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『鳴潮』のハードSF的な面白さと深さを語りたい! 「すべての存在がもつ“周波数”」「上空に広がる“天空海”」……序盤の難解な「秧秧」の話を分かりやすく解説してみた。Ver3で「SF世界」が舞台となったいま、初期からの設定を振り返る

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突然ですが、『鳴潮』のハードSF設定について語らせてください。

いきなり何を言い出すのかとお思いのことだろうが、少し背景を説明しよう。

2025年12月、『鳴潮』をこよなく愛するMCとメディア4社のライターで語る「鳴潮Ver3.0ゲームメディア座談会」が開催された。

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▲左からMC、メディアからは電撃オンライン、GameWith、AUTOMATON、電ファミニコゲーマー

このメディア座談会ではVer3で特に気になったテーマを各社メディアが持ち寄って議論するといった形式で、メディア勢が考える『鳴潮』の魅力について語り合うという内容になっている。

MCとしてすりっぷらーゼツさん、電撃オンラインからことめぐさん、GameWithから山田直輝さん、AUTOMATONから片岡龍一さん、電ファミニコゲーマーから筆者すまほエルフの出演者5名でお送りした。

現地ではVer3に登場する各共鳴者(キャラクター)のパネルに、「リンネー」と「モーニエ」の団子ぬいぐるみなど非常に気合の入ったセットが用意され、何事も全力で取り組む『鳴潮』の姿勢が垣間見えた。

そして、座談会では語り切れなかったSF話のアレコレや、この番組の制作裏話について記載していこうというのが本記事の概要だ。

特にお伝えしたいのは先述した通り、SF好きの筆者のトークテーマである「『鳴潮』のSF設定について」の部分。とりわけ、Ver3に入る以前、初期段階から存在していたSF要素の話だ。

SF……というと『鳴潮』Ver3のように近未来的な風景やロボット、アンドロイドというガジェット方面のイメージで想像される方が多いと思う。こちらもVer3での新しい『鳴潮』の魅力で、是非ともプレイして体験してほしいポイントだ。

ただし、SFにはもう1つ側面がある。SFとは“サイエンス・フィクション”であり、現実とは違う科学法則をベースにして、そこから理論や世界を組み立てていくという作風もあるのだ。これは定義こそ色々あるが、いわゆる“ハードSF”というジャンルに分類される。

実は『鳴潮』は、この“ハードSF”としてもよく考えられている作品なのだ。キーワードとなるのは「周波数」「天空海」。これらの設定は序盤に「秧秧(ヤンヤン)」によって語られているが、プレイし始めの段階だと彼女の語り口は少し複雑な上に、リリースから1年以上経っている関係で忘れてる方もいらっしゃると思う。

これからプレイされる方の序盤の理解の助けになることはもちろん、Ver3以降を楽しむにあたって、おそらく大事な話にもなると予想される内容を含んでいるため、既存プレイヤーの方もぜひチェックしてほしい。

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▲秧秧(ヤンヤン)「私が教えたこと……もちろん覚えてますよね、漂泊者さん……?」

取材・文/すまほエルフ
編集/海ソーマ

※この記事は『鳴潮』の魅力をもっと知ってもらいたいKURO GAMESさんと電ファミ編集部のタイアップ企画です。(※ただ、記事の内容は筆者個人の感想です)


Ver3でSF推しになった『鳴潮』。実は初期から存在していたSF設定とは?

上述の座談会にて、電ファミニコゲーマーからは「Ver3.0『鳴潮』のSF世界観に迫る」というトークテーマで話させていただいたが、タイトルの通り『鳴潮』のVer3では“学園×SF”ということで、SF要素が非常に押し出されている。

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▲Ver1の舞台「瑝瓏・今州」
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▲Ver2の舞台「リナシータ」
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▲Ver3の舞台「ラハイロイ」

実際に画像で見比べてみると、豊かな土地「瑝瓏・今州」を舞台としたVer1、西洋ファンタジーのようなVer2の「リナシータ」と比べると、Ver3の「ラハイロイ」のSF感は一目瞭然だ。

ロボットや学園を守るバリア、アンドロイド、軌道エレベーターなど、Ver3ではキャラクターやデザインにSF要素がふんだんに盛り込まれている。このあたりは、ぜひ実際にプレイして体験してみてほしい。

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▲Ver3の世界は見るからにSF要素満載だ

また、本作『鳴潮』はストーリーが非常に高品質な作品だ。映画的なカメラワークや表情の繊細さから織りなす圧倒的な演出で送られる物語は、深く考えなくても見るだけで感動できる。

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▲『鳴潮』のストーリーと表現と演出は「目で語る」と言われるほど素晴らしい

