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PS5の冷却設計はどれぐらい革新的なのか?可変クロック、独自ブレンドの液体金属、大量の空気を静かに流すなど、過去のPlayStationで培ってきたノウハウをつぎ込んだ開発思想を披露

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 2023年9月13日から15日まで幕張メッセで開催された電子機器や半導体などに関する最新技術を一堂に集めた展示会「ネプコン ジャパン [秋] 」。その初日に行われたのが、ソニー・インタラクティブエンタテインメント ハードウェア設計部門 メカ設計部 部長の鳳康宏氏による特別公演「PlayStation 5の革新的 冷却設計を紐解く」だ。

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 リコーから1998年に当時のSCEに入社した鳳氏。それ以降、様々なPlayStationシリーズ本体の設計を担当してきている。今回の公演では、PlayStation 5(以下、PS5)で実装された冷却設計についての紹介が行われた。ちなみに今回の公演内容自体は、2021年に行われたものと同じだ。

 初代のPS5の型番はCFI-1000シリーズであったが、その毎年新たな型番の製品がリリースされ現在はCFI-1200シリーズとなっている。しかしながら、冷却系に関する設計思想自体は大きくは変わっていない。

 こちらの記事では、セッションの模様を一部抜粋してご紹介していく。

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▲ソニー・インタラクティブエンタテインメント ハードウェア設計部門 メカ設計部 部長の鳳康宏氏。

取材・文/高島おしゃむ

PS5の冷却設計はPS3とPS4で培ってきたノウハウを踏襲したもの

 PS5の吸気口は、縦置きにしたときに上部の辺りに設置されている。巨大なファンは遠心ファンになっており、表面と裏面の両方から空気を吸い込み、セット内に送り込むような形だ。しかしこのままでは開口部に関する各国の安全規制が通らないため、その上から白いパネルを取り付けて隠すといった構造になっている。

 PS5の排気口はリア側にあり、こちら側は殆どすべてが排気口となっている。また、横置きにしたときの左側面の一部にも排気口が設けられている。ちなみに縦置きのときに専用のスタンドを使うのは、この排気口が塞がれないようにするためだ。

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 PS5のパネルはユーザー自身で取り外すことが可能だ。パネルの下には掃除用の穴が用意されており、そこから掃除機などで吸い込むことで中のホコリが取れるような作りにもなっている。よくエアブローのようなものでホコリを飛ばす人がいるが、逆に中に押し込んでしまうためやらないほうが良いとのことだ。この辺りは、後ほどご紹介する設計が影響している。

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 基本構造としては中央にメイン基板があり、ヒートシンクなどをひとまとめにしたコアユニットを、上下のケースでサンドイッチしたような形になっている。機内エアフローは時計回りに空気が流れるようになっており、壁面に沿って空気の圧力を上げていくような仕組みだ。

 こちらは、PS3やPS4など歴代シリーズの冷却設計ノウハウを踏襲して作られている。機内エアフローに関してひとつだけPS4から変更した点は電源ユニットの冷却部分で、壁面に小さな穴を多数設け、その小さな穴から湧き出した空気が電源ユニットに入り、内部を冷やして後ろから吐き出す構造になっているのだ。

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 PS5の本体を横置き正面から見ると、中央にメイン基板がありその上側の面にSoCが実装されている。この上側の面をA面と呼んでおり、下側をB面と呼んでいる。ファンにはA面側とB面側を分ける仕切りが、それぞれ別々に空気が流れるようになっている。

 ちなみにPS5のメイン基板は、B面側に実装されているものだけでもPS4に換算して約1台分の発熱量があるとのこと。そのため、大量の放熱処理を行う必要があるのだ。

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PS5の冷却設計のポイントはゲーム時の静音性と低コスト&生産性、セットサイズ

 PS5の冷却設計に関するポイントは、「ゲーム時の静音性」と「低コスト&生産性」、「セットサイズ」の3つだ。PS5は月に200万台以上生産されるため、調達しにくい特殊な部品を使うことはできない。組み立ても含めて高い生産性が要求されるのである。セットサイズに関しても小さいに越したことはないが、今回は最初に上げたふたつを優先したとのことだ。

