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『スター・ウォーズ 無法者たち』は、映画の「賞金稼ぎ」や「密輸業者」に憧れる人にこそ刺さりそう! 「子どものころからハン・ソロ大好き」なディレクターが愛情たっぷりに手がける新作オープンワールド

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『スター・ウォーズ』の世界に欠かせないものと言えば? ジェダイの騎士やシスの暗黒卿はもちろんそれに当てはまるが、他にも忘れてはいけない存在がある。それが「賞金稼ぎ」や「密輸業者」……ひと言で表すならば、ならず者・悪党という呼び方がふさわしいキャラクターたちだ。

実際、賞金稼ぎの「ボバ・フェット」なんかはスピンオフドラマが作られるくらいの大人気キャラクターであるし、かの英雄「ハン・ソロ」だって元々は悪党に分類される類の人物である。どこか超越的なジェダイとは異なる、ちょっと泥臭くてダーティな“悪党”の魅力にこそ惹かれる、という方も少なくないのではないだろうか。というか、筆者もそのひとりだ。アウトローってなんかカッコいいですよね。

そんな悪党のひとり「ケイ・ヴェス」を主役に、『スター・ウォーズ』の銀河を描くゲームが『スター・ウォーズ 無法者たち』。物語の時系列は映画の『エピソード5 帝国の逆襲』の少し後にあたり、帝国軍と反乱軍の戦争が続く混迷とした時代……すなわち、無法者たちが輝いた時代でもあるというわけだ。

今回、アメリカ・ロサンゼルスで行われたイベント「Ubisoft Forward」にて、本作を試遊する機会をいただいた。あわせて開発者へのインタビューでも本作のディテールについてお話をうかがうことができたため、本稿ではその模様をお届けしていこう。

文/久田 晴


小さな相棒・ニックスとともに狡猾に生き残れ。“悪賢さ”が求められるアクションが楽しい

まず本作のゲームプレイを紹介する上で欠かせないのが、相棒の小動物・ニックスの存在だ。今回の試遊では3つのミッションに挑戦したのだが、そのどれにあってもニックスの存在感は揺らぐことなく大きいものだった。

例えば、ステルス中に敵の背後を取るのが難しいとき。発砲すれば周囲の敵にも気づかれてしまうし、かといって近接でテイクダウンするには距離が遠い──。そんなとき、この小さな相棒に頼めば、彼は果敢にも相手の顔に噛みつき、大きな隙を作りだしてくれる。注意が逸れている間に近寄り、殴り飛ばしてしまえば一件落着。

他にも、マップ中に配置された爆発物を起爆させて敵を巻き込んだり、遠くのドアを開け閉めして周囲の人間を陽動したりと、非常に幅広いアクションをニックスは引き受けてくれる。敵の落とした武器をニックスに回収してもらえば、一時的とはいえ高火力の装備で押し通ることも可能になるだろう。

ちなみにニックスは戦闘時だけでなく、探索中にもアイテムを回収したり、近くのインタラクトできるオブジェクトを特定したりと活躍してくれる。ケイにはフォースのような特殊能力がない代わりに、この小動物がさまざまな役割を果たしてくれるため、彼の力を借りながら、賢く、狡猾に難局を潜り抜けていくのだ。

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▼ニックスによる陽動。かわいい

もうひとつ、目玉となるギミックがケイの使用するブラスターのモード切替システム。今回の試遊では「プラズマ」、「イオン」、「スタン」の3種のモードを変更しながら戦闘や探索を進めていった。

ざっくり紹介すると、プラズマが敵を撃って倒す致死性のモードで、スタンが文字通り非致死性のモード。イオンは敵の貼るシールドを無力化したり、一部のギミックを動かすのにも使うので、探索中にも何度かお世話になった。ちなみにブラスターのモード切替というのは映画でも描かれていた要素なので、自分の手でそれができるのもちょっと嬉しくなる。

