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超絶リアルな“西遊記”アクションRPG『黒神話:悟空』は「死にゲー」かつ、敵にグイグイ前のめりに攻撃を叩き込めるアグレッシブな戦闘が特徴。「東洋ファンタジー」世界だからこその寺院や仏像もフォトリアルでクール

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「西遊記」をモチーフとしたハードなアクションRPGとして、発売前から大きな注目を集める『黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)』。あくまでも‟開発の初期段階”とされた映像すらもすさまじく写実的で美しく、ゲーマーから熱い視線が注がれる作品だ。

いっぽうで、事前の情報がいささかクールな作品であるほど、「そのグラフィックや世界観が、どれほど実際のゲームプレイに反映されているのか」という疑問を抱く方も決して少なくないだろう。

安心してほしい。なぜなら本作は実際にプレイしても、期待されていたアートワーク、戦闘をバッチリと期待以上のクオリティで実現していたからだ。

そもそも、和風ではなく、「東洋ファンタジー」世界をフォトリアルに、クールに描き切れている作品は、これまでに多くは作られていない気がする。徹底した「リアル調」で勝負に挑む作品はあまり目立たない印象だ。

本作では「東洋ファンタジー」らしく仏像や寺院、妖怪といったモチーフが登場するが、それらが、ちゃんとイケてる造形やアニメーションを携えて登場する。そして何より、象徴的なオブジェクトのみならず、マップ上の自然物もマ~~~~~~~ジでリアル。そして美しい。決してトレーラー詐欺では無いと感じた。

『黒神話:悟空』プレイレポート。超リアルな西遊記アクションRPG_001

そして肝心の戦闘に関しては、フロム・ソフトウェアが手掛ける『ソウル』シリーズといった作品などの伝統的なシステムを踏襲しつつ「ジャスト回避」と手数多めの通常攻撃、3種の構え、そしてさまざまなバリエーションを持つスキル「法術」が用意されている。

結果として適度に重厚な歯ごたえと、前のめりに戦える華やかさが見事に共存。間違いなくシビアな難度だが、主人公の高い性能を使いこなせば超キモチいい。従来の作品とは一味違う、本作ならではの爽快感と難度が心地よく同居したバトルを味わえるはずだ。

何より、試遊版ビルドであるものの、高難度なアクションゲームが決して得意ではない筆者もわずかなプレイ時間でさまざまなボスに挑むことができた。つまり、しっかりと難しいものの「真に選ばれし‟死にゲー”愛好家」以外も楽しみやすいのではないだろうか。

アートワークやグラフィックは間違いなく一見の価値があるクオリティに仕上がっているため、高難度のアクションRPGが苦手な方も、ぜひ挑戦して頂きたい。

本稿の末尾には、『黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)』を手掛けるGame Scienceへのインタビューも掲載する。そもそもどんな開発チームが手掛けているのか、なぜ「西遊記」なのか、といった作品のバックグラウンドがうかがえる内容になっているため、本文とあわせて楽しんで頂ければ幸いだ。

『黒神話:悟空』の対応プラットフォームはPS5、PC(Steam、Epic Gamesストア、Wegame)で、8月20日に発売される予定だ。

取材/りつこ
編集/anymo

※本稿でプレイしたのは開発中のビルドであり、最終的なゲームの機能や用語などを反映したものではないため注意されたい。

UE5のポテンシャルをフル活用したビジュアルを見てくれ。かつてなくリアルでイケてる「東洋ファンタジー」

本作は、「西遊記」をベースに、中国の神話などを背景にしたアクションRPGだ。主人公はいかにも‟悟空感”満載のキャラクターだが、作中では「天命人」とされている。

作中には複数の「猿」のキャラクターが登場するため、誰が「悟空」にあたる存在なのかは、ゲーム本編で明らかになるのだろう。また、作中では主人公の「天命人」として冒険し、さまざまな人物に出会い、戦いながら成長していく様が描かれていく。

ゲームを開始して思い知らされたのは、やはりビジュアルの美しさだ。筆者も事前に公開された映像の美しさに唖然とした人間のひとりであり、トレーラーの美しさがそのままゲーム内に存在することに驚かされた。

