本日参りましたのはコナミクリエイティブセンター銀座。一般デュエリストがなぜKONAMIさんのビルに居るかというと……なんと、『遊戯王クロスデュエル』の試遊会に参加させていただきました!
……デュエリスト歴10年以上。こんな機会が来るとは思っておりませんでした。試遊するからには、できるだけ多くの情報を持ち帰れるよう全力で遊んでこよう!……と思いつつ、めちゃくちゃドキドキしながら会場へ。
さて、従来の『遊戯王OCG』は1対1で対戦するもの。しかし本作、『遊戯王クロスデュエル』ではなんと同時に4人でデュエルをするというのです。
4人での多人数戦……原作漫画やアニメでこそ存在しましたが、実際にやるとひとりのプレイヤーを全員で攻撃し、最終的にタイマンになるというなんとも言えないオリジナルルールになることが多いです(経験談)。
2対2で戦うタッグデュエルは『遊戯王タッグフォース』シリーズから存在し、現在は『遊戯王 デュエルリンクス』のイベントで時々行われるぐらいです。それも人間&CPUのタッグですし。
……本当に4人でデュエルなんてできるのか?
『遊戯王クロスデュエル』は4人同時に「俺のターン!」「モンスターを召喚!」「バトル!」
4人でデュエルをするのは知っていましたが、同時に俺のターンとは一体?一斉に「俺のターン!」って、『遊戯王』をやっていて聞いたことないです。
そもそも『遊戯王』で4人同時にデュエルするとはどういうことなのでしょうか。まずは格子型のフィールドを見てみます。
これこそ『遊戯王クロスデュエル』のフィールドです。4人が向かい合って座る、まるで麻雀のような座り方。
そして、それぞれの対戦相手に向かってレーンが伸びています。レーンの先にいる相手に攻撃するらしいです。いい意味で思ってたフィールドと違います。
メインフェイズ・モンスターの召喚と罠のセット
手札からモンスターを召喚するフェイズ。なのですが、召喚されたモンスターは目の前にあるレーンの先にいるプレイヤーを攻撃します。つまり、どこにモンスターを召喚するか?という段階から駆け引きは始まっているのです。
そして罠カードもこのタイミングでセットできます。セットされた罠は条件を満たしたとき自動で発動します。戦闘前に味方全体の能力をアップしたり、逆に相手を妨害したり。後述しますが、罠にもレーンを参照するカードがありました。やはり位置は大事。
召喚するモンスターが決まったら、同時にオープン!
このタイミングで初めて相手の召喚したモンスターが判明します。
バトルフェイズ・魔法カードとバトル
バトルの前に魔法カードを使うタイミングが挟まります。ここではリアルタイムで魔法カードが発動し合う。「妨害してやった!」と思ったら他のプレイヤーから妨害されて頓挫……なんてことも。
攻撃表示で召喚したモンスターはこのレーンを走って行き、相手のモンスターとぶつかったらバトルをします。
バトルをしたら攻撃力が低いほうが破壊されるのは『遊戯王OCG』と同じですが、生き残ったモンスターも破壊されたモンスターの攻撃力分だけ、攻撃力がダウンします。つまり、強力なモンスター相手でも、複数体で挑めば倒せる!ということ。
守備表示で召喚するとレーンを進行せずに自分のフィールドで守ってくれます。疲弊した相手モンスターを守備力の高いモンスターで迎撃!そして攻撃表示にして、空いたフィールドに侵攻!なんてことも可能です。
モンスターが相手プレイヤーに到達(※通常2ターンかかります)して、かつ相手がモンスターを召喚していなければ「ダイレクトアタック」!
モンスターの攻撃力分のダメージが入ります。そしてダメージを与えると同じ分、自分のライフが回復します(最大ライフは8000)。
これを繰り返していき、8ターン経過するか誰かのライフが0になったターン終了時にデュエルが終了。その時点でライフが最も多いプレイヤーが勝者となります。これが大まかなルールです。
スキル・モンスターに強みと個性を与える!
