『無双』シリーズを手がけるコーエーテクモゲームスが作った新作アクションゲームは、ローグライトなのに「プレイアブルキャラクターが100体以上いる」らしい。
……なに言ってんだ!?!?
だって、たとえプレイアブルキャラクターが1体だったとしても、“毎回” 新鮮なゲーム体験ができるローグライトですよ。そこに100体もいたら、とんでもない事態です。
そのゲームの名は『無双アビス』。本作は、総勢100体以上のキャラクターを仲間に迎え入れながら、強力なシナジー効果を発揮させていくことにより、とてつもなくド派手な攻撃を繰り出せるようになります。
100体以上ものキャラクターの中から仲間となるパーティを編成していくことになるのですが、単純計算でもその組み合わせは160億通りも存在するとのこと。
強化が進み、画面が攻撃エフェクトで覆いつくされて、次々と敵が吹き飛んでいくさまはまさに「カオス」のひと言。一度体験してしまうと病みつきになる爽快感と中毒性のある作品になっています。
コーエーテクモがローグライトを作ったら、こうなるのか~~~ッ!
今回は、新作アクションゲーム『無双アビス』をひと足お先に体験させていただいた様子をお届けいたします。ちょっと味見するつもりで始めたらラスボスを討伐するまで夢中で遊んでしまいました。
さまざまな能力を持った「英傑」を仲間にしてド派手な攻撃を叩き込もう
『無双アビス』は、『真・三國無双』『戦国無双』シリーズを手がけるコーエーテクモゲームスが開発するローグライト無双アクション。本作はこれまでの3人称視点とは打って変わったクオータービューの視点で、周囲から迫りくる敵をなぎ倒しながらキャラクターを強化していき、ダンジョンの最下層を目指していくことになります。

なんといってもまず注目すべき点は、冒頭でも述べた「プレイアブルキャラクターの数」。それぞれのキャラクターが繰り出すアクションは異なるものになっています。
ローグライトという性質上、同じキャラクターを使ったとしても毎回違った体験が味わえる本作。それが100体ともなると、かなりやり込めそうです。

本作は「通常プレイで獲得したポイントでステータスを永続的に強化する」というシステムが搭載されています。ただ、『無双アビス』の場合はそのシステムが「プレイアブルキャラクターの解放」も兼ねているところが独特。
キャラクターを解放していくことで同時にステータスが恒久的に強化され、次回の挑戦が楽になるというシステムになっています。

「好きなキャラクターでダンジョンに挑み、獲得したポイントでステータスの底上げや新規キャラクターの解放を行って、再びダンジョン攻略へ挑む」というのが、本作のゲームサイクルとなっているわけです。
特徴的なのが、本作に登場するキャラクターである「英傑」は、解放することで自分のキャラクターとして操作可能になるだけでなく、「ステージ中の強化選択肢」としても登場すること。
ステージごとのランダムな強化選択肢、いわゆるビルドの要素を本作は「英傑(キャラクター)を仲間に迎え入れる」というかたちで表現しているんです。
仲間に加えた英傑は、キャラクターに応じたステータスアップ効果や、特定の条件を満たすことで発動する「固有戦法」という能力などでプレイヤーを強化してくれます。
詳しいシステムは後述しますが、相性のいい英傑同士をうまく組み合わせていくことによって、爆発的に自軍の強さを増していくことができました。
たとえば「本来30秒に1回しか発動できない強力な技のクールダウンをゼロにする」とか「本来1発ずつしか発動しないスキルが1度に3つ出る」とか「ボスがまとっている強力なバリアを一瞬で溶かせるようになる」とか……。
上記のようなシナジー効果は実際に筆者が初クリア時に体験したものです。組み合わせ次第で「ボスのバリアが一瞬で破壊できる状態で本来は30秒に1回しか撃てないスキルを乱射して瞬殺する」といった、とんでもないプレイングが可能なのが本作。

『無双アビス』は、「戦力がインフレしたときの爽快感」が突き詰められていると感じました。うまくビルドが組めたときの “圧倒的な強者の感覚” が存分に味わえるゲームとなっています。
ただでさえ爽快な『無双』アクションがさらにカオスになる「一斉召喚」
本作は、「『無双』シリーズらしいアクションゲーム」としての爽快感にも力が入っていました。
基本的な攻撃動作は、「通常攻撃」と「チャージ攻撃」(いわゆる強攻撃)の2ボタン方式。ボタンを連打していくだけで、簡単にコンボが繋がるようになっています。回避行動もクールダウン制ではあるものの、どのタイミングからでも発動可能で「引っかかる感じ」がまったくない、スピーディーな戦闘を楽しむことができます。