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プレイを通して感じたのは、本作の主人公・ケイはフォースの力を持ったジェダイのような、一騎当千の存在ではないということだ。ストーム・トルーパーの集団に囲まれるだけでも結構なプレッシャーを感じるし、ブラスターの集中砲火に晒されたら身を隠さなくてはすぐに倒されてしまう。

そんな彼女が生き残るためには、やはり悪党らしく、“悪賢く”立ち回る必要がある。時には隠れてやり過ごし、時には戦わず逃げ、狡猾に、したたかに、相棒・ニックスの力を借りながら難局を突破していくのだ。

実際、マップ中にはインタラクトできるオブジェクトが非常に豊富に配置されており、ちょっと注意深く探すと見つかるような裏道もあったりするため、地形や環境の利用という点は重要視されているのだろう。ケイ自身のアクションが比較的シンプルなものにまとまっている分、周囲環境やニックスの活用により、遊びの幅が大きく広がるような印象を受けた。

宇宙船のドッグファイト、ドア解錠のミニゲームには『スター・ウォーズ』っぽさが満載

宇宙空間でのドッグファイト、宇宙船同士のバトルは『スター・ウォーズ』を語るうえで外せない要素のひとつだ。今回の試遊でも、ひとつのミッションの後半でケイの乗る輸送船を動かし、帝国軍の「タイ・ファイター」などと交戦する機会があった。

360度、全方位へ自由に飛び回れる宇宙空間での戦闘はクセがあるかと思いきや、想像よりはるかに動かしやすく、お手軽に“スター・ウォーズっぽさ”を味わえる。分かりやすいアシスト機能としては、左トリガーで照準をズームすると、自動で敵の進行方向を狙ってくれる「オート偏差射撃」が用意されていたりする。

また、左スティックが加減速の操作にあてられており、目いっぱい減速するとその場でほぼ「静止」してくれるのも操作のしやすさを感じたポイントだった。宇宙空間でオブジェクトにアクセスする機会もあるが、この構造のおかげで通り過ぎたり、ぶつかったりといった余計なストレスを感じずに済む。

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ゲーム中では宇宙船以外にも、これまた『スター・ウォーズ』を語るに欠かせない「スピーダー・バイク」も乗り回すことができる。残念ながら今回の試遊ではほんのわずかしか動かすことは叶わなかったが、バイクに乗りながら撃ち合う、「エンドアの戦い」のワンシーンのようなシチュエーションにも期待したい。

もうひとつ、『スター・ウォーズ』らしさを強く感じたのがミニゲーム部分。本作ではいわゆるハッキング的な要素がミニゲームとして搭載されているのだが、その中のひとつが「データスパイク」と呼ばれるもの。映画ファンの方に分かりやすく言うならば、劇中でR2-D2なんかがよくやっていた「くるくる回してドアを開けたりする」アレである。

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▼データスパイクを使った解錠。気分はアストロメクだ

実際のゲームプレイではシンプルなリズムゲームのような形に落とし込まれているが、カリカリと回っている様子を見るだけでも「スター・ウォーズだ……」という謎の感慨に包まれる。オマケ的な立ち位置ではあるものの、こうした細かい部分からも『スター・ウォーズ』の空気を感じられるのがとても嬉しい。

このほかにも、バックで流れる音楽にどことなくスター・ウォーズ味があったり、そのあたりに立っているNPCがちょっと見覚えのある見た目だったりして、本当にゲーム全体から『スター・ウォーズ』の銀河を感じ取れる。今回の試遊にはオープンフィールドの探索などはふくまれていなかったものの、こうした空間を自由に旅できると思うと心躍らずにはいられない。

クリエイティブディレクター・Julian Gerighty氏インタビュー

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▼Julian Gerighty氏

──本日はよろしくお願いいたします。本作は『スター・ウォーズ』の世界を舞台にしつつ、ひとりの「無法者」を主役としている点がひとつ大きな特徴だと思いますが、こうした設定を選んだ理由からお聞きできますでしょうか。