これだけ聞くと「じゃあとにかくステータスの合計が高いモンスターを使えばいいんじゃない?」ってなるかもしれませんが、そんなことはありません。
各モンスターを強化することで、「スキル」を付けることができます!
カードは『遊戯王OCG』および『遊戯王ラッシュデュエル』に登場するカードが使われていますが、全てのモンスターは効果を持っていません。スキルをつけることで初めて効果を得ることができます。
同じモンスターでもスキルを付け替えるだけで違う戦い方ができます。
それだけ聞くと「よくある感じじゃん?」と思われるかもしれませんが、これって『遊戯王』ファンからするとすごく嬉しいシステムなんです。
なにしろ、『遊戯王』には1万種類以上のカードがあります。そうすると、どうしても「好きなカードだけど、うまく使える場面がなかなかない!」ってことは本当によくあるんです。
でも『クロスデュエル』は違います。「スキル」を付与することで、どんなモンスターでも前線に立てる。これは革命的なシステムとまで言ってもいいかもしれません。
強力なスキルを持つエースモンスター
各デッキには1枚ずつ「エースモンスター」を設定できます。
エースモンスターは必ず初手に含まれるほか、スキルを複数付けられ、強力な「覚醒スキル」まで付与することができます。
初見で「これは強い」と思ったのは「青眼の白龍」です。攻守共に高いステータスを持ち、さらに相手モンスターを確実に破壊するのは、まさしく社長のエースに相応しい性能。
『遊戯王クロスデュエル』には、このように強力なスキルを備えたモンスターが沢山います。
相手はひとりじゃない!
『遊戯王OCG』と明確に違う点は、相手が3人いるということです!時には戦わないはずのプレイヤーから妨害が飛んできて、バトルに負けてしまうことも。実は「青眼の白龍」も、自分と関係のない相手同士のレーンにいるモンスターも破壊できます。
自分とは直接関係ない相手のモンスターをサポートすることで、トップのプレイヤーの順位を下げるのも立派な戦術。対峙する3人のプレイヤーは敵であり、味方でもあるのです。
……という感じのルールをチュートリアルで学びました。初めてでも安心ですね!
実戦!目まぐるしく盤面が変わる激熱なデュエル!
だいたいルールはわかったぜ!
でも習うより慣れろ、「百聞は一デュエルにしかず」がデュエリストの性。というわけでデュエルさせてください。
対戦相手は同じく試遊会に参加している方々、対戦よろしくお願いします。それぞれ違うエースモンスターを使うようです。
※ここからはスクリーンに投影された観戦モードからお送りします。私は奥のプレイヤー2です。
それではデュエル!
デュエル開始時、真ん中にはランダムですが強力なカードが1枚手に入る「プライズカード」が存在します。おそらく全員が全力で取りに行くはずです。
中央でバトルが発生した場合、まず対面同士でバトルを行い、その後残った2体でバトル。最後まで生き残ったモンスターのプレイヤーが獲得となります。
要するに攻撃力がより高いモンスターを出せばプライズカードを入手できる可能性は上がります。
エースの「E・HERO ネオス」は攻撃力2500、出せばまず取れると思います……が、いきなりエースを出すのは……。ならば!
俺は「暗黒騎士ガイア」を召喚!左右のプレイヤーは純粋に攻撃力が高いモンスター。対面のプレイヤーは攻撃力が上がるスキルで高い攻撃力を確保することで、全員をなぎ倒してプライズカードを奪う算段だった模様。
しかし、ここで「暗黒騎士ガイア」のスキル発動!「暗黒騎士ガイア」は1.5倍の速度でフィールドを駆け抜ける!
つまり、他のプレイヤーより一足早くプライズカードに到達します!
