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『PlayStation Portal リモートプレーヤー』は、いざ触ってみるとメチャクチャ気持ちよくなるデバイスだった。PS5のゲームをサッと手軽に遊べるのが想像以上に心地いい、まさに新次元へのポータル

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11月15日(水)に発売を控える『PlayStation Portal リモートプレーヤー』

かつて一世を風靡した「PSP」こと『PlayStation Portable』を思わせるネーミングを持つ、ひさびさのSONY製携帯型ゲーム機だ。興奮を覚える一方、実際には「宅内のPS5を遠隔で操作するリモートプレイ機である」という発表を聞いて「うん?」となった方も多いのではないだろうか。じつは筆者もそのひとりだ。

そもそもプレイステーションのリモートプレイは、実はずっと前からスマホやタブレットでも「PS RemotePlay」アプリで可能となっている。リモートプレイ自体はすでに誰もが利用できるような状態なのに、なぜ新たに本機を発売するのだろうか?

そこで今回はその謎を解き明かすべく、発売に先駆けてソニー・インタラクティブ・エンタテインメントより届いた、『PlayStation Portal リモートプレーヤー』のレビューをお送りしていく。

というわけで、いざ実機を触ってみると……あれ?これ、メチャクチャさわってて気持ちいいデバイスじゃない……?

文・写真/司破ダンプ

※株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントから商品の提供を受けています。

PS5がそのまま手のひらの中に

箱を開けてみると、その中身は実にシンプル。

『PlayStation Portal リモートプレーヤー』レビュー:外出先で使えなくとも、PS5をサッと遊べる魅力はデカい_001

中に入っているのは、『PlayStation Portal リモートプレーヤー』本体と、充電用のUSB Type-Cケーブル。あとは取扱説明書だけだ。開封してすぐの段階では、本体の液晶部分に保護用のステッカーが貼られている。

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ステッカーをはがすとこんな感じ。DualSenseコントローラーと同様に、マイクは本体下部中央についている
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裏側はこんな感じ。写真では見えづらいが白と黒の境目のところに、USB Type-Cポートとヘッドセット端子がある

本機をDualSenseワイヤレスコントローラーと比較してみると、左右スティックの大きさやPSボタンの配置などが変わっているものの、グリップやその周りのボタンサイズはDualSenseとまったく同じだ。

PS5特有のハプティックフィードバック(振動機能)やL2/R2ボタンを押し込む際の抵抗が変化するアダプティブトリガー機能もしっかり搭載されており、PS5ならではのゲーム体験をこれまでと遜色なく手元で楽しめるようになっている。

握ってみると…なんだかDualSenseよりしっくりくるぞ!?

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ここで本機を握ってみて、あることに気づいた。

「あれ、なんだかメチャクチャしっくりくる……?」

グリップの握り心地が、妙に気持ちいいのだ。隣に置いているDualSenseコントローラーと比べても、明らかに握りやすい。

この差はなんだろうと思って形状をよく見比べてみると、その正体がわかった。

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グリップを握り込んだときに中指が当たる部分が、本機はゆるやかにくぼんだ形状になっているのだ。比べてみると、DualSenseは中指が触れる部分がほぼ直線のデザインになっているのがわかる。握りやすさに差を感じたのはこのためのようだ。

わずかなデザインの差ではあるが、繊細な手が触れる部分となると、その差は大きい。本機の重さは約530gあるが、実際に持ってみるとこのグリップの良さもあってかそこまで重さを感じない。

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重さは約530g。500mlペットボトルくらいの重さだが、コントローラのグリップ感が良いためそこまで気にならない

いざポータルを開き、PS5をプレイ

ではいよいよ本機を起動してみよう。

本機はリモートプレイヤーのため、まずはWi-Fiに接続する必要がある。Wi-Fiの接続先を選択しインターネットへの接続が完了すると、ソフトウェアのアップデートの後、PlayStationネットワークへのログインへと移っていく。本機の液晶部分はタッチパッドになっているため、パスワードなどはタッチによる入力も可能だ。 

上記の設定が完了したら、いよいよPS5に接続していくことになる。PS5本体の電源を入れて、ペアリングの設定をおこなえば準備は完了だ。

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本機を通じて、PS5へのポータルが開く演出が入り、リモートプレイが開始する。映画の『ドクター・ストレンジ』を思い出す演出だ

