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『ゴジラ』とコラボしたら特撮愛が決壊して洪水になっていた『GigaBash(ギガバッシュ)』というゲームの話

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 みなさんは『ゴジラ』に何を求めていますか?と聞かれたら、なんと答えるでしょうか。「怪獣同士のバトル!」と真っ先に答える方は、まさしくこのゲームを気に入るでしょう

 単刀直入に申し上げます。この記事は、今度新作も公開しちゃう『ゴジラ』と、怪獣大乱闘ゲーム『GigaBash(以下、ギガバッシュ)』がコラボするので、みんなやらん……?という記事となっております。

 先日『ゴジラフェス』というゴジラ公式のファンイベントに参加する機会があったのですが、『ゴジラ』って子供たちからの人気がすごく高いということにとても驚きました。

 というのも、最近はハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』『シン・ゴジラ』を皮切りに多数の新作が発表されていますが『ゴジラ』シリーズは休止期間が大分細切れで長い作品群です。なので、「見ている世代は絞られている」と思っていました。私の場合も2004年の『ゴジラ FINAL WARS』公開当時が3歳だったので、2014年のハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』までの間に新作を拝む機会はありませんでしたし……。

 というわけで、その子供たち……とくに「ゴジフェス」で「ガイガン」のスーツが出てきた瞬間に「ガイガ~ン!」と黄色い声援を送っていた子供たちに知ってほしいのです、このコラボを。

「信じられません 全く信じられません
いまだかつて このようなことがあったでしょうか」 

『シン・ゴジラ』より

 はじめてこの情報を知った時、本当に信じられませんでした。こんなに嬉しいことがあるものかと、そう思いました。

 特撮とサメ映画ばかり見ている私みたいなゲームライターに、先行プレイと記事をおまかせくださった関係者の方々に深く感謝申し上げます(ガイガンを添えて)。

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モノアイがかっこいいガイガンさん。おなかがでているぞ!

文/Squ

『GigaBash(ギガバッシュ)』とはなんぞや

 『ギガバッシュ』はマレーシアのインディーゲーム会社「Passion Republic Games」が展開する、アリーナ型の対戦アクションゲームです。

 こちらは、本作に登場するキャラクターたちの一例。かわいらしい怪獣や、カッコいいロボットなどが目立ちますが、よくよく見てみると…………どこかで見たことがあるような気がしてきませんか?

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 本作には、怪獣映画からインスパイアされた巨大怪獣や特大ヒーローたちが登場し、『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』『ゴジラ 怪獣大乱闘』といった、往年のドタバタアクションゲームの雰囲気がふんだんに詰め込まれています

 戦いの舞台は、街や森、遺跡などさまざまですが……

 ビルでも木でも、東京タワーでもなんでもつかっていいのが『ギガバッシュ』であり、怪獣バトルです(さすがに『キングコング対ゴジラ』のように喉に向かって木をつっこんだりはできません)。

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 これ、ただ特撮ものを再現しているというわけでもなさそうで……、たとえばビルを当ててやると、当然ですが相手はひるむので、自分の体力がヤバいときに距離をあけたりなんかできちゃいます。ちょっとズルっぽいですが、それこそ怪獣という感じがして『スマブラ』のような駆け引きが生まれてきている気がします。

 コマンドは基本的に単ボタンで実行可能なモノが多く、全キャラクターとおして同じ感覚で使用可能です。「空中掴み」や「ガード攻撃」といったボタンを組み合わせた攻撃も存在しますが、アーケードモードなどで特定のキャラで数10分ほど遊んでいると、だんだんと慣れてきました。

これぞ『ゴジラ』コラボ!ワクワクが止まらない

 ゲームの概要も説明し終わったところで、ここから先は『ゴジラ』コラボで登場する怪獣たちについて細かく紹介していきましょう。

 こちらがDLC『GIGABASH│ゴジラ』で新規に登場する怪獣たち。我らが「ゴジラ」はもちろんのこと、「メカゴジラ」「デストロイア」「ガイガン」が参戦します。

 キャラクターセレクトの文字が、それぞれの登場作品ロゴを踏襲しているのがもう初っ端からポイント高いです。……って

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 ガイガン……!?