プライズカードの中身は……「聖なるバリア -ミラーフォース-」!効果は「自分に向かっている相手の攻撃表示モンスターを全部破壊する」という強力なもの。
しかし戦闘したことで「暗黒騎士ガイア暗黒騎士ガイア」の攻撃力がたったの100になってしまいました……このままでは次のターン返り討ちとなってしまいます。…ならば!
攻撃力の下がった「暗黒騎士ガイア暗黒騎士ガイア」とモンスターをリリースして、「E・HERO ネオス」をアドバンス召喚!
……勝負も中盤、そろそろ相手もエースを召喚するはずです!そこで、さっきプライズカードから手に入れた「聖なるバリア -ミラーフォース-」を正面のレーンにセット!これでエースを破壊しつつ大ダメージを与えることが……
隣のプレイヤー「『サイクロン』発動!」\ピコーン/
※相手の罠カードを破壊する魔法カード。
正面を妨害するつもりが横から妨害が!?
プライズカードを入手して一歩前に躍り出ることに成功しましたが、出る杭は打たれる。最終的には初期ライフを上回ったものの、結果は2位となりました。
エースの「E・HERO ネオス」を他プレイヤーよりも早く召喚してしまったのも敗因でしょうか。でも、楽しいデュエルだったぜ!
実際に4人で対人戦をやった感想
とにかく駆け引きがすごい
何度も書いていますが、これは4人でのデュエルです。そしてチュートリアルと実践では大違いでした。
予期せぬところから妨害されたり、(上位を狙うために)他プレイヤーと協力することも。実際他のデュエルでは、消耗を避けるためプライズカードを狙わないプレイヤーもいました。相手は3人いるから、そこでやり合ってるスキに……という選択肢もあるのでしょう。
カードゲーム初心者でもやりやすそう
他トレーディングカードゲームだとカードの発動条件がいろいろとあって効果の処理が……と敷居が高く感じますが、『クロスデュエル』のモンスターのスキルと罠カードは条件を満たせば自動的に発動してくれます。
手動で発動する魔法カードも、確認した中では「ATKorDEFを変動する」「移動速度を上げる」「効果で破壊されなくする」といったシンプルなものがほとんどでした。
アイコンで付与されてるスキルが視認できるのもわかりやすいです。
なんならスキルは外すこともできます。最初はスキルのついてないカードでルールを覚えて、段階を踏んで行くのも良さそうです。
それと、『遊戯王OCG』だと歴史が長い分、シンクロとかリンクとか……召喚に説明が必要なエースも多いのですが『遊戯王クロスデュエル』は一括して「モンスター」です!わかりやすくていいですね!
新しいジャンルの『遊戯王』
『遊戯王OCG』はもちろん『遊戯王OCG』をベースにしている『遊戯王 デュエルリンクス』や『遊戯王ラッシュデュエル』とは違う、『遊戯王』の新ジャンルとして『遊戯王クロスデュエル』が登場したと思いました。『遊戯王』が好きな方はもちろん、カードゲームは苦手だけど『遊戯王』に興味がある方にもぜひプレイしてほしいです。
3Dのモンスター!フルボイス!ファン興奮ポイントが盛りだくさん!
『遊戯王』新規プレイヤーに向けてのことばかり書いてる気がしますが、もちろんシリーズファンへのサービスも充実しています!
登場するモンスターは全て3D化!
なんと全てのモンスターが3Dで登場します。それだけでもすごいのに、モンスターを好きな方向から見られるようになっています。
『遊戯王OCG』のモンスターって、魔法・罠カードのイラストに登場しても後ろ向きで描かれることは少ないので、背後から見られるだけでファンとしてはかなりの興奮ものです。
歴代『遊☆戯☆王』アニメシリーズ7作品からキャラクターたちがパートナーとして参戦!
