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デロンギの全自動コーヒーマシンで作ったカフェラテを初めて飲んだ感想は、もはや “怒り” だった。世のデロンギ使いたちはこんなにおいしいコーヒーを毎日飲んでたの?

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カフェオレじゃなくてカフェラテを家で飲みたい!

そんなふうに思ったことはありませんか?
ここで重要なのは、「カフェオレ」ではなく「カフェラテ」ということです。ざっくり説明するとカフェオレはドリップコーヒーにミルクを加えたもの、カフェラテはエスプレッソにミルクを加えたもの。

この、「ドリップコーヒー」と「エスプレッソ」の違いは大きいのではないでしょうか。

なぜならエスプレッソはタンピングやらクレマやら聞き慣れない用語が多く、自宅で作るハードルが高いからです。少なくとも筆者にとっては、ドリップコーヒーのほうが手軽に始められました。

これでも昔は直火式のエスプレッソマシンに挑戦しようと思ったこともあるんです。しかし我が家では、火を使うとき猫を別室に移動させる必要があり(暴れると危ないからね)、リビングで気持ちよさそうに寝ている猫をいったん起こして別室に移動させてまでエスプレッソを作りたいとは思いませんでした。

なにより、ドリップコーヒーにミルクを入れたカフェオレもじゅうぶんおいしいですから。豆から挽いたカフェオレをずいぶん長いこと飲んでいますが、その現状に対して大きな不満はありません。とはいえ、欲を言えば「カフェラテも家で飲めたらいいな」と。そういうふうには思うわけで。

そんな願いを、デロンギの全自動コーヒーマシンが一瞬で叶えてくれました。

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1分もあればアイスカフェラテが作れてしまう

このたびなんとあのデロンギさまに「デロンギ マグニフィカ スタート 全自動コーヒーマシン ECAM22020W」(以下、「マグニフィカスタート」)を貸していただける機会に恵まれたのです。

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ドリップコーヒーもエスプレッソも作れてしまう神マシンがこちら

正直なところ、このマグニフィカスタートで作ったカフェラテを初めて飲んだとき、“怒り” を覚えました。「このマシンを持っている人はこんなにおいしいコーヒーを飲んでいたのか」と。

そこで本稿では、マグニフィカスタートを3カ月ほど使用してみて感じたことを正直に書いていこうと思います。ぶっちゃけ、約10万円と価格は高いです。しかしながら、満足度も高い。
「存在は知っていたけど金額が金額だけに手が出せずにいる」という方の参考になれば幸いです。

文/柳本マリエ


生活の質(QOL)は、まだ伸びしろがある

「家でカフェラテが飲める」といっても、そもそも全自動コーヒーマシンで作ったコーヒーっておいしいの?

やっぱりまず気になるのは、味ではないでしょうか。今回マグニフィカスタートを使ってみて、筆者がいちばん強く感じたことは「とにかくおいしい」でした。なぜおいしいのかというと、エスプレッソやミルクの量を自分好みに調整できるからです。

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エスプレッソ濃さ・量などは上部のタッチパネルにて設定可能

筆者はとくにマクドナルドのカフェラテとローソンのカフェラテが好きなのですが、どちらも「ミルク感が強めのカフェラテ」だと分析しています。つまりこれらのカフェラテに近づけるには、ミルクに合う豆で抽出したエスプレッソに、ミルクをたっぷり注げばいいということ。

ミルクに合う豆については、長らく豆から挽くドリップコーヒーを淹れていたため目星がついていました。それが、業務スーパーで売られている「ラグジュアリッチコーヒー豆」。酸味が少なく苦味が強いためミルクとの相性が抜群で、360gも入っているのに500円以下というコスパのよさも光る名品です。

この豆を使ってエスプレッソを抽出し、たっぷりとミルクを注いだらさぞかしおいしいことでしょう。

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いつもストックしているラグジュアリッチコーヒー豆

ということで実際にこのラグジュアリッチコーヒー豆を使ってカフェラテを作ってみました。すると、それはもはやお店で飲むカフェラテ。エスプレッソの豊かな風味が口に広がり、思わず “怒り” がこみ上げます。

このマシンを持っている人は毎日こんなにおいしいコーヒーを飲んでたの?

