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KONAMIの新作ゲーム『シャインポスト』が思ってたんと違う! 見た目の印象はアイドル育成ゲームなのに、蓋を開けてみたらガチめの経営シミュレーションゲームだった

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“アイドルシミュレーションゲーム” と聞いたら「自分がプロデューサーやマネージャーとなってアイドルと交流しながら成長していく」みたいなゲームを想像しませんか?

KONAMIの新作ゲーム『シャインポスト Be Your アイドル!』(以下、シャインポスト)も、てっきりそういう類のゲームなのかと思っていたのですが、いざ蓋を開けてみるとアイドルの皮をかぶった “シビアな” 経営シミュレーションゲーム でした。

「芸能事務所を大きくしながら3年後の武道館ライブを成功させる」という目的を達成させるためには、「事務所ステータスUP」「育成施設の強化」「メンバーの成長」の3軸でしっかりと戦略を練る必要があり、適当に進めているだけでは簡単に破産してしまいます。もはや目をかけるアイドルたちを決めないと、とてもじゃないけど回りません。

あっ、そっち側のシミュレーションなんだ?

「アイドルシミュレーションゲーム」の固定観念が覆されました。見た目はアイドル育成ゲームなのに、中身はガチガチの経営なんですよ。KONAMIのこれまでのシミュレーションゲームとは違って、ちょっと独特。

「●年目●月」「ターン数」「能力値」など、随所に “KONAMIっぽさ” が見られます。

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結論を先に書くと、2025年のベストゲームになるのではないかと感じるくらい『シャインポスト』に熱中しています。

理由は、ゲームとして “完成されている” ため。というのも極端な話、このゲームは登場人物が棒人間だったとしても成立すると思います。麻雀が「奥深いルール」だけでゲームとして成立するように、『シャインポスト』も「状況に応じた戦略を考えること」がおもしろいので、見た目に頼る必要がありません。

つまり『シャインポスト』は、見た目に頼る必要がないくらいゲームとして成立しているのに、個性豊かなキャラクターたちが出てくるわけです。

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そこで本稿では、経営シミュレーションゲーム『シャインポスト』の魅力について紹介いたします。正直なところ、発表時はまったく注目していなかったのでおもしろさに度肝を抜かれました。

※この記事は『シャインポスト Be Your アイドル!』の魅力をもっと知ってもらいたいKONAMIさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。


しっかりと戦略を練らないと簡単に破産する

プレイヤーは「芸能事務所を大きくしながら3年後の武道館ライブを成功させる」という目的を達成させるため、「事務所ステータスUP」「育成施設の強化」「メンバーの成長」の3軸をバランスよくこなしていく必要があります。

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具体的にはざっくり下記。

・武道館ライブを行うにはライブ実績を積む必要がある
・ライブ実績を積むにはブッキング費用が必要になる
・歌やダンスを練習する施設を作る費用が必要になる
・ライブでの衣装や楽曲を作る費用が必要になる
・ライブで販売するグッズを作る費用が必要になる
・資金を集めるにはスポンサーと契約したりアイドルが資金調達したりする
・スポンサーと契約するには営業や会食をする
・交流やライブが減るとアイドルがメンタル不調に陥る
・メンタル不調になるとライブで失敗する
・ライブが失敗すると赤字が増えていく

つまり、アイドルたちの士気をキープしたまま施設の増設やライブなどに必要な資金を集めなければなりません。3年以内という期限も設けられているため、しっかりと戦略を練らないと破産が待っています。

うまくできてるなあ!!!

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破産すると蟹漁に行くハメになることも

のちほど詳しく説明しますが、アイドルは1年毎に5名(1グループ)増えていくため3年目は15名のアイドルたちを育成しながら資金を集める必要があります。もうこうなると、後半は毎日だれかがメンタル不調に陥っている状態。

先ほど「目をかけるアイドルたちを決めないと回らない」と書いた理由をご理解いただけたでしょうか。

ちなみに筆者は事務所運営を優先していたので毎年順調に利益を出していたものの、アイドルとしてまったく育たなかったため、世間やファンから「事務所の怠慢がすべての原因」「努力を無駄にした」といった非難を浴びる結果となりました。

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ここからは実際のゲーム画面とともに見ていきましょう。

いきなり「10名から5名を選ぶオーディション」をさせられる

開始早々にプレイヤーは1期生の「グループ結成」を迫られます。10名の応募者のなかから5名を選ばなければなりません。これがけっこう悩んでしまうところで、見た目の好みで選ぶのか能力を優先して選ぶのか、人によって個性が出るのではないでしょうか。

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筆者は最終的に「髪色が青み寄り」の5名を選びました。青や黒が好きなので、そういった衣装にも合いやすいであろう髪色を基準に選んでいます。けっこう時間がかかりました。

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5名を選んだら、グループ名をつけます。自分でつけることで、思いのほか責任感が生まれました。先述のとおりアイドルは1年毎に5名(1グループ)増えていくため最大で3グループが在籍することとなります。グループ名はそれを踏まえたうえでつけたほうがいいかもしれません。

こうして、結成したグループとともに武道館ライブを目指すことになります。ただし武道館でライブを行うためには小さな会場から実績を積み、アイドルたちを「CLASSアップ」させなければなりません。

