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『魔界戦記ディスガイア7』は如何なる新境地を切り開くのか?シリーズのルーツと最新作の全貌を明かすメディア向け発表会レポート

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 日本一ソフトウェアは8月23日、『魔界戦記ディスガイア7』を発表した。

 対応プラットフォームはPS4、PS5、Nintendo Switchで、発売時期は2023年の1月26日を予定している。

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 日本一ソフトウェアは発表に際してメディア向けの発表会を開催しており、同社の元代表取締役社長である新川宗平氏、本作のディレクターを務める美濃羽俊介氏が登壇し『魔界戦記ディスガイア7』をプレゼンした。本記事では、発表会のプレゼンで明かされた『魔界戦記ディスガイア7』を発表会の様子と共にお伝えしよう。

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 『魔界戦記ディスガイア』シリーズの最新作である『魔界戦記ディスガイア7』は“和”をテーマに、流れ者の侍とオタク少女が魔界で戦うシミュレーションRPGだ。

 発表によると今作はシリーズに共通する精神性を維持しつつ、アイテム転生をはじめとする更なるやりこみ要素オンライン対戦機能、キャラクターが巨大化する新要素を搭載した作品となっている。

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 また、前作へのユーザーからのリファレンスも踏まえて改善されており、特殊技の復活や汎用キャラの男女2パターンが復活し、改善されたオートシステムも搭載される。登場キャラクターは一新されているため、今作から『魔界戦記ディスガイア』を遊ぶことも充分に可能だろう。

 この度開催されたメディア向け発表会では、そもそも『魔界戦記ディスガイア』がどのような作品であったかを新川宗平氏自らが原点に立ち返り語っている。なかでは同シリーズのコンセプトやルーツにも言及しており、本記事の情報は『魔界戦記ディスガイア』のファンも、これから本作を楽しむ方にも楽しんでいただけるだろう。

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これまでの『魔界戦記ディスガイア』シリーズ

 まず、発表会ではこれまでの『魔界戦記ディスガイア』シリーズについてのおさらいが行われた。

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 『魔界戦記ディスガイア』シリーズは2003年にPS2向けに発売された同名の作品を原点とするシミュレーションRPGのシリーズだ。第一作が『史上最凶やり込みシミュレーションRPG』と銘打ち、最大レベルが9999である様にシリーズをとおして異常なやりこみ要素を携えている。

 新川宗平氏によると、『魔界戦記ディスガイア』シリーズの通奏低音のように走るコンセプトは「ゲームやジャンルの常識を打ち破る」というコンセプトだ。というのも、シミュレーションRPGを開発するにあたり、正面から戦えば『ファイアーエムブレム』『タクティクスオウガ』に勝てるはずが無いと判断したそうだ。

 そこで「いかに独自性を確立してブランドを立ち上げるか」と考えた結果、常軌を逸した上限レベルや億を超えるダメージの上限といったアイデアが誕生した。

 この異常なやりこみが可能な上限レベルと億越えする莫大なダメージにくわえて、従来のSRPGのような1マスずつ移動するシステムではなく「キャラクターを持ち上げて投げる」という掟破りな移動システムがシリーズを通して用意されている。

 いわばこの3つの要素と、“常識破壊”するシステムこそが『魔界戦記ディスガイア』シリーズの独自性であり特色と言えよう。

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シリーズの開発姿勢を形作る「ディスガイア魂」

 また、新川宗平氏はシリーズのルーツのみならず、『魔界戦記ディスガイア』シリーズの新作を開発するうえでの開発姿勢「ディスガイア魂」を語った。

 先に「ディスガイア魂」を集約する2つの精神性を挙げておくと、それは「サービス精神」と「チャレンジ精神」だという。

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 『魔界戦記ディスガイア』の開発以前、日本一ソフトウェアは2002年に『ラ・ピュセル 光の聖女伝説』をリリースした。新川宗平氏によると、本作は販売前から手ごたえを感じていたものの、発売後の収益は創造を下回った。これにより、自信を無くし、「何が売れるか」が完全に解らなくなったそうだ。

 当時の日本一ソフトウェアは開発ラインがひとつしかなく、リリースされた作品の売り上げは会社の生命線であり、不調であれば会社が倒産する可能性もたかいものの、「売れる作品」の指標はない。