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光の印象や木々の質感、趣のある寺院や石造などが、かなりの実在感を持って各フィールドに配置されており、マップ上に配置されている植物などの位置や種類の多様さも「それらしさ」と美しさを高めている。

ゲーム中の画面は基本的にUIがシンプルに表示されており、機能的なエフェクトなども基本的に派手過ぎず、「私たちの美しいアートワークを堪能してくれ!」というメッセージ性も感じられる。丁寧に構築されたビジュアルの高い再現性は、「黒神話」と名乗る重厚な作風にマッチしていた。

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小さくまとまったUIで、画面の美しさが損なわれていない(画像はBlack Myth: Wukongより)

また、主人公である「天命人」をはじめ、登場する敵やクリーチャーもかなりカッコいい。

ステレオタイプや記号的でないデザインでフォトリアルな印象を維持しており、いかにも伝統的な意匠と、モダンなリアル調クリーチャーの魅力が見事に融合している。結果として幻想的な雰囲気でありながら、各キャラクターから強い存在感を感じられるだろう。

このように、登場する敵キャラクターやフィールド、主人公、エフェクト、UIに至るまで徹底された美意識により、ゲームを遊んでいるすべてのシーンで「カッコ良すぎる東洋ファンタジー世界」を堪能できる。

実際にプレイすることで視覚的な要素の魅力を強烈に堪能できたため、発売前から本作の作風やビジュアルに惹かれていた方は、間違いなく『黒神話:悟空』を楽しめるだろう。

緊急回避でスキをつくり、リズミカルに打撃をぶち込む。独自性が光るスタイリッシュ&シビアなバトル

本作は3Dのフィールドを探索しながら立ちはだかる敵を倒し進行していく。マップは回復を行えるものの倒した敵が復活してしまうオブジェクトを境に区切られており、この形式は『ソウル』シリーズなどを踏襲している。そのため、サクサクと敗北を繰り返しながら学び、正しい立ち回りを学んでいく「死にゲー」的な形式であり、明確に高難度ではある。

とはいえ、本作の戦闘は『ソウル』シリーズや従来のアクションRPGとは明確に異なる。ここからは爽快感とシビアな緊張感が見事に共存した、本作ならではのバトルに着目していこう。

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本作の戦闘は、タイミングよく回避を行って敵の攻撃を受け流し、敵のスキを突いて「如意棒」による攻撃、強攻撃を与えていくことがベースとなっている。戦闘中にライフの回復を行える回数は有限であり、敵の攻撃パターンを良く見て、しかるべきタイミングで攻撃をしなければ、すんなりと敗北。観察力と適切な入力が勝敗を握る、非常に歯ごたえのある仕上がりだ。

ただし、主人公の攻撃は呼び動作が長いウェイト感のあるモーションというよりは、非常にキビキビとした連撃を中心としている。もちろん、敵の行動を無視して殴り続けることは殆ど許されないが、試遊ビルドでは予め獲得しているスタミナの上限もそこそこ余裕があった。なので、アクションの重さやスタミナの限られた上限に悩むことなく、むしろ積極的に攻め込んで勝利をつかみ取りたくなるスタイルだ。

通常攻撃のパターンが変化する3つの構えも作中で用意されており、プレイスタイルや敵との相性にあわせて戦い方を自由に切り替えることもできる。

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如意棒をグーンと伸ばし、上方から一撃を与える場面も

また、本作の戦闘において重要な要素のひとつとして、いわゆる“ジャスト回避”の存在が挙げられる。

本システムは、敵の攻撃をタイミングよく避けると「バレットタイム」のように時間が減速するというもの。本スキルを活用することで、攻撃のチャンスを生み出せるわけだ。ジャスト回避が成功すればバレットタイムが発生するし、主人公の分身のような残像が発生する。演出と相まって、上手く活用できた時の爽快感はデカい。

また、ゲームの性質上プレイヤーは回避を頻繁に行うこととなるが、実際にプレイした際には自然とジャスト回避が発生することも多かった。つまり、ジャスト回避は高難度なアクションゲームにおけるパリィのようにシビアなリスクを背負った難しい動作ではなく、ハイペースかつローリスクでプレイヤーにメリットをもたらす。

