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新感覚テーマパーク「イマーシブ・フォート東京」の体験がリッチすぎてヤバい。『シャーロック・ホームズ』世界の一員となるアトラクションでは、48人ものキャストが常にキャラを演じ続け参加者の目の前で物語がリアルタイムに展開される

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東京・お台場のヴィーナスフォート跡地に、3月1日(金)よりグランドオープンした「イマーシブ・フォート東京」。同施設は「テーマパークを超える、完全没入体験(イマーシブ体験)」をコンセプトにしており、完全没入型の10種類以上のアトラクションと6つの物販や飲食店が集合した世界初のイマーシブ・テーマパークとなっている。

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同パークを運営する株式会社刀の代表取締役CEO・森岡毅氏によると、この「イマーシブ・フォート東京」が従来型のテーマパークと比較して新しい点があるとのことだ。それは本施設が「イマーシブ・エンターテイメント」を楽しめる場であるということ。世界最先端のライブエンターテイメントとも呼ばれており、料金は高価だが、その体験に貴重性があることからエンタメ通の人たちを中心に人気を集めているのだ。

スマートフォンやXRなど様々なデバイスやサービスが登場したことによるデジタルエンターテイメントの進化と同じように、ライブエンターテイメントも進化していく必要がある。ライブだからこそ味わえる刺激は、時代ともに受け継がれ人々の心を掴む。そうした、究極のライブエンターテイメントを集めたもののひとつに、テーマパークが挙げられるだろう。

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▲株式会社刀の代表取締役CEOの森岡毅氏。
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▲森氏の挨拶の後、華やかなセレモニーが行われた。

従来のテーマパークでは多くのゲストが概ね同じような体験を味わえるように作られている。そのため、「一度にどれだけ多くの人を楽しませられるか」という点に主眼が置かれている。しかし、「イマーシブ・フォート東京」では、従来のテーマパークでは成し遂げることができなかったゲストごとにカスタマイズされた自分だけの体験を楽しめる。

森氏は言葉でどれだけ伝えても、なかなか感動が伝わりにくいからこそ、「イマーシブ体験」というものがピンと来ない人にこそイマーシブ・フォート東京に足を運んでほしいと語り、「従来のテーマパークとは、ハラハラ・ドキドキが違う」とアピールした。

本稿では、グランドオープンに先駆けて、前日の2月29日(木)に開催されたメディア向けの合同取材ツアーの模様をレポート。ほぼ半日を掛けて6種類のアトラクションを体験することができたので、本施設の「イマーシブ体験」をぜひチェックしてほしい。

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▲今回は体験することができなかったが、こちらは「東京リベンジャーズ イマーシブ・エスケープ」のキャスト陣だ。

取材・文/高島おしゃむ


ヘンゼルとグレーテル、魔女。ふたつの視点から新たな物語が見えてくる「イマーシブ・ストーリーズ~誰も知らなかった本当のヘンゼルとグレーテル~」

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最初に体験したのは、グリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』を題材にしたウォークスルー型のアトラクション「イマーシブ・ストーリーズ~誰も知らなかった本当のヘンゼルとグレーテル~」。最初にヘンゼルとグレーテル側、あるいは魔女側の視点のいずれかを選んで異なるストーリーを楽しめるというとてもユニークなアトラクションだ。今回は、一般的に知られているのはヘンゼルとグレーテル視点ではなく魔女側の視点でこちらのアトラクションに挑戦してみることにした。

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▲最初に魔女側かヘンゼルとグレーテル側かルートを選ぶことになる。

冒頭は、絵本をめくっていくような演出で『ヘンゼルとグレーテル』の大まかな物語を振り返り、次の部屋に進んでいくことでストーリーが展開されていく。本が閉じると次の部屋への道が登場するという、参加者を物語の世界に誘い込むような演出が巧みだ。

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▲アトラクションの初めに『ヘンゼルとグレーテル』のあらすじが見られる。
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▲あらすじの映像が終わり、本が閉じると、今度は扉が開いて中に入っていくことになる。いよいよ冒険の始まりだ。

魔女の物語は、かつて母親とふたり暮らしをしていた少女時代の魔女と、彼女を守るために同じく魔女であった母が家を出て行ってしまうという孤独に満ちたものだった。この出来事で抱いた憎しみが、少女を「ヘンゼルとグレーテル」に登場する恐ろしい魔女に変容させた──という、魔女サイドからの物語でなければ見えなかった出来事が明らかになる。

こちらの部屋での演出もとてもユニークだ。背景のアニメーションで物語が描かれながら、手前に置かれた水晶を模したディスプレイにも映像が映し出されるという、立体的な見せ方でゲストを没入させる。

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こちらの部屋では、魔女の「憎しみ」にフォーカスした演出がゲストを待ち受けており、絵画にスポットライトが当たるとともに様々なセリフが流れ、魔女の感情を追体験することができる。