デビューライブを開催するために(任意も含め)必要なことはだいたい下記です。

①営業や広報で事務所ステータスを上げる
②ダンス練習場など施設を強化する
③衣装や楽曲を依頼する
④会場をブッキングする
⑤セットリストを作成する

さっそく「タワレコ新宿店」でブッキングを行いました。どうやら実在する会場が出てくるようです。会場リストのなかに、いまは閉館してしまった “スタコー” こと新木場の「STUDIO COAST」もあり、グッときてしまいました。

それでは1期生のデビューライブを見てください。

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ミスをすると顔に出る

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結果は、なんと失敗。ミスの連発で散々な結果になってしまいました。これは完全に育成不足です。

アイドルたちはそれぞれ「ボーカル」「ダンス」「カリスマ」「ビジュアル」「メンタル」「体力」のステータスがあり、施設の強化や交流を深めて成長させなければなりません。とくに体力が低いとライブ不可になってしまい、セットリストを組むことができないので積極的に上げたいところ。

とはいえひとりひとりに時間を割く余裕もなく、育成不足になってしまうのが現状です。さすがに初回から失敗するとは思っていなかったのでこのとき本当に頭を抱えました。めちゃくちゃシビア。

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デビューライブは失敗してしまいましたが、ライブが成功していくと大きな会場でのブッキングが可能になっていきます。ちなみに2期生のデビューライブも失敗しました。本当にシビア。

デビューライブは “ちゃんと歌が下手” な仕様になっている

ライブでは実際にアイドルたちが歌ってくれます。1期生のデビューライブを見たときまず最初に思ったことは「音めっちゃ外すじゃん」でした。でもこれ、どのメンバーがどのポジションでどの曲を歌うかはプレイヤーの選択次第なので、選んだメンバー(の声優さん)たちとの相性の問題かと思っていたんです。

しかしながら、ライブの回数をこなしていくにつれて音が外れなくなっていきました。デビューライブと3回目のライブでは明らかに3回目のほうが上手くなっている。

えっ? これもしかして仕様?

じつはこれ、KONAMIのAI歌声ライブラリを取り入れたことによる仕様らしいです。声優の歌声をディープラーニング技術で学習したものらしく、グループ結成直後などステータスが低いときはAIがあえて下手に歌っているとのこと。細かすぎるよ。

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3回目のライブは明らかに歌が上手くなっている

先ほど書いたとおり、どのメンバーがどのポジションでどの曲を歌うかはプレイヤーの選択次第。だからこそ、歌割りが全曲自由にできるAI歌声ライブラリが重要な役割を担っているんですね。

グループの成長を耳で確認することができるって、すごすぎません? かなり驚いたところだったので、ぜひ確認してほしいです。

武道館ライブはギリギリ達成! しかし非難を浴びる結果に

グループは3年契約のため、3年目に武道館ライブを達成できないと解散(卒業)することになります。解散したメンバーはそれぞれもとの生活に戻っていきました。

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筆者の戦略が甘いばかりに、申し訳ない。解散するとメンバーが減っていくので、筆者は下記のようになりました。

1年目:5名(1グループ在籍)
2年目:10名(2グループ在籍)
3年目:15名(3グループ在籍)
4年目:10名(1グループ解散/2グループ在籍)
5年目:5名(2グループ解散/1グループ在籍)

3期生のラストイヤーは、2グループがすでに解散しているため3期生だけに集中できるということもあり、なんとか武道館ライブを行うことができました。

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しかし、ただ武道館ライブを行うだけでは「成功」とは言えません。

育成不足のまま開催してしまったため、『日刊アイドルニュース.com』では「空回りの武道館ライブ 解散危機にファンが憤慨!」という見出しの記事を書かれてしまいました。うっ、無念。「事務所は罪深い」というコメントに1633件のいいねもついています。

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すべてにおいて反省しかありません。たぶん1年目の1ターン目から甘かった。いちばんの要因は、目先のお金のことしか考えていなかったからだと思います。

破産の危機に陥ることはなかったものの、アイドルたちとの交流を怠り、雑に扱ってしまいました。アイドルたちは交流を深めることで「覚醒」するので、そのあたりをもっと意識するべきだったと思います。

それにしても、「事務所ステータスUP」「育成施設の強化」「メンバーの成長」の “3軸” があるって奥が深すぎませんか? 1周目が終わった瞬間、いくつも戦略が浮かんできました。

1周目はこのような結果になってしまいましたが、つぎはもっと上を目指せます。やらせてください。


『シャインポスト』は、ガチの経営シミュレーションゲームでした。「状況に応じた戦略を考えること」が、本当におもしろくて熱中しています。

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正直なところ、この見た目でこんなにガチっているとは思わないじゃないですか。キャラクターのかわいさで誤魔化しているようなゲームかと思っていたんです。しかし蓋を開けてみればめちゃくちゃ奥深いゲームでした。

細かいところだと、ライブでのメンバーの配置(だれをセンターにするかなど)も細かく指示できたり、衣装もひとりひとり変えられたり、ライブ中は注視キャラを選べたり、こだわろうと思えばこだわれるところもすごくよかったです。とくに衣装はもっといろいろ着せてあげたかった。

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「アイドル育成ゲーム」というと、ちょっと抵抗があったり、自分向きではないと思う人もいると思います。しかしながら『シャインポスト』はこの見た目に頼る必要がないくらいゲームとしておもしろい。

実際に筆者は少し偏見の目で見てしまっていたので、けっこう反省してます。すみません、KONAMIのこと舐めてました。どうか筆者のこの驚きが、ひとりでも多くの人に伝わりますように。

©Konami Digital Entertainment,Straight Edge Inc. ©Konami Digital Entertainment

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