もう、何年待ったことか!!!!!
2016年に『グランブルーファンタジー リリンク』が発表された時、私は確か高校生くらいだった。当時の私は発表時のゲーム映像だかなんだかを、実家のパソコンで見ていた。あの映像を見て、「へぇ、グラブルでアクションRPG作るんだ!発売されたら買ってみっか!!」と、それなりにワクワクしていたことを今でも覚えている。
あれから、7年の歳月が過ぎた━━━━━━。
なっ、7年!? いま自分で書いてビックリした。
なな……7年も経ったの!?!? いや、一番ビックリしているのはCygamesの人たちかもしれない。7年間、お疲れさまです。そして高校生だった私は、いつの間にか成人していた。学生時代に「へぇ、発売されたらやってみようかな」と思っていたタイトルを、いつの間にかCygamesで試遊することになっていた。
時の流れって、歳月って、時々すごい奇跡を起こすことがある。
今回はそんな待ちに待った『リリンク』の先行プレイレポートをお届けしちゃいます!
一応「グラブルの3DアクションRPG」であることは周知の事実かもしれませんが、具体的にどんなゲームなのかを把握していない方も意外と多いのではないでしょうか? 結構ガッツリ書くので、良かったら最後まで読んでいってください!
ちなみに記事の最後には『リリンク』のゼネラルディレクターを務める福原哲也さんと『リリンク』のディレクターを務める梶さんへのインタビューも掲載されています!
原作の『グラブル』とはジャンルも表現も全く違う『リリンク』ですが、そんな今作の開発エピソードをたくさんお聞きしています。冷静に考えたら7年経って福原さんにお会いしてるのも結構な奇跡な気がしてきた。やはり7年という歳月は奇跡を起こす。もう待ちに待ったからね。早く本題に移りましょう!
※今回プレイした『グランブルーファンタジー リリンク』は、試遊用の特別なバージョンとなります。実際の製品版とは一部の仕様などが異なる場合があります。ご了承ください。
そもそも『グランブルーファンタジー リリンク』ってどんなゲーム?
そもそもの「『グランブルーファンタジー リリンク』とはなんぞや」という部分から紹介しましょう。広大な空の世界を旅するスマートフォン向けRPG、それが『グラブル』。その『グラブル』の世界観をベースにした3DアクションRPGが、『リリンク』というわけです。
どこまでも広がる蒼い空、空に浮かぶ島々、強大な「星晶獣」……。
端的に言えば、あの魅力的な『グラブル』の世界観を、据え置きの3DアクションRPGで遊べるようにしてやるぜ!!! ……という感じのタイトルです。
やはり何よりの見どころは、「グラブルが3Dになっている」ところ。
そもそも、『グラブル』は世界観やキャラクターといった「ビジュアル」に凄まじい力を注いでいるタイトルです。そこが最大の魅力と言っても過言ではありません。その気合の入ったビジュアルを、「3Dのアクションにする」ということは……中々にチャレンジングだと思います。
だって、原作のグラブルのバトル画面ってSDチックなキャラが戦うターン制バトルですからね?