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▲スポットライトが当たったキャラクターが話し出すという印象的なシーン。

物語はやがてクライマックスへ。エンディングであるヘンゼルとグレーテルが魔女と対峙するシーンは、ぜひ実際に足を運んで体験してほしい。体験としてはわずか15分ながら、映像だけではなく、セットやライティングなどの演出によってファンタジックな気分を大いに味わうことのできるアトラクションであった。今回は魔女ルートのみの体験となったものの、物語をすべて楽しむためにもふたつのルートを制覇を目指したい。

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▲映像とセットの融合も見事だ。

参加型のショーと食事を同時に楽しめる煌びやかなショウレストラン「ザ・キャバレー」

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次に体験したのは、施設内のフレンチレストラン「ザ・キャバレー」だ。ここではキャバレーらしい煌びやかな世界に身を包まれながら食事ができるほか、ショーも楽しむことができる。

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▲数に限りがあったため筆者は食べることはできなかったが、こちらが「ザ・キャバレー」で提供されているメニューの一部だ。

従来のテーマパークのレストランと大きく異なる点は、「イマーシブ・フォート東京」ということで当事者性のある演出を楽しめるところだ。ライブのようにコールアンドレスポンスなどが行われることもあれば、出演者たちが客席も練り歩いたりと迫力満点。さらに、客席から参加者を募って一緒にカンカンダンスをしたり、シャンパンタワーにお酒を注ぎ込んだりといった、日常では絶対にできないような体験もできるのだ。

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▲楽曲が流れると、中央のステージから演者たちのシルエットが現れる。ここから壮大なショウがスタートする。
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▲演者たちが華やかに登場!
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▲これぞエンターテイメントといった感じで、客席を巻き込みながらショウが続いていく。
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▲参加者たちがカンカンダンスに挑戦する場面も。
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▲クライマックスは、シャパンタワーの挑戦!?

広い会場を縦横無尽に動き回ってミステリーを生体験!「ザ・シャーロック-ベイカー街連続殺人事件-」

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「ザ・シャーロック-ベイカー街連続殺人事件-」は、今回体験したアトラクションの中でもっとも壮大なアトラクションだ。体験時間は1時間半ほどとかなり長く、「イマーシブ・フォート東京」の中でもメイン級の存在感を放つ。

本アトラクションは、大道芸人のようなシーンからスタート。それが終わるといよいよ扉が開き、ゲストは『シャーロック・ホームズ』の世界の一員となるのだ。また、参加者には入り口でマフラーが渡され、それを身に付けておくよう指示される。

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▲開演前に繰り広げられていたパントマイムを見た後で、扉が開きシャーロック・ホームズの世界へ。

このアトラクションのポイントは、ここで起きている事件やその解決方法などを追うためには、主要な登場人物たちの後に続いて常に動き回らなければいけないということだ。ホームズのほか警部などについていき、その時々で事件解決への糸口を見つけていく。

また、本アトラクションにはかなり広いスペースが用意されており、ベイカー街や教会エリアなど様々な場所が用意されている。さらに2階にもスペースが用意されているため、階段を上ったり下りたりといった移動をしながら物語を掴む必要がある。

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▲登場人物たちは、全員どこかで何かしらの会話をしている。

また、本アトラクションのユニークな点は必ずしもメインキャストたちを追いかけなくても、物語の世界に参加できるところだ。登場人物はなんと48キャラクターもおり、なかにはモブキャラのような人物も多数いる。しかし、そうしたキャラクターたちも常にどこかで話をしたり動いたり、物語の中の世界が目の前で起こっているのだ。

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▲警部が部下に対して指示を出しているシーン。時には参加者を描き分けながら移動していくのだが、その瞬間もすべて役になりきりながら演じているのがわかった。

たとえば、筆者の場合は途中で主要人物たちを追いかけるのをやめて別の場所にいたのだが、そこに警部やホームズなどが突然現れて、目の前で会話を交わすといったシーンを見かけることができた。また、ドレスを着たマダムが一般の参加者に対して「うちで働いてみない?」とスカウトしているようなシーンもあった。どのようにこの物語を体験するかは、完全に参加者の自由となっているのだ。

後半には時計台で椅子を積み上げていく大道芸や歌などのパフォーマンスを見ることもできる。ほか、クライマックスでは裁判シーンが再現されており、迫力のある法廷ドラマを体験できる。登場人物のそれぞれにドラマがある、何度も参加してみたくなるような魅力的なコンテンツとなっていた。

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▲こちらが「ザ・シャーロック-ベイカー街連続殺人事件-」に参加しているキャスト陣。