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右側の天命人が「ジャスト回避」時に発生する残像だ。

この「ジャスト回避」の仕様により、本作では相手のスキを待つ」時間が軽減され、かなり前のめりに攻撃ができる戦闘となっている。

ただし、相手のコンボの途中で「ジャスト回避」をしたとて、相手のコンボは途切れずに継続する。そのため、「ジャスト回避」に甘んじて攻撃してしまい、後続する相手のコンボ攻撃でボコボコにされるケースもしばしば発生する。

「ジャスト回避」は発生させやすいが、万能ではないし、敵の攻撃パターンをしっかりと理解しなければならない。このバランスが、本作の戦闘におけるスタイリッシュな爽快感シビアな難度を両立させていると言えるだろう。

相手の動きを止めたり、ボスに変身したり、影分身したり。プレイ中の気分をブチ上げてくれる華やかなスキル「法術」

上述した要素のほか、本作の戦闘では特殊な攻撃や高価で戦闘を有利に動かせるスキル「法術」が存在する。

たとえば、試遊では相手の動きを一定時間ビタリと停止させる法術・定身術を使うことができた。この法術はロックオンしている敵へ即座に使用でき、敵が攻撃を行う最中にも動きを止めることができる。

強力な相手の攻撃を一時的に中断させたり、動きを止めてコンボ攻撃を与えることもできるため、防衛にも攻撃にも活用できる強力なスキルだ。

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定身術を発動すれば、キラリとした閃光が敵を捕らえる。

また、試遊では倒したボスキャラクターに変身し、ボスの強力な攻撃で大ダメージを狙える法術も登場。変身した際には、主人公と別途のライフに切り替わり、死亡時には元の主人公に切り替わるのみ。ライフが尽きない限りは強力な攻撃と移動、回避を一定時間行えるため、かなりお得かつ強力。

相手の動きを定身術で停止させ、ボスに変身して叩みかけるといったコンボも可能であり、HPの多いボス戦や、マップ探索時にピンチに陥った際も活用できるだろう。

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画像のボス「Guangzhi」を倒すと変身することができた。

なお、ムチャクチャ強力な各法術は、一度使用すればクールタイムが発生する。とくに変身を行う法術などはクールタイムがかなり長めに設定されているため、本システムにより「ゲームが簡単すぎる」バランスにもなっていないと感じた。

これまでに公開されたトレーラーでは「影分身」をして敵に叩みかける法術の存在も確認でき、試遊した際のUIからは法術で変身できるボスが複数存在することもうかがえた。

適度なゲームの難度を維持しつつ、「敵を翻弄できる」華やかなスキルが多分に用意されている点も、本作の独自性とバトルの攻撃的な楽しさを高めている。

主人公の強力な力を駆使して多彩なボスに“回答”する。ハイペースで前のめりだからこそ、沢山のボスで高まる充実感

このたびの試遊は1時間ほどであったが、その限られた時間で4体ほどのボスを倒し、このほかに倒せなかったボスが3体ほど登場。とにかく多数のボスが本作には登場する。

4体のボスのうち2体は何度か挑戦したうえで勝利をしたし、倒せなかったボスもそれぞれ5回以上は挑戦したと思う。つまり、ボスの数が多いうえに、1回の挑戦における所要時間が勝っても負けても短い。歯ごたえがあるものの、攻撃的なゲームの設計によりかなりゲームテンポが速いと感じた。

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登場したボスは、いかにも妖怪然とした巨漢の鬼のようなクリーチャーや炎を司る勇ましい猿「Guangzhi」、巨大なカエル、遠距離攻撃や敵の召喚を行う魔人のような敵、赤ちゃんのような体型の巨人、レッド・ロン・ドラゴンと呼ばれる4つ足の龍などビジュアル、攻撃パターン共にバラエティに富んでいる。

そのため、ゲームテンポが速く、適度な難度であっても物足りない思いをすることは無かった。さまざまなボスを用意できる開発力の賜物が、ゲームの快適性と充実感を確保している。

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ちなみに、さきほど“適度な難度”であると述べたものの、戦わずにスルーしたボスもいたし、試遊ビルドのために登場したレッド・ロン・ドラゴンは体力を4分の1ほどしか削れなかった。そして、遠距離攻撃や敵の償還を行うボスに関しては最後まで倒すことができなかった。