また、本作の目玉として最大6人までの英傑をパーティに編成することで「英傑召喚」という攻撃が可能になります。簡単に言うと、コンボの最終段階で仲間の英傑を召喚することができ、強力な攻撃を放ってくれるというもの。

さらに、専用のゲージを消費することで発動可能な「一斉召喚」では、6体すべての英傑が同時に登場!
「歩いているだけでも敵が消し飛んでいくようになる」という、まさにフィーバータイムのようなシステムです。画面が暗転して白黒になり、その中を味方の英傑の攻撃が飛び交う演出は見ていてめちゃくちゃ気持ちがいい!
ステータス強化の項目には「召喚攻撃の範囲増加」「召喚攻撃の時間延長」といったものもあるので、成長すればするほど、一斉召喚の攻撃も強力になっていきます。大切に育てた部隊の総力をお披露目するような場面になっているわけです。

こう聞くと、一斉召喚は「ここぞというときにとっておく必殺技」のような印象があるかもしれませんが、ゲージの貯まりは早く、強化が進んだ後半ステージではほぼ毎ステージで「一斉召喚」を発動できるようになりました。
後半ステージでは「敵を1000体倒せ!」といったミッションが課されるので、次々と召喚技を発動し、蹴散らしていきましょう。
画面がエフェクトで覆いつくされてとんでもないことになりますが、これがまた気持ちいい……! 敵に指1本触れさせず吹き飛ばしていくさまは、まさに「無双感」を味わえるような作りになっていました。
一方で、ステージの節目に現れるボス戦では、少しシビアなアクションが要求されます。ボスは広範囲に対する攻撃を予告してくるので、それらをうまく回避しながら、隙を見つけて攻撃しなければなりません。強力な障壁(バリア)も備えているので、障壁を剥がし切った後に全力を叩きこむといった判断も必要です。
大群を薙ぎ払う爽快感マックスのザコ戦に対して、ボス戦はなかなかの難度。初見ではそのギャップに少し驚くかもしれません。ただ、こういった絶妙な強さのボスがいるからこそ、プレイヤー自身の成長につながっていきます。
筆者も最初の数回のトライでは、1番目のボスに手も足も出ませんでした。しかし、挑戦を繰り返していくうちにキャラクターが解放され、ステータスの底上げやアクションの勘どころといった自身のプレイ経験が蓄積することにより突破できるようになりました。
後半ステージのボスも相応に強力ですが、ビルドがうまくいっていれば「こちら側の超火力を押し付けて、相手にほとんどなにもさせない」といったプレイングも可能。
ただでさえ快適で爽快な『無双』のアクションが、ステージ後半に行くにつれて加速度的に強化されていく「英傑召喚」によってさらにパワーアップされるため、たとえゲームオーバーになってしまったとしても「あの強さをもう一度……」とリトライしてしまう中毒性を生み出しているのが、本作のアクション要素となっています。
組み合わせ次第で攻撃力が爆発的にインフレするビルドシステム
本作のビルド要素は、先述したとおりランダムに出現する英傑を仲間に加えていくというシステム。ひとりの英傑に対して複数の強化システムが紐づいており、これが非常に奥深い……!
強力なシナジー効果を発見した際には文字通り爆発的な強さを得ることが可能になっています。

仲間になる英傑はそれぞれ、「印」「召喚技」「固有戦法」という、3つの強化要素を所持しています。
「印」は、直接的なステータスアップに影響するパラメーター。英傑を仲間に入れることで、その英傑が所持している印がステータスに加算されます。

たとえば「力」の印を集めていくと、攻撃範囲が広がったり、攻撃力が上昇。「炎」や「風」といった印を集めると、対応する属性攻撃が強化されます。ひとりの英傑につき、複数種類の印を所持していることも多いので、どのステータスを伸ばしたいかによって仲間に入れる英傑を判断することになるでしょう。
続く「召喚技」は、コンボ攻撃の最終段に発動する「英傑召喚」時に発動する技。攻撃系の召喚技には基本的に属性が付与されており、たとえば風属性の召喚技を持った英傑であれば、同時に風属性の印も所持していることが多いです。

