いま読まれている記事

『アーマード・コア』+ローグライトな3Dアクションシューター『Lavrock:塒の唄』はかなり硬派な作り。歴戦の傭兵のみなさんもきっとお気に召すはず

article-thumbnail-231122h

「アーマード・コアの新作がやりたい!」

2023年には『アーマード・コア6』の発売によって最高の形で叶えられたこの夢だが、それにいたるまでの約10年という時間は長かった。そしてその中では、数々の『アーマード・コア』ライクな作品が産み落とされてきた。

重厚なメカを使ったアクション、機体パーツや武器をカスタマイズするアセンブルの楽しみ。そんな『アーマード・コア』の魅力に挑戦し、同時に“ローグライト”というオリジナリティを付け足したのが『Lavrock:塒の唄』(以下、Lavrock)である。

本作は“ACっぽい”操作性を丁寧に再現しつつ、ロボットものらしいカッコよさ、ロボ好きの目を惹きつけるような演出を取り入れることにより、その手の世界設定が好きなプレイヤーであれば思わず前のめりになってしまうような魅力を生み出していた。

『アーマード・コア』+ローグライトな
Steam3Dアクションシューター『Lavrock:塒の唄』試遊レポート_001
会場のポスター。「なんか美少女ACあるんだけど!」という運命的な出会いを果たした

本稿では中国・上海で行われた大規模インディーゲームイベント「WePlay Expo 2023」での試遊体験をもとに、その魅力をお届けしていきたいと思う。

取材・文/久田晴


すごく『アーマード・コア』な操作にワクワクが止まらない

『アーマード・コア』の方向性でローグライトをやろうとしている『Lavrock』。そう聞けば、最初に気になってくるのはバトルの中身だろう。

結論から言えば、戦闘中の操作感はかなり『アーマード・コア』っぽく作り込まれている。ただ思い起こされたのは最新作『アーマード・コア6』ではなく、どちらかというと『アーマード・コアV』だった。

まず、武装は両手と両肩に4つの火器を装備し、その中から左右それぞれひとつずつを併用できる。くわえて両手両肩とは別に近接攻撃用のレーザーブレードを持ち、こちらは機体が向いている方向に直進しながら高ダメージの斬撃を放つことが可能である。
武器の切り替えやブレードの挙動などは歴代の『アーマード・コア』を彷彿とさせるものがあり、個人的にはかなりワクワクさせられた。

試遊で使った機体はマシンガン、ガトリングなど素直な武装で構成されていたが、複数の敵をロックオンして同時攻撃できるミサイルの存在も確認している。

『アーマード・コア』+ローグライトな
Steam3Dアクションシューター『Lavrock:塒の唄』試遊レポート_002

機体の挙動についても『アーマード・コア6』でいうところの「クイックブースト」「アサルトブースト」的な動きを備え、加速感が心地よい“メカっぽさ”あふれるアクションを味わえる。一方でジャンプの性能は低めに抑えられており、上から撃ち下ろすような戦い方はしにくくなっていた。

ザコ敵を掃討する第1ステージで現れたのは戦車や歩兵、ノロマな二足歩行兵器などで、ひとつひとつは脅威ではないものの、数はかなり多い。比較的「一騎当千」的な方向性に振られているのか、押し寄せる敵の中を次々に撃ち落としていくような感触に近かった。

ただしこのあたりは開発中のタイトルということもあるため、今後のバランス調整次第で大きく変わる可能性もありそうだ。あとは「どんな武器が登場するのか」というところも期待したいポイントのひとつだろう。

『アーマード・コア』+ローグライトな
Steam3Dアクションシューター『Lavrock:塒の唄』試遊レポート_003

ボス戦の演出はかなり華がある

ザコ敵の掃討を1ステージ体験して進むと、次に訪れたのは重武装のボスとの一騎打ち。このボス戦の演出は非常に華があり、完成をいっそう楽しみにさせるものだった。

戦闘開始からしばらくは平坦な撃ちあいが続いたが、途中からは地面を薙ぎ払う強力なレーザーで攻撃してきたり、空中に静止して雨のようなミサイル弾幕を展開してきたりと、ボスにふさわしいド派手な攻撃で襲いかかってくる。

『アーマード・コア』+ローグライトな
Steam3Dアクションシューター『Lavrock:塒の唄』試遊レポート_004
思わず腰が引ける弾幕量

ボス戦にはどこかロボットアニメ風の見映えの良さがあり、はじめてプレイするゲームなのに「見たことあるヤツだ!」というような楽しさがあった。確かにボスは強力だが、ブレードを当てられるとしばらくひるんでチャンスが生まれたりと、一方的にやられるばかりの展開にはならなかった。

機体の挙動にも言えることだが、本作は『アーマード・コア』はもちろんのこと、さまざまな日本のロボット系コンテンツを研究して作り上げられたように思える。開発中の作品であるため粗を感じる部分はありながらも、「俺たちのやりたいロボゲーを作ろう!」というような意気込みはたっぷりと感じ取ることができた。

なお、今回の試遊の段階ではメカのカスタマイズやローグライト部分についてはほぼ触れることが叶わず、その詳細は今後の情報解禁を待ちたい。ストアページではパイロットの女の子たちが機体を降りて生身で戦っていたり、最大3人でのマルチプレイにも対応するなど、非常に気になるゲームプレイの内容が予告されている。

『アーマード・コア』+ローグライトな
Steam3Dアクションシューター『Lavrock:塒の唄』試遊レポート_005


『アーマード・コア』の影響が色濃く目立つ『Lavrock』だが、オリジナル要素であるローグライトの構造と、メカカスタマイズというゲーム性の相性は決して悪くなさそうに思えた。バランス調整をはじめ開発は決して簡単ではないだろうが、この野心的プロジェクトが成功を収めることを何よりも祈りたい。

本作は時期は未定ながらPC(Steam)での発売を予定しており、日本語の字幕や音声にも対応する予定だ。気になる方は公式Discordサーバーなどに参加して続報を待とう。

ライター
1998年生まれ。静岡大学情報学部にてプログラマーの道を志すも、FPSゲーム「Overwatch」に熱中するあまり中途退学。少年期に「アーマード・コア」「ドラッグ オン ドラグーン」などから受けた刺激を忘れられず、プログラミング言語から日本語にシフト。自分の言葉で真実の愛を語るべく奮闘中。「おもしろき こともなき世を おもしろく」するコンピューターゲームの力を信じている。道端のスズメに恋をする乙女。

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合がございます

Amazon売上ランキング

集計期間:2024年4月29日09時~2024年4月29日10時

新着記事

新着記事

ピックアップ

連載・特集一覧

カテゴリ

その他

若ゲのいたり

カテゴリーピックアップ