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マーダーミステリーで1兆円の市場を作る!──ライバー元会長の飯田祐基氏とヒカル氏がタッグを組み、新会社「これからミステリー」を設立

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株式会社ライバーの元会長である飯田祐基氏と人気YouTuberのヒカル氏がタッグを組み、新会社の「株式会社これからミステリー」を設立。「飯田祐基 第二章 幕開け」と題して、1月5日に品川インターシティホールで発表会が行われた。

株式会社これからミステリーは、マーダーミステリーを軸とした店舗運営やスマートフォンアプリの開発を行うために設立された企業だ。代表取締役には飯田祐基氏が就任し、ヒカル氏もアンバサダーとして事業を後押しする。

マーダーミステリーとは、自分自身が物語の登場人物になり、そこで発生した事件の真相を探求しながらそれぞれの持つ目的を達成したり、あるいは他の登場人物と協力関係を築いていったりしながら、物語を紡いでいくといった新感覚の体験ゲームのことをさしている。

今回の発表会は完全招待制になっており、報道陣に加えてマーダーミステリー業界関係者やインフルエンサーなど、700名が会場に集結。事前に聞かされていた情報は「マーダーミステリー新会社に関する記者発表会」を行うというものだけで、誰が何の目的で行うものなのかなど、一切の情報がない状態で幕が開けた。

通常の堅苦しい新会社発表会とは大きく異なるものとなっていたが、こちらでは当日に行われたイベントの模様をレポートする。

文/高島おしゃむ


インフルエンサーたちを巻き込んだマーダーミステリーが開幕

まずオープニングにムービーが流されると、映像の語り部である飯田氏から「これから第二章が始まる」というメッセージが語られる。

ここで、飯田氏自身が会場の2階に登場し「このイベントは、今僕にできる全てをかけたイベントになります」と、来場者に向けて今回の発表会に関する思いを述べていく。続けて「このイベントを、歴史の教科書に載るようなそんなイベントにしたいと思っ……」と、なにかを言いかけた途端、ぷつりとその音声が途絶えてしまう

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飯田氏が演説中、事件が発生!?

会場に叫び声が響き渡ると、刑事に分した宮迫博之さんが登場。先ほど会場の2階で演説を行っていた飯田氏が倒れており、絶命していることが知らされる。実は、マーダーミステリーの体験がすでに始まっていたのであった

容疑者として壇上に呼ばれたのは、はあちゅうさん桑田社長ラファエルさんノッコン寺田さんぷろたんさんチバニャンさんトモハッピーさんなど、有名インフルエンサーたちが登場。中には、たまたま会場に訪れていたインフルエンサーたちも登壇し、それぞれが持っていた怪しい手荷物に関する捜査が進められていった。

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まるで演劇のように、刑事に分した宮迫さん(写真左)が、容疑者となったインフルエンサーたちに尋問をしていくといった場面も。写真右は桑田社長
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次々と容疑者が持つ怪しい手荷物を調べていく宮迫刑事
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写真右はトモハッピーさん。当日は多くのインフルエンサーが会場に訪れていたということもあり、台本になかった人たちも容疑者として登壇していた

ひと通り宮迫刑事による捜査が終わった後で、犯人を会場に訪れた来場者の投票で選ぶという、いかにもマーダーミステリーらしい演出が盛り込まれていた。この投票は、LINEを利用して最も怪しい人物をリストから選ぶという方式で行われた。

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LINEを使った投票で犯人を決定

投票の結果、最も多くの票を集めていたのが、なんとこの事件を解決するために尋問をしていた宮迫さんだった。ここで、宮迫さんのコートの下に血が付着していることが明らかになり、実は真犯人だったことが明かされる

今回のイベントに関して、事前に「デカイことをやるので、ちょい役でいいから来てほしい」といわれていた宮迫さんだったが、実際は半端ないセリフの量であったことを暴露。しかしながら、その台本に書かれていたよりも倍以上のセリフをアドリブで話しており、かなり満足している様子であった。

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投票の結果、一番票を集めていたのは宮迫さんだった
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刑事たちに取り押さえられ、そのまま会場を後にする宮迫容疑者。約1時間ほどのマーダーミステリーは、これにて終了に

目指すはアメリカでの上場! 絶対に成功するまで辞めない

オープニングから1時間近く掛けて行われた、このマーダーミステリー。いきなり飯田氏がイベントの冒頭で死んでしまうという演出は「サプライズが足りないから」ということから生まれたもだったという。

飯田氏が目指しているのは、「マーダーミステリーで1兆円の市場を作る」というものだ。すでにマーダーミステリーがエンタテインメント事業として定着している中国では、3万以上もの店舗が運営されている。そちらと比較して、日本ではわずか50店舗未満という小さな規模にとどまっているのが現状だ。

