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ユーザーが遊びながら運営とともに巨大IPを作る!コナミのweb3プロジェクト『PROJECT ZIRCON』は、ユーザーの「国」による決断を公式がストーリー化する壮大なコミュニティだった

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コナミ初のweb3プロジェクトとして、昨年9月にリリースされた『PROJECT ZIRCON(プロジェクトジルコン)』。その初となる公式ファンミーティング「PROJECT ZIRCON:会員制Barネオンの集いvol.1」が、5月24日に東京・銀座にあるSTOROPSeで開催された。

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『PROJECT ZIRCON』は、「Community is game」というビジョンを掲げて新作ゲームをユーザーと一緒に作りあげていくというweb3プロジェクトだ。今回行われたオフラインイベントでは、事前に募集されたユーザーが会場に集結。ドリンクや料理とともに、トークを楽しむといったスタイルでイベントが行われた。

イベント冒頭、乾杯の挨拶で登壇したコナミデジタルエンタテインメント 専務執行役員の小林康治氏は、「1回目の盛り上がり次第では2回目も開催したい」と挨拶の中で意欲を見せた。そして小林氏の乾杯の音頭とともに、華やかな雰囲気の中イベントが開幕。こちらの記事では、その模様をレポートする。

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▲コナミデジタルエンタテインメント 専務執行役員の小林康治氏。

文・取材/高島おしゃむ


「普通のことはやりたくない」からこそ、ユーザーとともに創って遊ぶ。最新テクノロジーを利用した試みで参加者1万人越えのコミュニティに成長

イベントではまず、本プロジェクトのファウンダーであるShiro氏が『PROJECT ZIRCON』のこれまでの歩みについて紹介。本作は、Discordコミュニティの中でユーザーが遊びながらひとつのIPを作っていくことを目的としたweb3プロジェクトだ。現在4つのステップのロードマップが公開されており、コミュニティのメンバーとともに目標の達成を目指している。

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▲『PROJECT ZIRCON』ファウンダーのShiro氏。

「企業が作ったコンテンツをユーザーが遊ぶ」というのが従来までのスタイルだった。しかし、Shiro氏は「普通のことはやりたくない」と語り、「コミュニティメンバーと共創して遊ぶ」という理念を掲げてこのプロジェクトを進めているのだ。そして、その理念を実現するために使われているのが、web3やコミュニティ、UGC、生成AIといった最新技術である。そして、最終的に新しい巨大IPが創出されることを目指しているのだ。

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この『PROJECT ZIRCON』、実は昨年9月に行われた「東京ゲームショウ2023」の時点で決まっていたコンテンツは1枚の絵のみであった。竜や4つの国が描かれた「始まりの1枚の地図」と呼ばれるたった1枚の絵、この情報のみで「東京ゲームショウ2023」のステージに立ったのだ。

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「みんなと一緒に世界を作っていく」というコンセプトがいまひとつ伝わりにくいこともあってか、「ひと月後には終わっているだろうと思われたかもしれない」と、当時を振り返るShiro氏。しかし、そんな心配を覆すようにコミュニティメンバーとXのフォロワーはどちらも1万人を突破。累計日本語コメント数は12万3261件、デイリー最多コメント数は2348件、小説やアートなどの創作物投稿は1166件、そして功労者ロールは34名という規模に成長している。

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どのようにしたら、このようなコミュニティを生み出すことができたのだろうか?
実際に『PROJECT ZIRCON』の中で行われているのは、コミュニティゲーム、イベント、ギルド、プロジェクトの4つである。

ギルドは、5人のメンバーを集めることで趣味のギルドを作ることができるというもので、麻雀ギルドや落書きギルドなど様々なものがある。そのため、難しいことはせずに自分の趣味を楽しむユーザーもコミュニティに存在しているのだ。

「世界を創る」というテーマを掲げてDiscordを開設しているため、Shiro氏はこうした各々が自由に過ごしているという状況について「すごく嬉しい」と素直な感想を語っていた。

