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ボスもふくめた“全部の敵”をスキルにできちゃうアクションゲーム『鳴潮』CBT2が大幅進化を遂げていて楽しみ。バトルのボリュームやビジュアルの向上はもちろん、新実装のローグライクモードにも注目

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ハイクオリティなアニメ風のビジュアルと、終末世界を舞台とする影のある世界設定、そして豊富なアクション要素。そんな見どころが集まり、昨今では日本国内からの注目度もにわかに高まっている新作オープンワールドRPG……それがKURO GAMESの『鳴潮』(メイチョウ)だ。

本作では2月19日から26日にかけて、第2回となるクローズドベータテスト(以下、CBT2)が開催された。実は筆者は昨年9月にも本作をプレイする機会をいただいたのだが……それから約半年。その短い期間の間に、本作は“ほぼすべての要素”がグレードアップするという、すさまじいまでの進化を遂げていた。

これまでのバージョンでは“登場するすべてのクリーチャーを自らのスキルにできる”「音骸」システムや、お手軽ながら「パリィ」や「ジャスト回避」の爽快感を楽しめる戦闘面がおもに注目を浴びてきた『鳴潮』。

しかし今回のCBT2では、グラフィックやキャラクターモデルの向上、クエストの追加にローカライズの改善など非常に多岐にわたる面でブラッシュアップが図られた。その内容には開発チームの“気合”の入りっぷりを感じざるをえない。

というわけで、今回はCBT2における改善点を中心に、あらためて『鳴潮』の魅力をお届けしていこう。なお、記事に掲載されている画像の多くはCBT2内のものであり、正式版とは異なる場合があることには注意されたい。

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文/りつこ

※この記事は『鳴潮』の魅力をもっと知ってもらいたいKURO GAMESさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


お手軽だけど「上手そう」に感じられるお洒落なバトル。新モンスター/キャラクターの追加でさらにボリュームアップ

『鳴潮』でプレイヤーは“特殊な力を持つ”ものの、記憶を喪失した主人公「漂泊者」となり、「悲鳴」と呼ばれる現象により滅亡の危機に瀕した世界を冒険していく。

作品の舞台は東洋風のエッセンスを取り入れたSF調の世界。プレイヤーは自身のルーツを探しつつ、「悲鳴」以降世界に氾濫するクリーチャー・残像(以前は幻像)や星骸組織と呼ばれるテロリストのような組織と対峙することとなる。

本作の戦闘は3人のパーティーメンバーを切り替えながら戦う3Dアクションの形式を採用しており、前述のとおり「カジュアルかつ歯ごたえもある」戦闘が大きな見どころだ。

戦闘は基本的に軽快な連撃を主体としているが、バレットタイムを発生させる「ジャスト回避」やパリィのような「逆転反撃」も存在する。

「ジャスト回避」や「パリィ」は高難度アクションでのみ楽しめる“醍醐味”のような要素というイメージが強いかもしれないが、本作においてはジャスト回避の有効範囲やタイミングの猶予が大きく、「逆転反撃」も連撃の中でたまたま発動するケースも多い。

また、戦闘中に使用できる持ち込みの回復アイテムも多数存在するため、筆者のようなアクションゲームが上手ではないユーザーも「高難度アクションのウマみ」を味わえるのだ。

いっぽう、このたび実施されたCBT2では「スタミナ切れ」が起きた際にダメージを受けるリスクが上昇してるように感じた。こういった調整などにより、決して“何をしても勝てる”訳ではないチューニングとして適切な緊張感も味わい易くなっている。

また、CBT2よりステージ上に「赤いオーラを纏った残像」が登場し、自身のレベルより強力なクリーチャーに挑戦することも可能になっている。そのため、戦闘を楽しみたいユーザーが実力を試せるコンテンツも今まで異常に充実している印象だ。

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さらに、ボスキャラクターもCBT2で種類が拡張されたほか、冒頭のメイン敵キャラクター「スカー」においてはボス戦の仕様が2段階になり如実に歯ごたえが増している。

こうした変化は本作のメインディッシュとも言える戦闘を表情豊かなものとしており、結果として長く楽しめるバラエティ性につながっているだろう。

大型ボスもスキルにできる!? ユニークな「音骸システム」は新モンスターの追加でいっそう楽しく

本作では敵対する残像を倒した際、一定確率で「音骸」として自らのスキルにすることができる。

「音骸」スキルはフィールドに多数出現する敵のみならずボスからも獲得でき、すべての残像を「音骸」として獲得できるという。

「音骸」の中にはクリーチャーを召喚するものや「ボスに変身」できるものも存在し、強力であるのはもちろん、戦闘の華やかさを高めている。

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最初のボス・無冠者に変身することも可能(画像は『鳴潮』CBT2より)