 そこで、最後になる可能性もあるなら「自分たちが好きなものを詰め込もう」と考え、新川宗平氏とゲームデザイン担当のプログラマー、グラフィック担当のディレクターの三人で相談し、何をしても許される「魔界を舞台に悪魔が主人公」という設定を携えた『魔界戦記ディスガイア』が開発されることとなった。

 発売前の注文は3万5000本であったものの、発売を迎えると見る見るうちに店頭からは完売。売り切れと更なる製造を繰り返し、『魔界戦記ディスガイア』は1か月で約13万本という好調な売り上げを記録した。新川宗平氏によるとその記録は、本作に魅了されたユーザーの口コミにより達成されたものだという。

 さらに、アトラスUSAの熱意により実施した海外展開も、国内のサブカルチャーからの引用やパロディーが多いことから期待していなかったものの、予想を裏切り、国内と同等に好調な売り上げを達成した。

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 これらの実績を上げた『魔界戦記ディスガイア』は窮地の中、開発者が面白いと思うエッセンスをふんだんに詰め込むことで誕生した。この「サービス精神」と「チャレンジ精神」を携えた開発姿勢は20年続く長寿シリーズを生み出し、最新作へむけて正に鼓動している最中だろう。

新川宗平氏がオススメする過去の『魔界戦記ディスガイア』シリーズ

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 『魔界戦記ディスガイア』シリーズの多くはリメイク作を含め、現行のコンシューマ機PC(Steam)でプレイ可能となっており、一部タイトルには体験版も用意されているため無料でお試し可能だ。

 なかでも初代のリメイク『魔界戦記ディスガイア Refine』、ナンバリング4作目のリメイクである『魔界戦記ディスガイア4 Return』、『魔界戦記ディスガイア5』、昨年発売された『魔界戦記ディスガイア6』はすべてNintendo SwitchおよびPS4でプレイ可能だ。

 新川宗平氏はオススメの作品を尋ねられたところ、要素が多すぎず未だに愛され続ける初代、それに次いで人気がある『魔界戦記ディスガイア4 Return』を人気作として挙げ、とにかく遊びつくしたい人に向けて要素の多い『魔界戦記ディスガイア5』を、オート周回やオート戦闘で楽をした方にむけて『魔界戦記ディスガイア6』をオススメするという。つまり、現行機で遊べるものはすべてオススメだそうだ。

 まだ『魔界戦記ディスガイア』シリーズを遊んだことがない方や、取りこぼしのあるシリーズナンバーがある方、もう一度振り返りたい作品がある方はぜひ現行機向けの作品や体験版を活用されたい。

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ディスガイア7

 『魔界戦記ディスガイア7』はシリーズ初の“和風の魔界”を舞台に、貧乏なはぐれ武士お金持ちなオタク少女が手を組み、「日ノ本魂」を取り戻す物語が描かれる。シナリオの舞台はひとつのエリアを深堀するスタイルであり、これまで汎用キャラクターのサブテキストのみで扱われていた世界がモチーフとなっているという。シナリオの詳細は続報にて明かされる。

 本作のディレクターを務める美濃羽俊介氏『魔界戦記ディスガイア』シリーズのファンとして日本一ソフトウェアに入社し、『魔界戦記ディスガイア4Return』と『魔界戦記ディスガイア5』にプログラマーとして作品に携わってきた。発表会では同氏が自ら最新作のシステムや新要素を紹介したが、いずれも同氏のファンとしてのこだわりや着眼点に基づいて構築されたものであった。 

 本作は『魔界戦記ディスガイア6』と同じようにキャラクターが3DCGで描かれる。前作ではキャラクターを3DCG化するノウハウが限られていたこともあり、従来の『魔界戦記ディスガイア』シリーズの様な汎用キャラクターにおける男女2パターン形式が採用されなかったが、本作では復活し、結果として前作の2倍のキャラクターが描かれる。

 なお、原田たけひと氏のキャラクターデザインを活かすべく、イベントシーンに登場するキャラクターたちは2Dイラストで描かれるという。

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 まず着目すべき本作の新要素はキャラクターが超巨大化してフィールド外に出現するシステム「弩デカ魔ックス」だ。巨大化したキャラクターは全体攻撃を行うことが可能であり、存在することでマップ全体に発動する固有のエフェクトを付与することができる。固有エフェクトは、一般的なシミュレーションRPGにおける地形効果のような性質を持つ。