イベントは公式が開催するもののほか、ユーザー自身がイベントを開く場合も。
プロジェクトは、「プロジェクト内プロジェクト」を指しているとのこと。『PROJECT ZIRCON』は二次使用・商用利用をともに許可しており、このプラットフォームを使って収益を得ることが可能な点も特徴。プロジェクト内プロジェクトの一例としては、RPGツクールやボードゲームなどが挙げられる。

そして4つある要素のなかでメインとなるのが、コミュニティゲームである。世界観やストーリーを参加者と一緒に作っていくというもので、コミュニティ内の各国に選択肢を出し、それをユーザーが選択しながら運営とユーザーがともに制作を進めている。

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現在『PROJECT ZIRCON』は、フェーズ1の段階とのこと。企画とシナリオの制作を進めており、NFT1stセールが5月27日(月)よりスタートする。フェーズ2に突入後は、メディアミックスと海外展開を行い、これまで作ってきたシナリオをわかりやすい形にしていく予定だ。

『PROJECT ZIRCON』はweb3という枠組みの中で終わらせるのではなく、『ポケモン』のような存在になることが目標とのこと。そのためには、小説やマンガなど多くの人が触れやすい形にして、多くの人に存在を知ってもらう必要があり、その先にゲーム化や販売を予定しているキャラクターNFTも活用できるような未来が待っているのだという。

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世界の構築はほとんど何もない状態からスタート。「単語の選定」から始めて、ユーザーの書き込みを基にファンタジーな世界が創られていく

本イベントでは、ゲストを交えてのトークセッションも開催。最初に登壇したのは、アンパサダー兼マーケティングの一部のサポートも担当する全力まん氏。顔出しは今回が初めてという同氏は、普段はプロジェクトマネージメントの仕事をしているとのこだ。

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▲ひとり目のゲストとして登壇した、アンバサダーの全力まん氏。

全力まん氏を交えて最初に行われたトークセッションのテーマは、“web3 PROJECTとしてのZIRCONの可能性”だ。これについて全力まん氏は、「今プロジェクトをローンチするのはいいタイミング」だと語る。3年前にNFTが流行ったときは、プロジェクトを立ち上げると価格が上昇していたものの、現在はかなり落ちつきを見せているとのこと。

当初は投資家の人も多く参加していたのだが、そうなるとコミュニティによる議論が活発に行われなくなってしまうという側面も。『PROJECT ZIRCON』が発表された際には先述のようにNFTを取り巻く状況が落ち着いてきていたことで、コミュニティの成長に繋がっているのだそうだ。

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続いてふたり目のゲストとして、アンバサダーの岡田篤宏氏が登壇した。岡田氏は、20年以上にわたってTRPG店舗の経営とTRPGゲームマスター業務に携わってきた人物。先に登壇した全力まん氏と並ぶと、全く異なる業種の人物が同時に同じコンテンツについて語るという、興味深いトークセッションとなった。岡田氏を交えた3名で行われたトークテーマは、「コミュニティゲーム シーズン1を振り返って」だ。

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▲『PROJECT ZIRCON』アンバサダーの岡田篤宏氏。

岡田氏がShiro氏から『PROJECT ZIRCON』について話を聞いたところ、世界観がほとんど無いということに驚いたという。岡田氏の感覚では、地図があって設定も練られていてファンタジーの設定が決まっている状態から、ストーリーを作っていくのかと思っていたのだ。しかし、ほとんど何もない状態から始まり、単語の選定をするようなところからスタートしている。

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Shiro氏はこれを「ゲームクリエイターが作ったシナリオを出すという、当たり前の状況が嫌だった」、「あえて魅力的な余白を残してみんなと一緒に作っていけるようにしていた」と語った。岡田氏は、ストーリーの選択肢や世界設定などを作っていく中で、Discordの書き込みを見て意見を取り入れながら世界を作る楽しさを感じたという。

リアルタイムで新しいキャラクターのセリフやアイテムの設定などが書き込まれるため、岡田氏が作るまでもなく面白いセリフがユーザー側から出てきた、それらを活かした形でストーリーが出来上がっていくところも良かったと振り返る。なお、『PROJECT ZIRCON』のストーリーはいよいよ佳境を迎えており、そんな中で岡田氏は「激しいオチ」にしたいと考えているそうだ。

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新サービス「NFTクエスト」は、自分でクリエイトしたキャラクターで冒険に出かけることができる!