 従来のPS2からPS4までは、SoCの動作周波数が固定になっていた。そのため、ソフト側の負荷によって発熱量も変化する。一般的にこうした機械の冷却設計を行うときは、ポイントをふたつ用意しておく。

 SoCの発熱量は、最大のTDP(熱設計電力)を想定しておく。それに加えて、環境温度もマージンを持たせた高い値を想定し、USBの充電等などの外部負荷も規格上の最大値を設定する。また、外部電源の電圧も多少変動するため、100Vより低い電圧に設定しておく。つまり、あらゆる条件を最悪にしたものを想定しておくのである。ここで求められる仕様は動作保証、つまり「問題なく動く」ことであり、静粛性は求められない。

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 もうひとつのポイントは通常のゲーム時だ。話題のタイトルをいくつか想定し、その他の条件としては一般的な室温から少し高い温度を想定する。また、外部負荷なども一般的なものを想定しておく。

 ただしこの時は商品性が問われるので、静かに動作することが望ましい。これらふたつのポイントを最初に想定しておき、冷却設計を行っていくのである。だが、PS4のモデル後期になると様々なゲームが登場してきており、当初の想定を超える発熱量を生み出す使い方をするようなタイトルも登場してきた。それに伴い、場合によっては40dBを超えるような音でファンが回転してしまうようなタイトルもあったのだ。

 そこで「考え方を変える必要があると痛感した」とのことで、PS5では動作クロックを可変にしている。ゲーム時は基本的にTDPで動作する。常時TDP稼働であっても静かに動作するような、強力な冷却系を作るという設計思想に変更しているのだ。

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コストカットのために小さいダイサイズを採用

 SoCのコストは、ダイのサイズによって大きく変わる。
 シリコンウェハーをひとつひとつスライスしてSoCが作られていくが、まず単純に、ダイのサイズが大きくなると部品が取れる数が減ってしまう。また、円形のウェハーから四角いダイを切り取っていくのだが、ダイサイズが大きいと、周辺の使えない部分の割合も増えてしまう。更に、シリコンウェハー上に欠陥がいくつかあるため、ダイのサイズが大きいとそちらを踏んでしまう確率も増える。つまりダイのサイズが大きいとコストも跳ね上がっていくのだ。

 そこでPS5では、少しでもダイのサイズが小さくなるような設計が行われている。ダイが小さいと、その上に乗っているコンピューティングユニットの数も減る。PS5では少ないコンピューティングユニットを高速で回しながら処理をしているので発熱量が高くなる。つまりダイサイズが小さくなることで、熱密度が大幅に上がってしまうのだ。

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 PS5の場合、歴代のPlayStationシリーズと比較して熱密度が高いため、冷やすのも苦労することになる。PS5ではPS4 Proと比べて62パーセントの小さい熱抵抗値のヒートシンクを作らなければならない。
 冷却系とは、熱伝導グリスなどのTIM(放熱素材)と呼ばれるものと、ヒートシンクのふたつのことである。これら2つのコンポーネントに、発熱源から放熱先の大気までの温度差が与えられる。この温度差をどうやって振り分けるのかというところが冷却設計のポイントとなる。

 TIMの性能が上がるとヒートシンクの負荷が下がり、少し小さいヒートシンクで済むようになる。コスト面ではそもそもTIMの価格はそれほど高いわけではなく、ほとんどがヒートシンクのコスト
 だ。たとえば、それまで10円だったTIMを100円のものに変更することで、これまで1000円かかっていたヒートシンクを500円のものにできるといった設計が行えるようになるというわけである。
 お金をかけるならTIMで、熱源に近いところほどお金をかけることで高性能にすることができる。

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もっとも性能がいいTIMとして独自ブレンドの液体金属を採用

 PS5では、TIMとして液体金属を採用している。この液体金属とは、ガリウム[Ga]とインジウム[In]とスズ[Sn]の混合金属だ。常温では液体になり、水と同じで異常液体でもあるため、凍らせると体積が増えてしまう。

 メリットとしては高熱伝導率でほとんど揮発しない。また、毒性も低い。デメリットとしては金属であるため、電気を流してしまうところだ。そのため液漏れして基板の上に乗ると、ショートしてしまう。また、他の金属を攻撃してしまう。特にアルミニウムに対して強い反応がある。