グラフィックが改善されたことに伴って「音骸」の演出もより派手になっているほか、前述したとおりボスの種類が増えたため「音骸」の種類も増えている。

戦闘における「音骸」の性能としては必ずしも大ダメージを与えるものに限られておらず、攻撃と共に氷の壁をステージ上に出現させたり、自身の回復/バフを行ったり、はたまたカウンター攻撃、特殊なフィールドを発生させたりと多種多様だ。さらに「フラッシュ音骸」がイースターエッグとして低確率で登場する。

「音骸」システムにより、使用するプレイアブルキャラクターの性能や自身のプレイスタイルにあわせて装備する「音骸」を選ぶ、“ビルド”のような楽しさも本作の魅力のひとつとなっているだろう。

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「SFポストアポカリプス」な独特の世界にたっぷり入り込もう

また、本作のストーリー面も注目ポイントのひとつ。

以前、TGS2023でプレイさせていただいた際には、ストーリーやキャラクターの性格などが読み取りきれないと感じる部分もあった。

しかし、CBT2では「主人公のルーツが明かされていく物語」「各キャラクターの個性や魅力」そして「悲鳴」以降の世界で苦しみながら生きていく人々の描写などをちゃんと読み取ることが可能であり、ストーリーを楽しめるようになっていた。ローカライズに関してもCBT2は開発段階であると推測されるが、この変化はかなり遊び心地を改善している。

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また、前回のCBTからは物語の展開や描写もかなり変更されており、マップを巡る仕様やキャラクターが登場する場面も大きくことなる。

これらの改善などにより、運営型ゲームの“お使い”的な印象が薄まっており、プレイヤーが「主人公としての目的」のために行動している実感や、世界設定およびキャラクターの性格などの”納得感”は段違いに増していると感じた。

実際にプレイした本作では「主人公は何者なのか」「敵対組織の思惑は何なのか」といった要素が徐々に明かされていくストーリーテリングで”先が気になる”要素も増えている。今後は国内のプレイヤーも「ポストアポカリプス」な世界で展開する本作の物語にも期待できそうだ。

キャラクターモデルが美しく一新。キュートで凛々しいキャラの魅力がたっぷり味わえる

本作はストーリーの進行上手に入るキャラクターのほか、ガチャシステムで仲間になったキャラクターと共に冒険し、それぞれの特性や戦闘スタイルを活かして戦うことができる。つまり、キャラクターの魅力も作品における重要な要素だ。

CBT2に際して、「グラフィックの向上」の一環としてキャラクターデザインおよびキャラクターのモデルも改められている点にも注目したい。

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本作ではアニメ調の3DCGを採用しているが、本作の発表時に比べて「平面的」でありながら、ルックが“のっぺり”としないように陰影および質感の表現が強化。さらに、デザインの面では衣装などのディテールが増加している。

さらに、ワールド全体における光の表現が豊かになったことで、キャラクターにおける遠近の立体的な表現も向上しているように感じる。

くわえて、CBT2よりキャラクターごとのエピソードやクエストも追加されており、かなりキャラクターの性格やバックグラウンドが掘り下げられている。これらの変化により、いわゆる“キャラゲー”としての楽しみ方もかなり拡張されているだろう。

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CBT2では「鑑心」と「凌陽」の2キャラクターが追加された。

どちらも近接格闘に特化したキャラクターだが、「鑑心」は風儀拳と呼ばれる武術を試用。淡々とした振る舞いや礼儀正しい所作を持ちながら「強さを求める」姿勢が印象的だ。CBT2の時点では、メインストーリーの序盤で出会うことができた。

戦闘においては連撃の格闘が主軸となっており、必殺技・共鳴開放では敵を吸い付ける空間を放ち一気に攻撃を叩みかけることができる。使用後は自身の攻撃力が高まるバフがかかるため、一気に攻め立てるチャンスを作ってくれるだろう。

いっぽう、「凌陽」はCBT2の中盤で出会えるキャラクターとなっており、子供達と和気あいあいと交流するお人よしな人柄、そして動物のような耳を携えた可愛らしいビジュアルが特徴だ。

「TGS2023」で出会った「凌陽」は獣人のような姿であったが、CBT2に際して大幅にビジュアルが変更されており、よりキャッチ―になったと言えるだろう。

なお、「凌陽」は「獅子舞」を得意としており、共鳴開放を試用した際には獅子頭を被った特殊なモードに変化する。この状態では空中を縦横無尽に駆け回りながら打点の高い攻撃を行えるため、相手の攻撃を難なくかわしながら大ダメージが狙える。変化した攻撃モーションもユニークかつ煌びやかで“これぞ必殺技だ”という手触りの良さも魅力だ。