 数多くの人気怪獣の中から4枠という非常に狭き門をくぐり抜けてきたんですか…………!?

 ガイガン自体、国内外で人気がありましたがゴジラ作品には人気怪獣が非常に多いため、この4枠という数字は考えるまでもなく狭き門でしょう。

 50周年で新作が2本も公開されたガイガンさん、サプライズはまだあった…………!もう100点満点のレビュースコアをつけて、記事を締めて、満面の笑みで床につきたい、という気持ちを押さえつけ……

 「ガイガアアァァァァァアアン!!起動ッ!!!!」

※今回のDLCで参戦しているのは『ゴジラ FINAL WARS』に登場した改造ガイガンではありません。

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 ここから、1体づつ怪獣を紹介していくわけですが、それぞれの怪獣の全体的な技の動きや『ギガバッシュ』のなんとな〜くの遊び方がわかる動画をご用意していますので、あわせてご覧ください。

 「もう早く怪獣がドッタンバッタンやりあってるところがみたい!」という方は、記事終盤のコラボ参戦キャラ全員で戦う様子をおさめた動画からご覧いただいてもいいかもしれません。

 ガイガンは、リーチが短めな技が多く、接近戦を意識した戦い方が得意そうなキャラクターとなっています。

 遠距離攻撃は、ビームのみのため、基本的には接近戦をしかけることになりますが、溜め時間によってビームの距離が調整できるなど、間合いを図る要素として役に立ってくれるでしょう。

 急接近攻撃と組み合わせることで、攻撃をしながら間合いを詰められるので不意打ちなどの有効打もあわせ持っているようです。

 そして、ガイガンと言えば何よりも、そのお腹に鎮座しているカッターでしょう。「つかみ特殊攻撃」と「ガード攻撃」ではそのカッターによる攻撃が採用されています。

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 カッターといえば、1972年に公開された『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』内でのゴジラやアンギラスが流血する演出が思い起こされます。

 「……ダメージを与え、敵を出血状態にする。」

 す、すごい……このゲーム、ちゃんと出血デバフが用意されている……!

 劇中での流血表現は、当時の『ゴジラ』シリーズとしては初めておこなわれた演出で、ガイガン50周年記念で制作された、『フェス・ゴジラ3 ガイガン来襲』でも採用されるほどファンの間で語り継がれるシーンのひとつなので、ファンにとってはとても嬉しい仕様でしょう。

 そして、ガイガンといえば、近年ドジっ子キャラ的な扱いをされている節があるようで、登場当時こそ敵役だった彼は、子供たちから黄色い声援を浴びるほどかわいい存在になっていったのでした…………。

 もっとも、『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』のころからかわいさの片鱗はありましたがね。こちらは本作に搭載されている「挑発」機能。『ゴジラ』からの参戦キャラは、みんなどこかで見たことがある動きをしてくれます。

 挑発1の元ネタは『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』内のガイガンの動きだと思うのですが、「そこ出してくるんだ!」という嬉しさと発見が毎回あるのがこのDLCの奥深さであり、開発元も愛の深さだと思います。

 参戦するだけでなく、ここまでしっかり再現してもらって、ガイガンも嬉しいことでしょう。ちなみに50周年版スーツで印象的だったおなか周りは結構控えめでした。

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 つづいて、我らが怪獣王「ゴジラ」さん。「デストロイア」の参戦にあわせて、『ゴジラVSデストロイア』のデザインが採用されているようです。

 「弱攻撃」の3段目など、尻尾を使った技が少なからず存在する様子。尻尾で相手をそこそこの距離まで飛ばせるので、熱線などを使って追い打ちをかけるコンボがよさそうです。

 熱線は溜めることで長距離発射も可能で、4人対戦などでは猛威を振るいそうな印象を受けました。

 『ギガバッシュ』では、ある程度ゲージを溜めることで巨大化できる「Sクラス」と呼ばれるシステムがあるのですが、一部キャラは見た目が変わります。そして、ゴジラにもその要素は組み込まれているようです。

 まぁそうなりますよね!!!デスゴジだもん!!!と言わんばかりにメルトダウンを引き起こして「バーニングゴジラ」へと変貌します。バーニングゴジラになっているあいだは、熱線の色もオレンジへと変わり、白熱した戦闘になること間違いなしでしょう。

 そして、ゴジラを触っていてすごく笑ってしまったのが、このゲームに搭載されている「ダッシュ攻撃」です。

 昭和期のゴジラは、理由こそ不明なものの、怪獣王とは少しはずれた姿を拝むことができます。このゴジラ、見た目こそ平成ですが……

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 『ゴジラ対メガロ』でゴジラが披露した水平ドロップキック!!!