この「本来は2Dのコマンド制バトルを、3DのアクションRPGとして起こす」というコンセプトの時点で、RPG好きとしてはかなり気になっているタイトルなのです。冷静に考えると、結構奇抜なコトをしている。
もちろん主人公は、いつもの「主人公」。個人的に驚きだったのが、『リリンク』においても「男性主人公と女性主人公はいつでも切り替えられる」という点。たしかに原作でもそういうシステムだったけど……そこ真面目に取り入れるか!? 名前も性別も、好きなタイミングで変えられちゃうらしいです。
そして今作の最大のイチオシポイントは、「キャラクターの数だけ異なるアクションが楽しめる」こと。
既に参戦キャラクターが十数名発表されている『リリンク』ですが、マジですべてのプレイアブルキャラクターに全く異なった専用のアクションが用意されています。たとえば「主人公」と「カタリナ」は同じ剣使いのキャラですが、全然アクションが違います。もう別ゲーかというくらいアクションが違います。
なので、ランスロットにも、シャルロッテにも、ナルメアにも、パー様にも専用のアクションが用意されているのです。これは7年かかりますわ。開発工数を考えたらクラクラしてきた。この「キャラクターそれぞれのアクション」は後々の本プレイで紹介するので、お楽しみに。
そしてもちろん、『グラブル』らしいシステムもたくさん搭載。奥義を繋げて超大ダメージを狙う「チェインバースト」や、本当にお馴染みの「アビリティ」などなど、原作プレイヤーの方であれば長年親しんできたシステムを楽しむことができます。
それほど「グラブルのアクション」を重視した今作。ちなみにディレクターの梶さんは元々『ニーアオートマタ』などのタイトルの開発に携わっていたそう。よし、ならアクションは安心だな。
そして、アクション全体を通したひとつの大きなコンセプトとして「仲間キャラクターと戦っている」という感覚を味わってもらうことを目指したそうです。
基本的にプレイヤーはひとりのキャラクターを操作する『リリンク』ですが、その他にも3人の仲間を引き連れ、計4人のパーティでクエストやバトルに出発します。自分以外のキャラはそれぞれが能動的に動き、バトル中にもかけ合いセリフが大量に流れます。
RPGにおいて大切なこの「仲間と戦ってる感」を、アクション面においてもメチャクチャ重視しているということですね。やっぱり『グラブル』と言えば魅力的なキャラクターですから。「仲間感」を重視しているのはありがたいことです。
ゲーム内容に関しては、主に「ストーリー」「クエスト」「やりこみ・育成」の3つに分かれているとのこと。まずは『リリンク』のオリジナルストーリーを体験するのもよし。最大4人のマルチプレイでクエストに出発して強くなるのもよし。キャラクターをカスタムして強くなっていくのもよし。
特に「やりこみ・育成」に関しては武器を強化したりアビリティを習得・強化することによって、かなりの幅を持たせることが可能だそうです。やっぱり『グラブル』と言えば「武器」ですから。もしかして武器掘るんですかね? 据え置きでも、武器掘るんですかね!?
……と思いきや、武器はドロップではなく、素材等を集めてのクラフトと強化育成が中心になるそうです。良かった(?)ね!
ただ、これほどアクションや育成要素がしっかり用意されていると、やっぱり「私はアクション苦手なんですけど……」と危惧される方もいるはず。ですが、そんな方もご安心!!
「アシストモード」と「フルアシストモード」という2種のサポートシステムが用意されています! なんという福利厚生! まぁ……最近流行りのヤツですね!
アシストモードはボタンを連打するだけで自動的にいい感じのコンボを叩き込み、回避やダッシュはオートで実行。状況に応じてアビリティや奥義もいい感じに使ってくれます。
さらに「フルアシストモード」は「スティック操作のみであとは自動で全部やってくれる」のです! とうとうここまで来たか。もう我々はスティックを倒しているだけでいいッ!!
とにかく、アクションが苦手な方も『リリンク』で描かれるキャラクターや世界観を堪能できちゃうということなのです。余談ですが、巨大な「プロトバハムート」を操作するパートも存在しているらしいです。詳細は続報をお楽しみに。
そんな『グランブルーファンタジー リリンク』は2024年2月1日にPS4・PS5・Steamにて全世界同時発売! あ、これアタシの誕生日だ……。ちなみに2月1日は足立透とアイリスフィール・フォン・アインツベルンの誕生日です。覚えといてください。やっぱり何かの縁を感じる。
そして予約受付は本日8月23日に開始! 通常版からデラックスエディション、コレクターズエディションまで、いろいろバージョンあります!!
ちなみに、通常版にも原作『グラブル』で使用できる「十天衆限界超越お助けセット or 十賢者お手軽加入&領域解放セット(※選択制)」のシリアルコードが付属するそうです。半分これ目当てに買う人もいると思うので書いておきました。
そして次はお待ちかねの実機プレイ!
「本当に全キャラクターに専用アクションが用意されている」ことがよくわかります!!
「全キャラクターに専用アクションが用意されているらしい」ので、試遊版のキャラクターを全員分遊んできた
今回の試遊版で使用できたキャラクターは「グラン」「カタリナ」「ラカム」「イオ」「ランスロット」「ジークフリート」「シャルロッテ」の7キャラでした。なので……7キャラ全員分触ってきました。だいぶ長々と試遊台の前に居座りました。でも……全キャラクターに専用アクションがあるなら全員分触るのは当然のことでしょう?
