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ネクソンの新作RPG『Vindictus: Defying Fate』は「キャラクターカスタマイズの幅」が広すぎて “上級課金勢” のような見た目で遊べる! ファンタジー世界×変な服×強そうな武器=上級課金プレイヤー(に見える)という古き良きネトゲを思い出した

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このゲーム、“古き良きネトゲっぽさ” をビンビンに感じる。

ネクソンの新作アクションRPG『Vindictus: Defying Fate』は、キャラクターカスタマイズという点において群を抜いている。コスチュームが多様なうえに、そのコスチュームの染色までも自由自在。体型などを変化させるスライダーの幅もかなり広く、自分好みに変えることができる。

つまりどういうことかというと、美麗なグラフィックで描かれたファンタジー世界から(いい意味で)浮く。自分だけ派手なコスチュームを身に着けているため、周りが無課金に見えるのだ。

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ファンタジー世界×変な服×強そうな武器=超上級課金プレイヤ

筆者は、オンラインゲームで「ファンタジーな世界に似つかわしくない装備」のユーザーを見かけると、「あいつ……できるな」と感じてしまう。

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本作はキャラクターカスタマイズの自由度の高さから、美麗世界との “ギャップ” を作ることができるため昔よく遊んでいたMMORPGを思い出し、懐かしい気持ちになった。

一方で、アクションRPGとしての難度は高め。といっても極めてシビアなプレイを要求されるというわけではなく、難易度を下げることもできる。とにかくとことんこだわることができるので、その実態を見てほしい。

文/囲図囿図囲
編集/柳本マリエ


キャラクターカスタマイズが沼すぎてもはやロールプレイのためにアクションが存在するといっていいゲーム

本作をアクションRPGとして見た際の特徴としては、操作キャラクターを4人の中から選べることにあるだろう。また、待機中のキャラクターを “フォロワー” として選んで共に冒険することも目新しい。

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このキャラクターたちを、とんでもなく自由にカスタマイズできてしまう、というのが本作のヤバいところだ。上記2枚の画像はどちらも同じキャラクターである。全需要、補完完了。

本作ではレベルアップ時のステータス配分が存在しない。武器とコスチュームに関しても変化するのは見た目のみと、徹底してロールプレイにこだわって遊ぶことができる設計となっている。

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また、今回のテストプレイではコスチュームを入手するための探索をする必要はなかった。ゲーム内通貨で購入できるという仕組みだ。また、武器は素材を集めて鍛冶屋で製作することになる。取り逃すこともなければ、好きなタイミングで好きなコスチュームを手に入れることができるというのは、探索がガバガバな筆者としては救済されたポイントだ。

選べるコスチュームは幅がありすぎるが、なにより極めつけなのがそのすべてのコスチュームのすべてが染色に対応しているという点だ。もちろん武器もOK。しかも適用可能な部位も細かい。男子は真っ黒な刀身とか大好きだから。

プリセット登録ですぐさま変更することができたりと、「とにかく好きにやれ」と言われていることが伝わってくるシステムになっている。

漆黒の刃も黄金の刃も自由自在。黒いコートを真っ白にするだけで、キャラクターの物語も世界もまったく違うものに見えてくる。

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そして、キャラクターボディのカスタマイズにも力が入っている。大きくもできれば小さくもできる。その幅に関しては正直自由が過ぎると言いたい。とても助かる。ちなみに、ここでは身長の話をしています。

光沢感に関しても大きく変化させることができるが、いったい何のためなんだ?

ちなみに、コスチュームに関しては同じ性別であれば共通して使うことができる。同じコスチュームでもキャラクターによってまったく味が違うので、このあたりも素晴らしいポイントだ。

ソウルライクを遊びやすくしつつ難易度も高すぎず、とにかくキャラクターに拘れる基本システム

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本作のゲームシステムは、ソウルライクと言ってしまえば「あ~、そういうことね」と納得していただける読者の方も多いだろう。

道中にあるチェックポイントを開放しながらどんどん探索を進め、各所のボスを撃破していくというのが基本の流れである。死ねばチェックポイントに戻され、補充式のポーションがあったりと、このあたりはおなじみだ。

キャラクターの変更はチェックポイントでいつでも実施可能となっている。「このキャラだともしかしたら攻略しやすいかも?」みたいな局面はあっても、このキャラでなければキツいという局面に遭遇することはなく、筆者は気分で切り替えていた。攻略派も、キャラ愛で派も、問題なく楽しめると思う。

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戦闘面は、しっかり死ねる。いつ攻撃を差し込めばいいかなどの判断が重要で、ただ殴るだけでは勝てないというゲーム性だ。

とはいえ、覚えや読みよりもアクションに比重があるという印象が強い。防御行動に関する判定は優しめだ。また、敵の攻撃のプレイヤーキャラクターへの追従も一部を除いてゆるいため、立ち位置だけでなんとかなる局面も多かった。スタミナゲージの概念もないので、シビアなリソース管理も求められない。

