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『鉄拳8』新キャラ・ミアリズちゃんがかわいすぎるのでノコノコと先行試遊会に参戦⇒情報量に圧倒されて腰抜けた。やたら長いプロフ文だが、これでも全体の「5%」らしい。なぜ?→「どこか一行でも興味を持ってもらえれば」とDが一言

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恥を忍んで正直に言うと、筆者は格闘ゲーム『鉄拳』シリーズについて何も知らない。

今回の取材の対象は、シリーズ最新作『鉄拳8』の新たなDLCキャラクター「ミアリズ」ちゃん。健康的な褐色肌が光るかわいい女の子だ。

『鉄拳』について何も知らないとは言え、さすがに何も調べないで取材に赴くのは失礼。ということで、さっそく公式サイトを見てプロフィールでも見てみる。どれどれ

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(画像は『鉄拳8』の公式サイトより)

おお~、マダガスカル出身で……アフリカの格闘術を扱う子で……と、読み進めた時。筆者は、ひとつの違和感に気づいた。

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(画像は『鉄拳8』の公式サイトより)

なんか、プロフィール文長くない?
名前や出身地を含めると、約800文字を超えている。
主人公らしき人物の「風間 仁(かざま じん)」ですら342文字なのに。

格闘ゲームのプロフィールってこんなんだっけ?……
ほかの格ゲーのキャラプロフィールを見ても、大体は3行とかで終わってるんですけど。

まぁ、もしかしたら「ミアリズ」ちゃんだけが特別長いのかもしれない。
DLCキャラだからね。盛りに盛ってるんでしょう。なので、ほかのキャラクターも見てみよう。

いや、なげぇな……。

なんで、こんなに長くなっちゃったの?
今回の取材は新キャラクター「ミアリズ」の試遊会だが、「鉄拳プロジェクト」でゲームディレクターをつとめる池田幸平氏にお話を伺うことができた。

せっかくなので、『鉄拳』初心者として『鉄拳』のキャラクターはなんでこんなに長いプロフィールになっているのか、その理由を聞いてみた。

※前述の通り筆者は『鉄拳』シリーズについての知識を持ち合わせておりません。識者の方は、ぜひとも温かい目でご覧いただきたい所存です。

文/取材:Squ
編集:TsushimaHiro


なぜ、バカほど長いプロフィールに?答えは“入り口を増やすため”

さっそく、会場にいる池田氏に話を伺うことができた。

\すみません~~!/
「わたくし、今回が初の『鉄拳』シリーズなんですけど、公式サイトのキャラ説明、めちゃくちゃ長くないですか?」

およそ初見でぶつけるべきでなさそうな質問だが、筆者はマジでわからなかったのでゆるしてほしい。なお、池田氏は笑いながら、あっさりと答えてくれた。

池田氏:
「私も、長いと思います(笑)」

ですよね~!!!!

池田氏いわく、なにも公式サイトの説明文は全部を理解してもらうために書いているのではなく「どこか一行でも刺さるところがあって興味を持ってもらえればいい」くらいの感覚で書かれているものなのだとか……。

実際、『鉄拳』シリーズ全体で見てみるとこのプロフィール欄には全体の5%くらいの情報量しかないらしい。…..え?あれで5%なの?

この文章量で5%?

なるほど、5%しかわからなくても、その範疇で「興味を持ってくれたらそれでOKです!」というスタンスなんだ。

しかも、よく見たら『FF16』の主人公クライヴがいるぞ?どういう世界観なんだ?

しかし、「どこか一行でも刺さるところがあれば」と言われてみると、確かにミアリズは“闘神の子”と呼ばれている点や、“緋色の瞳を持って生まれた”ところなど、いろいろと特徴的な部分がある。

池田氏は、「もちろん格闘ゲームなのでゲームシステムは一番大事です。でも、『鉄拳』の場合は音楽から入ってくれてもいいし、キャラクターやストーリーから入ってくれても良いです。」と一言。、あくまでこの長文プロフィールは、『鉄拳』シリーズの入り口のひとつであると教えてくれた。

そういうことであれば、むしろ「全部を追いかけて、ストーリーも世界設定も完璧に理解しなきゃダメ」というワケではなく、“BGMがやたらカッコいいから好き”とか、“特定のキャラのバックボーンだけ妙に詳しい”といった楽しみ方も大歓迎で、さまざまな視点からハマってもいいということだ。