ゲームの中にそのまま入ったかのような、スリル溢れるチェイスが楽しめる「第五人格イマーシブ・チェイス」

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続いてのアトラクションは「第五人格イマーシブ・チェイス」。タイトルからもわかるように、スマートフォン向け非対称対戦型マルチプレイゲームの『Identity V 第五人格』をモチーフにしており、ゲストは全員手首に付けた端末を駆使して脱出を目指すサバイバーとしてゲームに参加することとなる。

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アトラクションでは暗号機を見つけて探し出し、参加者が渡された端末を一定時間かざすことで「解読」を目指す。5台ある暗号機を解読し、全員で脱出ゲートへ向かい、制限時間内に逃げ切ることができたらクリアという、まさに『Identity V 第五人格』のゲームに入り込んだかのような体験ができる。プレイヤーはチームに分かれ、それぞれの部屋ごとにハンターからの襲撃を交わしてミッションをクリアしていくのだ。

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▲中に入ると、エマからゲームのクリアに必要なパスワードなどを教えてもらうことができる。

暗い部屋の中を移動していると、ハンターが迫ってくる大きな足音が聞こえてくる。ゲームの中のような臨場感あるこのシーンは、録音された音ではなく、まさにその場で鳴っている音だからこそゲストたちを恐怖に陥れる。

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▲暗くて何が映っているのか分からないと思うが、こちらは寸前のところでハンターの襲撃を交わしている参加者たちだ。
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▲こちらが参加者に渡される端末。
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▲ハンターに捕まらないように移動しよう。

ゲームの中のようなスリリングな体験ができる本アトラクション。作品ファンはもちろん、追いかけられるスリルを存分に味わいたいゲストにおすすめだ。

マフィアとスパイエージェントによるアクションとドラマチックな展開に思わず固唾を飲み込む「スパイ・アクション!」

「スパイ・アクション!」は、マフィアとスパイエージェントたちの戦いを描いたアトラクション、ゲストはこのアトラクションに参加すると、突如マフィアに襲われるという緊迫感あるシチュエーションに巻き込まれる。「下がれ!」と命令口調で脅しながら指示を出していくマフィアたちはリアリティがあり、本当に自分が事件に巻き込まれてしまったかのようだ。

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▲ぼんやりと待っていると、突然マフィアの集団にジャックされてしまう。

この「スパイ・アクション!」では、緊迫感ある場面のほか、目の前で繰り広げられるドラマチックな展開とアクションも楽しめる。この展開とアクションが素晴らしく、思わず感動してしまうほどのクオリティであった。

また、マフィアのメンバーに脅されてゲストが前に出るというシーンもあった。本アトラクションではゲストは傍観者ではなく、誰しもがこのドラマの当事者になりうるのである。

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▲捕まった女性スパイの元へマイクロチップを届ける、一般の参加者。誰しもが、このドラマの一員となるのだ。
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▲目の前で繰り広げられるアクションシーンは、迫力満点だ。

切り裂きジャックをモチーフに恐怖体験を存分に味わえる「ジャック・ザ・リッパーホワイトチャペル殺人鬼」

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今回の合同取材ツアーの最後に体験したアトラクションは、「ジャック・ザ・リッパーホワイトチャペル殺人鬼」。こちらは、19世紀半ばにロンドンで起きた実在の連続殺人事件である「ホワイトチャペル殺人事件」と「切り裂きジャック」と呼ばれる殺人鬼をテーマにしたおどろおどろしい雰囲気のアトラクションだ。

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ゲストは最大8人1組でそれぞれの部屋を移動していくことになるのだが、その際に1本のロープを全員で握りしめてからスタートする。あらゆるポイントで人を驚かすような仕掛けが盛り込まれており、ゾッとするような恐ろしい体験ができる。

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ちなみに、今回筆者は先頭でロープを握りしめて移動していたのだが、多くの場合後方から悲鳴が聞こえてくることが多かった。参加する場所によって恐怖の度合いが変わってくることが推測できるため、恐怖体験が好きな方なら一度ではなく何度も参加して一番怖いポジションを探すのもよいだろう。

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今回の合同取材ツアーで体験できたアトラクションは、以上の7つ。「イマーシブ感あふれる」模様をご紹介してきたが、実際に体験したことでほぼ半日利用したとしてもすべてのコンテンツを制覇するのが難しいほどの「イマーシブ・フォート東京」のボリューム感に圧倒された。また、中に入った瞬間まったくの別世界が広がる、ヴィーナスフォートを基にした内装もワクワクさせてくれる。

「イマーシブ体験」に興味がある方や、紹介したアトラクションに「参加したい!」と思った方はぜひ「イマーシブ・フォート東京」に足を運び、自分も物語の登場人物になるという特別な体験を楽しんでほしい。

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▲「イマーシブ・フォート東京」の施設内は、外の世界とは切り離された全く別の世界に入り込むことができる。

画像提供:イマーシブ・フォート東京
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ライター
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。

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