現代と明治が鏡合わせとなる物語(あらすじ)
キャラの話ばっかりだったので、ここで物語序盤の説明を少し。
舞台は2006年の現代京都。
「現代っていっても2006年? ちょっと古くない?」と感じるでしょうが、我々の存在する現代とは若干違う科学レベルだとお考え下さい。
この世界ではド天才技術者の発明により、科学技術(特にAI関連)がさらに進歩しているため、リアルよりさらに近未来SFっぽさを感じる設定となっています。
京都ではAR(拡張現実)によって「過去の京都を保存する」というプロジェクト「Echoes of Kyoto」が進行しており、京都を街丸ごと明治時代に見せかける……という大がかりなARマッピングまで出来てしまう。

そんな近未来的な京都で起きたのが、「血で描かれた紋様の上に横たわる死体」という不可解な殺人事件。
事件を調べていくうちに、同じような「血の紋様殺人事件」が明治時代の京都にもあったことが判明し、さらに謎は深まっていく……という導入です。
SFみのある現代と、情緒あふれる明治モダンな物語が交互に展開する対比が面白く、殺人事件の捜査というミステリー的要素も加わってぐいぐい引き込まれる!
そんな深みのあるサスペンス系ビジュアルノベルが本作『DUSK INDEX: GION』なのでした。
もしかしたらありそうな近未来。SF要素も味が濃いぞ!
キャラやサスペンス要素だけでなく、ちりばめられたSF要素も楽しみの一つ。冒頭から出てくるガジェットなども見ていてウキウキします。

AR技術なども「リアルと地続きの近未来」を感じますね。
「今はやりのAIやARがもう少し発展したら、こういう世界になるのかな?」と想像しやすい表現がされ、なじみやすいです。あと50年もしたら本当になりそうだな……。ARI(1人1体持っているパーソナルAIアシスタント)はペット感覚で導入したいかも(すごい便利みたいだし)。
AI成長期のさなかにいる現代人としても、新技術と人間が共存しつつどう発展するのかを空想する上で、他人事とは思えない内容でした。
そのうえで、明治と現代で「流入してくる『科学の進歩』により、古いものが淘汰されていく危機感」をシンクロさせてくるのが上手。
日本有数の古都であり、サイバーシティとしても発展している京都が舞台なのも、二面性を感じさせて物語が際立つんですよね。色んな部分で対比がうまい構造です。
古くからロボットやアンドロイドなどで論じられてきた「機械(AI)は魂を持つのか」という問いや、「データ化された人間の処遇」なども物語に組み込まれていて、個人的に「いいぞ! SFしてる!」と喜んでいました。こういうの大好きなんで!
さらに物語独自の単語などは「インターミッション(幕間)」で解説をしてくれるという親切設計。解説役は「Echoes of Kyoto」の案内人であるヒカリちゃんです。大和撫子かわいい。
物語内でもニュートン力学から相対性理論、量子力学もついでに説明してくれます。
SF好きでも「この辺の概念、ふわっとしか覚えてないわ」みたいな部分を補強してくれるので大変ありがたいですね。
よく出てくる「シュレディンガーの猫」も、しっかり解説してくれて助かる~!(とはいえこの辺の説明は全部スルーしても話は進められるので、「早く続きが知りたい!」て人は飛ばせるのも優しみ)

そんなわけで、本作はミステリー風サスペンスのような導入で、事件の謎を追いかけていたと思ったら、交互にお出しされる2組のバディに情緒を乱され、いつのまにか濃密なSF展開と入り乱れるバディドラマを手に汗握って見守る…というジェットコースター状態でした。
「推しよ幸せになれーーーーーッ」とハラハラしながら応援してましたからね!!
結末が知りたい。けど終わりたくない……。
そんな気持ちでグルグルしながらも一気にクリアしてしまいました。
フウーーーーッ(天を仰ぐ)
もちろんストーリーは実際に体験してほしいため詳しくは言えないのですが、すごいお話を堪能しちゃったなという気持ちで一杯です。
この尊いバディたちがキャッキャしてるのをずっと見ていたい……。
ビジュアルノベルとしてもクリアに15時間前後という、なかなかの長編です。美麗なキャラクターデザインと、シーンを情感豊かに彩るBGMが、物語への没入感を一層高めてくれます。テキストはゲームウインドウ内で3行ごとに最適化表示され、長編シナリオでも快適なテンポで読み進められるのもいいですね。
2組のバディがどういう結末を迎えたのか、気になる方はぜひ楽しんでください!
推しを……推しカプを見て……!
『DUSK INDEX: GION』は2026年1月29日より発売中。Nintendo Switch、Steam、PS5で楽しめます。