 最近では、『SSS.DYNAZENON』に登場する「ガギュラ」が似たようなことをやっていましたが、令和の時代に、ゴジラで見れるだなんて、誰が考えるでしょうか。

 コラボならではの愛情がこもった技ですが、きちんと映画本編同様の絶妙な飛距離を実現しているため独特な距離感に慣れるまでに少し時間はかかるかもしれません。ジェットジャガーがいれば羽交い絞めに…………

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某星雲から来ていそうなギガマン。ほかの怪獣相手に「掴み」をしてもらえればあのシーンも再現できるかもしれない

 海外でこのドロップキックがどのように受け止められているのか気になるところですが、この技を企画として提案してOKが降りるまでの光景を是非見せていただきたいところです(ここまで特撮愛が詰まっていれば、案外承認まではすんなり行ったのかもしれませんが)。

 そして、挑発にはもちろん、あれがあります。あれが。

「シェー!!」

 おそろしい不意打ちでしたが、軽い致命傷ですみました。挑発システムのおそろしく正しい使い方に感服しています。

 ゴジラファンのみなさまならすぐにお気づきでしょうが、こちらの元ネタは1965年公開の『怪獣大戦争』となっており、ギドラを倒した際にゴジラが放つ衝撃の挑発です。

 「ラドンもそうだそうだと言っています」で有名な、『三大怪獣 地球最大の決戦』あたりからの『ゴジラ』作品は、先ほど紹介したガイガンの挑発のように人間味のあるしぐさが多いので、そこのシーンだけでも子供ながらに覚えていたりします。なので、こういった要素はとてもうれしいですね。

 と、実はこの「シェー」これだけでは終わりません。本作に登場するオリジナル怪獣のうちの1体、「ラワ」の挑発を見てみましょう。どことなくゴジラに似た雰囲気の怪獣ですが…………。

 なんとゴジラ実装前から「シェー」はあったのでした。ほかにも火を噴いて飛んだりする挑発も存在していて、ゴジラ愛を肌で感じられました。

 ところで、『ゴジラ』映画といえば人類がいかにして「自然災害」とも言える存在のゴジラに対抗するのか?というところも見どころのひとつだと思います。その中でも、印象的なものといえば「メーサー兵器」「スーパーX」をはじめとした自衛隊が誇る超兵器の数々です。

 その中で随一の強大な存在、「3式多目的戦闘システム」こと「3式機龍」は現在でも超合金として商品展開がされるなど、いまでも人気の存在で『ギガバッシュ』への参戦も頷けるでしょう。

 『ギガバッシュ』における機龍は、腕部の「レールガン」による高速連射、「メーサー・ブレード」による電撃、「バックユニット」に搭載された誘導弾の3つの武器を主軸に戦っていく必要があります。

 相手との距離に応じて対応できるような攻撃手段が用意されているものの、通常攻撃と特殊攻撃は独立したエネルギーゲージを持っており、使い過ぎに注意しながら戦闘にのぞむ必要があるため、慣れないうちは少しムズかしいキャラクターかもしれません。

 また、Gフォース製メカゴジラをはじめとした「平成VSシリーズ」のメカゴジラは、人間が実際に搭乗している点も大きな特徴のひとつで、「機龍」が初登場した『ゴジラ×メカゴジラ』には、釈由美子さん演じる家城 茜(やしろ あかね)がパイロットとして操縦をおこなっていました。

 やはり、機龍のような実際に作品中で人によって操作されていた機体を、自分の手で自由自在に動かせるというのはゲームならではの魅力ではないかなと思います。

 ただ、やはり機龍ですので、ゴジラの咆哮を聞いて暴走…………なんていうプレイスタイルも可能でしょう。

 そして、最後はやはりこの怪獣なくして終われません。1995年に公開された『ゴジラvsデストロイア』に登場する「デストロイア」です。

 デストロイアは、1954年に公開されたシリーズ第1作『ゴジラ』でゴジラ撃破に使用された「オキシジェン・デストロイヤー」が原因で生まれた「平成VSシリーズ」完結作品の名にふさわしい非常に高い戦闘力を持った怪獣で、『ギガバッシュ』には完全体の姿で参戦しています。

