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四則演算が書かれたピースを配置していくシンプルなパズルゲーム『Electrogical』は、単純計算でほどよく脳をマッサージできる作品。ピースを辿って数式を解いていく「答え合わせ」が気持ちいい【TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2024】

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ファンタジーの世界に身を浸すのも、弾丸が飛び交う戦場で相手を撃つのももちろん楽しい。けれど今日はちょっと疲れちゃったし、かといってアドベンチャーゲームやノベルゲームで物語を追いかける気力もない。そんな日はどんなゲーマーにだってあるはずだ。

自分のプライベートな時間を彩る、さまざまな非日常を描いたゲームが極彩色だとするなら、この『Electrogical』アースカラーと言えるだろう。どんなときにも自分にフィットする、それでいてどんなカラーと組み合わせられる──すなわち、どんなときにもプレイできるプレーンな魅力だ。

『Electrogical』プレイレポート。四則演算が書かれたピースを配置していくシンプルなパズルゲーム_001

本作は四則演算とジグソーパズル、そして無機質なムードにひとさじのチャーミングさを加えることで、パズルゲームながらも「癒し」を与えてくれる。どんなゲーマーにも、なんならゲーマーでなくともおすすめできる本作を「TTOKYO INDIE GAMES SUMMIT」にて試遊したので、本稿ではその様子をレポートしたいと思う。

文/anymo


四則演算とジグソーパズルを組み合わせた絶妙な難易度

本作は足し算、引き算、掛け算、割り算の四則演算と「ジグソーパズル」を組み合わせたパズルゲームだ。ピースに記された計算記号と数字をマス目に置き、ゴールに書かれている数字になるように組み合わせていくという非常にシンプルなデザインとなっている。

四則演算というごく簡単な計算に絞られているのがなによりのポイントで、単純な計算と「正解のルートを導き出す」というパズル要素の組み合わせにより、絶妙な難易度を実現している。

『Electrogical』プレイレポート。四則演算が書かれたピースを配置していくシンプルなパズルゲーム_002

冒頭で触れた「癒し」というのは、プレイ中常に頭の中で四則演算をし続ける本作の特徴にある。どこにピースを置くか、この計算式で答えの数字に辿り着けるのか、そんなことを考えていると頭の中は数字と4種類の計算記号だけでいっぱいになる。

並行して何か他のことを考えられない分、本作をプレイしている間の現実を忘れられる度はかなり高い。頭を空っぽにすることができるという点で、本作は「ちょっと疲れた日々」にピッタリとフィットする。

数独やクロスワードパズルのようなアナログなパズルで使う脳の部位を刺激することで、ゲームでありながらもマッサージのような心地よい負荷を感じることができるのだ。

絶妙に頭を捻る難易度と、高いスコアを目指すやり込み要素でやり応えもある

取っ付きやすい見た目なこともありサクサク解けるかと思いきや、意外とそうでもない。計算中の数字の上下やより多くのピースを使うことでスコアをより高くしていくやり込み要素も本作の大きなポイントだ。

今回試遊した範囲では、Wi-Fiマークのような特殊なピースも登場。離れた位置でもピースを繋ぐことができるこのピースが入ることで、答えの幅がグンと広がる。

『Electrogical』プレイレポート。四則演算が書かれたピースを配置していくシンプルなパズルゲーム_003

このピースが登場する問題はわずか2問ながら、そのうちの1問は頭を悩ませるやり応えのある難易度だったので、シンプルながらも単調にならないための仕掛けとしてしっかり機能しているように感じられた。

ゲーム中に現れる謎の生物や機械的なデザインがちょっとだけ尖っている

一目見ればルールを理解できるような洗練されたデザインは、本作のシンプルなルールと相性バツグンだ。

プレイヤーはピースを置いたあとに電源ボタンを押して「通電」する必要がある。通電することで置いたピースに沿って計算が進み、上部にその時点での計算結果がピコンピコンと表示され、そして無事ゴールの数字と一致すると、右側の「動力炉」に電力が行き届くようだ。

しかしこの「動力炉」も、右上に鎮座してこちらを伺ううさぎのような黒く長い謎の生物も、試遊時点ではなんなのか一切説明されない。無事通電した際も、右上の生物と同じ生物が各ピースかたニョーンと伸びてきた直後感電しているような表情になり、一匹一匹がグリッチする。

『Electrogical』プレイレポート。四則演算が書かれたピースを配置していくシンプルなパズルゲーム_004

なんだか微妙に「このまま進めていいの?」という気分になるシュールな演出だ。しかし、作品のルールと機械を思わせるグリーンを基調にしたデザインによる無機質なムードがこの一連の演出の流れ作業感を強化していて、あまり気にすることもない。むしろ、独特なバランス感ゆえに本作のちょっぴり尖ったチャームポイントになっている。

「ジグソーパズル」というアナログな形式と、ドット絵のビジュアルによって無機質すぎないムードに仕上がっているところもポイントだ。計算記号によって異なる色のピースはおもちゃのようなカラーリングで、ゲーム画面が単調にならないので飽きずに続けられる。こういった細かなこだわりが、シンプルなゲーム性ながらも感じられる本作の魅力を形作っているのだろう。

『Electrogical』プレイレポート。四則演算が書かれたピースを配置していくシンプルなパズルゲーム_005

今回の試遊では、全10ステージとたっぷりめのボリュームで楽しむことができた。チュートリアルを読んで進めるのではなく、パズルを実際に触りながら「勘所」を掴んでいくという方式でスタートするので、本作をプレイしてすぐにパズルを解く気持ちよさを感じることができた。

『Electrogical』は2024年にPC向けに発売予定。カジュアルだからこそ熱中する本作に、ぜひ注目してほしい。

ライター
ベヨネッタとロリポップチェーンソーでゲームに目覚めました。 3D酔いと戦いつつゲームをする傍ら、学生をしています。
Twitter:@d0ntcry4nym0re

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