自身の反省点としては、常に使用できる「如意棒」をくるくると回して敵の攻撃をはじくアクションの存在を忘れていたこと、法術を使用するタイミングなども挙げられる。

なので、装備やビルド以上に、多種多様なスキルやアクションを正しく使いこなすことが勝敗を決するシチュエーションが多かったように思う。主人公である天命人は機動力が高く“やれること”も多いが、タイミングを見計らうことや、強力な力を有効に使う戦術を発見する必要があるだろう。

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マジで強くて、少なくとも短時間では倒せなかったレッド・ロン・ドラゴン

多種多様なボスと戦いながら、よりベストな戦術を編み出していく。まるでコミュニケーションのようなやりとりこそ、様々なボスが登場することや主人公が高性能であることのポテンシャルを見事に引き出しているのではないか。

アグレッシブなジャスト回避や素早い攻撃モーション、法術を巧みに駆使し、異なるスタイルでプレイヤーに迫る魔の手とゴリゴリ衝突する。高密度の「東洋ファンタジー」成分を摂取しながら展開する“軽やかなのにシビア”なバトルは、間違いなく本作ならではの体験に仕上がっている。

とはいえ、製品版ではより充実した敵、ステージ、フィールド、法術、そして物語がプレイヤーを待ち受けているほか、獲得したポイントを消費して基本アクションを強化できる成長要素、装備品のクラフトなども用意されている。本作のトレーラーに度肝を抜かれた方、本記事を通じて興味を持って頂いた方は、ぜひ「天命人」としての冒険に出かけよう。

数千人規模のテストと、「社員全員」でのテストプレイでフィードバックを収集、改善。華麗な戦闘とスタイリッシュで独自のビジュアルなど本作の魅力に迫る【Game Scienceインタビュー】

──本日はよろしくお願いいたします。まず、どのような経緯で『黒神話:悟空』が開発されたのかをお伺いしたいです。

「Game Science」チーム(以下、チーム):
まず、Game ScienceはTencent出身のメンターを中心に2014年に設立され、現在は140名ほどのスタッフが所属しています。

設立者であるメンバーは2008年から2014年にかけて、実は『闘戦神(Asura)』という西遊記をモチーフにした作品を作っていました。しかし、当時は制約などがあり、なかなか上手くいきませんでした。

その後、異なるふたつのモバイル向けタイトルを開発しており、2018年には新たなタイトルを開発する運びになりました。その際に、開発メンバーたちがアクションRPGの経験が豊富であったこと、主人公が旅に出て様々な困難を乗り越え成長していく「西遊記」の物語がアクションRPGにマッチしていることから、『黒神話:悟空』の開発が開始しました。

──開発チームとしては、これまでにモバイルゲームなども開発されていたんですね。

チーム:
実は2014年に会社ができてから開発されたふたつの作品は「戦闘」を主軸にしたもので、『黒神話:悟空』との共通点もあります。なので、今までのノウハウと技術、そして人員に恵まれたことで、今回のような作品ができました。

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──Game Scienceのメンバーはこれまでにも「西遊記」をテーマにした作品を開発していますが、今作で改めて同様のテーマを主題にした狙いはありますか。

チーム:「西遊記」は中国なら誰もが知る物語であり、アジアにおいてもポピュラーであることも理由のひとつです。

また、2008年から『闘戦神(Asura)』を開発していたため、やはり開発チームは「西遊記」に思い入れがあるんです。我々は「西遊記」を熟知しているため、題材を深く理解していることで優れた作品が作れるのではないかと考えました。

──高難度のアクションRPGに関しては、昨今においても複数の人気作があります。競合の多い本ジャンルを開発するにあたって、どのような意識で開発に臨みましたか。

チーム:
まず、本作の根本的なコンセプトとして、「西遊記」の代表的なシーンを映像化したいという思いがありました。これを踏まえて、今作の主人公である天命人は法術を使えたり、変身出来たり、3つの構えで棒術を使いこなしたりと高い能力を有しています。