池田氏はキャラクターやストーリーから入ってくれても良いと言ってくれたので、試しに、『鉄拳8』公式サイトに掲載されている『鉄拳』の歴史も見てみよう。

4000文字超えてた。
俺が悪かった。さすがはナンバリングタイトルが『8』まで出ているだけはあるが、きちんと全部繋がっているとは、恐れ入った。

これが、ギネス世界記録で“最も長く続くビデオゲームの物語”と認定されたストーリーの一端だというのか……

筆者は『鉄拳8』の公式サイトに、「1分でざっくり分かる!鉄拳シリーズ」という映像が設置されていたことに気づく。「これ以上の長文が来たら、俺は情報過多で溺死してしまう」とおそるおそる再生ボタンを押して視聴してみると、本当にざっくりと本作の概要が判明した。

要約すると、格闘大会が開催され、とある一族が父や祖父、孫などを崖の下に突き落としたりするお話が連続しているそうだ。

しかも、なぜか主人公が突如として悪魔化している。なぜ悪魔なのかはわからないが、凄まじい勢いだけは伝わってくる。

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(画像は『鉄拳8』の公式サイトより)

話は変わるが、筆者はここで唯一遊んだことのある『鉄拳』関連タイトルが『ポッ拳』であることを思い出し、池田氏に「どれくらい『鉄拳』シリーズと関連性があるんでしょうか」と聞いてみた。

※『ポッ拳』
『ポケットモンスター』シリーズと『鉄拳』シリーズのコラボレーションタイトルで、ポケットモンスターが1対1で戦う対戦ゲームとなっている。2017年に発売。

池田氏は、もちろん『ポッ拳』にも『鉄拳』のスタッフが関わっており、『ソウルキャリバー』のスタッフも加わっていたことを教えてくれた。また、「ポケモンの格ゲー」という表の顔とは別に、音楽や演出のノリの中に“鉄拳チームっぽさ”がけっこう仕込まれていたという。

“鉄拳チームっぽさ”とは何か聞いてみると、池田氏は「ゲームシステムだけではなく、音楽や世界観など、いろんなところに自分たちのエッセンスを混ぜていた」と嬉しそうに語っており、「そこまで愛のある人たちが作っているなら、それは公式サイトのテキストもぶ厚くなるよね」と、妙に納得できました。

つまり、『鉄拳』のストーリーがブッ飛んでいるのは、決してわかりづらくしてやろうという悪意ではなく「どこから見ても何かしら引っかかるものがあるように、情報とクセを盛りに盛った結果」ということなのでしょう。

実際、筆者は『鉄拳』シリーズの知識ゼロで試遊会に乗り込んでみたものの、気づけば会場に設置された『鉄拳8』のトレーニングモードで、ミアリズのコンボを2時間も練習していた。

『鉄拳8』、8人目の追加キャラクター「ミアリズ」って何者!?初心者目線の「ミアリズ」ファーストルックがまぶしすぎ

ということで、次はお目当ての「ミアリズ」の試遊体験に移ろう。

まずは、会場にて「ミアリズ」というキャラクターのザックリとした概要説明をあらためて聞かせてもらえた。

すると、彼女はマダガスカル出身で、母国の伝統的な格闘技「モラング」とアフリカ地域の格闘術をミックスさせたファイトスタイルを得意とする18歳の女の子であることがわかった。

好奇心が旺盛な子で、生態観察や動物の動きを真似するのが好きで、ワオキツネザルの親子バニラとカカオと仲良し。

勝ち負けに関係なく相手をリスペクトし、“拳トモ”と呼び、いつか拳トモ1000人を作ることを夢見ている。

ということらしい。
公式サイトによると、ミアリズは原因不明の高熱によって意識を失った後に、祖母から「白銀の闘神」が宿ったと伝えられてしまったとか。うん。もう驚かないぞ!

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(画像は TEKKEN 8 – 「ミアリズ」 ゲームプレイトレイラーより)

とにかく、『鉄拳』ではこういう不思議な世界観が認められていることはよくわかった。そりゃ闘神がでてきちゃったら、主人公が唐突に悪魔化したり、『FF16』とコラボもしますよね。

ひとまず納得(?)したところで、さっそくミアリズを触ってみることにしましょう。
まずは、コンボの練習だぁ……!

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わぁ……!

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わぁぁぁぁ.….ぁ….!

素晴らしい景色だ……
いったん他の格ゲー、全部引退しようかな。

「“格ゲー”って操作難しいよね」という自分の中の常識がいい意味でブチ壊された

……と、冗談はさておき。

筆者はミアリズの試遊に先立って、スタッフさんのおすすめ技「マンディニ・アイアイ」を教えていただきました。

どういう内容の技なのかは名前だけだとわからないが……どうやら、基本的なものらしい。まずは、コレをできるようになりたい。

マンディニ・アイアイ:▢▢△
※操作はPS5コントローラーを使用した際での表記です。

……えっ?

これだけ!?