歴代『遊☆戯☆王』アニメシリーズのキャラクターたちが、なんとフルボイスの撮りおろしで登場します。各キャラクターたちはプレイヤーのパートナーとなり、デュエルのサポートをしてくれます。
例えば4人対戦のデュエル中はパートナーとして、常に戦況を説明してくれます。
また、ソロモードの『タッグデュエル』では相方もしてくれます。対戦口上もあって豪華です!
▲タッグデュエルでは2対2でデュエルが進んでいきます
ライフは共有で、味方のレーンにモンスターを送ると500回復します(キャプションのみ、画像がない)
キャラクターはほかにも続々登場するらしいので楽しみです。
書き下ろしのフレーバーテキスト
先ほど『遊戯王クロスデュエル』に出てくるモンスターは、スキルを付けないと効果のないモンスターと説明しました。
……では、『遊戯王OCG』で元々効果を持っているモンスターのテキスト欄はどうなっているのでしょうか? 空欄だと寂しくないですか?
なんと、『遊戯王クロスデュエル』用に新規でフレーバーテキストが追加されています!『遊☆戯☆王』の、特にアニメの主要キャラが使用したモンスターのストーリーは不明なものが多かったですが、これまで語られなかった設定も明らかになるかもしれないですね。
その他、個人的に気にいったすごーく細かいこと
まずはこちらの召喚演出をご覧ください。
攻撃力の表示方法が違いますよね!これは各アニメ作品の再現です!
これに気が付いたの試遊のかなり終盤で、「オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン」の召喚演出で気が付いたんです。「No.39 希望皇ホープ」も試遊中に召喚されたのに、もったいないことをしました…。
『タッグフォース』シリーズと『最強カードバトル!』のキャラクター
上の画像は「レイドデュエル」でのチュートリアル。「レイドデュエル」は中央に強力なレイドボスモンスターが仁王立ちしており、4人で協力して倒すというモードです。バトル中にシールドを貼るので、それを破壊してダウンさせることで弱点を出すとかなんとか。
……正直に言うと時間の都合上、最後までしっかりとやりきれなかったモードです。詳細は本リリースをお待ちください。
話は変わりますがゲームのキャラクターにご注目ください。まず味方の3名、『遊☆戯☆王 タッグフォース』シリーズに登場した固有グラフィックのあるモブデュエリストです。
久しぶりに見ましたが、再登場しただけでもうれしいです。執筆が落ち着いたら『遊☆戯☆王ファイブディーズ タッグフォース6』を久しぶりに起動しようと思います。
そして右上にいる「RAID DUELIST」書かれたキャラクター、『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 最強カードバトル!』から登場している「サイキック 天道」です。
いずれもアニメシリーズには出てこないキャラクターで、特に『遊☆戯☆王 タッグフォース』組は『遊☆戯☆王 タッグフォース』の新作がでないと再登場しないと思ってたのでひとりでひっそりと盛り上がってしまいました。
チュートリアルだけの登場でおそらくパートナー化はしないと思いますが、『遊戯王クロスデュエル』はカードだけでなく過去作のキャラクター達も大事にしてくれるゲーム。そう確信してしまう出来栄えでした。
最後に
あっという間に試遊時間が終わってしまいました。入場前のドキドキは、デュエル中には心地よい高揚感に変わり、いつの間にか本リリースの発表への期待に変わっていました。
『遊戯王クロスデュエル』は4人で対戦、そして4人で協力と今までなかったまったく新しい『遊戯王』です。『遊戯王』ファンはもちろん、カードゲームを全く遊んだことのない方にも『遊戯王クロスデュエル』はオススメです!
『遊戯王クロスデュエル』はモバイル向けに9月6日より配信!ルールとマナーを守って、楽しくデュエル!
……とても楽しい試遊会でした。このワクワクを覚えてるうちに記事に取り掛からねば。
そういえばお土産を頂きました。ちょっと食べてから……あ!
なんと『クロスデュエル』のロゴが入った海老煎餅が入っていました。
めちゃくちゃおいしかったです。
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