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液晶モニターで遊べる『タイムクライシス』出します!……なんて? “2024年” にTGSで『タイムクライシス』を試遊してきた。AI搭載の銃型コントローラー「G’AIM’E」はガンシューファンを救う光となるか【TGS2024】

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(外部センサーが要らない)液晶対応のガンコン【※】!?!?!?

「お前は一体なにを言っているんだ」。東京ゲームショウ2024にてAI搭載の銃型コントローラー「G’AIM’E」が出展するというニュースを聞いたとき、まずそう思いました。しかも『タイムクライシス』(アーケード版)同梱で発売を予定しているとのこと。

『タイムクライシス』(アーケード版)同梱!?!?

※便宜上、記事冒頭で「ガンコン」と表記しているが、「ガンコン」という名称自体は商標。以後、本記事では「ライトガン」で統一する。

ちょっとなにを言っているか本当にわからない。

ゲームセンターでもあまり見かけなくなり、ブラウン管テレビユーザーの肩身が狭くなるこの時代。一般家庭のテレビに液晶化の波が押し寄せ、自然と消えていったはずの「ガンシュー」が公式ライセンスのもと蘇ろうとしている……?

AIライトガン「G’AIM’E」レビュー。“2024年” にTGSで『タイムクライシス』試遊してきた。_001

これはひょっとすると、伝説の1ページになるかもしれない。そう思うと、TGS会場で自然とブースに向かっていました。

だって、ワクワクするじゃん!

本記事では、そんな『タイムクライシス』が遊べちゃうAIライトガン「G’AIM’E」を開発した達成電気さんのブースへ潜入してきました。

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ちゃんとペダルも踏めるぞ!(今回試遊したペダルは、イベント用に急遽ミシン用フットペダルを改造して用意したとのこと)

文/Squ
編集/柳本マリエ


『タイムクライシス』が液晶全盛の時代に復活。でも、なにがスゴいの?

『タイムクライシス』は、1996年にナムコからリリースされたアーケード向けガンシューティングゲームです。翌年には家庭用版が「ガンコン」と共に発売され、お家でも楽しめるようになりました。

さて、ガンシューティングゲームにおけるライトガンといえば、「ブラウン管テレビで遊ぶもの」、「ブラウン管テレビでしか遊べない」という印象が強いのではないでしょうか。実際のところ、ブラウン管の走査線を利用した方式が取られているタイトルが多いため、「ブラウン管テレビでしか遊べない」という認識は間違いではないはずです。

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たとえば、コナミのPS2用ソフト『ザ・警察官 新宿24時』では、同社のライトガン「ハイパーブラスター」に関する注意書きとして、動作しない可能性のあるテレビが記載されている。

とはいうものの、ガンシューティングゲーム自体は液晶モニターへと移行したあとも登場しており、2015年には『タイムクライシス5』がリリースされています。おそらくゲームセンターで見かけたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

となると、自然と湧いてくるのが「なんでそんなに盛り上がっているのか」という疑問。わかります。これ、じつは「液晶モニター用ライトガンの仕様」に大きな理由が隠されているのです。

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(画像は『タイムクライシス5』公式サイトより)

ワイド型ブラウン管テレビや液晶テレビの登場によって、各社対応を悩ませることとなったライトガン事情。赤外線LEDを外部で取り付けるWiiのような方式や、カメラとモーションコントロールで取得する方式など趣向を凝らしたものが多数登場しました(アーケード、家庭用ともに大抵の仕組みは同じはず)。

しかし、一定以上のクオリティの精度を持ち合わせている一方で、外部でセンサーが必要な点から設置の煩わしさや周辺機器の増加といった課題も生まれてしまい徐々に衰退。最近ではNintendo Switchのジャイロセンサーを利用した作品なども発売されましたが、一時期のガンシューブーム期に比べるとその数は激減した印象を持たざるを得ません。

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(画像は「ガンコン3」紹介ページより)

そんなこともあってか、いつしか「ガンシュー=ブラウン管テレビ」という構図も生まれ、過去の遺物として捉えられてしまっている側面もあるのです……。いや、あるんですよ。

その状況で、「『タイムクライシス』付きライトガンを出したい」なんて企画、通るの!?と、驚いたわけで。ありがとうレトロブーム。ありがとう、ミニ系ハード……。彼らがいなかったらチャンスはなかったかもしれません。

センサーなしで低価格、ソフト同梱。「G’AIM’E」はロマンの塊で間違いない

では、ここで今回発表されたAIライトガン「G’AIM’E」を見てみましょう。おそらくここまで読み進めてきた方なら気づくはず……。

そう、テレビ付近にセンサーがありません。

センサーなしで、液晶ガンシューを楽しめるようになってしまったのです。時代の流れって、すごいなぁ。

このセンサーなしのプレイには「AIを利用した画像認識技術」が使用されており、ガン側に搭載されたカメラを利用して照準の位置が決定されているとのこと。今回の試遊台は試作品ということもあってか若干のラグを感じたのですが、製品版ではもっと低遅延になるようです。

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しかも極めつけは、ソフト内蔵の本体! この四角い箱さえテレビにつなげてしまえば一発で遊べてしまうというのだから驚き。イベント会場やLANパーティなどに持って行って遊んだり様々な用途に使えそうですよね。……ちっちゃくない!?

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とはいえ、じつはセンサーなしで遊べるライトガン自体は既に市場に存在しています。しかし、PCでの使用が前提であることや、『The Typing of The Dead: Overkill』のおまけモードなど限られたタイトルの使用しか想定されていないこと。そして、価格の関係もあってか安易に手が出せる製品ではなかったんですよね。

しかし、今回発表された「G’AIM’E」は通常版が89.99ドル、ペダル付き特別版が119.99ドル、とかなり挑戦した価格での販売が予定されているとのこと(記事執筆時点のレートで通常版が約1万3000円、特別版が約1万7000円)。

ミニ系ハードとして考えると高く感じるかもしれませんが、この価格帯でアーケード版『タイムクライシス』が遊べると考えるとかなりお得かも……(欲を言うと何作か収録されていると嬉しいところではある)。

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そう考えると「センサーなしで遊べる」、「ソフト同梱」、「既製品より低価格」という点はかなりの強みなのではないでしょうか。また、『タイムクライシス』専用ライトガンというわけでもないようで、なんと新たに画像認識の設定さえ用意すれば様々なゲームにも対応可能なんだとか。

えっ、じゃあ筆者愛しの『ザ・警察官2 全国大追跡スペシャル』がお家でプレイできるようになる日も来る……!? コナミさ~ん!(秋葉原GiGO行くしかないんだよ。たのむ……。)

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ライトガン「G’AIM’E」は2025年中の発売を目指しているとのこと。今後の発表や、他作品での展開について期待したいところ。詳細が気になる方は、達成電気の公式ツイッターをチェックしておくといいでしょう。

ライター
最近ゲーム業界にサメ映画ブームが来ている気が・・・え? 『スター・ウォーズ』のゲームが出すぎて手が回らない毎日。1日36時間欲しい。
編集者
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちで、レベル上げも怠るため終盤に苦しくなるタイプ。自著『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto

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