まず最初に触ったのは「グラン」。
まぁ……やっぱり最初は主人公でしょう。まず真っ先に感じたのは、「手触りの良さ」でした。とにかく触っている時の感触が良い。「アクションで手触りが良くなかったら本末転倒だろう」という方の意見もよくわかるのですが……とにかく触ってて気持ちいいです。流石に7年磨き上げただけはある。
ボタンを押せば『グラブル』のキャラクターが動き、カッコいいアビリティで敵を倒す。「グラブルのアクション」としての体験は、もう十二分に保証されていると思います。流石に7年磨き上げただけはある。
基本的に『リリンク』は4つ用意されている「アビリティ」を中心に立ち回るのが重要です。もちろん基礎的なコンボで戦うのも大切なのですが、たとえばグランであれば遠隔攻撃の「レギンレイヴ」、近くの敵に範囲攻撃を放つ「ディストリーム」といった4つのアビリティを適材適所に使い分けるのがミソ。
もう、まさに『グラブル』ですね。
個人的に面白いと感じたのが、ここに合わせて「サポートアビリティ」というキャラ専用のサポアビが用意されているところです。たとえば主人公であれば、「コンボフィニッシュをヒットさせると、Class Lvが上がり、アビリティの性能が向上する」というサポアビを所有しています。
具体的には何度かコンボフィニッシュを決めていくことによって、「レギンレイヴ」が「レギンレイヴⅠ→Ⅱ→Ⅲ→Ⅳ」とレベルアップしていきます。これは全アビリティに適用されるので、ディストリームもLvが上がります。めちゃくちゃ『グラブル』みたいなシステムじゃん……。いやこれ『グラブル』だったわ。
とにかく、グランは「レベルの上がったアビリティで、一気に決めろ!!」って感じのキャラです。もう本質的には原作とやってること大して変わらない気がします。その上、使いやすい。個人的には女性主人公のジータの方も触ってみたかったのですが……そこは製品版をお楽しみに!
次に触ったキャラは「シャルロッテ」。
え、普通に考えたら次はカタリナとかラカムじゃないのかって? だってシャルロッテ聖騎士団長好きだし……。そしてシャルロッテ団長はその体躯を活かした力強さと素早さが特徴的なキャラクター。
特にそのジャンプ力が圧倒的。戦場をピョンピョン飛び回りながら強力な聖剣技をぶっぱします。『GBVS』でもそうでしたが、実際にハーヴィンの動きを3Dに起こすと中々に絵面が強烈です。
とにかく連打で斬りまくり、お馴染みのソード・オブ・リュミエールで敵を一掃。さらにケーニヒシルトでダメージをカット! 出たァ! シャルロッテ団長のダメージカットだ!! それぞれのキャラに、しっかりバフアビリティも用意されていますよ。
これ、原作をやってると割とテンション上がる部分が多いんですよね。特にシャルロッテ団長のアビリティとか性能まんまだし……。とにかく「グラブルをアクションに落とし込むこと」をものすごく重視しているのはよくわかりました。
お次は「ランスロット」。
ランちゃんはやっぱり超スピード&連撃型キャラ。
「ラヴィーナシュトローム」や「ブレードインパルス」といった技でとにかく手数で攻めまくりましょう。やはり連打系の技が多いだけに、プレイヤー側もかなり連打します。ずっとランちゃんが双剣ブンブンしてる。そんなにブンブンしたら腱鞘炎になっちゃうんじゃないかと心配になるほどブンブンします。
そしてせっかくなので、「フルアシストモード」を使ってみました。スティックを操作するだけで、自動でいい感じに動いてくれるらしい。使ってみたら、本当に自動でランちゃんが大暴れして敵をなぎ倒していった。もう……私要らないじゃないか……!
ここでひとつ、気づいたことがある。このゲーム……キャラのかけ合いがメチャクチャ多い。もう戦闘中ずっとしゃべってる。ランちゃんとジークフリートめっちゃしゃべってる!「仲間と戦ってる感」ってこういうコト!?