 液体金属は秋葉原でも売られているものだが、PS5で使われているものは特殊ブレンドされたものだ。塗布方法自体も難しいのだが、こちらも独自開発した塗り方が採用されている。

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 このように液体金属を扱う場合は、漏れを防ぐ構造が重要となってくる。とはいえ対策としては単純で、スポンジや液状ガスケットなど防水性が高いもので囲うだけだ。落下テストなど様々な過酷な実験を行い確認したが、凍らせたり溶かしたりといった温度サイクルの試験も行っている。液体金属は異常液体であるため凍ってしまうと体積が増える。融点は-20°Cほどだが、それ以下の温度で保管される倉庫があるかもしれないということで、念には念を入れての試験だ。

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 「アルミとの相性は悪いが銅なら大丈夫」という情報もあったのだが、調べてみるとやはりダメだったことがわかり、銅製の受熱ブロックには特殊なメッキを施している。メッキにはピンホールが発生してしまうものだが、これもわざと大きなものから小さなものまで再現して実験が行われている。しかし液体金属自体は表面張力が強いため、多少大きなピンホールであっても通り抜けることはなかった。

 液体金属の粘度は、ドロドロすぎてもサラサラすぎてもダメだ。これらは塗布性や濡れ性、ポンプアウト性能に影響を及ぼしてしまう。そこでちょうどいいとろを見つけて塗っている。この液体金属は、保管方法など製造工程に多くの工夫が施されている部分でもある。これらは何年も掛けてノウハウを身に付けていったものでもあるのだ。

 この液体金属は、しっかり塗られているか確認するために生産ライン上ですべて画像判定が行われている。このように、かなり特殊な設備がないと液体金属は塗ることができないため、分解は絶対にしないようにと鳳氏は警告する。

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縦置きでも横置きでも冷却性能に差はない

 PS5の冷却には高効率のヒートシンクが必要になるのだが、そもそも性能のいいヒートシンクとはどんなものだろうか? 立方体に近い形のヒートシンクでは、熱の運び手である空気が通り抜ける後半に温度が上がってしまい、冷却の仕事をしない。性能のいいヒートシンクは、薄くて平べったい形のものだ。これはまさに車のラジエーターで採用されているものである。

 冷却フィンも、根元側に熱源がある場合、先端部分は温度が下がってしまうので仕事をしない。そのため、薄くて背の低いヒートシンクのほうが性能はいい。家電であれば、こうした背の低いヒートシンクが理想型だ。PS5でも基本を忠実に守るように、低くて短いフィンを並べている。

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 PS5のヒートシンクには、あえて隙間が設けられている部分がある。フィンを通して温まった空気に対して横から冷たい空気を入れて、もう1度冷やすといった構造になっているのだ。

 熱を受け取る部分に液体金属が塗られてSoCとくっついているのだが、この熱の受け取り部分には高い能力が求められる。この能力に関してはベイパーチャンバーは優秀だが、コストが高くPS5の製造で要求される数を作るのも大変になってしまう。

 そこで採用されたのが、四角いヒートパイプだ。一般的なヒートパイプは、隙間ができたり並べる本数が減ってしまったりといったデメリットがある。それを四角く成型することで、ピッチリ並べられるようにしている。これにより、結果的にベイバーチャンバーと同等の受熱能力を実現しているのである。

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 PS5のメイン基板は、1枚にするということを最初に決めている。その理由はコストだ。基板をふたつに分けて2階建てにすることも可能だが、コストが跳ね上がってしまう。また、ファンも大型のものを1台だけ搭載するようにしている。

 PS2からPS4までのセットサイズは、冷却能力で決まっていた。しかしPS5の場合は、基板のサイズとファンのサイズだけでセットサイズが決まっているのである。
 LEDを光らせるような子基板などは、メイン基板の余ったエリアから取っているので、実質コストはタダだ。

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 よくある質問として、PS5は縦置きにしたほうがいいのか、それとも横置きがいいのかといったものがある。結論としては、どちらでも冷却性能は同じだ。

