“冒険者の酒場”って、謎の憧れがある……。
『ドラクエ』ならルイーダの酒場、『指輪物語』なら躍る小馬亭……。
さまざまなファンタジー作品に登場し、噂が集まる魅力的な舞台。旅人や荒くれ者が集い、飲み物をかっくらってはクエストを受注する。多くの物語が始まる場所でもある。
そんな場所のオーナーになって、ひたすら冒険者の武勇伝を聞いてみたい……。
「ようこそ、冒険者よ」とか、「ここは、旅人たちが 仲間をもとめて集まる出会いと別れの酒場よ」とか言ってみたい……。主人公になると、どうしてもその役回りになれなかったりするじゃん!
そんなことを夢見ていたら、正に最適なゲームが発売された。
そのタイトルは『タヴァントーク』。
エルフやドワーフが生きるファンタジーな世界に建つ“旅人亭”のオーナーとなれるアドベンチャーゲームだ。ただし、プレイヤーがお客に提供するのはお酒ではなく、お客の運命を変える“魔法の飲み物”である。
……とはいえ、「運命を変える」というと聞こえはいいけれど、実際どれくらい効くの?というのが正直なところ。早速、実際にどれだけの効果があったのか確かめてみよう。
※本記事はアドベンチャーゲーム『タヴァントーク』のネタバレ要素も多少含まれています。事前情報なしにゲームを楽しみたい方は、ご留意ください。
※本記事は、Neon Noroshi社よりゲームコードの提供を受けています。
プレイヤーの提供する飲み物は冒険者の運命を変える
はい、まずこちらのお客様。名前も素性もわかりません。
いきなり来店してきたかと思えば、無言を決め込むという厨二病MAXの冒険者さまです。そのマフラー、どうしたら屋内でそんなになびくの?
当店、“旅人亭”には多彩なレシピが用意されており、「喋るのが苦手!」だなんてお客様のご要望にもバッチリ対応します。
今回、こちらのお客さんに提供するのは「語られた心」。シュワッとした甘口の一杯でお客の心の奥底に眠る感情を呼び起こし、他者に対する思いやりや共感力が増して、誠実な言葉で説得する自信がつくというジュースみたいなもの。
飲み物の作り方は、黒板に書かれたレシピ通りに5つのお薬をビーカーに投下して、画面左に表示されるパラメーターを調整するだけ。出来上がったら、同居人のアンドゥ(左下の紫色の生き物)が飲み物のタイトルが書かれた看板を掲げてくれる。
そして、さきほどの無言を決め込むお客さんに提供。ハートが浮かんでいてかわいい。
「語られた心」を飲んだ彼は、さっそく、自分の身に何が起こったのかを早口オタクのごときスピードで饒舌に語り聞かせてくれるようになった。さらには、飲み物のパワーを借りて気になるエルフの女の子(?)にデートのお誘いまでできるように……。変わりすぎじゃない!?その飲み物、僕にもください。
飲み物は冒険者たちのクエスト結果さえも左右
そして、旅人亭の飲み物が冒険者に影響を与えるのは性格だけではない。冒険に役立つ防護効果や、攻撃能力に加護(バフ)をもたらすこともできる。こちらの屈強な戦士のお姉さんは、ゾンビ退治のクエストへ挑もうとしているようだ。
お客さんの運命を左右するというだけあって、本作は提供する飲み物によって冒険者がひき請けたクエストの結果すら変わることがある。
例を挙げると、クエストを受注する際にお客の方から「攻撃力重視で殲滅するか、魅力を増して説得する作戦にしようか」といった提案がある。そして、オーダーにあわせてどの飲み物を提供するのかはオーナー(プレイヤー)の手に委ねられる。
上記の画像は、実際に異なる飲み物を提供した場合の結果を比較したものだ。
成功ルートでは、意気揚々とクエストの武勇伝を聞かせてくれる。一方で、失敗したルートでは冷え切ったお茶の間の如く地獄のような空気が漂ってしまう。中には、彼らの人生が変わってしまうようなケースもあるので、慎重に飲み物を選択する必要がある。
旅人亭のおしごといろいろ
旅人亭にはさまざまなお客が訪れる。冒険者、傭兵、鍛冶士、貴族、吸血鬼、吟遊詩人、旅行者など……彼らに飲み物を提供して歓談していると、多数の“噂”を収集できる。
オーナーは店を閉める際に噂を3つ組み合わせてクエストを作成し、翌日には店内の掲示板にクエストが張り出されて来客した者が受注するといった形式だ。先述したように、オーナーの提供した飲み物によって結果が左右するパターンも存在する。
提供する飲み物は、筆者が一度クリアまで進み確認したところストーリーを進めることで全12種が開放される。また、調合する際に使用する調味料も10種類確認した。
飲み物は、筋力を強化するイグニス、魅力を強化するカンティオ、捷力(スピード)を強化するプルマ、知力を強化するテンペス、耐久力を強化するフリガスとそれぞれ5種の魔法薬が用意されており、それをレシピ通りに調合することで効力を発揮する。
多くの場合、魔法使い系統の職業に就く者は知力を強化するもの、力仕事を得意とする者は筋力を強化するものなど、何らかの効力に特化したものが冒険者から求められる。
そして、飲み物を提供しつつクエストの報告を待っている間に、また別のお客との雑談を楽しみながら噂話を収集し、またクエストを張り出す。基本的にはこの繰り返しでストーリーが進む。