続いては「イオ」。これまでのキャラは基本近接キャラでしたが、イオは魔法を駆使して戦うキャラとなっています。つまり、バトルシステムが全く違う。もうほぼ別ゲーと言っても過言ではありません。全員に専用アクション用意しているの、マジです。
まず、イオは□で通常攻撃、△でチャージ攻撃を放ちます。そしてイオは「魔力の渦」という専用バフを持っており、この魔力の渦Lvを上昇させることで△のチャージ攻撃の「最大チャージ数」が増加します。真っ先に、この「最大チャージ数」を増加させるのが大事。
この最大チャージ数が増加した攻撃は、やっぱりチャージに時間がかかってしまいます。ですが、そんな時のために「高速詠唱」というサポアビが存在しているのです。□攻撃をチャージしてから放ち、すぐに△でチャージを開始することにより、発動までの溜め時間が大幅に短縮されます!
そして最大まで溜め切ったチャージ攻撃は、もはや雑魚敵くらいは一掃してしまう火力!! この「魔力の渦Lvを上昇させて最大チャージ数を増加」→「高速詠唱で一気にチャージを短縮して高火力ぶっぱ」という戦い方がイオの基本(?)戦術!!
……さっきまでとゲームが違う!
ランちゃんとシャルロッテ団長が前線大暴れタイプだとしたら、イオはひたすら後方でチャージし続けて特大火力をぶっ放す固定砲台のようなスタイルです。ランちゃんたちが大暴れしてる内に、ここぞとばかりに最大チャージ魔法を叩き込みましょう。
そして次に触ったキャラは「カタリナ」。
もしかしたら、カタリナは今回触れるキャラの中で最も個性的な能力を持っているキャラかもしれません。なんとカタリナ、「星晶獣アレス」を召喚することができるのです。ほら、アレですアレ、リミテッドの時に後ろに出てくる鎧のアレです。
カタリナはコンボを繋げていくことによって、徐々に「アレスゲージ」が溜まっていきます。このアレスゲージがMAXに到達することで、星晶獣アレスが登場! アレス召喚中は、カタリナの通常攻撃やアビリティが強化されます。なんか……破格の扱いじゃないでしょうか?
さらに……奥義も変わる!!
通常時はお馴染みの「アイシクルネイル」を発動しますが、アレス召喚時は強化された「ヴィジョン・ディヴァイン」を発動! 演出も結構変わる!! しかもカタリナ自体の性能も普通に使いやすい。技も安定している。アレスで火力も出る。何も隙がない。強いし使いやすい。これならカタリナでいいな。乙。
次は「ラカム」。遠距離アタッカーという枠組みではイオと同じではあるのですが……やはりこちらも操作感が全く違います。二丁の銃を手にしたラカムは、□攻撃と△攻撃でその二丁の銃を使い分けます。
□ボタンでは遠距離からの射撃、△ボタンでは近距離の範囲攻撃を使ってくれます。ここで重要になってくるのはラカム専用の「ヒートゲージ」。……なんか段々気づいてきたけど君らいっつも専用のゲージだの専用のバフだの持ってるな。毎回説明するこっちの身にもなってほしいね!?
このヒートゲージを上昇させることにより、△ボタンの攻撃がより強力になっちゃいます。具体的には「□ボタンの通常攻撃やアビリティでヒートゲージを上昇」→「アツアツに溜まったヒートゲージを△ボタンのチャージ攻撃で一気にぶっ放す」という感じです。とにかく遠距離からヒートゲージを貯めて、一気にぶっ放す!!
シャルロッテ団長は近接で大暴れ、イオはテクニカルなマジックアタッカー、そしてラカムは「一気にぶっ放す系TPS」のような操作感があります。これ……伝わってますか? なんかラカムだけシューターみたいな戦い方してるんです。バトル画面が、急に近代的!!
あと「デュレーション」を使うとラカムが姿勢を固定したまま高速移動してクソ面白いのでオススメです。『リリンク』を買ったら、ぜひいの一番にラカムのデュレーションを使ってみてください。
ラスト! ジークフリート!!
いやぁ、もうこれまで6キャラも紹介したんだぜ? 流石にひとりぐらい似たようなキャラがいたっていいんじゃないの? オレ、もう疲れたよ……。大体なんで「せっかくだし全キャラクター紹介するか」とか言い出してしまったのか。あんな制限時間ギリギリまで貼りついてる異常騎空士は私だけだったかもしれない。Cygamesの人たち、ごめんなさい。
もう、流石にジークフリートくらいは誰かと同じ性能なんじゃないですか?
そろそろ「カタリナと大体同じです。乙。」とか言わせてくれていいんじゃない?