Julian Gerighty氏(以下、Gerighty氏):
それに関しては、大きくふたつの理由があります。まずひとつは『スター・ウォーズ』のゲームの内容が何になるかと考えたとき、銃撃戦や格闘戦、そして宇宙空間でのドッグファイトといった要素が思い浮かびました。こうしたゲームプレイを自然に、違和感なく行える主人公として「無法者」という設定にたどりついたわけです。

もうひとつの理由は、私が「ハン・ソロ」の大ファンだということです(笑)。子どものころから本当に彼のことが好きで……。もちろんハンは『スター・ウォーズ』の中でも非常に人気のあるキャラクターですので、彼のことが大好きなたくさんのファンの皆さんにこのゲームを受け入れてもらえるよう、ケイというキャラクターをデザインしました。

──映像や試遊でも、なんとなく「女性版のハン・ソロみたい」という感触を抱きました。ブラスターの構え方なんかも少し似ているような気がしまして。

Gerighty氏:
彼女の銃の持ち方は無法者らしく、ちょっとラフなイメージで制作しました。過去に我々が手がけた『ディビジョン』シリーズなんかはすごくミリタリーチックな構えにしていましたが、彼女はアウトローなので、あえて崩しています。戦闘スタイルでも、周囲の使えるものは何でも使うような、無法者らしい立ち回りをイメージしましたね。

──ケイというキャラクターの魅力はどんなところにあると考えられていますか?

Gerighty氏:
そうですね……彼女はハン・ソロから大きく影響を受けていますが、銀河の英雄になった彼に比べるとまだ未熟で、選択を誤ることもたびたびあります。実際、物語は彼女がとあるミスを犯してしまったことから始まります。未熟な小悪党だったケイが、いきなり巨大な犯罪組織を敵に回してしまう……というストーリーになっているわけですね。

こうした彼女の未熟さというのは、プレイヤーに親近感を抱いてもらえる要素だと考えています。ハン・ソロのような英雄的存在より、もう少しプレイヤー自身の立場に近いところにいるのが「ケイ・ヴェス」というキャラクターならではの魅力だと考えています。

──キャラクター面ですと、ドロイドの「ND-5」もかなり気になる存在でした。彼はどのようなキャラクターとして制作されたのでしょうか?

Gerighty氏:
立ち位置としては、ケイとニックスに続く3人目のメインキャラクターですね。『スター・ウォーズ』には「C-3PO」を代表とする多くのドロイドが登場しますが、「ND-5」はそれらとは少し異なる、よりダークなキャラクターとして設定しました。

彼は物語中で重い責任を背負っています。猫背のような前かがみの体勢や、低くて暗い声はそれを表したものですね。あと、あの重そうなコートも良い味を出していると思います。ドロイドが服を着るのは珍しいんですが、確認したところ過去にも例がなかったわけではないことが分かり、いまの彼のスタイルが完成しました。

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▼ND-5(画像は『スターウォーズ 無法者たち』公式サイトより)

──ありがとうございます。試遊させていただき、本作のゲームプレイは相棒・ニックスの存在が非常にユニークなものだと感じました。ニックスを使ったアクションというのは、どういったところから着想を得られたのでしょうか?

Gerighty氏:
ケイは単なる無法者ですので、ジェダイのようにフォースの力を扱うことはできません。それでも、彼女にとっての特殊能力の代わり……言わば、「第3の腕」になるような存在を考えて生まれたのがニックスです。

あと、やはり「小動物が一緒に旅をしてくれる」というのはプレイヤーさんの心を和ませてくれると思います。そういったペット的な意味でも、ニックスは本作にとって欠かせない存在ですね。

──ゲームプレイ面で、ケイやニックスが成長していくような要素はあるのでしょうか?