 なお、本システムによってゲームバランスが崩壊するということはなく、あくまでも「便利な選択肢のひとつ」といったチューニングが施されているという。いっぽうで、本能力を使用するキャラをひたすらに強化し、全体攻撃で敵を一気に蹂躙することも可能だ。

 また、本作では敵キャラクターも巨大化できるため、巨大キャラ同士がせめぎ合う状況もしばしば発生する。敵と味方が同時に巨大化した際に、それぞれの固有スキルが相殺するケースも存在し、ダイナミックな印象の「弩デカ魔ックス」も戦略的に活用できそうだ。

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 くわえて、本作では自分だけの性能をもった最凶武器をつくれる新システム「アイテム転生」が追加され、6で廃止となっていた武器技が復活する。

 新システム「アイテム転生」は、既存の武器の性能や特製を引き継いだ新たな武器を作成できるシステムだ。たとえば育て上げた拳武器に転生させた場合、拳武器に求められるステータスと剣そのものに必要なステータスの双方を兼ね備えた武器が誕生する。この際に、転生前の武器が固有の武器技を持っていれば転生後の武器に継承可能だ。

 用途は不明だが、ガムやアメといった食べられる特製の武器を武器に転生させれば、食べられる武器も作成できる。

 ディスガイアでは武器の中に展開するダンジョンに潜り込み武器を強化するシステムが特徴的なやりこみ要素となっていたが、アイテム転生により、従来のアイテムを強化するやりこみ要素が最大限まで拡張される。

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 さらに、本作には自動戦闘システムが改良されて実装される。自動戦闘はゲーム内で獲得できる“魔ソリン”をターンごとに消費するコスト制となっており、プレイヤーがカスタム可能できるAIの調整や装備を工夫することで戦闘を効率化できる。

 美濃羽俊介氏は自動戦闘システムに関して、魅力的なシステムであるものの、安易に実装すれば放置が最適解になってしまう点にゲームとの相性の悪さを感じていたという。いっぽうで『魔界戦記ディスガイア』シリーズの魅力のひとつとして「プレイヤーがやりこみやキャラクターの効果を工夫して効率化すること」であると考えていたことから新たな自動戦闘システムが考案されたそうだ。

 さらに、自動戦闘のみならず周回をある程度スキップできるシステムも追加され、ユーザーが待たなければならない時間をできるだけ省いた設計となる。

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 このほかに、本作にはシリーズ初のオンラインAI対戦機能が実装される。AI対戦といっても単純な自動戦闘ではなく、『魔界戦記ディスガイア6』より実装されたAIをプレイヤーがカスタマイズするシステム「魔シンエディット」を活用したものとなる。また、詳細は明かされていないが、プレイヤーが組み上げた“結論”のようなパーティーのみが制することがないよう、システムの工夫に現在取り組んでいるそうだ。また、オンライン対戦によるデメリットなく、参加することで獲得できる報酬が用意されているため、参加するだけ得なコンテンツになるという。

 発表会の最後に、ディレクターの美濃羽俊介氏、代表取締役社長である新川宗平氏からのメッセージが述べられた。

ディレクター 美濃羽俊介氏

僕もファンからディスガイアのディレクターになったため、僕が思う最高に面白い「ディスガイア魂」を受け継いだ『ディスガイア』を作ろうと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

元代表取締役社長 新川宗平氏

『ディスガイア7』がちょうど『ディスガイア』シリーズとして20周年、日本一ソフトウェアとしても約30周年のタイミングで出せるということ、新しい世代のスタッフたちが頑張って我々の看板タイトルを通して作り上げてくれたということに、感慨深く頼もしく、嬉しく感じております。

『ディスガイア7』には本作ならではの遊びごたえ、歯応えがたくさん要素として詰まっておりますので、ファンの皆様にはぜひとも手に取っていただければなというふうに思っております。ご期待ください。

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 『魔界戦記ディスガイア』シリーズの20周年を飾る最新作『魔界戦記ディスガイア7』はPS4、PS5、Nintendo Switch向けに2023年の1月26日に発売予定だ。

 ゲームの詳細や続報は追って公開されるため、興味がある読者は日本一ソフトウェアの公式アカウントをフォローして、“常識破壊”する最新作の発売を待とう。

編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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