ところが……全ッ然違う性能をしています。
どのキャラクターとも被っていません。
ジークフリート最大の特徴は、その「重さ」。とにかくひとつひとつの動作に「重み」があり、そのパワーとリーチの長さを活かした破壊力を見せてくれます。本当にソウル系ジークフリートなんじゃないかってくらい「動きの重み」にこだわりを感じました。言われてみれば……「重量級キャラ」ってこれまで出ていなかった。
さらに「ジャストコンボ」なるサポアビを持っており、「タイミングよく□攻撃でコンボを続けることで、攻撃性能が強化される。コンボの最終段でタイミングよく△攻撃を行うと、高威力の一撃を放つ」というまさに“タイミング”重視の性能でもあります。やっぱりソウル系ジークフリートなんじゃないのか。
操作難度はかなり高いのですが、それだけに使いこなせた時のカッコ良さと破壊力も尋常じゃありません。そして最後の最後まで、性能が被ったキャラクターがひとりもいませんでした。というか、十人十色すぎて疲れた。まさか本当に全キャラクター個別のアクションを用意してるとは思わなかったんだ。
「なんか全キャラクター専用とか言ってるけど、どうせちょっとした違いでしょ?」とかエラいナマ言うてホントすいませんでした。『リリンク』、マジで全キャラクター分アクション用意してると思われます。
とはいえ、今回紹介したのは『リリンク』の氷山の一角でしかありません。だってボス戦も紹介してないし、そもそも製品版には倍以上キャラいるし……。これだけ書いてもなお、まだ全体の数%くらいしか紹介できていないと思われます。
個人的には敵ボスにお馴染みの「オーバードライブ」と「ブレイク」が用意されていたのが面白かったです。原作でも繰り返し見た「オーバードライブ状態の相手にチェインバースト→ブレイク」の流れをアクションでも堪能(?)できます。
とにかく、頭からケツまでガッツリ「グラブルのアクション」なのです。キャラクターの性能差、アビリティの表現、敵のオーバードライブ、チェインバースト……。今作でしか味わえない「操作もゲーム内容も全然違うのに、大体お馴染みの感覚」というあの体験、中々に面白いです。ちゃんと、『グラブル』してます。
そしてここからは福原さんと梶さんへのインタビューに移ります! まだまだ「いや、カタリナが強いことしかわかんないけど!?」と思っている方もいるはずなので……ぜひ最後まで読んでいってくださいね!
約7年に渡った制作。『リリンク』への思いを語る開発陣インタビュー
「もう何回言うねん」って感じかもしれませんが、なんと開発期間が約7年に及んだ今作。ここからはついに発売を来年2月に控える『リリンク』について、本作ディレクターの福原さんと梶さんに色々とお聞きしています。
そもそも、なぜ「全キャラクターに専用のアクションを用意しよう」と思ったのか? 元は2Dで描かれていた『グラブル』の世界観を、どのように3Dのアクションに起こしていったのか? そして、約7年の開発で最も作り込んだ箇所とは……?
具体的なゲーム内容からそれぞれの設計意図まで、『リリンク』についてガッツリと語っていただきました。最後までお楽しみください。
──まず最初に、『リリンク』におけるおふたりの役割についてお聞きできればと思います。
福原氏:
簡単に言えば、僕は『グラブル』というIPをディレクションする立場です。キャラクター、ビジュアル面、サウンド面などを一括で監修させていただいています。『リリンク』におけるゲームの仕様などは梶と相談しつつ、一緒に作り上げています。
「全体を見ている」という立場でありつつも、一番深く関わっているのは世界観・キャラクター・シナリオなどの「グラブルらしさ」を担う部分ですね。
梶氏:
基本的に、僕は大きなゲームシステムやアクション面などを提案して作り上げていくポジションです。このタイトルを『グラブル』たらしめる世界観やキャラクターに関しては、福原と連携しながらブラッシュアップしています。
──原作の『グラブル』はキャラやゲーム画面なども2Dの表現ですが、『リリンク』においてキャラクターやビジュアルなどを3Dで表現するにあたって、どんな部分を意識されたのでしょうか?
