめっちゃかわいいキャラクター達が登場して、神話を独自解釈したシナリオを展開していきます。

 北欧神話、日本神話、ギリシャ神話などさまざまな神話に登場する神々がクロスオーバーする規模がなかなかにデカいストーリーが広がっていき、どのように伏線が回収されていくのかが楽しみです。

単純明快で爽快な手触り

 シナリオやグラフィックについても語れる箇所はたくさんあるのですが、本記事では他のスマホゲームと一線を画す“本格的な格闘ゲームの面白い要素を凝縮した”ゲーム性について語らせてください。『エヌイノ』の最大の魅力はそこにあるから…!

『N-INNOCENCE-(エヌ・イノセンス)』インプレ:憧れの長いコンボを爽快に味わえる_002

 ざっくりと概要を説明しますと、本作の戦闘はとにかくコンボが途切れないように、攻撃をつないでいくことが重要。

 そして、自分の操作や相性が噛み合えばずっと続いていくコンボがめちゃくちゃ楽しい。「長いコンボ」はやっぱり楽しい……!

 攻撃に必要な操作はとってもカンタン。連続でタップすれば、それだけでコンボを繋ぐことができるのです。こんなに楽しいコンボを簡単操作でやっちゃっていいんですか!

 なんといっても、どんなに気持ちよく「長いコンボ」をしても生身の対戦相手を不快にさせることはないのはとてもよいポイント。
 ホンモノのパンチや灰皿が飛んでくることもなく、思う存分にコンボを繋げまくることができますからね。

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 とはいえ、「そんな連打しているだけで楽しいのか?」と思う方もいるかもしれません。しかし!攻撃の操作とコンボが簡単なだけで、プレイヤーはさまざまなゲージやタイミング、攻撃方法、属性などを管理しなくてはならないのです。

 だから、何も考えないでできるゲームというわけではなくて、攻略のためにある程度の試行錯誤が必要となってくるのです。
 ちなみに戦闘はAUTOモードがあるので、アクションが苦手な人でも楽しめます。素材を集めるときの周回プレイにはオート周回モードがあるため、利便性が高いのも嬉しいポイント。

 さらに、キャラクターも豊富で攻撃の方法も豊富。夢の多キャラ使いへの第一歩。ダラダラとスマホをタップするだけではなく、メリハリのある戦闘を楽しむことができます。

 これはちょっとした余談なのですが、本作のリリース発表会の映像がYouTubeにアップされていて、それを観てみると英語でのコメントがかなり多く見られました。

 恐らく『マブカプ』シリーズや『ギルティギア』シリーズが人気のアメリカからのコメントで、コンボゲーへの熱意みたいなものをグッと感じます。

シンプル操作で格闘ゲームらしさを再現

 では、次に具体的な戦闘システムを解説していきます。

 戦闘時の操作はカンタンで、画面のどこかをタップすれば攻撃が発生します。パンチ、キック、弱中強などと攻撃の性質が分かれているのではなく、基本の攻撃はタップで発生する攻撃のみ。本当に単純明快。
 また、空中の敵には縦スワイプでジャンプをし、接近する必要があります。

 敵が離れていても近づきながら攻撃してくれるため、細やかな間合い管理はそこまで気にする必要がありません。
 ただ、ガードのシステムが存在しないため敵の攻撃をしのぐには横スワイプで回避しなければなりません。

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 攻撃が当たって、タップを続けると連続でコンボが発生します。
 さらに、ある程度コンボを繋げると自動で発生するフィニッシュ攻撃で威力の高い「コンボ・アーツ」が発動!操作キャラクターがカッコいいエフェクトを出しながらコンボを締めてくれます。

 単純ながら、もちろんそこに奥深さがあることは忘れてはいけません。戦闘は単にタップをするだけではないのです。

 戦闘中に画面のどこかを長押しするとキャラクター独自の攻撃「ユニーク・アーツ」が発動します。
 「ユニーク・アーツ」の性質はさまざまで、アーマーで相手の攻撃を受けつつ攻撃したり、バフや設置系の効果を持つキャラクターもいたり、キャラクター性を反映していてバリエーション豊か。

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「コンボ・アーツ」や「ユニーク・アーツ」は強化することができる。

 攻撃を続けていくと敵のBPが上昇していき「コンボ・アーツ」ヒット時にBPが最大値に達していたら「バースト」が発生。
 バーストした敵はドーンと吹っ飛び攻撃も防御もできなくなって、プレイヤーは更なるコンボへと繋げていくチャンスを獲得することができます。