だってたとえば仕事の合間に「コーヒーを飲みながら15分くらい休憩するか」となったとき、このマシンを持っている人はこんなにおいしいカフェラテを飲んでいたということになります。同じコーヒーブレイクでも、このマシンで作ったコーヒーと筆者がいままで飲んでいたコーヒーでは雲泥の差。

生活の質ってまだ上があったのか!

筆者としては初めて自分で豆を挽いたときに生活の質(いわゆるQOL)が爆上がりしたことを感じたのですが、マグニフィカスタートで作ったカフェラテはそれを簡単に超えてきました。

もちろんインスタントコーヒーにはインスタントコーヒーのよさ、ドリップコーヒーにはドリップコーヒーのよさがあり、飲み方や技術によって味わいが変わってくるため人それぞれ好みはあるかと思います。しかしながら筆者は「家でカフェラテも飲めたらいいな」とつねづね思っていたので、自分が求める理想のコーヒーが飲めることに大きな満足感を得ました。

その満足感のひとつに “手軽さ” が含まれています。そこでここからは、マグニフィカスタートが全自動であるということについて紹介させてください。

エスプレッソを作りたいけど面倒なことはしたくない

「手軽に作れる」といっても、どれだけ手軽なの?

もちろん人によって「手間」や「手軽」と感じるラインは異なるものです。そのうえで筆者は「想像していたよりだいぶ簡単に作れる」と感じました。たとえばアイスカフェラテを作る場合だったら、コップに氷とミルクを入れてボタンを押すだけ。自動で豆が挽かれ、抽出されたエスプレッソが出てきます。

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コップに氷とミルクを入れてエスプレッソボタンを押すだけ

冒頭でも触れたとおり、カフェラテを飲むにはエスプレッソを抽出する必要があります。どうやらこのエスプレッソの抽出を手動で行うとなると「豆を細かく挽く」「粉を均等にならす」「垂直に圧力をかける」など、けっこうコツが必要になってくるとのこと。

それが奥深さや楽しみといえばそうなのかもしれませんが、なるべく難しそうな工程は少なく済ませたいというのが筆者の本音です。マグニフィカスタートは全自動なので、そういった悩みをすべて解決してくれました。エスプレッソの抽出はもちろん、豆を挽くところから内部洗浄まで全自動でやってくれます。

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ミルクフロッサーのスチームでミルクを泡立てれば、ふわふわのホットカフェラテも作れてしまう

メニューを選んで押すだけで飲みたいコーヒーが飲める。難しい操作は必要ありません。マグニフィカスタートには、下記3種類のコーヒーメニューが搭載されていました。

「エスプレッソ」
濃厚で深い味わいの香り豊かなコーヒーでさまざまなバリエーションのベース

「スペシャルティ」
すっきりフルーティーなライトコーヒーで豆のテロワールを最大限に表現 

「カフェ・ジャポーネ」
深蒸しレギュラーコーヒーでハンドドリップしたように蒸らしながら抽出

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それぞれの味覚チャート(画像はデロンギ 全自動コーヒーマシン公式サイトより)

カフェラテを飲みたいときは濃厚で深い味わいの「エスプレッソ」、ドリップコーヒーを飲みたいときは蒸らしながら抽出してくれる「カフェ・ジャポーネ」といったように気分で変えながら飲んでいます。

でも、いくら「ボタンひとつで手軽に飲める」といっても “お手入れ” がややこしいのでは?

実際問題としてお手入れは、購入を検討するにあたって重要なポイントだと思います。もちろん全自動とはいえ掃除や補充などはしなければなりません。しかしながら筆者はお手入れを負担に感じることはありませんでした。ここからは全体的な使い方について紹介いたします。

お手入れは「分解掃除欲」を満たしたい人にうってつけ

マグニフィカスタートの主なお手入れは下記です。

・カス受けに溜まったカスを捨てる
・各パーツを取り外して洗浄する
 └カス受け、カップ受け、インナートレイ、トレイ、水滴受け、水タンク

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(画像はデロンギ マグニフィカ スタート 全自動コーヒーマシン [ECAM22020B/ ECAM22020W] のご紹介 – YouTubeより)

メーカーとしては上記のお手入れについて “毎日” 行うことを推奨しているようですが、ぶっちゃけ「カップを置いて注ぐ」くらいではほぼ汚れません。うっかり抽出口から離れたところにカップを置いてしまってトレイにこぼれてしまった、というようなことがない限りカップ受けやトレイが汚れる機会はあまりない気がします。