福原氏:
やはり原作の『グラブル』はモバイルのブラウザゲームですので、表現などにはある程度の制約があります。そのため「想像の余地がある表現」を取り入れつつ、「RPGと言えばこうだよね」と思えるようなベーシックなフォーマットに落とし込んでいます。
一方、『リリンク』の場合は3Dの等身大のキャラクターとして描いた上で、そのままリアルスケールのマップを歩くことになります。つまり、純粋にキャラクターの情報量が増えます。さらに今作は「パーティ組んで戦う」ことが最大のウリとなっているので、特に原作が好きな方は「あのデフォルメされていた戦闘シーンは、本当はこんな風に戦っていたのか」という驚きがあるのではないかと思います。
そして、それだけキャラクターと一緒に戦うことにもなるので、やはり「プレイヤーにキャラクターとして愛してもらえるような3Dモデル」を目指す必要があります。その「愛してもらえるようなモデルづくり」はすごく意識した部分ですね。
──個人的な感覚ではあるのですが、やはり今作の「全キャラクターに専用のアクションを用意している」という部分にすごく驚きました。開発的にもすごく大変だったのではないかと思うのですが、なにか具体的に「全キャラクターに専用アクションを用意する!」と決めたキッカケなどはあったのでしょうか?
梶氏:
それはもう……絶対にそうしたかったからです。
開発はとてつもなく大変でしたけど(笑)。
一同:
(笑)。
梶氏:
やはり『グラブル』のタイトルである以上は、「グラブルのキャラクターを動かせる」ということに対して、一切の妥協をしたくありませんでした。だからこそ全キャラクターそれぞれの性能も触り心地も、ガッツリと変えています。「このキャラクターが好き!」という方にも納得していただけるものができたのではないかと手ごたえを感じています。
加えて、アクションゲームが好きな方にも「自分好みの操作感のキャラ」を見つけてもらえるよう、キャラクター同士の差別化にもこだわりました。なので、何かしら具体的なキッカケがあったというより、最初の時点で「全キャラクター分専用のアクションを用意する」ことは決めていました。
制作は本当に大変でしたし、長くお待たせしてしまったのは非常に心苦しいのですが、その甲斐あって、満足のいく仕上がりになったと思っています。
福原氏:
極端な話、「キャラクターの数だけ、違うアクションゲームが遊べる」と考えていただいても差し支えないのではないかと思います。
そしてアクションゲームにありがちな「敵によって、このキャラクターは不利になってしまう」という現象もできる限り今作は避けようと思って作り上げました。つまり、どのキャラクターを選んでも全編通して気持ちよく遊べるようにチューニングしてあります。
「このキャラクターしか絶対に使いたくない」という方も楽しんでいただけますし、「いろんなキャラクターを触ってみたい」方にもそれぞれの個性を楽しんでいただけるのではないかと。
──「アクション」に関してもうひとつお聞きしたいのですが、今作には「プロトバハムートを操作できるパートがある」とお聞きしました。具体的に「プロトバハムートを操作するパート」はどういったものになるのでしょうか?
梶氏:
基本的に、「イベントバトル」だと思っていただいて差し支えないと思います。
ですが、プロトバハムートに関しても、プレイアブルキャラクター同様に「アクションの手触り」にすごくこだわって作り上げました。おそらく、みなさんが驚くほどスムーズかつ爽快に操作できるように仕上がっています。
そういった「アクションゲームとしてのド派手さ」を存分に感じていただけるような要素をたくさん組み込んでいます。ぜひ、お楽しみいただければと思います。
──やはり『リリンク』は、「グラブルの世界観」がそのまま3Dのフィールドで表現されていることに驚きました。あのフィールドの空気感や作り込みに対するこだわりなどがあれば、ぜひお聞かせください。
福原氏:
原作の『グラブル』を立ち上げた頃、CyDesignationの堀さんがゲーム内の背景をほぼひとりで描き上げたのですが、考え方やスキルなどもすごくアーティスティックで、『グラブル』の背景の描き方にはとてもこだわりがある方なんです。
そして今回の『リリンク』で背景やフィールドを3Dで表現するにあたって、堀さんにも参加してもらいました。原作『グラブル』の背景を作り上げた方が参加してくれたからこそ、今作のハイクオリティなフィールドを作り上げられた部分があります。
最近だとフォトリアルな背景やフィールド表現が主流になりつつある中で、『リリンク』はそれとは違った表現を目指したタイトルではあります。そこは結構、我々もチャレンジした部分ではありますね。
梶氏:
フィールドに関しては、堀さんたちと一緒に「3Dでグラブルの世界観をどう再現するのか」を何度も話し合いながら、試行錯誤を重ねていきました。その試行錯誤があったからこそ、「グラブルの空気感」を3Dでも表現できたのだと思います。
それこそオブジェクトにもひとつずつ手書きでテクスチャを作っていたり……この世界観を構築するものひとつひとつに尋常じゃない魂の込め方をした上で、要素を積み上げていっています。堀さんにアートディレクターとして最初から最後まで携わってもらったので、すごく繊細な部分まで丁寧に作り上げることができました。
福原氏:
フィールドの上にある「空」に関しても、実はひとつずつテクスチャが違うんです。一見ただ空と雲があるようにしか見えないと思うのですが、実は全部空模様が違ったりします。
梶氏:
やはり『グラブル』は「空」が印象的なタイトルではあるので、今作で新たに登場する「ゼーガ・グランデ空域」においても「この空域はどんな空なのか」という部分を突き詰めた上で作り上げています。
──『リリンク』は開発が長期に渡ったタイトルではあります。そんな長い開発期間の中、特に「ここはこだわって作り続けていた」という点があれば、ぜひお聞きしたいです。
福原氏:
これはどのCygamesのタイトルにおいても重視されている部分ではあるのですが、やはり「手触りの良さ」です。UIの快適さやバトル面の気持ち良さなどの、「何回も繰り返しさわる部分の快適性」をすごく重視して作り上げてきました。
代表取締役社長の渡邊や、『リリンク』のプロジェクト外のスタッフにもプレイしてもらい、さまざまな意見を抽出して手触りを改善していくフェーズを何度も重ねていきました。やはりCygamesのタイトルとして出す以上、「手触りをしっかりしたものにしよう」という考えは明確にあります。そこはすごく力を入れました。
梶氏:
先ほども触れた点ではあるのですが、やはりグラフィック面に関してはひとつひとつ緻密にブラッシュアップを重ねていったので、すごく時間がかかった部分ではあります。
そして福原からも話した通り、「テストプレイを重ねてブラッシュアップをする」フェーズを本当に何度もやってきました。だからこそ、「Cygamesの作るゲーム」のクオリティの高さを体感していただけるようなタイトルになったのではないかと思います。なので、「どこか一部に時間をかけた」というより、ゲーム全体を磨き上げることにすごく時間をかけて作り上げたと言えると思います。
──『リリンク』にはたくさんのキャラクターが参戦していますが、既存のファンに向けた新たなキャラクターのエピソードなどは用意されているのでしょうか?
福原氏:
原作と同じく「フェイトエピソード」という形で、主人公を含めた全員のプレイアブルキャラクターごとにエピソードをそれぞれ10話分くらい用意しています。その中ではキャラクターを操作して敵を倒すようなクエストも発生したりします。
原作のフェイトエピソードはシナリオを主として楽しんでいただくものですが、『リリンク』の場合はシナリオにプラスする形で実際に操作するアクションパートも用意しています。そしてフェイトエピソードをクリアすることで、そのキャラクターを強化できる報酬も獲得できます。
加えて、メインストーリーの最中にも「操作キャラクターによってセリフの一部が変化する」箇所がいくつも存在しています。同じストーリーであっても、全キャラクターにセリフの差分が用意されているので、ボイス量は相当なボリュームになっています。極端な話ではあるのですが、プレイアブルキャラクターの数だけメインストーリーも繰り返し楽しんでいただけるものにもなっています。
ちなみに、バトル中のキャラクター同士のかけ合いもとてもたくさん用意されています。なんとなくプレイをしていてもキャラクター同士のかけ合いが耳に入ってくるので、そこもお楽しみいただければと思います。
──そのくらい、ストーリーのボイス量にも気合が入っているのですね。ちなみに、メインストーリーも含めたエンディングまでの想定プレイ時間はどのくらいになるのでしょう?
福原氏:
単純にストーリーを進めていくだけならば、大体20時間くらいで「エンディング」に辿り着きます。ただ、エンディングを迎えたあともストーリー自体は少しだけ続きます。ちょっとまだ説明できない部分が多いのですが、本当のストーリーの終わりまで進める場合は合計で30~40時間くらいはかかるのではないかと思います。
もしかしたら「20時間は短い」と感じる方もいるかもしれないのですが、アクションの密度やストーリーの展開を含めると「1時間当たりの体験の濃密さ」がすごく濃いものとして仕上がっています。なので、プレイ時間自体は実際にプレイしていただければそこまで気にはならないかな、と考えています。
──今作は「マルチプレイも可能」というお話が出ていましたが、実際のところ『リリンク』のマルチプレイはどういったものになるのでしょうか?