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本作における通常攻撃は、基本攻撃から強攻撃への連携で技が変化するタイプとなっている。また、様々な効果を持つキャラクターごとのアクティブスキルもある。回避後の派生攻撃や、ダッシュ攻撃にジャンプ攻撃、ガードからのカウンターなど、攻め方は多彩。もちろん性能はキャラクターによって違うが、基本操作は共通だ。

キャラクターは誰もが異なったプレイフィールでやり込み軸が違っていておもしろい

一方の防御行動についてはキャラクターによってまったく味が異なる。筆者が本作の戦闘面で気に入っているのはこの部分だ。『The First Berserker: Khazan』もガードに回避に弾きにパリィにと、多様な防御手段を調和させていたのが爽快さに並ぶ魅力だった。この手のゲームの個性は守りに出る、と筆者は勝手に考えている。

まず、それぞれ性質が違うものの回避があることは共通している。しかし、敵の攻撃を防ぐという点においては大きな差がある。

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双剣を扱うリシタの場合、そもそもガードが存在しない。その代わり、素早いステップ回避を2回連続で出すことができる。また、回避後の攻撃の出が速いため、攻めが止まらないのが気持ちがいい。

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「フィオナ」は剣と盾を持ち、回避はローリングだ。盾は構え続けることができるので、ボスのガード不能攻撃以外をシャットアウトでき、とにかく硬い。そして、攻撃面が特別劣るかといえばそんなこともない。扱っていて最も安定して攻略することができた。

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大剣を携える「デリア」はふわりとしたステップ回避と、受付時間の短いガードの両方を使うことができる。守りを即座に攻撃につなげたい場合、ガードからのカウンターが最善手となるが、タイミングを計る必要があるため失敗のリスクが生じる。武器の見た目通り、いかに攻めるかを考えるキャラクターになっている。

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石柱と肉体で戦う「カロック」は、ローリング回避はできるが、ガードができない。しかし、ガードなんていらない。なんと強攻撃の出始めにガード判定があるため、タイミングを合わせることで敵の攻撃を無視してブン殴ることができる。上手くやればずっと殴れる。強靭を超えた強靭──筆者がプレイしていて個人的にいちばん楽しかったキャラクターだ。

ここまで紹介してきた通り、守りを軸に考えると各キャラクターのプレイフィールがまったく違ってくる。使いこなせばどのキャラクターも当然強いのだが、自分の好み・習熟度に合わせて臨機応変にプレイスタイルを変えることができるのが本作の大きな魅力だ。

また、見た目を重視するならフォロワーとしてついてきてもらうことができる。本作をプレイしていると、そのためのフォロワーだという可能性すら感じる。

ロールプレイって楽しいくて終わりがないよね

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冒険からお供がいてくれるのはやはり頼もしい。そして「なぜこのふたりなんだ?」という妄想もはかどる。

ただし、道中はフォロワーがいることがある程度前提になっている。なかなかに敵が多い。だからこそお互い背中を預けて戦っている感があるのでこういうのが好きな人は好きなはずだ。

ボス戦でも彼らが攻撃を引き付けてくれるので、その間は一方的に殴ることができて楽しい。ただ、割とあっさり倒される。助け起こさなくても時間経過で復活してくれるので、「行けそうだしここは攻めるか、いや耐えて味方の復活を待つか」といった判断をボス戦の中で要求されるのはソウルライクという位置づけで考えるなら新鮮な体験だった。

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一戦終わってまったり

筆者が最初に受けた印象は、美麗なグラフィックで歯ごたえの強いアクションRPGだった。しかし、コスチュームの多彩さとカスタマイズの幅に触れてから、一気にアクションRPGの枠を超えた親しみ深い「遊び」へと変わってしまったのが本作だ。

筆者は今、オンラインゲームやMMORPGってやっぱり “なりきる” ことがおもしろかったのだなと、昔を思い返して懐かしい気持ちになっている。しかし、本作の魅力はオールドゲーマーの感傷を呼び起こすだけではないはずだ。歯ごたえのあるアクションを求めるのもいい。なりきるのもいい。愛でるのもいい。このゲームの入り口は広く、そしてその底は計り知れない。

ライター
ストア派とシカゴ学派の観点から人生をゲームとして生きている。ライターとしてはクラス選択したばかり。esportsは嗜む程度で、ほとんど追う専・観る専。好きなゲームジャンルは、ハクスラ・放置ゲー・宇宙ゲー・工業ゲー。特に、『Factorio』には無上の喜びを感じ、クリアまでに1000時間かかるMODを完遂することが夢。趣味は漫画を読むことと、書籍とゲームを積むこと。3度の飯ほど『弐瓶勉』作品が好き。
Twitter:@abaranche
編集
幼少期からホラーゲームが好き。RPGは登場人物への感情移入が激しく的外れな考察をしがちで、レベル上げも怠るため終盤に苦しくなるタイプ。自著『デブからの脱却』(KADOKAWA)発売中
Twitter:@MarieYanamoto

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