Gerighty氏:
ケイに関して言えば、成長要素はあります。彼女自身の能力という意味でもそうですし、ブラスターやスピーダー、宇宙船の技術といった面でもレベルアップしていきます。一方、ニックスの方はゲームプレイ面で大きく変化するということはありません。

──宇宙空間でのドッグファイトも試遊で体験させていただきましたが、すごく操作しやすく感じたのが印象的でした。空間戦闘においてこだわられた点などはありますか?

Gerighty氏:
ドッグファイトはとにかくアクセシビリティ面を重視し、誰でも楽しく、遊びやすい操作を追求しました。開発には、過去に数々のフライトシミュレーターゲームを手がけたスタジオにも参加してもらっていますし、エレクトロニック・アーツさんの『スター・ウォーズ バトルフロント』に携わっていたメンバーがチームに在籍していたりもします。

──今回公開された映像で、映画でも重要な場所である惑星「タトゥイーン」を旅する様子が見られ、とても興奮しました。実際のゲーム内ではいくつくらいの惑星をオープンワールドで冒険できるのでしょうか? また、試遊の際に雪の降る惑星ではケイが厚着に変わっていたりしましたが、服装は自動で星に合わせて変更されるのでしょうか?

Gerighty氏:
5つですね。タトゥイーンのほか、「アキヴァ」、「キジーミ」、「トーシャーラ」、「カント・バイト」という4つの惑星を旅することができます。

また、ケイの服装については、その星を初めて訪れた際にはそこに合わせたものに自動で切り替わります。が、そのあとは自由に選んでいただけるので、お気に入りの服で旅をしてみてください。

──ありがとうございます。試遊や映像を通じて、ゲームプレイはもちろんのこと、音楽やミニゲーム、キャラクター造形まで、いたるところから『スター・ウォーズ』への愛を感じさせられました。最後に、本作を待っている日本の『スター・ウォーズ』ファンに向けたメッセージをいただけますでしょうか。

Gerighty氏:
はい、私自身も小さいころから『スター・ウォーズ』の大ファンで、映画を観て、そのあともVHSで繰り返し楽しんで、『スター・ウォーズ』のおもちゃで遊んで育ってきました。そんな私と、同じく『スター・ウォーズ』愛にあふれたスタッフたちが心を込めて作っていますので、日本のファンの皆さんにもぜひ楽しんでいただければと思います。
──発売を心から楽しみにしています。本日はありがとうございました。(了)

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▼会場にはストーム・トルーパーとケイ・ヴェスの乗るスピーダーもお出迎え。

『スター・ウォーズ 無法者たち』は、タイトルが表す通り「無法者」の視点で『スター・ウォーズ』の銀河を旅できる作品だ。決して安穏とは生きられない、シビアでヒリつく“悪党”の世界観で宇宙を渡り歩く体験は、筆者にとっては「こういうのがやりたかった!」と思えるものだった。

また、インタビューに答えてくださったGerighty氏は本人も語っている通りの「スター・ウォーズの大ファン」らしく、中でもハン・ソロに影響を受けたというケイのキャラクター造形を語る際の目の輝きぶりは非常に印象に残った。

たっぷりの愛情とともに制作されているであろう『スター・ウォーズ 無法者たち』、本作が世界中の『スター・ウォーズ』ファンにとって“嬉しい”作品に仕上がることを期待してやまない。本作は8月30日にPC、Xbox、PS5向けに発売予定だ。

ライター
1998年生まれ。静岡大学情報学部にてプログラマーの道を志すも、FPSゲーム「Overwatch」に熱中するあまり中途退学。少年期に「アーマード・コア」「ドラッグ オン ドラグーン」などから受けた刺激を忘れられず、プログラミング言語から日本語にシフト。自分の言葉で真実の愛を語るべく奮闘中。「おもしろき こともなき世を おもしろく」するコンピューターゲームの力を信じている。道端のスズメに恋をする乙女。

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