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「マンドレイク」はゴボウに近い、土と木の香りがするらしい。“きんぴら風”にするとシャクシャク軽快な歯ごたえに【書籍『モンスター解体図鑑』無料公開・第4弾】

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ファンタジー世界の生き物を討伐、解体、調理するための知識を「現実的に」描いた架空マニュアル本『モンスター解体図鑑』。本企画は気になるこの本の中身から、一部のモンスターを抜粋して紹介していく。

今回は第4回となり、モンスターは引っこ抜くと人を気絶させる悲鳴をあげる「マンドレイク」。収穫はやや危険そうだが、味はゴボウに近いとのこと。ただし未処理の根は微毒をふくむので、必ず乾燥させるか、ゆでるなどの工程が必要になるという。


マンドレイク(危険度C 魔法属性・草)

『モンスター解体図鑑』無料公開第3回「マンドレイク」_001

生態

湿潤な温帯林、特に朽木の陰やコケの多い林床に多く見られる。単体で生息するが、稀に3 〜 4 体が同じ木の根元に集まることがある。

地中に根茎を埋めて潜み、足音や土圧変化を感知すると警戒状態に入る。引き抜かれると、約10 秒間にわたって幻波振動が含まれる悲鳴を上げる。この悲鳴は生物の神経系に直接干渉するため、至近距離では気絶の危険がある。

6月中旬から7月初旬にかけては休眠期に入り、地上部の葉はすべて落葉し、地上には痕跡を残さないため、調査・採取の難易度が上がる。

おすすめ料理 人面根のきんぴら風根炒め
~朽木の蔭に秘められし薬根の苦香~

千切りにしたマンドレイクを砂糖と醤油で甘辛く炒めた料理。未処理の根は微毒を含むため、必ず乾燥や茹でた個体を使用すること。

ごぼうにも似た乾いた土と木の香りが鼻に抜け、噛み進めるうちに根の内側からほのかに滲む苦味と薬草特有の清涼感が感じられる。

中心部はわずかに繊維質が残り、歯ごたえはシャクシャクとした軽快な歯切れ。後味にはかすかな甘味とほろ苦さと、薬効を思わせるピリッとした辛味が残る。

唐辛子の刺激で温かさが強調され、特に冷えた夜などには体の芯からじんわりと温まるような満足感を得られる。

採取可能素材

食用可。乾燥・煎薬・粉末・酒漬けなどの形で利用される。

痛風、不眠症の薬や、媚薬になる。

細かいトゲが生えていて口触りが悪い。

毒があるので食用には適さない。

夜間にかすかに甘く香る花から、微量の香油が採取される。

側根

食用にはやや不向きだが、焙煎や粉砕することで香味料となる。外用薬の素材にもなる。

解体手順

step 01 洗浄する

土を払い落として、水で洗う。

step 02 小さい葉を取り除く

実を切り落とし、中心から生えている成長中の小さい葉を取り除く。

step 03 成長点を取り除く

小さい葉が残らないようにナイフを使ってギリギリで切り取る。

step 04 ヒモで括る

カバンの中には入れず、葉をヒモで縛り、カバンの外に括り付ける。

『モンスター解体図鑑』無料公開第3回「マンドレイク」_002

実や葉も活用できる

マンドレイクの果実

稀に夏の終わりに実をつけることがある。

内包する果汁には強力な幻覚誘導物質が含まれており、幻覚剤や秘薬の材料になる。現代では強力な禁制薬物に指定している国も多い。

生食は厳禁。未処理果実は嘔吐・幻覚・血圧上昇などの中毒症状を引き起こす恐れがある。

マンドレイクの葉

乾燥葉を粉末にして軟膏や湿布に調合することで、軽度の皮膚炎やかゆみを抑える効果があるとされる。

湯に浸して薬湯として使用する例も多いが、幻波残留成分の影響により、長時間の使用は軽いめまいや幻聴を引き起こすことがある。

『モンスター解体図鑑』無料公開第3回「マンドレイク」_003


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