しかしその一方で、“物語の本筋”もかなり練って作られており、中でも注目したいのがVer1の頃から存在する『鳴潮』のSF設定だ。

『鳴潮』ではハードSF的な部分、“サイエンス・フィクション”の根幹として、大きく2つの要素が存在している。

1つは「周波数」。そして、もう1つは「天空海」だ。この2つについて、尺の関係で座談会の本編では話しきれなかった部分を、ここから詳しく記述していこうと思う。

すべての存在は「波」。『鳴潮』における「周波数」

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▲『鳴潮』の導入部分のムービーより「周波数」の表現

まずは、1つ目の「周波数」について言及していこう。本作『鳴潮』をプレイしていく上で頻出するこの単語は抑えておくと、グッと物語の理解が深まる。

『鳴潮』における「周波数」とはいわゆる「波」を表しているのだが、物理学的な言葉の厳密な定義は別として、この部分は感覚的に理解しやすいところだと思う。

ただ、『鳴潮』では作中の登場人物の存在・生命やその他の事象を表すのに「周波数」という表現を使う場面が数多く存在する。これはいったいどういうことだろうか?

それについて語る前に、我々の住む現実世界での、「波」がどうなっているのかという部分を知っておく必要がある。

現実世界の物理学では、量子力学的な観点で有名な実験として、電子を使って行われた二重スリット実験というものがある。この実験での重要な発見の1つとして、この世の物質は“粒子”の性質と、“波動”の性質の両方の性質を持っているということが明らかとなった点があるのだ。

ということは、そう、読者のあなたも、実は「波」、『鳴潮』でいうところの「周波数」の性質をもっているのである。……そう考えると、『鳴潮』の登場キャラたちに親近感が湧いてこないだろうか?

さて、サイエンス・フィクションである『鳴潮』では、この考え方が拡張されており、現実とは違ったものとなっている。

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▲『鳴潮』の世界においては、人から「周波数」が流れ出す

つまり、観測による波動関数の収縮を問わずに、『鳴潮』の世界では人間を含めたすべての存在、そして記憶や情報などでさえも「周波数」、つまり「波」であるということだ。

ここを抑えておくと、「周波数が弱ってるということは存在自体がピンチなんだな……」とか、「デバイスに周波数を保存していると言っているが、情報や記憶などを入れているんだな」とか、物語の理解が非常にスムーズになる。

より『鳴潮』の世界にのめり込めるようになるため、この「周波数」についてはぜひとも頭に入れておいて欲しいポイントとなっている。

謎に包まれた「天空海」。どういう存在なんだろう?

『鳴潮』の世界は、現実世界で我々の住む地球の代わりに、太陽系第三惑星「ソラリス(Sol-3)」が舞台となっているのだが、この惑星は我々の世界と大きく2つの違いがある。

1つは「悲鳴」と呼ばれる大災害により、現実の物理法則の一部が崩壊したこと。

この物理法則が変わっているという点についても、Ver2以前とは違ってVer3では「シンクロトロン」「スペクトル解析」「超電導」など、現実の物理法則にのっとった単語が学園の住人の会話に出てきているため、SF好きとしては注目したいポイントとなる。だが、今回はもう1つの違いについて解説をしたい。

2つ目の大きな違い。それがもう1つの重要なSF要素である「天空海」である。

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▲『鳴潮』Ver1の導入より「天空海」に佇む主人公「漂泊者」

この「天空海」は、惑星「ソラリス」の上空に出現している海のことを指す。

当然、我々の住む世界では地球から宇宙へ飛び立っても、空の上に海なんてものは存在しない。

しかし、この『鳴潮』の世界では遥か上空に海がある。そう思うと、現実世界との違い、SF的な面白さを感じて頂けるだろうか。

この「天空海」は、作中で「逆さまの海」と表現されている通り、重力も逆向きとなっており、そのため、物語の導入では主人公である「漂泊者」が地面に向かって下向きになって「天空海」に浸かっている様子が描かれている。

また、Ver1での「相里要」にまつわるストーリーの一部や各種テキストで言及されているのだが、「天空海」の影響で宇宙へ行くことが困難であるという設定がある。

Ver3の予告番組などで「宇宙」という言葉が出ていた通り、SF、そして宇宙が「ラハイロイ」ではキーとなって関わってくることが予想されるため、この「天空海」における上述の要素については理解しておきたい重要な部分となっている。

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加えて「ソラリス」や「天空海」について言及しておきたいことがある。

ただし、この部分の話については特に、“あくまで筆者個人の仮説・解釈である”という前提で読んで欲しい。

歴史的なハードSFの名著として、ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムが1961年に発表した『ソラリス』という小説がある。

『鳴潮』ではこの作品を参考にしつつ世界観の構築を行ったとも考えられ、面白いことに、本著内での「惑星ソラリス」でも惑星の上空に「海」が存在しているのだ。

この小説での「惑星ソラリス」の上空に漂う海の特徴として、『鳴潮』において過去をリフレインする現象「溯洄雨」に近い描写があったり、この「海」自体に意識が存在していたりと、『鳴潮』を深く考察する上で、非常に面白い要素が多い。

