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SFとかでよく見る「空中に浮くウィンドウを操作する」アレ、マジで出来ます。超未来ARグラス「Nreal Air」を触ってみた

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 SF映画とかでよく見る「空中に浮いているウィンドウを操作するアレ」って、夢がありますよね。

 ホラ、アニメとかゲームとかでもよくあるアレです。空中に浮いてるUIとかウィンドウとかを指でスワイプするあの……スタイリッシュで近未来的なアレ! ……憧れますよね。1回でいいからやりたいですよね。

 アレ……2023年ならできちゃうんですって。このARグラス、「Nreal Air」で。

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Nreal公式サイトより

 ……うん、現時点では「なにこのイメージ画像……うさんくさ……」と思っている人が大半だと思います。ただこの空中に浮いてるゲーム画面で遊んでるイメージ画像、半分くらいは間違ってません!

 ちゃんとゲーム機に接続もできます! 大体イメージ画像みたいな感じで遊べます! あのゲームもこのゲームもメガネひとつあれば大画面でプレイできちゃいます!

 1週間くらい「Nreal Air」を使い続けた私が、これからその性能を証明しましょう!!

文/ジスマロック
編集/実存


Nreal Airって何?ARグラスって何?

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Nreal公式サイトより

 そもそも大前提の「ARグラス」が一体どういうものなのか、あまりピンと来ていない方も多いと思います。「AR自体はなんとなく知ってるけど、それがグラスに……?」なんて方も多いはず。私も初めてお話を聞いた時、あまり身近な感じはしませんでした。

 まぁ、その名の通りARこと拡張現実となるデジタル情報をそのままグラスに映し出すメガネがこのARグラスです。単刀直入に言うと、メガネをつけると目の前に大画面が出てきます。

 そしてNreal Air最大の特徴は「まず装着しやすく」、「そして比較的簡単に」、「ゲーム機やスマホと接続できる」の3点。最初は主にこの3点を主軸に紹介します。

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パッと見は普通のメガネです。Amazonより

 まずNreal Airの主な機能は「Air Castingモード」「ARモード」の2つにわけられます。前者は「接続したスマートフォンやゲーム機の画面を、そのまま130インチのHDディスプレイとしてグラス内に表示する」という機能。ただメガネと接続するだけで、目の前に130インチになったスマホやゲーム機の画面が出てきます。普通にすごい。

 そして後者の「ARモード」ですが、「周囲の現実空間上に3Dなどの映像を映し出し、最大201インチのARを創出する。その空間上に仮想スクリーンを同時に複数起動することができ、マルチスクリーンとして使用可能」という……なんかもうTCGの複雑な効果のモンスターみたいなこと書いてますね。

 このARモードは実際に画面を見てもらった方が早いです! はいドーン!

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 こんな感じです。

 明らかに視界に収まりきらない巨大ARが目の前に出現して、この仮想スクリーン内でYouTubeを見たりGoogleを開いたりAmazonでお買い物したり……もう好き放題できちゃいます。これが最初に言った「空中に浮いているディスプレイを操作できるアレ」ですね。

 画像では背景が真っ暗になっていますが、これはVRではなく「AR」なので、実際に室内でARモードを起動するとお部屋の壁やら天井やらに最大201インチのマルチスクリーンが浮かび上がるような形になるワケです。近未来……ここまで来てるぜ!

 とはいえ、まだ「……具体的にどういう機能!?」と、あまりわかっていない方もいるはずです。このARモードはまた追々しっかり説明しますのでご安心ください。

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▼イメージ的にはホントにこんな感じです。Nreal公式サイトより

 次は「比較的カンタンにスマホやゲーム機と接続できる」という点。

 確かに130インチの画面をグラスひとつで映し出せるのはすごい。
 でも、どうせ接続が面倒なんでしょう……?

 そんなことはありません。コード1本で接続完了です。ARグラス側への充電も必要ないです。TYPE-Cでスマホと繋いで、「Nebula」という専用のアプリを起動すればもう全部の機能が使えます。ゲーム機も大体これくらい簡単に接続できちゃいます。簡単でしょ?【※1】

 Nreal Air側での複雑な設定は必要ありません。単純に繋げば画面が映ります。この「接続の簡単さ」が、結果的に装着時の身軽さにも繋がっています。大体こういうVRやらARやらのガジェットは付けてるだけで疲れるもんですが……基本的にコード1本なので身軽です。けっこう気楽です。

