LIVE【TGS2024】ゲームクリエイターズトーク特番

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世界の全てが武器になる新作アクション『Eternal Strands』の圧倒的に自由な戦闘が面白い。巨大な敵の脚を氷漬けにして足止め、そこら辺のものを片っ端から質量兵器として投げ飛ばし、敵によじ登って急所を攻撃【TGS2024】

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自由度の高いゲームというのは、“なんでもできるゲーム”のことではなくて、”何をやっても反応が返ってくるゲーム”のことだ。

新作のアクションアドベンチャー『Eternal Strands』は、まさにそうした意味で非常に自由度の高い探索やアクションが楽しめるゲームだった。

本作はカナダに拠点を置く開発スタジオ「Yellow Brick Games」の第1作目となるタイトルだ。本作は熱や冷気、物理演算による世界の変化を巧みにゲームへ織り込んでおり、世界そのものをまるごと自分の武器として生かすことができる。

今回は現在開催中の東京ゲームショウ2024にて、本作の試遊体験版をプレイできたので、その内容をお届けする。なお、本作はPC(Steam)PlayStation 5、Xbox Series X|Sなどを対象に、2025年にリリース予定となっている。

取材・文/恵那
編集/実存


3つの武器と様々な魔法で、環境を変化させつつ柔軟に思考せよ

『Eternal Strands』は、かつて栄華を極め、今は廃墟となってしまった「エンクレイブ」と呼ばれる魔法の土地を舞台とした、ファンタジーアクションアドベンチャーだ。プレイヤーは主人公のブリンを操作し、様々なフィールドを探索して「エンクレイブ」に起こった出来事の謎を解き明かしながら、時に巨大な敵に立ち向かうことになる。

TGS2024での体験版では、「上ダイネヴロン」と呼ばれるフィールドを探索し、その土地を闊歩する巨大なボス「生ける炎のアーク」を倒すことを目指す。

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▲体験版ボス「生ける炎のアーク」。で、デカい……

ゲームでは3種類の武器(両手剣・盾と片手剣・弓)と9種類の魔法を切り替えて戦うことができるが、体験版で解放されている魔法はこのうち7つのみ。

魔法はざっくり炎系統・氷系統・キネティック(重力)系統があって、炎や氷については耐性のある敵もいるようだ。

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▲武器による攻撃や緊急回避はスタミナ(キャラ左のゲージ)を消費する。そのため魔法と交互に組み合わせて使うべし
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▲片手剣はガードができて便利

一度に使用できるのは武器1種類と魔法1種類のみだが、すばやく切り替えて使うことで複数の魔法を組み合わせた戦い方もできる。

たとえば「敵を指定箇所に吸い寄せる重力魔法」と、「炎を放つ魔法」を組み合わせれば、「即席焼却炉」の完成だ。

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本作にはこうした魔法同士、水辺や草地といった地形環境、周囲のオブジェクトなどとの組み合わせが無数にあり、発想力次第で様々な戦術を試すことができる。

「炎+前方への重力力場を作る魔法」なら「超射程の火炎攻撃」が可能になり、水辺で炎を使えば「身を隠せる霧」が発生する。

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▲炎+前方への重力力場を作る魔法で炎攻撃の射程を大きく伸ばす

また敵を倒す際には、「倒し方」によってドロップするアイテムが変動する。

たとえば炎で倒すのか氷で倒すのか、それとも属性なしの武器攻撃で倒すのか、手段によってはドロップしなくなるアイテムもあるのだとか。

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ドロップしたアイテム素材はベースキャンプで武器や装備に加工できる。素材は選択の際に何を使うかある程度決めることができ、それによって熱や冷気に対する耐性が変動したり、カラーリングが変化したりする。

装備によっては特殊なスキルがついていることもあるので、強力な装備作成のために設計図を探すのも、フィールド探索の楽しみのひとつだ。

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戦闘だけでなく、フィールド上の探索でも魔法は役に立つ。

大きなクレバスによって分断されてしまった大地を、たとえば氷柱の魔法で橋を作って渡ったり、重力力場を作る魔法で大ジャンプして飛び越えるなど、こちらも発想力次第でさまざまなアクションが実行できる。

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フィールド上のあらゆるものを活用し、巨大なボスに挑め

巨大なボスとの戦いは本作最大の醍醐味だ。さまざまな魔法や環境オブジェクトなどを縦横無尽に駆使し、時に行動を制御し、時に身体によじのぼって急所を狙っていく戦いがとにかく面白い。

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体験版ボス「生ける炎のアーク」は操作キャラより遥かに巨大であり、またアーマー部分には攻撃が通らない。そのため、ダメージを与えるには肉体が露出している灰色の部分に攻撃を当てる必要がある。

ここからは一例だが、氷の魔法で足元を凍らせることで行動を制御し、そのスキによじ登っていく……なんていう戦い方もできる。

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もちろん、相手も黙って登らせてくれるわけではないので、時には掴まれて大きなダメージを負ってしまうこともあった。

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▲よじ登りの最中でも魔法は使用可能。手を凍らせれば行動が制御できるかも。

重力を操る魔法を使い、その辺りに転がっている石やブロック、果ては雑魚敵まで、あたりに散らばっているオブジェクトを、手あたり次第に質量兵器として投げ飛ばしていく戦い方も有効だった。

足止めに使った氷などは破壊されてもその場に氷塊が残るので、そうしたものも十分武器になる。魔法の使い方次第では、もっといろいろなことができそうだ。

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▲その辺の木や柱など、フィールドオブジェクトはびっくりするほど破壊できるものも多い
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▲雑魚敵も魔法で掴んで投げられる

また、ボスを倒す方法は体力を減らすことだけではなく、いくつかの場所にある体の部位を破壊することで実行可能になる「harvesting」という方法によって倒す方法もあった。

決まると特殊演出が入って、ボスの持つ特殊なアイテムが入手でき、魔法の取得や強化などが行えるらしい。

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▲体によじ登り、特定の箇所にあるパーツを破壊すると……
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▲ボスの頭上で燃えていた炎が収まり、「harvesting」というコマンドが実行できる

プレイヤーのとった行動に対して、ゲーム世界がまさに多種多様な応答を示してくれるというのが、本作『Eternal Strands』の面白さだ。「これとこれを組み合わせたら楽しいんじゃない?」という工夫のしがいがあり、筆者も気が付くと1時間くらい必死になって遊んでいた、熱中度の高いゲームだった。

本作は2025年のリリースを目指して開発が進行中で、PC(Steam)PlayStation 5、Xbox Series X|Sでの配信を予定している。TGS2024での出展ブースはホール7, 番号07-NO2となっている。

ライター
ル・グィンの小説とホラー映画を愛する半人前ライター。「ジルオール」に性癖を破壊され、「CivilizationⅥ」に生活を破壊されて育つ。熱いパッションの創作物を吸って生きながらえています。正気です。
デスク
電ファミニコゲーマーのデスク。主に企画記事を担当。 ローグライクやシミュレーションなど中毒性のあるゲーム、世界観の濃いゲームが好き。特に『風来のシレン2』と『Civlization IV』には1000時間超を費やしました。最も影響を受けたゲームは『夜明けの口笛吹き』。
Twitter:@ex1stent1a

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