ここまで聞くと勘のいい方は「なるほど、それなら同じ属性の英傑を重点的に集めれば、強力なパーティが作れるのか」と思われるかもしれません。それも間違いではないのですが、本作のビルドを奥深く、そして同時にひと筋縄ではいかないものにさせているのが最後の強化要素である「固有戦法」です。
この「固有戦法」は簡単に言うと「特定条件を満たした際に発動するパッシブスキル」のようなもの。英傑ひとりひとりがそれぞれの固有戦法を所持していて、この発動条件と効果範囲が非常に多岐にわたるうえ、強力な効果を持ったものが多く、これによって本作のビルドの多様性や、ビルドが完成したときのインフレ具合が強調されます。
たとえば「曹操」の固有戦法は「魏の英傑を10人仲間にすることで編成した魏の英傑の攻撃力をアップさせる」というもの。パーティを魏の英傑で固めることで、強力なシナジーを発揮することができます。
ざっくり説明すると、「炎」や「風」といった攻撃属性のほかにも「魏ビルド」「豊臣ビルド」といった方向性でもパーティを強化することができるんですね。

たとえばここに「魏の五将軍を集めることで、通常ひとりずつしか発動できない召喚技を同時に発動できるようになる」という、「張郃」の固有戦法を組み合わせると……。
「攻撃力が大幅アップした魏の五将軍が同時に召喚されて殴りかかる」という、なかなか凶悪なコンボが完成。筆者はこれに加えて「ボスに対するダメージアップ」「英傑召喚のクールダウン減少」といった効果も乗せていくことで、強力な攻撃を連発することができるようになり、初回クリアにこぎつけました。
このようにビルド要素をうまく組み合わせることで、印によるステータスアップで成長しつつ、固有戦法を絡めたシナジーを発生させ、爆発的に強力な攻撃を叩き込めるようになるわけです。
ほかにも「劉備・関羽・張飛を揃えると攻撃力が2倍になる」など。なにしろ100体も英傑がいるので挙げればキリがないのですが、ぜひ自分好みの英傑たちを揃えて強力なビルドを作っていただきたいです。
あまり深く考えなくても強力なパーティが組める親切設計
じつは正直なところ本作の体験中、最初のころは「こんなものなのかな……?」という感触でした。というのも、プレイ序盤は使用できる英傑があまり解放されておらず、固有戦法などのシナジー効果への理解も少なかったので、あまり強力なパーティを作ることができなかったのです。
しかしそこからプレイを続けていき、どんどんと英傑を解放していくことによってド派手な攻撃を繰り出せるようになっていきました。そこにいたるまでのプレイをサポートしてくれたのが、「戦闘力システム」や「おすすめ編成」といったサポート機能。

先述したような英傑の組み合わせによるシナジーを考えるのも楽しいのですが、強力なパーティの作成をアシストしてくれるような機能も充実しているので、「あまり難しいことを考えずに無双アクションの部分を楽しみたい」といった遊び方も可能。
本作では、英傑の強さや作成したパーティの総合力が「戦闘力」という数値で可視化されます。英傑を迎え入れる場面では単純に数値の高い英傑を選択したり、パーティを組むときにも戦闘力の数値を参考にしながら配置することができます。

「おすすめ編成」という自動で戦闘力が最大になるようなパーティ編成をしてくれる機能も存在しており、あまり深く考えずとも手持ちの英傑を最適な編成にしてくれます。
さらに、英傑選択時に「固有戦法」が発動する場合には、該当する英傑が金色に光るというアシスト機能も搭載。「とりあえず光っている英傑を集めてオートでおすすめ編成を組んで戦う」といったプレイングでも、けっこう強いパーティが組めてしまいます。
実際に筆者も序盤、ゲームシステムへの理解が深まるまではほとんど「おすすめ編成」だよりでゲームを進めていきました。そこから徐々に強そうなシナジーを発見していくことで、クリアまでの足がかりとすることができます。

「今日は気軽に遊びたいな」というプレイングも可能にしてくれる、かゆいところに手が届く便利機能となっています。
「『無双』シリーズのコーエーテクモがローグライトを作った」と聞いて、正直なところ最初は「どんなゲームになっているんだろう……?」という気持ちでプレイを始めました。どこか疑いの目があったのだと思います。
ところがどっこい、蓋を開けてみれば『無双』シリーズだからこそ味わえる爽快感がありました。ハチャメチャに強化された状態の「一斉召喚」は、一度味わうと忘れられない中毒性があります。思っていた以上にのめり込んでしまい、ラスボスを討伐するまで夢中で遊んでしまいました。
固有戦法などのシナジー効果に対する理解の有無でかなり印象が変わるので、この記事がお役に立てたら幸いです。
とんでもない数の敵が出てきても、とんでもない攻撃で蹴散らしてしまいましょう。『無双アビス』は、PlayStation5、PlayStation4、Nintendo Switch、Xbox SeriesX|S、PC(Steam)向けに2970円(税込)で発売中。