※1「Nebula対応機種の詳細」
Nebula対応機種以外はミラーリング機能のみ利用可能。Type-C端子を保有している端末でも、DP ALTモードに対応している必要があります。

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Nreal公式サイトより

 そしてこの「身軽さ」に繋がってくるのが、Nreal Airの「付けやすさ」

 このNreal Air、とにかく付けやすい。そもそも重さが約79gなのです。だから付けてて疲れません。「普通のメガネよりちょっと重いかな?」くらいの感覚で装着できちゃいます。この軽さがARグラス業界の中では革命的だそうです。

 この「約79g」という軽さをどうにかわかりやすく説明するためにいろいろ調べてみたのですが、大体5枚切りの食パン1枚と同じくらいの重さらしいです! ぶりの切り身一切れと大体同じ重さらしいです! ポケモンで言うとミミッキュが0.7kgなので、大体1/10ミミッキュくらいの重さです! えっ、余計にわからない……?

 とにかく付けてて疲れません。この手のVRやARガジェットの「楽しいけど付けてると疲れるわ……」という宿命からかなり解放されているのが、Nreal Airというわけですね。ちなみに商品名の「Air」はこの軽さから取っているそうな。それくらい軽さ推しのARグラスです。

Nreal Air:ARモード編

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 では、ここからは先ほどザーッと説明だけした「ARモード」について、もう少し詳しく紹介しておきましょう。まぁ、ぶっちゃけ先ほど書いた通り「最大201インチのマルチスクリーンを周囲に映し出す」機能なんですが……そもそも「最大201インチのマルチスクリーン」がピンとこない方も多いかもしれません。

 たとえば、パソコンで「いくつかウィンドウを開きたい」と思ったら1つのディスプレイ内に複数のウィンドウを分割して配置したり、ディスプレイの数を増やしたり……といったような方法があると思います。しかし、このARモードのマルチスクリーンは空間全てが“画面”なのです!

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 具体的にはこんな感じ。現実空間の中で、YouTubeとTwitterを同時に開けたりします。えっ、何? こんなものは普通にPCでできる? ただ画面がデカいだけ?

 いやいや、ARモードはまだまだこんなものではありません。「フリーモード」という機能を使えば、空間内に配置するウィンドウのサイズも配置も自由自在!

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 こんな風にウィンドウのサイズを好き放題変えられるし、前後をどうするか、画面上のどこに配置するかも好きにできちゃいます!

 そしてもちろんこちらもARグラスとスマホがあれば使えるモードなので、「ベッドで横になったまま201インチの画面でTwitterとYouTubeとAmazonを同時に開く」なんて未来すぎることもできちゃう。なにより……未来感あっていいですよね!

 ちなみに操作方法ですが、こんな風にスマホをリモコン代わりにしてウィンドウやらなんやらを配置していく感じです。なんかホントに感覚だけで言ってしまうならほぼWiiリモコンと同じ感覚で操作できます。ホラ、あのリモコンをポインターにして色々操作するあの感じ……アレとほぼ同じです。

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 ただこのARモード、「現時点では一部のアプリしか対応していない」「専用アプリ『Nebula』に対応しているAndroidでしか使用できない」のが懸念点でもあり、今後に期待……という感じではあります。

 流石に『原神』などのスマホゲームとTwitterとYouTubeをマルチスクリーン内で同時に起動はできませんし、Nintendo SwitchでARモードを起動してマルチスクリーンとして運用……なども現時点では不可能です。

 とはいえ、各種動画サイトなどは普通に起動できるため、セッティングが超簡単な鑑賞用巨大スクリーンみたいな使い方が現実的かもしれません。いや、まぁ確かに冷静に考え始めたら現時点のARモードの実用性は低いかもしれないんですが……それでもやっぱりロマンがあるでしょう!?

 空中に浮いてるディスプレイ操作したい欲、みなさん満たしたいでしょう!?
 ARモードなら、満たせます!

Nreal Air:PS5編

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 そしてここからはみなさんお待ちかねの「ゲーム機との接続」です。
 ここ、ゲームメディアですからね! ゲームの話多めでお送りしますわよ!

 Androidとの接続以外で使用するのが上記の画像の白いヤツこと「Nreal Adapter」。これはHDMIとLightningケーブルをNreal Airに接続できるように変換してくれる優れモノ。なので……HDMIで繋ぐ大体のゲーム機とApple製品もこのアダプターがあれば簡単にNreal Airと接続できちゃいます。

 そしてこちらもスマホに負けず劣らず接続は超簡単です。まずNrealとアダプターを接続したあとに、ゲーム機とアダプターをHDMIで繋ぐ。
 …………以上! プラグイン完了!!