一度設定を終えたあとは、PS5本体をレストモードの状態にしていても本機からネット経由でPS5の電源をオンにし、すぐにリモートプレイを開始できるようなる。

いざリモートプレイが始まってみると、ゲームプレイは思った以上に快適だ。画面は1920×1080の高解像度かつ最大60fpsでしっかりと動作し、リモートプレイということで気にかかっていた遅延の問題もほぼ感じられない。

そして画面の大きさは、PS5のゲームを手元でプレイするにはジャストサイズだと感じられた。あらためてスマホやタブレットでのリモートプレイと比較すると、あちらは画面サイズや縦横比の違いによる黒縁の挿入などで没入感が劣るのがはっきりと感じとれた。

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ボタンひとつで接続画面を起動でき、コントローラもワンセットになっているのが快適
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せっかくの新「PSP」なので、PS5でプレイできる初代PSPの『勇者のくせになまいきだ:3D』も動かしてみた

また、はじめはあまり気にかけていなかったのだがスピーカーの感じも悪くなく、本体上部にスピーカーが並列配置されているおかげか、ゲーム画面から音が立ち上がるかのように、ステレオの音響を立体的に聞きとれるようになっている。

ちなみに本機には「タッチパッドボタン」が存在しないが、そちらは「液晶画面の特定のゾーンをダブルタップ」で方法で入力できるようになっている。こちらは初見だとわかりにくいポイントなので注意しておきたい。

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タッチパッドボタン操作は画面の特定の位置をダブルタップすることで入力できる

今回の冒頭で筆者は「スマホやタブレットで既にリモートプレイができるのに、なぜ本機を出すのだろうか」と書いたが、実際に触ってみてわかった。「やはり専用機だけのことはある……!」

ちなみにバッテリーの持ちも上々だ。検証時間の関係で明確な時間は測れていないが、少なくとも3時間程動かしてみても、三つあるバッテリーの目盛りがひとつ減った程度だった。説明書によると、バッテリー容量は4370mAhとなっている。

気になった点・HDRには対応していなかった

気になった部分があるとすれば、本機はHDR(ハイダイナミックレンジ、従来よりも広い色域と高輝度での映像表示)に非対応という点がある。PS5はHDR対応が売りの一つでもあるので期待していたのだが、SIEへ確認を取ったところ、残念ながら対応していないとのことだった。

また本機は独自のロスレスワイヤレス接続技術である「PlayStation Link」を採用したヘッドホン/イヤホンのみが使用でき、既存のBluetoothワイヤレスイヤホンやUSBドングルを利用する2.4GHzワイヤレスイヤホンは使用できなくなっている。

ただし本機は有線であればイヤホンも接続可能で、また前述したようにスピーカーでのプレイも快適なので、実際に触ってみるとそこまで大きな問題は感じないかもしれない。

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ワイヤレスヘッドホン/イヤホンはPS Link対応のものしか接続できない。今回、私物の2.4GHzワイヤレスイヤホンならば使えないかとUSBレシーバーを差してもみたが、やはりそちらも使用できなかった

PS5よりPS5が楽しくなる、まさに新次元へのポータル

正直なところ、はじめは「ほぼ外に持ち歩けないであろう携帯ゲーム機というのは、どうなのか」と思う部分もあった。

しかし、かつての時代と比べると、現代はスマートフォンが普及したことで外にゲーム機を持ち歩く機会は減ってきている。いまや携帯ゲーム機は、家で手軽に手に取って楽しめることの重要度がより高くなってきている時代だ。

そんな中で本機は、机の上からサッと取って、PS5という据え置きゲーム機が持つ最高峰のゲーム体験を、家のどこからでも手軽に楽しませてくれる。いざ触ってみると非常に心地よく、物理的にも気持ちのいいデバイスだと感じた。

本機の約3万円という価格は決して安くはないが、すでにPS5を所持している人からみると、Nintendo Switchや、Steam Deck、Rog Allyといった対抗馬よりは安くもある。とくに携帯型ゲーミングPCの購入を考えている人にとっては、本機はハイスペックなゲームをプレイできる携帯型デバイスの対抗馬として、十分な選択肢になってくるのではないだろうか。

『PlayStation Portal リモートプレーヤー』は11月15日(水)に発売予定だ。価格は税込み2万9980円となっている。

ライター
85年生まれ。『勇者のくせになまいきだ。』シリーズの代表的プレイヤーとして名を馳せたツルハシの化身。 10代の頃、メックシューターゲーム『ファントムクラッシュ』とその続編『S.L.A.I.』の世界にハマり、 ディスプレイ越しに見た2071年に帰るべく日々を生きる。TCGとボードゲームも好物。
Twitter:@Dump29

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