なので、天命人のさまざまな能力を活かし、幅広い遊び方で楽しんで頂けるアクションRPGとして本作を開発しました。

また、アクションRPGが好きなプレイヤーがすぐに本作のシステムに慣れて頂けるような設計を心がけ、「西遊記」の世界を舞台にした華麗な戦闘をスムーズに楽しんで頂けるように制作しています。

──実際に本作をプレイすると、主人公が多彩な能力を持っていることと、ゲームとしての丁度良い難度が共存していると感じました。

チーム:
ゲームバランスに関しては、これまでに本作のテストをこれまでに2回テストを実施しており、去年は中国の杭州で数千人規模のテストを実施しました。その際にプレイして頂いた方からさまざまなフィードバックを頂いており、フィードバックの共通点や傾向を分析し、作品に反映しております。

社内での取組みとしては、開発が大きく進んだタイミングにあわせて「Game Scienceの社員全員」でテストを行っています。テストでは全員が全てのステージをクリアするまでゲームをプレイし、各要素を採点して貰います。

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──決して簡単な作品ではないので、すさまじい取組みですね(笑)

チーム:
採点では、どこが好きか、どこが嫌いなのかを細かくフィードバックして貰います。好きなポイントは我々の強みとしてより強化し、会社内部と会社の外部の双方で好まれないポイントは改善します。この方法でゲームバランスなども調整していきました。

くわえて、フィードバックを頂くだけでなく、ユーザーの皆様のプレイをチームのメンバーとして拝見させて頂き、改善点を見つけています。「今ここで苦戦しているな」「スタッフからの解説があっても操作しづらそうだな」といった点を観察させて頂き、ゲームに反映させて頂いています。

ちなみに、この度プレイして頂いたビルドは、すでに頂いたフィードバックを元に改善を施したバージョンになっているんです。今回のデモの内容は日本だけでなくアメリカ、ヨーロッパ、中国の杭州でも実施しており、新たなフィードバックを頂きました。これからさらに、作品をブラッシュアップしていく予定です。

──ゲームバランスに限らず、本作は全方位的にクオリティが高いように思います。開発として特に注力しているポイントはありますか

チーム:
Game Scienceとして特に自信があるのは、ボス戦の数とクオリティです。この点は特に重視しているため、開発において多くのエネルギーを注ぎました。未だ開発中ではあるものの、テストなどでは好意的なフィードバックを頂いているため、やりがいを感じているポイントでもあります。

また、本作は実写レベルの写実性で「東洋ファンタジー」の世界を表現していますが、実は同じ作風の作品はかなり少ないと思うんです。この点も我々の強みになると考えています。

──本作のアートワークは発売前から日本国内でも大きな注目を集めていました。「東洋ファンタジー」のエッセンスと写実性はどのように両立させているのでしょうか。

チーム:
アートワークに関しては、本作の開発をスタートする段階でかなり議論を重ねました。

議論をとおして、我々は「実際にその場所を訪れている」と感じさせるようなリアリティを目指したんです。なので、背景やフィールドの制作では中国の寺院や仏像、山岳に足を運び、3Dスキャンを駆使してオブジェクトを作成しました。

自然物に関しては、自然環境に熟知したアーティストの知見を活かして制作しています。そういった取り組みを経て、『黒神話:悟空』のアートワークが構築されています。

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本作のスペックに関してですが、PS5の場合であれば最低で2Kで60fpsの表示が可能です。これからは4K60fpsでの表示を目指していて、PC版に関してはよりfpsを重視した表示が可能です。

──最後に、『黒神話:悟空』を楽しみにしている日本のファンに向けてメッセージをお願いいたします。

チーム:
まず、多くの皆様に『黒神話:悟空』に注目して頂いて、本当に我々にとって大きな励みになっております。発売まで2か月ほどの時間がありますので、リリース時に皆さんの期待に応えるべく更なるブラッシュアップを目指します。

そして、発売後には皆さんからのフィードバックを参考にしながら、更なるアップグレードを行う予定です。引き続き『黒神話:悟空』をよろしくお願いいたします。(了)

編集者
ゲームアートやインディーゲームの関心を経て、ニュースを中心にライターをしています。こっそり音楽も作っています。

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