本編ラストを飾ったのは3rdアニバーサリー楽曲「U.M.A. NEW WORLD!!」。そして盛大なアンコールへ
20曲目:UNITE!!
ここまでソロパートを歌い継いできた4人のウマ娘が勢ぞろいして歌うパーティーチューン。それぞれの個性がぶつかり合いながらも、和やかに歌っている光景がなんとも微笑ましい。
「EVERYBODY!」、「HEY!」というコール&レスポンスも楽しく、今後ライブの定番曲になるかもしれない楽曲だと感じた。
21曲目:GIRLS’ LEGEND U (The Infinite Ver.)
MCコーナーを挟みつつ、いよいよライブは終盤戦へ。衣川さんと真野さんによる独唱、そしてふたり向かい合って歌声を響かせるというアレンジからスタートした「GIRLS’ LEGEND U (The Infinite Ver.)」。ライブならではの特別バージョンということで、会場のボルテージも一気に跳ね上がる。
歌唱に参加したメンバーも個性的で、低めの歌声が特徴の出走者が揃うなか、福嶋さんや春日さんのキュートな歌声が絶妙なアクセントになっていた。
22曲目:Go This Way
アグネスタキオン役の上坂さん、キタサンブラック役の矢野さん、シュヴァルグラン役の夏吉さんによるポジティブで爽やかなナンバー。楽曲の途中からは、上坂さんには小倉さん、矢野さんには秋奈さん、夏吉さんには奥野さんと伊藤さん……と縁の深いメンバーが登場。これまでの公演でも観られた演出で、ツアーを通して受け継がれてきたものだと考えると何とも感慨深い。
間奏でのそれぞれが背中合わせになるようなステップにも関係性が表れているようで、えもいわれぬ美しさが漂っていた。
23曲目:「We are DREAMERS!!」
楽曲の前列を務めた3人の出走者(河野さん、松岡さん、春日さん)はモチーフとなったサラブレッドが同世代で、三冠を分け合ったという関係性。
いずれも特徴的な歌声を持つウマ娘だが、そこに衣川さんや真野さんのどっしりとした歌声や、Machicoさん、前田さん、花井さん、田中さんといった個性派ウマ娘の歌声が混じることで、さらなる化学反応が。ライブの終盤にふさわしい盛り上がりとなった。
24曲目:ソシテミンナノ (Breaking The Limit Ver.)
アニメ『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』の映像とともにステージに登場したのは、いずれもアニメで活躍したウマ娘たち。キタサンブラックを演じる矢野さんは、最終回で披露された特別衣装“結願のしまい華”での出走となった。
間奏では、上田さんとMachicoさんもステージに駆けつけ、劇中クライマックスシリーズでのラストランの実況を再現。ゴールの瞬間に合わせて、天高く拳を突き上げて叫ぶ矢野さんの姿がなんともまぶしい。
25曲目:Ready!!! Steady!!! Derby!!!
続けてスクリーンで流れたのは、アニメ『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』のトレーラー映像。そう、ここで披露されたのは同作の主題歌となる「Ready!!! Steady!!! Derby!!!」
だ。こちらの作詞・作曲を担当したのは、シンガーソングライターとして活躍中でアニメやゲームに造詣の深い大石昌良さん。気持ちのいいタイミングで的確に差し込まれるコール&レスポンスにも大石さんならではのカラーが感じられる。
藤本さんが楽曲の中心軸に位置するということで、この日のパフォーマンスは総じてパワフル。藤本さんは振りつけにも全力で誰よりも高く跳躍するなど、新世代の担い手にふさわしいポテンシャルを発揮していた。
ちなみに劇場公開前にフルサイズで楽曲が聴けるのは、このライブだけとのこと。先取りで堪能したい方はぜひともアーカイブ配信をチェックしていただきたい。
26曲目:「U.M.A. NEW WORLD!!」
ライブ本編のラストを飾るのは、ゲームの3rdアニバーサリー楽曲でもある「U.M.A. NEW WORLD!!」。ベースとなるBPMが速く、そのうえ、多彩な転調を織り交ぜることでパートごとにさまざまな魅力を覗かせるあたりも『ウマ娘』ならでは。ライブの最終盤にこの楽曲をリズムよく、全力で歌いあげる出走者たちの姿を見ていると改めてその歌唱力と表現力のポテンシャルを感じさせられる。
ライブはここでいったん終幕となるが、間髪入れずに盛大なアンコールが巻き起こる。もちろん、その声に応えるように出走者たちは再びステージへと舞い戻ってきた。
<アンコール>27曲目:トレセン音頭
アンコールで披露する楽曲といえば、やはりこの曲。ループ構造の楽曲ということもあって、何周するのか楽しみにしているというトレーナーも多いことだろう。
くり返すパートも担当する出走者が変わることで飽きがこない。「どどどどどどど、どーすんの!?」もかわいさ前回の花井さんの横でさりげなく慌てる田澤さんのコンビ芸があったり、無機質に呟いたかと思いきや、最後にスマイルを添える秋奈さんの二段構えの攻勢があったりとバリエーションも豊か。独特のアレンジが加わることもあり、松岡さんに至っては「歌い過ぎて喉がデストローイ……」とこれまでにないシチュエーションで酸素を要求(倒れ込んだあと、Machicoさんにペシペシとツッコミを入れられていた)。
楽曲の途中で出走者たちによる即興の掛け合いが入るのも「トレセン音頭」ならでは。今回、ショートコントを披露する出走者が多かったのも、笑いの本場・大阪という土地柄からかもしれない(?)。
ここまで見事にライブを走り抜いたウマ娘たちだったが、「トレセン音頭」終了後の挨拶では初出走でソロ曲を披露した根本さんが感極まって泣き出してしまう(&すぐに周りから抱きしめられる)ひと幕も。同じく目を潤ませていたのが福嶋さん。横浜公演のときに舞台『ウマ娘』のアンサンブルの一員として参加していたことを明かし、そこからダンツフレーム役のキャストとして5thイベントに参加できたという喜びと感謝を語った。
28曲目:うまぴょい伝説
ラストはもちろん、このナンバー。立ち位置の自由度が高く、それぞれの出走者たちの自由なやり取りが覗けるステージでもある。「あたしだけにチューする」で向き合って顔を近づける矢野さんと伊藤さんや、前田さんにチョップでツッコミを入れられる田澤さん、解説の山本さんとピースで記念写真を撮る上田さんなど、あちこちで繰り広げられるやり取りに目移りしてしまう。
個人的には、ステージ上の移動が難しい小倉さんの近くに上坂さんがそっと付き添っている光景にもグッと来てしまった。
ラストは小島さんの号令のもと、マイクなしで「ありがとうございました!」と頭を下げる出走者たち。こうして、華々しく『ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND』は幕を下ろした。ツアーの全公演に参加し、ステージを盛り上げた矢野さんやMachicoさんといった出走者はもちろん、解説の明坂さんやウマ娘ダンサー、そのほか表舞台に立たない多くのスタッフの力が成功の陰にあったであろうことは想像に難くない。
ツアーが進むごとに出走するキャストの数も増え、この日のステージではラインクラフト役の小島さんを始めとする多くの出走者がドラマを生み出した。今後も彼女たちは全力で走り続け、その想いはウマ娘たちの走りのように脈々と受け継がれていくはず。
『ウマ娘』というコンテンツも日々進化し続けている。今回のライブでは、新たなリアルイベント「TWINKLE CIRCLE」の開催が予定されていることも発表された。詳細はまだ明らかになっていないが、これからもウマ娘たちの全力疾走からは目が離せなさそうだ。