実際に3カ月ほど使った感想として、正直なところ「上記のお手入れは週に1回くらいでもよいのでは?」と感じました。このあたりはシンクやコンロに近いなど、設置場所の環境によっても違ってくるかと思います。筆者は棚置きでした。

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カス受けに溜まるカス(白いお皿に出して撮影)
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各パーツは水洗いして乾かす

このようなパーツ洗浄のほか、1カ月に1回のお手入れとして「抽出ユニットの洗浄」「豆ホッパー投入口/ふたの掃除」などもあります。ただ、豆ホッパー周りは豆を補充するたびに手が触れる場所ではあるので、筆者は補充のタイミングで毎回掃除していました。

とはいえお手入れの頻度はあくまで「推奨」なので、なにがなんでも絶対に守らないといけないわけではないと思います。筆者は、食洗器・オーブントースター・掃除機など「取り外せるパーツがある家電」については隙あらば分解して掃除したいタイプなので、苦に感じることはありませんでした。

そのため筆者のように分解掃除欲を満たしたい人にはうってつけですが、水洗いもけっこうしんどい方にはお手入れが負担になってしまうかもしれません。ただ、ひとつひとつのパーツが大きいため、洗いやすい(扱いやすい)かと思います。個人的には手動のコーヒーミルよりお手入れしやすいと感じました。

また、本体の大きさは下記になります。

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外寸:W240mm×D440mm×H350mm(奥は炊飯器)

それなりに大きくて重いです。とはいえコンセントさえあれば稼働できるので、上記のように棚などにも収納可能。カラーはブラックとホワイトがあるため、周りのインテリアに合わせて選べます。

……と、ここまでマグニフィカスタートをわりとべた褒めしてきましたが、じつはひとつだけ気になった点がありました。それは「音」です。起動音、洗浄音、粉砕音などけっこう大きめで独特の音がします。

・電源ボタン(内部洗浄)「ブーーーン、ジュインジュインジュイン」
・エスプレッソボタン「キィィィィィン、ブーーーンブーーーンブーーーン」
・ミルクフロッサー「ドゥン、ドゥン、ドゥン、キュイイイイイイイイイ」

猫が……起きちゃう……!

冒頭に書いたとおり、リビングで気持ちよさそうに寝ている猫をなるべく起こしたくありません。とはいえ火を使う直火式のエスプレッソマシンと違い猫を別室に移動させる必要はないので、いったんこの「稼働音で猫が起きてしまう」という状況を見守ることにしました。

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もしかしたら音に慣れてくれるかも?

すると、猫は3日ほどで音に興味を示さなくなりました。思ったより早い。もちろん音が鳴ることで起きてしまっているのかもしれませんが、マシンからどんな音が出ようと立ち上がったりすることはなく、こちらを見向きもしなくなりました。

猫としては「なんの音だ!?」から「また鳴ってんな~」くらいに思ってくれたのかもしれません。3カ月ほど経過した現在はまったく気にしていない様子です。

人間(筆者)でも初めてこの音を聞いたときは驚いたので、唯一そこだけが気になりました。しかしながらカフェなどで見かけるエスプレッソマシンもけっこう大きめの音が鳴っているので、おいしいコーヒーを飲むためのトレードオフといったところでしょうか。

とはいえこの音を差し引いてもマグニフィカスタートに対する満足度は高く、大きな価値を感じています。やっぱり「こんなにおいしいカフェラテが家で飲める」という喜びは格別で、生活の質が上がりました。


正直なところ、約10万円もするコーヒーマシンを買うには勇気が必要だと思います。筆者としては「味」と「お手入れ」が心配でしたが、実際に使ってみたらそこの不安は一掃されました。

エスプレッソの量や濃さを調節できるので、味については「自分が求める理想のコーヒー」を作ることができると思います。お手入れについても最初は見慣れないパーツに戸惑うかもしれませんが、取り外しも簡単で基本的には丸洗いすればいいだけなのであまり負担は感じませんでした。

大きさと重さに関してはそれなりにあるので、スペースの確保をクリアできれば “買い” なのではないでしょうか。

筆者の場合は「そのうち飲まなくなる」ということはなく、平日も土日も飲まない日はありません。ボタンひとつでカフェラテが飲める喜びを噛みしめています。カフェラテ派の人にこの喜びを伝えたい。

編集者
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちで、レベル上げも怠るため終盤に苦しくなるタイプ。自著『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto

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