中間ポイントの旗やワールドマップが実装された『スーパーマリオギャラクシー2』
2010年に登場した『スーパーマリオギャラクシー2』(以下、『ギャラクシー2』)。
これはもう……まさかの「2」ということで、発表されたときのマリオファンの熱狂がすさまじい作品でした。なんと言ってもあの神ゲーの続編ですから。それはもう期待されていました。そして実際のゲーム内容はというと、
『ギャラクシー2』は、初代『ギャラクシー』の魅力では飽き足らず、さらなる新キャラクターや新アイディアを投じた前作ファンも唸らせる大傑作でした。
秀逸な新しいギミック、魅力がギッシリと詰まったコース構成、前作に引け劣らない雄大なBGM、そしてファンサービスもいつにも増して用意されていたのです。
なによりもインパクトがあったのはひさびさに3Dマリオに登場したヨッシー。Wiiリモコンを活かしたポインティング操作で好きな場所にベロを伸ばすことが可能という、新たな操作形態がユニークでした。
さらには高速で走る「ダッシュヨッシー」や膨らんで上昇する「バルーンヨッシー」、見えない道を照らし出す「ライトヨッシー」など、新たな変身アクションもめちゃくちゃ魅力的です。
ちょっとズレた話ですが、無限ふんばりジャンプというバグも見つかり、どこまでも進んでいくヨッシーの姿も話題になりました。
上記の動画は筆者が12年前に投稿したもの。バグではありますが、コースのどこにでも行ける圧倒的な自由度の高さは、本作の魅力をさらなる高みへと押し上げる要因になったと思います。
さて、先ほど『ギャラクシー』紹介の最後に「2Dマリオの魅力を吸収した3Dマリオが多く誕生することになる」という話をしました。まさに本作はその流れがより濃く表れた作品だと思います。
まず、一本道のコース構成がさらに極まった点。ひとつのコースが少し短くなったことで2Dマリオのようなサクサク感が増し、その上でギミックがぎっしり詰まった内容に進化していました。
また2Dマリオではお馴染みの中間ポイント(旗)も登場し、中間ポイントが視認できるようにもなっています。
そしてなんといっても衝撃的なのは、ワールドマップの実装。ワールドマップと言えば『スーパーマリオブラザーズ3』から続く「2Dマリオ」の伝統ですが、お城などの拠点内を移動してステージに向かうのが当たり前であった「3Dマリオ」シリーズでは初の試みでした。
とはいえ拠点自体は存在しており、今回は拠点ごと移動するというシステムになっています。
また、ゲーム初心者への配慮がこれでもかと存在している点も注目です。
道中でヒント映像が閲覧できる仕掛け、何度もミスをしていると先に進めるようになる仕様、パッケージに遊び方を解説したDVDが同梱されるなど、とにかく間口を広くしようという試みがなされています。
「2Dマリオ」の親しみやすい要素をたくさん採用した上で、この徹底した初心者大歓迎の内容。「3Dマリオ」をより多くのプレイヤーに遊んでもらうにはどうすればよいのか? という、開発陣の熱意が伝わってきます。
そしてその熱意は次の作品で、より濃く反映されることとなりました。
まるで3Dマリオの入門用ソフトとして作られたような『スーパーマリオ 3Dランド』
2011年に登場した『スーパーマリオ 3Dランド』(以下、『3Dランド』)
本作ではさらに「2Dマリオ」寄りに変化しました。なんとゲーム内容が完全なるコースクリア型になったのです。
え……それってもう「2Dマリオ」じゃん!?
今作は広い空間でパワースターを集める遊びではなく、ゴールポールを掴むことでクリアする仕様に。また、コインで回復するライフ制は撤廃され、スーパーキノコでパワーアップするようにもなりました。
いやいやもう「2Dマリオ」だな…!?
そして残念ながら3Dマリオを代表するアクションであった「3段ジャンプ」も使用不可能に……!
え──!もうそれ「2Dマリオ」でよくない?
と、ここまでの説明だけならそう思われるかもしれません。
しかし実際には、幅跳びの上位互換である「転がり幅跳び」の登場や3D立体視を活かした高低差など、タイトル通り3D空間をより楽しめる内容にもなっていました。
全体的な印象は親しみやすい「2Dマリオ」に寄せつつも、しっかりと「3Dマリオ」の楽しさが味わえる。本作は「3Dマリオ」の入門用ソフトとして作られたようなゲームなのです。
何度もミスをしていると完全無敵の「しろタヌキマリオ」にも変身できるので、前作よりも誰もが楽しめる「3Dマリオ」となっているように感じます。
プレイアブルキャラが増え、マルチプレイに対応した『スーパーマリオ 3Dワールド』
2013年に登場した『スーパーマリオ 3Dワールド』(以下、『3Dワールド』)では、コースクリア型はそのままに、ついにマルチプレイに対応しました。『New スーパーマリオブラザーズ Wii』のように家族や友達と一緒に冒険できる「3Dマリオ」が誕生したのです。
難しいコースは上手い人に進んでもらったり、誰かを犠牲にグリーンスター(本作の収集物)を獲得したりなど、協力の仕方も千差万別。ゴール時にはスコアによる順位も発表されるので、競える要素も存在しています。
つまり対戦ゲームとしても楽しめます(え? そんなもの無くても争うって?)。
そして注目したいのはプレイアブルキャラが大きく増えた点。近年ではマリオかルイージを選んで冒険していましたが、本作ではピーチやキノピオも参戦しています。
とくに、いつもさらわれるピーチが使えるのはたいへん貴重!
彼女は『スーパーマリオUSA』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズでも見せた、少しだけ浮遊できる能力が使えます。
浮遊は変身後も可能なので、「タヌキピーチ」になれば浮遊と滑空を同時に使えるという面白い性能が印象的でした。また通常クリア後の「とあるコース」をクリアすると、我らがロゼッタ様が参戦。彼女は『ギャラクシー』でマリオが使用していた「スピン」というアクションができます。
スピンは全方位を攻撃しつつ同時に空中ジャンプもできるという、非常に強力な性能。幅跳びからも繰り出せるので、幅跳びからスピンを繰り返しているだけで大体のコースはクリアできてしまうほど。
かわりに変身後はスピンが使えず、もともとの身体能力はマリオに劣っていることもあり、ちょっと弱いキャラに変化するのはほかのキャラクターたちと違う点でした。また一風変わったゲームプレイが楽しめます。