「話題のギミック全部乗せ」で疾走できるオープンワールド。マップも改修され、エリアごとの特色が際立つ

本作は「オープンワールド」の作品らしく、さまざまなデバイスやギミックを駆使して広大な世界を冒険できるのだが、CBT2ではマップ全体の仕様変更も行われていた。

探索の概要を紹介すると、オープンワールドでの探索は『デス・ストランディング』におけるオドラデクのような「スキャン」、『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』の「マグネキャッチ」のように物を動かす「浮遊操作」、そして『モンスターハンター・ライズ』の翔蟲のような「鍵縄」が用意されている。

プレイアブルキャラクターは壁面をスイスイと走ることができるほか、空中でスタミナがある限り「グライダー」を展開できる。

スタミナの減りは比較的ゆるやかであり、高低差によるダメージも少ない。そのため、パルクールのようなスタイリッシュさでサクサクと広大な世界を探索可能だ。

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CBT2ではこれまでに登場したエリアごとの特色を強調する変更が行われており、例えばジャングルのようなステージになっていた「光なき森」は白い毒の胞子が雪のように舞うステージになっていた。

広大なマップを探索する醍醐味は、やはり「まだ見ぬ景色を見る」という点であるだろう。なので、ロケーションごとの変化が増したことで、シンプルにマップ中を歩き回る楽しさが向上していると感じた。

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また、マップ上には「アクションパズル」や「レース」などのミニゲームにしばしば挑戦できるのだが、これらのコンテンツの種類も大幅に拡張。報酬が貰えるとはいえ、1分ほどで完結するミニゲームを楽しみ続けるのには限度がある。シンプルに種類が増えたことは、プレイヤーに退屈さを与えない試みとしても効果的であるだろう。

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クエストによってはなんと「横スクロール」ステージも登場。さらにローグライク要素もあり、“飽きさせない”サービス精神を感じる

今回のアップデートにおいて最も驚いたのは、「サイドビュー」を採用したダンジョンが用意されていた点だ。

「サイドビュー」のダンジョンはミニゲームのようなかたちで用意されているほか、新キャラクター「凌陽」のクエストに登場。「凌陽」のクエストにおいては2Dと3Dがシームレスに展開する構成になっており、霧で視界が不明瞭なステージを駆け抜ける場面も存在した。

ステージ上では「鍵縄」といった移動用の能力や戦闘スキルも使用できるものの、実際にプレイした際には特に新鮮に楽しめた。

また、CBT2では各エリアにフォーカスしたクエストが「危地任務」としてまとめられており、「帰来の港」でのクエスト終盤では「燎原の炎騎」に変身し高速道路をバイクで疾走するコンテンツも設けられた。

「凌陽」のクエストのように特別なアクティビティが用意されたクエストが多く、日々こなしていく小さなクエスト以外はかなりリッチになっている。

さらに、CBT2段階ではローカライズの途中であったものの、ローグライク要素を取り入れた新コンテンツ「深層空想秘境」にも触れることができた。

本コンテンツはひとりのキャラクターのみを使用し、所持している音骸ではなく、提示された音骸のみを使用する特殊なルールで進行する。

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複数回の戦闘を経てボスと戦いクリアとなる仕様で、各集団を倒すたびに「3つのアイテム」からひとつを選択し主人公を強化していく。そして特定数の同じ種類の音骸を集めると、特定のボスに変身し、大量のダメージを与えるという要素もある。そのため、運はもちろんのこと、音骸やアイテムの選択が勝敗を握るコンテンツとなるのだろう。

フィールドのデザインも幻想的で、サイドコンテンツとして楽しめそうだ。


ここまで語ってきたように、『鳴潮』は約半年間で全方位的で大幅なコンテンツの追加、改善が行われ、収録コンテンツ量がマキシマムなアクションRPGに進化した。

「高難度アクションの醍醐味」を味わえる戦闘に自由度の高い探索、ストーリー、そしてキュートで凛々しいキャラクター表現を基本無料で楽しめる点は、KURO GAMESが“勝負”に出ている証と言えるだろう。

『鳴潮』はPCとスマートフォン(iOS、Android)向けに、2024年内に基本プレイ無料でのリリースを予定しており、すでに公式サイトで予約受付を開始している。本稿を機に『鳴潮』に興味を持った方は、公式X(旧Twitter)や公式サイトをチェックし、正式版で「漂泊者」として冒険できる日に備えよう。

編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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