筆者が想像していたる“格ゲー”とはコマンドがかけはなれているような……。
もっとこう、「↓↘→+P」とか、操作ミスを誘発しそうな感じじゃないの……!?

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会場へと向かう電車内でのイメージトレーニングを根底からくつがえすレベルで簡単だ。結果的に、格ゲーほぼ初心者の筆者でも、10分ほどでさまざまな技をくり出せるようになってしまいました。

ということで、次はもうちょっと上位の技に挑戦。先程の技コマンドは、実は次の技に繋げることができるのだ。

「マンディニ・アイアイ:▢▢△(→でモラング・ミルスへ)」
どうやら、基本コンボの最終段階で横(→)を入力すると、別の技の初動に移行できるようです。

モラング・ミルスに移行すると、今度はさらに下段や中段の2択攻撃に移行することが可能。この技を繋げていって、対戦相手を翻弄しよう!ということらしい。

せっかくなので、筆者は中段攻撃の練習を選択してみる。

ラク・マヴ:(モラング・ミルス中に)◯✕(下段攻撃)
ビビラヴァ・フチ:(モラング・ミルス中に)▢△(中段断攻撃)

なお、このモラング・ミルスというのは、マダガスカルで行われる格闘技「モラング」の試合前の儀式をイメージした特殊構えとのこと。なるほど、だからさまざまな攻撃に移るための初動の動きとして、その名前が採用されているのか。

モラング・ミルスは特定のコンボから移行する形で覚えましたが、もちろん、初動としても使うことが可能。例えば↓

モラング・ミルス:素早く→(右横)を入力した後に✕(攻撃)など

というわけで、先程まで学んだ内容と組み合わせてみると、
マンディニ・アイアイ→モラング・ミルス→ビビラヴァ・フチと、コンボを繋げるようになるということだ。といっても、入力しているコマンドは「▢▢△→▢△」という至ってシンプルなもの。

こんなにカッコいいのに!?タイミングを覚えることこそ難しいものの、やっぱり他の格闘ゲームに比べ、安定して成功するようになるまでの時間が圧倒的に早いように感じました。

……筆者はふだん、コンボ練習が大嫌いで格ゲーから逃げ出してしまうのですが、こうも成功してしまっていいんでしょうか?

ミアリズと『鉄拳8』のおかげで、コンボ練習の大事さや面白さが、少しづつ分かってきたような気がします。

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最終的には、追加で教えていただいた「とりコレコンボ(とりあえずコレだけ覚えれば戦える!?コンボ)」を組み合わせ、相手の体力を一度に半分くらい削れるようになりました。我ながら、伸びしろがありすぎる。

マンディニ・アイアイ→モラング・ミルス→ビビラヴァ・フチ→とりコレコンボ
▢▢△→ ▢△ ⇘△ ◯◯ ◯ ⇒◯◯◯

うおおぉ!なんか、なんかめっちゃそれっぽい技を繰り出せる!

格ゲーっておもしれぇ!!←(チョロい)

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※その後、コマンドリストのコマンド量を見て絶望するのはまた別のお話です。


……と、ひとしきり「鉄拳ってなんなんだ?」をこねくり回したところで、最後に実務的なお知らせもしておきましょう。

今回、記事で紹介した新キャラクター「ミアリズ」は、12月2日から早期アクセス、12月5日から一般アクセス開始される予定。『鉄拳8』はPlayStation 5/Xbox Series X|S/PC向けに発売中なので、対応ハードを持っていればミアリズに会いにいけます。

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(画像は 1分でざっくり分かる!鉄拳シリーズ【改定】より)

「世界観もストーリーもよくわからんけど、このキャラなんか好き」「コンボちょっと触ってみたい」くらいの、気軽なテンションで遊び始めていいゲーム、それが『鉄拳』……。

シリーズ知識ゼロのまま取材に突っ込んだ人間がここまで楽しくコンボを習得して帰ってきたので、きっとあなたも大丈夫。

ミアリズの早期アクセス開始日に、ぜひ“わからないまま”でもいいので、拳トモを探しに行ってみてください。

ライター
最近ゲーム業界にサメ映画ブームが来ている気が・・・え? 『スター・ウォーズ』のゲームが出すぎて手が回らない毎日。1日36時間欲しい。
編集・ライター
『MOTHER2』でひらがなを覚えてゲームと共に育った生粋のゲーマー。 国内外問わず、キャラメイクしたりシナリオが分岐するTRPGのようなゲームが好き。『Divinity: Original Sin 2』の有志翻訳に参加し、『バルダーズ・ゲート3』が日本語化される前にひとりで全文翻訳してクリアするほどRPGが好き。 『ゴースト・オブ・ツシマ』の舞台となった対馬のガイドもしている。 Xアカウント(旧Twitter)@Tsushimahiro23

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