 BPの上昇値は自キャラと敵の相性によって、大きく変わっていくので戦闘中は常に意識しておきたい要素のうちのひとつです。

 またバトル中は事前に編成した3体のキャラクターを自由に切り替えることで戦力の幅がグンと広がります。このシステムが非常に『マブカプ』シリーズっぽさを感じるんですよね。

 左下のキャラクターアイコンをタップすることで操作キャラクターが切り替わり、攻撃中に交代した場合はキャラクターが攻撃しながら登場します。

 上記のさまざまなシステムを利用することによって、長いコンボを繋げ、火力を上げていく……というのが『エヌイノ』の戦闘の基本となります。

 コンボを繋げていくゲームなので、コンボが繋がっていくことによる恩恵の存在もとても重要です。
 コンボが長く繋がっていくと、CPというゲージも増加。蓄積量に応じて攻撃のクリティカル発生率が上昇していって、更なる火力アップへと繋がっていきます。

 そして格闘ゲーム、スマホゲームのどちらでも重要な超必殺技要素。本作では「神威(シンイ)」という名前があてられています。

 「神威」の発動にはSPが必要で、SPは攻撃ヒットなどで溜まっていき、3回分までストックすることができます。

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 「神威」が使用可能になると、キャラクターアイコン上部に「▲」の印が表示されます。アイコンを上フリックすると発動することができ、キャラクターの個性を反映したド派手な攻撃を打つことができます。

 以上が『エヌイノ』の戦闘システム。プレイヤーはさまざまなゲージを管理しながら、タップと長押し、上フリックで攻撃し、コンボを繋げていくことになるのです。

推しキャラクター「ツクヨミ」

 最後に私の推しキャラクターである「ツクヨミ」について、ちょっとだけ紹介を。

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 まず、この戦い方をご覧ください。

 玉を出したり引っ込めたりして戦うスタイル……。そう『ストリートファイター5』のメナトを彷彿とさせる動きとなっているのです!
 ユニーク・アーツはメナトの師匠であるローズのVスキルを彷彿とさせる! これは意図的に狙ったオマージュに違いない!

 私が今現役で続けている格闘ゲームは『ストリートファイター5』。ちょっと本気でやってるエンジョイ勢の立ち位置で、ランクはダイヤモンドとまだまだなのですが、それなりにやってきた好きなゲーム。

 私はプロレススタイルのレインボーミカをメインキャラクターとして使用しているのですが、『スト5』を始めた当初は見た目のよさからメナトを使いたかったのです。

『ストリートファイター5』メナト
(画像は『STREET FIGHTER CHAMPION EDITION』公式サイトより)

 しかし、メナトは『スト5』きっての高難度キャラクター。おまけにコンボが長いと来た……。そんな理由でメナトを使用するのを諦めてしまったのですが、ちょっとだけ未練が残っていました。

 

 そんな時に『エヌイノ』でツクヨミに出会ってしまったのです。これは運命です。しかもアイドルキャラなのが素晴らしい……!

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 キャラクターボイスは鬼頭明里さんが担当しているらしいです。すごくかわいい。

 私は未練とおさらばし、ツクヨミと共に冒険を送る……。

 ちなみに、姉のアマテラスもなかなかに良いです。キャラクターボイスはみんな大好き悠木碧さんですし、しかも「椅子に座ってるキャラクターは強い」と相場は決まってます。

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 このように、『エヌイノ』は「長いコンボ」に憧れを持ちながら挫折してしまった私のような格ゲーマーにはドンピシャなゲームです。2022年4月20日(水)から配信が開始するので、気になる方はぜひ先行ダウンロードしてみてください。

©Asobimo, Inc.

 

ライター
『プリパラ』、『妖怪ウォッチ』ありがとう。黙々とゲームに没頭する日々。こっそりと同人ゲーム、同人誌を作っています。ネオ昭和ビジュアルノベル『ふりかけ☆スペイシー』よろしくお願いします。
Twitter:@zombie_haruchan
デスク
電ファミニコゲーマーのデスク。主に企画記事を担当。 ローグライクやシミュレーションなど中毒性のあるゲーム、世界観の濃いゲームが好き。特に『風来のシレン2』と『Civlization IV』には1000時間超を費やしました。最も影響を受けたゲームは『夜明けの口笛吹き』。
Twitter:@ex1stent1a

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