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「新しいエンタメ文化を作るのがずっと夢だった」と語る飯田氏だが、日本国内におけるマーダーミステリーの店舗は中国に比べてまだまだではある。しかし、日本のシナリオ自体は中国に負けないぐらいに面白いものが揃っている。それが世界中に広まって楽しめるものになると、飯田氏は熱く語る。

先ほどの中国の例では、マーダーミステリーは2021年上半期の娯楽トレンドで3位という位置づけになっており、カラオケのような感覚で楽しむものとして定着している。飯田氏は、まずはマーダーミステリーを日本全国で広めていき、世界で広めていこうとしているのだ。

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そのために新たに設立されることとなったのが、株式会社これからミステリーだ。

まずは、マーダーミステリー専門店が2024年2月1日に六本木と中野でオープン。それぞれのSNSも、1月5日より開設されている。また、2月にプレリリースされる予定のマーダーミステリーのアプリも現在開発中とのこと。さらに、マーダーミステリーのライセンスを管理するための法人も設立される。それらに加えて、YouTuberヒカル氏をフィーチャーしたオリジナルのマーダーミステリー作品『ヒカル殺人事件』の予約も開始された。

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前職でライバーを創業した飯田氏。しかし創業から10年目に、道半ばでその夢が終わってしまう。今回のマーダーミステリーについては、「絶対に成功するまでやめない」と力を込めて語った飯田氏だが、その目標は日本だけではなくアメリカでの上場を目指すことだった

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マーダーミステリーは100人が遊べば98人はハマってしまう

配信という自身が築いた業界で仲間たちが活躍している様子を見て、辞任当時は自分を納得させようともしたが、その本心では死ぬほど悔しかったという飯田氏。自分のまわりからも人が離れていき自信もなくしていたが、そのときに「飯田くんは成功するよ」と何度も言ってくれたのが共同創業者のヒカル氏だ。

元々飯田氏とは知り合いだったヒカル氏だが、一緒にビジネスをするという気持ちはなかったという。それは、ヒカル氏自身が「勝てる人と勝てることをする」というタイプだからだ。飯田氏の人間性は好きだったものの、ビジネスとしては疑問に思っていたため、仕事では全くかかわっていなかったのである。

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飯田氏がライバーを辞任し、世間からもバッシングを浴びていたときも、それまでの関係を崩すことはなかった。ヒカル氏自身は、回りの人間がどう思うかは関係なく、飯田氏のことも悪い人間だとは思っていなかったというのが理由である。

しかし、その段階ではまだ一緒に仕事をするという気持ちにはなっていなかった。そのきっかけとなったのが、マーダーミステリーである。ヒカル氏がとあるマーダーミステリーで遊んだところ、おもしろすぎて1週間ずっと遊び続けてしまうぐらいにハマってしまったという。

マーダーミステリー自体はおもしろいのに、明らかに世間からは認知されていない。実際は100人が遊べば98人はハマってしまうぐらいのポテンシャルがあるコンテンツだ。それを飯田氏がビジネスにしたいと言い出したことから、初めてヒカル氏自身が自らの影響力を使って「広めたい」と考えたのである。

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また、取締役CSOに就任した溝口勇児氏は、飯田氏に対して「根っこから悪人だと思ったことはなかった」と語る。何よりも「ライバー」という新しいマーケットを作り、名だたるエンジェル投資家から10億円ほど資金調達をした起業家であるということも知っていた。そんな飯田氏が「人生を賭けて今回の事業に掛けるということは素晴らしく、そこに参画できるのは大変光栄」と述べていた。

ちなみに、これまで人狼やポーカーなど、カードゲームやテーブルゲームなどには全くハマらなかったという溝口氏だったが、誘われてマーダーミステリーをやってみたところ、先ほどヒカル氏がいってたように「98パーセントの人に刺さる可能性があることがわかった」そうだ。

日本のマーダーミステリーの市場は2億円ほどだ。それに比べて、中国は1兆円の市場ができあがっている。中国のGDPは日本の4倍ほどだが、潜在的なポテンシャルとしては2500億円ぐらいになってもおかしくないコンテンツなのだ。

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FiNC創業者で BreakingDown COOでもある溝口勇児氏

最後に飯田氏は「新参者ですが、マーダーミステリーに本機で取り組みたいと思っています。どんな形でも大小問わず、全力で向き合っていきたいと思っています。みんなでマーダーミステリー業界を盛り上げていけたらと思います」と抱負を語り、イベントを締めくくった。

今回設立された株式会社これからミステリーでは、実店舗にアプリなど、すぐに提供されるサービスもいくつか用意されており、これがきっかけで日本のマーダーミステリー業界も盛り上がっていきそうだ。

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ライター
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。

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