 自分で説明してて思いますが、とにかく超簡単です。

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だいたい左のイメージ図通りです。

 ちなみにこのゲーム機との接続においてはミラーリング機能を使用します。ARモードのようにウィンドウを好きにいじったりはできませんが、それでもメガネひとつで130インチの画面が出てくるのでそんなに物足りない感じはしません。

 それでは早速PS5に接続してみましょう。PS5ともNreal Adapterを間に挟んでHDMIで接続するだけでセッティング完了です。まず起動するのは『原神』!

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 まず繋げば即座に130インチになったゲーム画面が目に飛び込んでくる! しかもそれがグラス越しなので「自分の部屋に『原神』の画面が浮いている」というすごい状況が完成する! これが……これが未来のゲームや!

 『原神』をプレイしていない方はご存知ないかもしれないんですが……意外とこのゲーム、「デイリークエスト」をこなすのが重要なのです。だから正直、「いちいちその日ごとのデイリークエストをこなすためにPS5で『原神』を起動するか?」と言われると……結構かったるいです。デイリークエストはスマホ版の『原神』でやっちゃう……なんて方も少なくないのでは?

 ただ、Nreal Airの場合はアッサリ接続できるうえに、PS5版の『原神』を寝ながらプレイできちゃうのです。だから結構デイリークエストの周回とかに向いてます。先ほども書きましたが、Nreal Airは「付けやすさ」「接続のしやすさ」をウリにしている側面もあるので、長時間の作業的なプレイにも意外と向いていたりします。正直に白状すると、貸出期間の後半はほとんどデイリークエスト専用機にしてました。

 ……えへっ!

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中学生の方がもっとマシな合成できるだろって感じのチープ合成で申し訳ないんですが、「部屋に浮いている『原神』の画面」は大体こういうイメージです。いや、ホントにこんな感じなんですって!

 そしてあくまでNreal Air側が映し出しているのは「PS5版の原神」なので、スペックそのものはPS5版の性能のままプレイできるのです。個人的にはこの「スマホ並みの手軽さ・身軽さで、高性能ハードの恩恵を受けられる」のが一番大きなメリットなのではないかと考えています。

 ぶっちゃけ、大画面で『原神』をやりたいならそれこそ腰を据えてPS5なりPCなりで遊べばいい。横になったまま気楽にやりたいならスマホやタブレットでやればいい。だから、極論を言ってしまえば別にわざわざNreal Airに繋がなくてもいいのです。

 しかし、「好きな姿勢で、身軽に、大画面で、高スペックハードで起動した状態のゲームを遊ぶ」という全てのプラットフォームのメリットを一挙両得にしたいのであれば。このNreal Airが現時点での最適解と言えるのではないでしょうか? だって横になったままPS5のロード爆速の『原神』を遊べちゃうんですよ? 素晴らしいでしょう?

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▼このイメージ画像通り(?)、ゲーム機と接続した場合は基本的にゲーム機側のコントローラーでいつも通り操作できます。Nreal公式サイトより

 とはいえ、『Apex Legends』などのFPS・TPSや、『エルデンリング』などの「神経を使う・繊細な操作や感覚を要求するタイプのアクション」は現時点ではあまりNreal Airには適応していないとは感じました。もちろん長時間のプレイにも比較的向いているARグラスではあるんですが、それでもやはり眼の疲れには抗えませんし、画面全体の情報の把握が必要なゲームは少し難しいかもしれません。

 ただ逆に、『ホグワーツ・レガシー』などの世界観を堪能するタイプのオープンワールド作品は最高の相性を発揮してくれます。基本的にどんなゲームにも接続できるゆえに、遊べるゲームの幅も無限大と言えるNreal Airですが、結構ゲームによって向き不向きがハッキリ分かれています。

 個人的にはこの「Nreal向きのゲームを探す」という作業自体、マイゲームライブラリが久しぶりに火を噴いて楽しかったです。あっ、そしてもちろんHDMI・TYPE-C・Lightningにさえ対応していれば大体のゲーム機に接続できちゃうので、XboxシリーズやSteam Deckでも遊べますよ!【※2】

※2「Nreal対応ハード」
現在 Xbox Series X、Xbox Series S、PlayStation 4 Slim、PlayStation 5、Nintendo Switch⁴ 、Steam Deck、AOKZOEは接続が実証済みとなっています。

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ライター
転生したらスポンジだった件
Twitter:@yomooog

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