本著のネタバレも『鳴潮』のネタバレも防ぎたいのでボカした書き方になってしまうが「この小説ではこうだけど、『鳴潮』本編内のあの描写と照らし合わせて考えると、『鳴潮』でももしかして……?」と色々考えるのも楽しいのである。

そもそも本著「ソラリス」が非常に面白いSF小説であることもあり、「我こそはSF好きだ!」という方は是非とも手に取って確認してほしい。

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――「周波数」に「天空海」。これらのように、実は以前からハードSF的な側面もあった『鳴潮』。

Ver3での『鳴潮』の「ラハイロイ」は非常にSF要素に寄った世界観の国となっているため、今後『鳴潮』の物語の核心にせまっていくのではないかという期待でいちプレイヤーとして胸が一杯だ。

KURO GAMESの“神対応”。座談会の撮影にあたっての裏話

ここまでは、メディア座談会で語り切れなかった『鳴潮』のSF設定について詳しく書かせて頂いたが、本座談会は多くの方々の協力によって、成立したものである。

そして、この座談会を開くにあたって、非常に印象的な裏話が1つあり、最後にそれを紹介させていただきたい。

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▲Ver3試遊会の会場

この座談会の収録自体はVer3のリリース前に行われており、実施にあたって、一部メディアは中国広州に赴き試遊会に参加させていただいてから、収録に臨んだ。

この試遊会は当初、我々に連絡されていた情報では「メインストーリーも体験できるよ」という話だったのだが、実際は「メインストーリー以外のオープンワールド部分やバイク探索など各種」のみが遊べる内容だったようだ。

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▲会食での広州料理は非常に美味だった

この「メインストーリーは試遊会では体験できないよ」という事実は、実は試遊会の前日である中国への到着日に『鳴潮』開発のKURO GAMESさんを含めた会食の場で明かされた。

一部メディアの座談会のテーマではストーリーの魅力を前提とした内容が考えられてあったこともあり、「えっ、どうしよう!?」と、少し場が騒然となってしまった。

とはいうものの、「Ver3のプレイ楽しみだし、あるもので楽しんで座談会やりましょう!」という楽しい雰囲気で会食を終えたのだが、夜遅く現地時間23:30に驚きの連絡が届いた。

「マーケティングチームが急遽開発チームに相談し、日本のメディア向けに一部メインストーリーを体験できる環境を用意いたしました」

なんと急遽、Ver3.0のメインストーリーを事前に体験できることになったのだ。

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▲移転したばかりのKURO GAMES本社。1階には誰でも入れるグッズ売り場もあるぞ

そして当日、試遊会の後に、KURO GAMES本社に移動して、我々は夜遅くまで『鳴潮』のメインストーリーを堪能させて頂き、メディア座談会が成立するに至ったのである。

このKURO GAMESさんのフットワークの軽さと配慮に、ただただ感謝するばかりだ。

このような「全力でコンテンツを届ける」という姿勢が、『鳴潮』の人気と成功につながっているのではないかと実感した次第である。


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『鳴潮』の魅力はストーリー、アクション、演出、音楽、SEなど、数えきれないくらい多くあるが、本稿で言及した通りSF設定の部分についてもこだわりが強く、面白い要素となっている。

『鳴潮』は初期に比べて様々な点で非常に進化してきた。“学園×SF”の世界をバイクで駆け抜けるVer3での舞台「ラハイロイ」が気になった方は、始まったばかりのVer3.0という新しい区切りをきっかけに、是非とも『鳴潮』の“波”にのって頂きたい。

『鳴潮』Ver3.0は、2025年12月25日より配信中だ。

ライター
江戸時代より古くから文化の変遷を見続けており、現在広く遊ばれるスマホゲームに強く興味を持っているゲーマーエルフ。ゲームの基盤としては『ダライアス外伝』、『バトルガレッガ』などアーケードシューティングに熱中しており、いくつか全一なども持っているほど。スマホゲームをはじめとした運営型タイトルは、「推しキャラを数年という長期間使える」ということで悠久の時を生きるエルフの大好物。吟遊的な種族でもあるため、音楽にもこだわりが強く、素晴らしい楽曲のゲームも好む傾向にある。
Twitter:@Hagre_Elf
編集・ライター
『The Elder Scrolls』や『Dragon Age』などの海外RPGをやり込むことで英語力を身に付ける。最も脳を焼かれたゲームキャラは『Mass Effect』のタリゾラ。 面白そうなものには何でも興味を抱くやっかいな性分のため、日々重量を増す欲しいものリストの圧力に苦しんでいる。

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