1月18日は『Gears of War』第1作目が日本で発売された日だ。
Xbox 360用ソフト『Gears of War(ギアーズ オブ ウォー)』は、2006年11月7日に海外でリリースされた後、約2カ月後の2007年1月18日に日本でも発売された。アンリアルエンジンで知られるエピックゲームズが開発し(後にThe Coalitionがシリーズの開発を担当)、Microsoftが発売するSFシューターだ。大ヒットを記録してシリーズ化されており、『Halo』と並んでXboxを代表する人気作となっている。
地球によく似た惑星セラの人類は、地底から突如出現した謎の敵ローカストの総攻撃により危機に瀕していた。優秀な兵士だが職務放棄の罪で投獄されていたマーカス・フェニックスは、デルタ部隊の兵士たちと行動を共にしてローカストとの戦いに挑んでいく。
アサルトライフルとチェーンソーが合体した武器「ランサー」を駆使して戦うTPSの本作では、遮蔽物に隠れながら撃ち合う「カバーリング」が重要になっている。味方の援護を受けながら遮蔽物に向かってダッシュし、敵との距離を詰めて接近戦に持ち込み、チェーンソーで一刀両断するというワイルドなプレイ感覚が、本作の持ち味となっている。
『Gears of War』は、Xbox 360のオンラインプレイが日本でも次第に普及していった時期のタイトルである。本作のオンライン対戦モードも人気だったが、特に注目を集めたのがストーリーモードを2人で遊ぶオンライン協力プレイだ。先に説明したように本作では、カバーリングのために味方同士の連携が重要となっている。オンライン上のフレンドと一緒に本作をプレイすることで、オンラインシューターの楽しみを知ったという日本のXboxユーザーも少なくない。
また本作の日本版はまるでハリウッド映画の吹替のような、豪快かつ軽妙なやり取りの日本語音声が楽しめる。いかつい身体の兵士たちが「プランBはなんだ?」「あ? ねぇよそんなもん」といった具合に皮肉交じりの会話を繰り広げる様子は、動画サイトなどを通じてXboxユーザー以外にも広く知られるようになった。
『Gears of War』は海外で大ヒットしたことにより続編が制作されて、FPSの『HALO』と並んで、Xboxを代表する人気TPSシリーズになっていく。本作と『Gears of War 2』『Gears of War 3』の3部作で、マーカスを主人公としたストーリーが完結。3部作のサイドストーリーを描いた『Gears of War:Judgment』を経て、『Gears of War 4』『Gears 5』ではマーカスの息子JDや彼と共に戦うケイトといった、新世代の兵士たちの物語へと移り変わっている。
1作目で好評を博したオンライン協力プレイは、『Gears of War 3』から最大4人同時プレイが可能に。また『Gears of War 2』からは新たな協力プレイモードとして、波状攻撃を仕掛けてくる敵を協力して迎え撃つ「Horde(ホード)」が登場している。
このように世界的な人気シリーズとなった本作だが、チェーンソーで敵を切断したりショットガンでバラバラに吹っ飛ばしたりと過激な暴力描写があるためか、『Gears of War 2』と『Gears of War 4』は日本発売が海外に比べてどちらも1年近く遅れるということもあった。
2014年に、Microsoftがエピックゲームズから『Gears of War』シリーズの権利を獲得。2024年現在は、Xbox Game Studios傘下のThe Coalitionがシリーズの開発を手がけている。2019年には現時点のナンバリング最新作である『Gears 5』が発売されたほか、2020年にはシリーズの世界観をターン制ストラテジーで表現した『Gears Tactics』といったソフトもリリースされている。シリーズの今後の展開が気になるところだ。