 縦置きにすると、温かい空気が上下の圧力差で登っていく煙突効果があるといわれている。しかしPS5のサイズの煙突で中身が空だと仮定しても、煙突効果で発生する静圧はたったの0.48Paだ。PS5のファンが発生する静圧は100Paであるため、中身がまるまる煙突であったとしてもその程度の効果しかないのである。

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ホコリを取りやすくするために設けられた「ダストキャッチャー」

 同社では、PS4の世代から「埃耐久試験」を導入しているが、PS5ではホコリを取りやすくするために「ダストキャッチャー」と呼ばれるホコリがたまりやすいエリアを設けている。PS5の白いパネルを取り外すと、このダストキャッチャー部分の穴にアクセスすることができる。ここから掃除機で吸い取ることで綺麗になるといった仕組みだ。

 ただし、タバコのヤニはベトベトしてくっついてしまい、掃除機で吸いにくくなってしまうので注意が必要だ。

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 ファン制御はPS3までは階段上のテーブル制御だったが、PS4からPID制御が採用されている。PS4とPS5で異なっているところは。システムアップデートでPIDゲインを変更できるようにしているところだ。PS5が市場に出た後で様々なゲームのデータを蓄積し、情報が集まったところでゲインの微調整が行えるようにしているのである。

 このファン制御では、3つのモードが用意されている。「メニューモード」は、PS5を立ち上げてゲームを起動していない状態だ。ファンがギリギリ動く程度の低い回転数に抑えられている。ゲームを起動すると「ゲームモード」に切り替わる。こちらではアイドリングを少し上げる。ゲームでは急激な負荷変動があるため、即座に反応することができるようにアイドリングを少し上げているのだ。

 特殊なものとして「BD再生モード」も用意されている。光学ディスクを再生したときはそれほどSoCの温度は上がらない。しかし、何かの原因で環境温度が上がったときなどに、ドライブや光学系を保護するためにファンの回転数が上がるようになっているのである。

 こうしたことを盛り込んだ結果、PS4ではゲーム時の騒音値が36dBAや42dBAになってしまったタイトルも、PS5では24dBAくらいに押さえることができるようになっているのだ。

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同じ冷却性能を保ちつつコストを下げるのが今後の課題

 最後に紹介されたのが、モデル別の性能比較だ。ひとつ目はセットの発熱密度で、こちらは発熱量を体積で割ったものを数値化したものである。過去のPlayStationシリーズと比較して、PS5は最大ではあるがそれほど突出しているわけでもない。発熱量は高いのだが、その分セットサイズも大きいのが理由だ。

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 吸排気口の面積では、歴代のモデルで最大である。PS3も大きな面積になっているが、こちらは外装に直接穴を開けていることが理由である。PS5はPS4 Proと比較して、排気口は倍以上の面積を取っている。

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 次に1秒あたりの空気流量だ。こちらは1秒間に何リットルの空気を流すことが出来るかという性能だが、圧倒的にPS5が高くなっている。

 鳳氏が最も気にしているのが、1リットルの空気に対して、何ワットの熱を乗せて外に排出しているのかという数値だ。この性能比較では、PS5は歴代最小値になっている。

 ちなみに数値が高い方がいいのか低い方がいいのかという点については、いまだに結論が出せていない部分でもあるという。
 PS2からPS3あたりまでは、大量の空気を流すとうるさくなると考え、「空気が少ない方がいい」という発想で冷却設計が行われていた。つまり、この数値を上げようと努力していたのだ。
 しかしPS3の3番目のモデルからは、発想の転換を行って「大量の空気を静かに流す」ようにしたのだ。よってこの数値は一気に下がっている。
 そして、これまで得られたノウハウをすべてつぎ込んだのがPS4である。結果、この数値はちょうど中間くらいの値になっている。

 PS5の場合は先にセットサイズが決まっていたため、結果的に大量の空気が流れることで低い数値となっているのだ。これにより、騒音や排気温度を低減することができたのだ。

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 最後に1ドルあたりの冷却能力というコストパフォーマンスの比較では、PS2の最初のモデルを1とした指標で表されている。こちらによると、PS4のあたりから苦戦し始めている。PS5は3.4という数値になっているが、同じ性能でコストを下げていくことが今後の課題だと語り、セッションを締めくくった。

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ライター
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。

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