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「パリィ」極振りアクション『PARRY KING』の脳汁が出るゲーム体験。パリィとゲームオーバーを繰り返した末に訪れる、攻撃ターンの気持ちよさったらもう

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 7月30日(日)に開催されたインディーズゲームの展示会「東京ゲームダンジョン」にて、ゲーム開発者・まっともぉん氏による『PARRY KING』が出展された。

「パリィ」極振りアクション『PARRY KING』の脳汁が出るゲーム体験_001

 本作は敵の攻撃をギリギリで防ぐことで弾き返す「パリィ」にフォーカスを当てた、ユニークなアクションゲーム。プレイはとにかく敵の動きを覚えることに終始しており、ゲーム開始と同時に現れる目の前のボスに向き合うだけというシンプルなルールの作品となっている。

 画面を一心に見つめるプレイヤーの後ろには常にプレイ待ちのユーザーが待っており、ブースは大盛況。筆者も本作を試遊させていただいたので、そのプレイレポートをお届けする。

文/anymo


 本作は先述のゲーム性とグラフィックからカジュアルな側面はありつつも、操作はしっかりシビア。タイミングはもちろんのこと、パリィまたは回避が成功しなければ攻撃は通らないという、「パリィ」に極振りした厳しさである。

 敵の攻撃は複数のパターンがあり、それぞれパリィできる攻撃とできない攻撃に分かれているのも本作のシビアなポイントのひとつ。発動時に「危」の文字が表示される攻撃はパリィではなく「回避」しなければならない。このふたつを瞬時に判断し、その上で正しいタイミングでパリィまたは回避、そうしてやっとできた隙に、一瞬だけ攻撃が通るのだ。

 回避行動には硬直時間があるため、連打するとそのあとの攻撃を避けることができなくなり、あっという間にリズムを崩される。そしてゲームオーバー。このゲームにゴリ押しは一切通用しない。次々繰り出される攻撃を見極め、とにかく体が覚えるまで反復する。プレイ中は常に反射神経と瞬間的な判断力を試され続ける、ヒリつくプレイ感だ。

 が、ここまでのシビアさをすべて覆すのが、圧倒的な「気持ちよさ」である。

 まず、ただでさえシビアなパリィは成功すると達成感がある。その上でちょっと大げさなほどのSEが鳴り響き、画面が揺れる。この演出で「よしきた!」と思った次の瞬間、ようやく訪れる敵の硬直時間に攻撃を連打で叩き込むことができる。

 タイミングを伺い、避け、そして訪れるこの一瞬の形成逆転がご褒美として非常によい機能を果たしているのだ。

 この短いスパンで繰り返される緊張と緩和の中毒性はかなりのもので、アクションゲームを好むユーザーならほとんどが夢中になることと思う。試遊をしているプレイヤーはみな、ゲームオーバーになるたびに夢中でリトライボタンを連打していた。

 プレイスキルの成長を感じる瞬間というのはゲームの醍醐味だが、その成長の喜びが濃縮還元されているかのような感覚があった。

「パリィ」極振りアクション『PARRY KING』の脳汁が出るゲーム体験_004

 さらに、タイミングが掴めないうちはあっという間にゲームオーバーとなるものの、すぐに再プレイができるためリプレイ性が高く、成長に不可欠な反復をハイスピードで進めることができるのも本作の魅力だ。

 プレイしたバージョンでは相手の攻撃パターンも3種ほどだったため、相手の動きを見切るまでに膨大な時間がかかることはない。何度倒れようと、すぐに始まる次の一戦に瞬時にフィードバックすることで指が勝手に動くような集中状態がいつの間にか作り出され、夢中でプレイし続けられるのだ。

 なお、まっともぉん氏によると、製品版で登場するボスは6体を予定しているとのこと。それぞれ個性あふれるボスに挑戦することで操作はそのままに何度も達成感を味わえる。

 ここまで書くとハードなゲーマー向けの作品にも思えるが、決してそんなことはない。ピクセルでできた黒い球体の自機は「ソウルライク」らしいダークな雰囲気はありつつもかわいらしく、本作のシンプルなゲーム性にマッチしている。

 自機の操作も可能であるため、距離をとって動きを見極めるという「守り」の戦法もとれる。パリィのタイミングは厳しいものの、自分のペースで敵に挑戦することができるのだ。

 例えすごく得意でなくとも、アクションゲームが少しでも好きならば一度は触れてほしい。そう思えるほどに心底「楽しい!」と感じる作品であった。

 『PARRY KING』は11月にPC(Steam)にてリリース予定となっているので、本作が気になる方はまっともぉん氏の公式Xもチェックの上、続報を待とう。

ライター
ベヨネッタとロリポップチェーンソーでゲームに目覚めました。 3D酔いと戦いつつゲームをする傍ら、学生をしています。
Twitter:@d0ntcry4nym0re

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