梶氏:
まず、マルチプレイで挑むものは「クエスト」になります。そしてクエストには最大4人のマルチプレイで行くこともできれば、「2キャラ人間が操作+2キャラNPCが操作」という形で挑むこともできます。もちろん、完全にソロプレイで挑むことも可能です。
ただ、「クリアまでにかかる時間」は大きく変わってくると思います。ソロプレイでも時間をかければクリアはできるのですが……やはり4人マルチプレイで挑んだ方が、より早くボスを倒せるのは間違いありません。
──その「クエストの周回」には何かしらのメリットがあったりするのでしょうか。
梶氏:
やはりそこは「キャラクターの強化」に繋がる部分ですね。メインストーリーを遊ぶ中でクエストに行き、キャラクターを強化していく、という流れは原作の『グラブル』と大体同じだと思っていただければ。
もちろん最強武器や素材などのやり込み要素もかなり用意しているので、それだけ「繰り返し遊ぶ」というサイクルに耐えられるようなゲーム性を目指しました。
基本的にストーリーを楽しむ分にはスムーズに遊ぶことができるのですが、やはり「最終的なやり込み要素」も『グラブル』の魅力のひとつではあります。そこの「敷居の低さとやり込み要素のバランス」は、かなり意識した部分です。
福原氏:
大きな成長や新たな武器を作るためのキーアイテムは、クエストの初回クリア報酬として用意されていることが多いです。一応ストーリーを楽しむ分には、そこを押さえておけばスムーズに遊ぶことできます。
ですが、より多くのキャラクターを強化したり、スキルなどのビルドを尖らせていく場合にはクエストを周回したり、ドロップアイテムを狙ったプレイをする必要も出てきます。とはいえ、基本的に「ストーリーを楽しむ上で、どこかで詰まってしまう」ようなことは起きないようにデザインしています。
──最後に、読者の方へ向けてメッセージをいただけますでしょうか。
梶氏:
やはり、「ようやく発売日が来年の2月1日に決まった」ということを何よりもお伝えしたいです。相当お待たせしてしまいました。
先ほども何度か触れましたが、今作は「アクション」や「手触りの良さ」をすごく追求して作り込んできました。そして長い間お待たせしてしまった分に見合うクオリティのタイトルをお届けできると思っていますので、ぜひ発売を楽しみにしていただければと思います。
福原氏:
僕も梶と同様、グラブルファンの方には「発表から長い間お待たせしてしまい、申し訳ございません」ということを最初にお伝えしたいです。その上で、かけた時間の分だけ、いいゲームにできたと思っています。
『リリンク』が発表された当時、『グラブル』はまだ3周年を迎える前でした。当初は「2018年発売予定!」と言っていたはずだったのですが、グラブル10周年目前のタイミングでの発売となりました。その期間も変わらず『グラブル』を遊び続けていただいた方がたくさんいらっしゃるのはすごくありがたいです。
『グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-』も2023年11月30日と近い時期に発売されますので、各タイトルを絡めて、「グラブルの10周年イヤー」を盛り上げていきたいと考えています。どれかひとつ気に入ったタイトルだけでも触れていただければ嬉しいです。
──本日はありがとうございました!(了)
さて、『リリンク』の体験レポート&インタビュー、いかがだったでしょうか? やはり7年作り続けてきただけあって……福原さんと梶さんの思いがひしひしと伝わってきました。
そして私個人としても、何より「『リリンク』が……完成しとるやんけ!!」という驚きがありました。『リリンク』、ちゃんと完成しとりました。2024年2月1日、『リリンク』が世に出ます!!
私が高校の頃から7年くらい待ったゲームが……やっと出る!
もう何回書いても「……7年!?」という驚きが薄れません。
そしてまさしく、「かけた時間の分だけ、良いゲームにできたと思っています」という福原さんの言葉通りの仕上がりとなっていた……と感じました。『グラブル』を10年遊び続けてる方も、7年前から待ち続けていた方も、今年から気になり始めている方も、2024年2月1日の発売をお楽しみに!!