テニスって、お洒落なウェアに身を包んでする、華やかなスポーツに見える。
でも、コートの上で選手たちのメンタルは、実はバチバチの「格闘技」なのかもしれない──そんな風にも感じることはないだろうか(いや、実際に拳で語り合うことはないんだけど)。
今回紹介するNintendo Switch 2の最新作『マリオテニス フィーバー』は、そんな可憐、そして苛烈な貴族のスポーツ・テニスに『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』譲りのワンダホーを大量にぶち込んでしまったから、さあ大変。
ハチャメチャ過ぎるパーティー「テニス」ゲームが、爆誕している。
今作の目玉はなんと言っても「フィーバーラケット」。さまざま特殊効果つきのラケットを自由に選択して、「キャラクター能力×ラケット能力」で、組み合わせの最適解を探すのも楽しい。
テニスのはずなのに表示されているHPゲージ、大暴れするテニスコート──筆者の脳は、果たして本作についていけるのか!?そんなプレイレポートをお届けする。
狩られる前に、狩らなければいけない←テニスゲームの話をしています
『マリオテニス フィーバー』は、NINTENDO64時代から脈々と続く大人気テニスシリーズの最新作だ。今作では総勢38人のキャラクターが大集結。ラケットを片手に大乱闘、ならぬテニスを繰り広げる……。
しかし、ゲーム画面には格闘ゲームみたいな「体力ゲージ」と、必殺技っぽい「フィーバーゲージ」がある。
すみません、これ、本当にテニスゲームですか?
そんな疑問を抱きつつプレイ開始。さすがは伝統のシリーズ。過去作同様、本作も駆け引きが熱い。右に左にボールを振って、対応しようと相手がコートの奥に引っ込んだところで、ネット際にポンとボールを落とす……。そうそう、これぞテニスの醍醐味。
さっきまでラケットでぶん殴るのかもと、ちょっと心配したけど、ちゃんとテニスだった。
お、フィーバーゲージが光ってる。
よし、必殺技「フィーバーショット」だぁ、いっけえええええええ!!!
ん?
相手が跳ね返したボールでぶん殴られてるんですけど……。
めっちゃ後ろに吹き飛ばされて、ごっそり体力を削られてますけど……。
すみません、これ、本当に、本当にテニスゲームですか?
そう、本作は従来のテニスの駆け引きに加え、本作から追加された全30種類のフィーバーラケットで、「いかに相手の体力を削り取るか」が勝敗を分ける。
というのも、体力がゼロになると移動速度が激減し、ダブルスなら「K.O.」されて一時的にコートから退場させられる。狩られる前に、狩らなければならない。
フィーバーラケットは、ラケットごとに効果が違い、厄介すぎる災厄級のギミックをコートに出現させる。例えば「ドッスンラケット」は巨大なドッスンを召喚して相手を押しつぶし、「ファイアラケット」はコートを一瞬で火の海にする。とんでもないことだ。
しかも面白いのは、フィーバーショット自体を効果ごと打ち返せること。やり方は超シンプル。相手のショットがワンバウンドする前に打ち返す。たったこれだけ。
初心者でも秒でわかるルールのおかげで、プレイ中はフィーバーショットの打ち返し合戦が勃発する。しかもフィーバーショットをフィーバーショットで返すこともできるので、大乱戦は不可避だろう。
こうしたカウンターの応酬に、テニス本来の読み合いがくわわることで「格ゲー」的なピリピリとしたせめぎ合い、緊張感を生み出している。
テニスコートが大暴れするテニスゲームって、聞いたことありますか?僕はありません
収録されたゲームモードは全部で6つ。筆者のお気に入りは、スペシャルゲームの中の、「ワンダーコートマッチ」だ。抜群に面白い。筆者の想像力をはるかに越えたことが起こり続ける、「お祭り騒ぎ」に身を投じることができるのだ。
この「ワンダーコートマッチ」では、『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』の要素を随所に取り入れている。
で、どうなるかというと、なんとテニスコート自体が大暴れする。
このほかにも、
・試合中に「ワンダーフラワー」を取るとコートに突然、土管が出現
・大量のパックンフラワーが出現して壁を作る
・大量の「コロンポリン」が乱入してくる
などなど、もうカオスそのものだ。
カオスなどんちゃん騒ぎとあわせてお祭り感を演出してくれるのが、同じく『ワンダー』要素である「おしゃべりフラワー」の存在。あの、妙に太ましい声で、その場の空気を実況してくれるのだ。
プレイヤーのナイスプレーを褒めてくれたり、絶妙にツッコミを入れたり、大げさに驚いたり……。プレイしてからおしゃべりフラワーの不在を想像してみると、胸がキュッと締めつけられて切ない気分になる。そのくらい、この花の虜になってしまった。
ほかにも、テニスゲームらしい「トーナメント」「フリーマッチ」や、お題をクリアしながら塔の最上階を目指す「ミッションタワー」。ミニゲームをこなしてテニスの基本が学べるRPG風な「ストーリー」など、多彩なモードが用意されている。
特筆すべきは、「スイングモード」だろう。予備知識ゼロの初心者でもJoy-Con 2をぶん回すだけで操作ができ、本作の面白さをパーティーゲーム的に堪能できる。
ボリューム感が半端ない。「永遠に終わらない祭り」会場は、こちらです
あと、本作はボリュームが半端ない。
ラケットを口に加えてぶん回す「クリボー」や、初参戦の「ベビィワルイージ」など、ビジュアルだけで笑いが取れるキャラクターたちが、シリーズ最多の38人登場。
さらに、30種類のフィーバーラケットとの組み合わせは、1000通り以上。同じキャラクターでも毎回違うラケットを持って登場するから、やってもやっても飽きが来ない。
Nintendo Switch 2 の新機能「おすそわけ通信」を使えば、誰か1人がソフトを持っていれば、最大3人の「持っていない友達」と、即座にローカル通信対戦ができてしまう。そんな手軽さも魅力のひとつ。
誇張抜きで、2026年中ずっとプレイしていられる、筆者の「定番ゲーム」になりそうな予感だ。
『マリオテニス フィーバー』は、Switch 2のマシンパワーを存分に生かした、テニスシミュレーションというより、いい意味で「最高にハッピーでカオスな殴り合い」に全振りした、とても贅沢な作品だ。
フィーバーラケットによるカウンター合戦と、ワンダーなギミックが織りなすカオスは、勝っても負けても笑いが止まらない──そんな作品だ。













