周年記念であんな作品やこんな作品が次々とリメイクされ、「いま令和だぞ……!?」となることも多い昨今。
ならいっそ、令和に大復活してほしいものを声高に叫んでみたら、なんかこうイイカンジにホロッと出てきてくれませんかね!
というワケでもうすぐ20周年!
そんな令和の今だからこそ!
『九怨』が!
やりたいです!
フロム・ソフトウェアさん!
なにしろソフトもねぇ! アーカイブもねぇ! という状態なので「やってみませんか?」「無理じゃん」という残念な状態。
来年の大河源氏物語らしいですし、この平安怪談絵巻、どうですか予習としてヒトツ。
文/じまうそ
※この記事は、内容の都合上ショッキングな映像が出てきます。閲覧の際は各自ご注意ください。
また大きなネタバレを避けるため、ゲーム進行とは異なる位置に画像がある場合もあります。ご了承ください。
見知らぬ童女の先に、絶滅危惧種の難易度『簡単』を見た!
タイトル画面から全力のビビらせ
怪談アクションホラー。
それが『九怨』のジャンルです。
ゲームを始めてすぐにお出迎えしてくれる、不気味なわらべ歌と赤いべべ着た童女の、美麗で恐ろしいタイトル画面。
この先に待ち受けている恐怖に、背筋がスッと寒くなります。
それにしてもタイトルにこんな風にドーンと出てくるなんて、この子はきっと重要なキャラなんだろうなぁ!
どんな役どころなのかなぁ!
もしかしたらラスボスかも!
なんと無関係です。
画家・智内兄助先生の童女画をメインビジュアルとして使用しているとのことなので、別にキャラクターの誰かではございません。
メチャクチャ雰囲気にピッタリなので、一見の価値アリです!
まぁ、タイトル画面なので毎回見ることになりますが!
ちなみに2種類あるよ。
蘆屋道満の弟子や娘、安倍晴明本人になれる!
あの蘆屋道満を「お師様」「父さま」と呼べてしまう!
蘆屋道満に「おのれ晴明」してもらえる!
なりきりや夢主としても楽しむのもありですし、なんならいろんなガチャの時に自分を触媒にできるかもしれません。
最初に選択できるのは道満の娘『浮月(うつき)』か、弟子の『咲耶(さくや)』。
どちらから選んでも良いですが、時系列をわかりやすく進めるなら咲耶主人公の『陽の章』がオススメです。
主人公を選んだら、画面の明るさと難易度を選びます。
さぁ、ご覧ください!
今では高難易度で知られるフロム・ソフトウェアのゲームに!
『簡単』がある!
ちなみに難易度『簡単』のペナルティはありません。
武器の数が多くなって有利になるので、恥じることなく選ぼう!
平安和風怪談ホラーを邪魔しない、雅なゲームシステム
本作の舞台は魑魅魍魎の跋扈する平安時代。
そんな時代に「セーブしてく?」とか「HPの回復は……」とか興ざめです。
いや、とても必要なのですが!
という訳で、それらを世界観とうまく馴染ませてくれています。
2004年の束縛と恐怖演出
2004年のPS2ソフトということもあって、今のゲームと比較するといろんな制約があるようです。
PS2画質はもちろん、カメラ位置が固定されていてエリアが変わったら視点が変わったり、扉を開けるとロードして切り替わったりというのもその1つかと。
今となっては少々鬱陶しいかもしれませんが、それが恐怖演出にイイカンジに係わっています。
絶対何かあるだろ! と思っても、先が物理的に見えない恐怖。
画面切り替えは自分の位置がどこかも混乱するので、逐一地図で確認しないといけないのはご愛敬。
その他ゲーム進行とは関係なく一瞬だけ出現する『隠れ魍魎』や、一定時間のポーズ画面で生じる『隠れ恐怖演出』もあり、なかなか気を抜くところがありません。
更にはセーブもどこでも手軽にできる訳ではなく、『水辺』のセーブポイントでのみできます。
また、『形代船』という専用アイテムを持っていない場合は、セーブできません。
とはいえそれが『水辺で形代を船に乗せ、穢れを落とす』という雅な形で表現され、『制限』が『演出』になっているのも出色のポイントです。
式神陰陽バトル! なお暴力に訴える手もあり。
画面切り替えの制限があるので、戦闘にはちょっと慣れが必要です。
特に陰陽師としてカッコよく使いたい呪符はまっすぐ飛ぶので、敵を正面に据えなければいけません。
慣れるまでは範囲がやや広い、武器での攻撃も選択肢としてはアリです。
陽の章『PL1:君は蘆屋道満の弟子だ』
PL1ハンドアウト:
君は蘆屋道満の弟子だ。
師匠の命令で、魍魎の巣窟となった小納言・藤原頼近の屋敷に、兄弟子達とともに訪れた。
君の目的は小納言の行方と屋敷の謎を探り、魑魅魍魎を退治することである。
チーム蘆屋:陰陽師の弟子たち
歴史も様々な解釈や解明がなされ、史実として新たな面が明らかになったり改められたりしていますが、本作品の蘆屋道満は古来よりよくある「悪属性」タイプです。
師匠・蘆屋道満の指示で少納言・藤原頼近邸にやってきた咲耶と3人の兄弟子。
全員優秀な陰陽師で、ちょっとした化け物退治なら普段は1人で出かける模様。
それが全員呼ばれたことで、ただならぬ空気を感じ取っています。
ちなみにデモムービーはフルボイス!
蚕と絹糸と桑の木がある屋敷
魑魅魍魎たちを倒しながら、お屋敷を探索していきます。
ちょっとした史跡観光気分ですが、ゲームである以上どこでも好きに行ける訳ではありません。
屋敷はいたるところに絹糸と数字で封印された場所があり、それを解くには対応する数字の『血布(ちぬの)』、つまり鍵が必要です。
『一の封』には『一解呪の血布(いちかいじゅのちぬの)』という感じ。
最初の『一解呪の血布』は道涼兄弟子が持っていますが、あとは見つけ出さなくてはいけません。
雰囲気からするとこの手の封印と解呪を、チーム蘆屋と蘆屋家は日頃から使っているようです。
ダレノ血布カモワカラナイノニネ。
そう、この血布も本作のタイトル『九怨』に係わる代物。
というか、『九怨』の副産物として得られるものがこの『血布』なのです。
では『九怨』とはそもそも何なのか?
なぜ絹糸が封印に使われているのか?
全ての謎に、蚕と桑の木が密接に関わってきますが、ひとまずはもう1人の主人公、浮月の方へ目を向けてみましょう。