トークも盛り上がって来たところで、今回のイベントの目玉ともいえる新サービス「NFTクエスト」の詳細が発表された。今回は実際に登壇者と会場にいるユーザー、そしてDiscordで配信されている映像を見ているユーザーを含めて、全員参加の方式で紹介が進められた。

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「NFTクエスト」は、4人で冒険に出かけるというTRPGのようなゲームとなっている。3人目までのキャラクター設定を今回の登壇者であるShiro氏、全力まん氏、岡田氏があらかじめ決めており、最後のひとりのプロフィールをーザーをふくむ「みんな」で協議しながら作りあげていくことになった。

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キャラクターの設定は、QRコードを読み込んで投稿して決めるという方式を採用。キャラクターの見た目がリアルタイムで投票されたり、意見がどんどん掲載されていくなど、ライブ感あふれるスタイルで設定が決まっていく。

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▲投票や投稿はリアルタイムで行われていった。

様々な設定を決めた結果、最終的に「専務」という名前の新しいキャラクターが誕生し、「専務」をくわえた4名で冒険に出ることに。今回挑むクエストは、「ワイバーン」の討伐、「NFTクエスト」では毎週表示されるクエストに、自分で作ったキャラクターで挑むこととなる。

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▲今回のイベントで、参加者たちが意見を出し合って作りあげたキャラクターのプロフィール。

ゲーム内容は、選択肢を選び、その都度結果が表示されるというものだ。TRPGでいうところのゲームマスターを「生成AIが担当している」という部分がユニークなポイントといえるだろう。また、それぞれの章ごとに4つほどの選択肢が表示され、どれを選んだかによって結果も大きく変化していく。

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「NFTクエスト」では、ひとつひとつの選択肢を選ぶときにパーティメンバーでコミュニケーションを取りながら決めていくことが重要。最終的にはそれぞれの選択肢でもっとも投票が多かったものが、パーティの選択として選ばれることになる。

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今回は3章構成になっており、3つの選択肢を選んだあとにエンディングを迎えた。なお、この部分に関してはクエストによっても変化するとのこと。残念ながら今回のクエストではワイバーンに勝利することはできなかったが、これは参加したキャラクターが全員レベル1だったことも大きな敗因。討伐に失敗した場合でもキャラクターのレベルが上がるなどの報酬が用意されているため、次回以降の冒険に活かせるようになっているのである。

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▲クエスト終了後に表示される画像
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▲クエストに失敗した場合でも報酬がもらえる

最後にShiro氏は、「昨年のTGS2023で発表したときに、8ヵ月後にこのような状況になると思っていた人はいなかった。しかし、みんながこれを面白いと思ってくれている。それを作ってくれている人たちがいる。この状況がエモくて嬉しくて仕方がない」と熱いメッセージでイベントを締めくくった。

今回イベントに参加して感じたのは、web3というテクノロジーを利用しているのにもかかわらず「温かみ」があるということだ。

テクノロジーを利用しているとなると敷居が高く感じる方もいるかもしれない。しかし、そこにあるのはTRPGやマダミスなどにも通ずる「人と人のコミュニケーションを楽しむ」という慣れ親しんだ楽しみだ。本稿を読んですこしでも興味を持ったならば、ぜひ参加してこの新しい世界を体験してみてほしい。

ライター
ライター/編集者。コンピューターホビー雑誌「ログイン」の編集者を経て、1999年よりフリーに。 現在はゲームやホビー、IT、XR系のメディアを中心に、イベント取材やインタビュー、レビュー、コラム記事などを執筆しています。

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