 デストロイアの攻撃は1発、1発の動作が遅く、正確に攻撃を当てるためにはある程度の慣れが必要そうな印象を受けました。

 ミクロオキシゲン光線は最低溜め状態でも、比較的早い速度で終着点まで到達するためかなり厄介な存在となるでしょう。また、ガード不能の技にくわえて、中距離から急接近して相手を捕まえられる豊富な掴み技などの存在もデストロイアという怪獣の攻略を難しくしそうです。

 Sクラスでは、分裂体となって周辺の敵複数に襲いかかります。攻撃が終わるとHPが回復できるため、相手に回すと厄介な存在になるでしょう。

 そして、デストロイアの人気は海外でもあるようで、先日投稿された「デストロイア」参戦を匂わせる『ギガバッシュ』公式Twitterアカウントによるツイートは、海外で話題を呼びました。

 ところで、この『ギガバッシュ』と『ゴジラ』のコラボ、執筆時点でTwitterなどのSNSだけでなく、DLCのストアページ等、ゴジラ以外の怪獣の情報はすべて伏せられていました

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(画像は「GigaBash – Godzilla 4 Kaiju Pack」 Steamストアページよりより)

 ただ、先ほどご紹介した12月1日のツイートでの動画について気になることがありました。

 画面が暗くなっており、個体の識別はしにくくなっているものの、どこからどうみても『ゴジラVSデストロイア』でデストロイアの完全体が煙に紛れて黄色の稲妻とともに出現する、あの瞬間あのシーンなんですよね。

 隠す気があるのかないのか、果たしてどちらなのか(少なくとも私の脳内では、同作のテーマ曲である「メインタイトル」の「ジャーン」とも「デェーン」とも取れる後半部分が流れていました)。

 真実は販売元の担当者さんのみが知るわけですが、「いや〜詳細はまだ出せないかな〜」という素振りを見せつつ、あのシーンを同じアングルでそうとしか見えない絵面を、ましてや正式発表前に出してくるのはとても笑ってしまいました。

 さて、今回参戦する怪獣たちの紹介を終えましたが、紹介のしやすさを取った結果、1対1での対戦映像しかお見せしていませんでした。

 でも、やっぱり怪獣には「いっぱい出てきて、いっぱい暴れてほしい」ので、今回登場する怪獣たちによる対戦動画で締めたいと思います。

おわりに

 『ゴジラ』とのコラボにおける『ギガバッシュ』の特撮愛に存分に触れてきた記事ですが、魅力は十分に伝えられたでしょうか。

 今回の『ゴジラ』と『ギガバッシュ』のコラボは、ゴジラファンにとっては間違いなく満足するであろう遊びごたえです。

 とくに、近年の『ゴジラ』シリーズを題材にしたゲームやコラボ作品は『ゴジラ-GODZILLA-VS -』『巨影都市』といった大人向けの作品が多く、子供たちが気軽に遊べるゲームはあまり無いように見受けられます。その中で『スマブラ』などと同じように年齢の隔てなく遊べるゲームは貴重な存在でしょう。

 『ギガバッシュ』には、今回紹介した以外にも多数のゲームモードがあり、普通の対戦モードとは一味違ったルールで楽しめるミニゲーム形式の「どんちゃん対戦」をはじめ、対戦・格闘ゲームではおなじみの「アーケード」モード、怪獣の視点からストーリーが描かれる「ストーリーモード」などが収録されています。

 『GIGABASH│ゴジラ』DLCの発売にあわせて実施されるアップデートでは、前述の「どんちゃん対戦」がオンライン対戦に対応するようなので、これを機に家族や友人を怪獣バトルに誘ってみるのもいいかもしれません。

ライター
最近ゲーム業界にサメ映画ブームが来ている気が・・・え? 『スター・ウォーズ』のゲームが出すぎて手が回らない毎日。1日36時間欲しい。

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